買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2013年05月30日
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「どうです」ブラウン神父はつつましげな様子で瞬きしながら、言った。「わたしにはアームストロングの陽気さが――他の人たちにとって――そんなに陽気なものだったかどうか疑問です。あんな愉快な老人は誰も殺せないとあなたはおっしゃいますが、わたしには確信がありません――「我らを試みに引き給わざれ」わたしがもし人を殺すとしたら」神父はさりげなく付け加えた。「殺すのはたぶん、楽天家でしょう」
「なぜです?」マートンは面白がって言った。「人は陽気なのが嫌いだとお考えですか?」
「人は何度も笑うことがすきです」とブラウン神父はこたえた。「しかし四六時中ニコニコしているのが好きだとは思いません。ユーモアのない陽気さというのは、じつに耐え難いものですからね」

(チェスタトン「三つの凶器」(「ブラウン神父の無心」所収)P345)



ブラウン神父ものを、こうやってまとめて読んだのは初めてですが、全体として粒ぞろいの小説集だと思います。

しかし、これってミステリなんですかね?
謎解きを中心に組み立てられていることは、間違いないないですから、そうなるのでしょうが、謎解きそのものとしてみれば、「んなわけないやろ」と思ってしまうものが多いですね。
ただ、それが、啓示であるかのように面白いこと、それ自体が謎のようなんでした。


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Last updated  2013年05月30日 20時48分22秒
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