日韓夫婦の心の旅もよう

日韓夫婦の心の旅もよう

韓国人が書く日本留学の志望動機書



 日本留学を希望する韓国人たちの志望動機書だ。
 これの日本語訳を私がチェックして文を整えている。


 なんで日本で留学したいのか?

 ほとんどの人が、自分の仕事に生かそうとまず日本語を覚えて、日本のしかるべき専門学校に行こうとしている。
 数えたわけではないが、感触としては9割ぐらいがすでに企業人として働いていて、さらなるステップアップを図ろうとしている。

 自動車関係、コンピューター関係、ファッション関係の人たちは日本での専門知識や流行を知らなければ、自分の業界で先端を走ることはできないと、なかなか熱い文章を書いていた。

 ほかに多いのは、ホテルや航空社で働く人たちが、日本人と接する機会が多いので日本語を覚えて、より質の高いサービスを提供したい、というもの。

 少し変り種は、ネイルアートを学びたい、デザインを学びたい、などなど。

「なんとなく日本の文化や日本人に興味があって・・・」という文章は見かけなかった。

 しかし、日本人と接して日本語を覚えようとしている人は実際にはいて、志望動機の話からはズレるが、これもついでに紹介したい。

 ケアンズで暮らしていた頃、うちには夫と仲良くなった韓国人学生たちがたくさん遊びに来た。
 彼らの行く語学学校では日本人と接する機会が多い。そこで日本人学生から日本語を教えてもらい、英語よりも日本語が上手になった人もいるぐらい。

 その子は女の子だったが、関西弁を仕込まれていて、友達の韓国人の女の子に

「アンタハブサイクデスネ」

 などと、日本人だったらムッとするようなことを言っている。聞いている方がヒヤヒヤだった。

 男の子たちの動機はわかりやすくて、ズバリ「日本の女の子と仲良くなりたい」だった。

 志望動機書の話からは、どんどんズレるが、日本の女の子はもてるんだ、などと単純に喜んではいけない。

「ここにいる食べたいと思った日本人の女は全部食べた。だからケアンズはもう出るんだ」などという噴飯者もいる。←日本の男にもこんなのはいますけどね。

 さて。
 志望動機書の話に戻そう。

 内容そのものも「へえ」と思ったが、もうひとつ興味深かったのが、文章から垣間見える親子関係。

 動機書は、「はじめまして」「こんにちは」といった挨拶から入る。もちろん少数なんだけど、次に

「私は尊敬する両親の愛情を一身に受けて育ちました・・・」

 こんな文章が続いたりして、こちらは目が点。

 日本に留学する理由を説明するのに関係あるのだろうか?

 あと比較的目に付いたのは、

「日本への留学について両親と相談したところ同意が得られたので」

 というもの。

 誰に相談するかは自由ですが、いちいち書くんですね。こんなことまで。

 親の支配力って大きいわ、やっぱ親子関係ディープだわ、と楽しませてくれた、アシスタント業務だった。




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