機能不全家族
一見、何の変哲もないごく普通の家族の中から、問題が発生することは少なくない。
仕事熱心な父親、良妻賢母の母親、親孝行のよい子・・・
一般的には普通の家族、もしくは、よい家族、のようにもみえる。
しかし、これが表向きだけのものだったら、その裏側には問題点がたくさん隠されていることがある。
・強固な役割やルールがある・・・父親や母親の言うことが絶対的ルールであったり、それを守らなかったらものすごく怒られたり、柔軟性が見られない家庭。いじめに関しても、家庭内の役割の中に基本ができていることがよくある。
・家族に共有されてる秘密がある・・・浮気、不倫、精神病など他人には知られたくない自分の家族の秘密に苦しむ。→本音が話せなくなる。
・生真面目・・・ユーモアのセンスがなく、融通がきかない。
・家族に、プライバシーが無い（個人間の境界線が曖昧である）・・・日記を見られる、机の引き出しやたんすの中を見られる、財布の中を調べられるなどがある。→自主性が薄れたり、自分が守られない→自分と他者の境界線が無く、依存的になる。
・家族偽の忠実（家族成員は家族から去ることを許さない）・・・いくつになっても親が中心。親離れ子離れができない。依存的。家、家族を大切にする。
・家族成員間の葛藤は否認され、無視される・・・葛藤することで成長するものだが、それが許されず不満のままにされ、自分で解決できない状態にされてしまう。
・変化に抵抗する・・・変わろうとすることを恐れて、今を維持しようとする。子供は成長するものである。心も体も常に変化をしていくものであるが、子供が大人になっていくことを恐れ、抵抗し否定する。
・家族は分断され、統一性がない・・・家族のなかのごたごたは無関心を装い、無視される。
これらは、どこの家にもあるようなことであるが、機能不全家族の特徴である。
また、よく怒りが爆発する、冷たい感じがする、虐待、他人や兄弟と比較される、批判される、親の期待を押し付けられる、お金・学歴・仕事を重視される、他人の目を気にする表面的にいい家族を作ろうとする、親が病気がち、親子の役割が逆転してる、夫婦間や嫁姑などの関係性が悪く喧嘩ばかりをしている、などもあると言われている。
こういったことが家族の中で育った子供は、不登校、いじめ、共依存、アダルトチルドレンなど、精神的に不安定になりやすいし、自己決定権がないために、自分で決めることができず、依存的になりやすい。
私の育った家も、典型的な機能不全家庭である。
それゆえ、気がつくとアダルトチルドレンといわれる特徴がたくさんある、共依存傾向の強い大人になってしまった。
この勉強をするまでは、ごく普通の家で育ち、親からも愛されていたと思っていた。
確かに愛されていたことには変わりないのだが、親の利己的な愛で縛られ、個人としての自己決定や、自分の夢まで奪われ、自分の意思を持つことも許されずに育ったために、自分の無い大人になってしまった。
自分の気持ちを大切にできず、他者の答えに重点を置く。
それゆえ、あなたの気持ちは？ときかれるとわからなくなってしまう。
これは、とても怖いことだ。
まだ、私の中にその状態は残っている。
そして、今も私を苦しめている。
今、カウンセリングを受けながら、これらを消化し、自分を取り戻す作業をしている。
カウンセラーだって、いろいろ抱えてる。
抱えてるから、カウンセリングの勉強をしてるといっても過言ではない。
未だに満足に恋愛ができないのも、きっとこういう背景があるのかと思う。
人として、心が健康に機能するためには、親のあり方は重要になってくる。
私はもし自分が親になったときは、自分と同じ子供にはしたくないって思った。
他人の目を気にして、自分を出せずに子供が苦しんでるなんて辛すぎる。
我慢をすることは大切だけど、快不快を感じることもできず、夢を持つこともできない子供は人形と一緒である。
親がしいたレールの上を走らなかったら許されないのは、子供の自主性を奪うことになると思うよ。
親は、子供が未来に向かってのレールを自分で作れるようにサポートする側に立つほうがいいように感じている。
子供は、所有物ではなく、意思をもった個人である。
子供の体を育てるのと同時に心も育てることは、大切なこと。
子供を大切にするということは、甘やかすことではない。
しつけは、親の感情で子供を虐待することではない。
子供だって、痛いんだということを大人が理解しないとならないと思う。
なかなか気がつくことは難しいし、どうしていいのかもわからないのが常なのだと思う。
私にとっても、機能不全家庭は身近なために、これからの課題になってくるだろう。
同じことを、繰り返さないために・・・
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