日韓夫婦の心の旅もよう

日韓夫婦の心の旅もよう

場当たり的夫婦(1)韓国脱出


 夫は自分の仕事を立ち上げようとしていましたが上手くいかず、加えて親との同居はどうにも大変でした。
 夫がお金を稼いで来ないというのもあり、
 義父、酒飲んで荒れる
  →義母、泣く
  →私、怯える。加えて言葉が不自由
  →夫、両親に怒る。私とお腹の子どもを心配する

 細かいことは忘れちゃいましたが、いろんなことがありまして、両親も私たちもほとほと困っていました。

 就職してここで頑張り続けるという選択もやってみようとはしたのですが、これまたパッとせず、この時は

「韓国を、そしてこの家を出ないと魂が死んでしまう」

 と思うぐらい私たちは精神的に追い詰められていて、韓国を脱出し、親から何もかも自立することを企てたのです。


 それぞれが、行きたい国と行きたい度を点数化して紙に書いてみました。
 そしてふたりの各国の点数を合計して、高い国に行こうと決めたのです。
 どうせ、どこへ行ってもお金がなくて苦労するのだから、せめて行きたい国に行ってやれと考えたのです。

 ふたりが行きたい国は、アメリカのなかでもハワイやフロリダ、そしてオーストラリア、カナダでした。
 ただ当時は11月でソウルはどんどん冷えていっていましたので、カナダなんて寒い国に行くのはやっぱりやめよう、とアメリカかオーストラリアになったのです。

 ふたりでインターネットで海外での職を探しましたが、あまりぱっとした成果はありません。

 実際に行ってみようと夫はオーストラリアへと飛び出しました。アメリカはテロの影響で、オーストラリアの方がビザの変更や延長はしやすいだろう、とふんでいたのです。

 私は当時飼っていたネコを連れて日本の実家に一時帰国し、夫からの連絡を待つことにしました。
 このとき妊娠7ヶ月目を迎えていました。

 ――― 続く





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