買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2012年02月01日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
恭子は「歌集 友鶴」を手にした。友鶴というのはどういう意味なのだろうかとたずねた。啓介は友鶴の意味を知っていた。雌雄そろいの鶴のことである。転じて、良い配偶者のたとえになっている。そのことを教えようかどうしようかと啓介は心の中で思案した。
「友鶴というのは・・・・・」
啓介が説明しかけると、恭子はさえぎった。
「いいわ、あたし帰ったら辞書を引いてみます」
それがいいと啓介はいった。

(野呂邦暢さん「鶴」(「愛についてのデッサン」所収)P245)



古(文)書、「詩」を巡るちょっとミステリ仕立ての、しみじみしたお話といった感じです。最後は、父を経て、自分のルーツ探しというおもむきもあります。
ただ、タイトルどおり、「愛についての」お話とすれば、僕としては、なんとも上品で禁欲的にすぎて、なにか物足りないように思うのですが、一方で、どことなく気になって仕方ないところがあります。

そこで、おそらく野呂さんの代表作であろう、「 諫早菖蒲日記 」を注文してみました。
野呂さんの本は、ほとんど絶版になっているようですが、機会をとらえて読んでみようと思います。


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Last updated  2012年02月01日 07時59分44秒
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