買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2008年10月29日
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というわけで、小林多喜二さんの「蟹工船」を読みました。

初めてこの本を読んだのは、伊藤整さんの「若い詩人の肖像」(これはとても面白い本です)のなかに登場する小林さんに興味を感じたからだったと思います。

「蟹工船」
前に読んだときも、さしたる感慨はなかったのですが、残念ながら今回も同じような感じで、むしろ「赤化小説」としてのプロパガンダ的な部分を以前より強く感じました。
しかし、今回は新たに、ワーキングプアなんたらの状態は、こんなにひどいのか!本当だろうか?と思ったことでした。

「党生活者」
党活動の使命、孤独、時には高揚がたんたんと書かれており、ある意味ノウハウ集みたい、ある意味暗号みたい、と思いました。


ところで、時代背景が気になったのでちょっと整理してみました。

1927(昭和2年)金融恐慌
1928(昭和3年)共産党員一斉検挙
1929(昭和4年)世界大恐慌、 「蟹工船」

1932(昭和7年)満州国建国、 「党生活者」
1933(昭和8年)多喜二死

1937(昭和12年)日中戦争

こんなに大変な時代に、こういう本が書かれたのだなと思うと、これはこれでとても感慨深いものがあります。

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Last updated  2008年10月29日 20時12分37秒
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