病院で。。。



≪2. 病院で。。。≫





車内では、ずっと伏せして、息づかいは静か。

時折わずかにウッ。。。っと声が聞こえる。

もう少し、もう少し、我慢ね!



病院につき、先生方が出迎えて下さる。

車から降ろそうと、手を出すと、自分で降りると。

手だけ添えて、自力で降りた。

自分で歩いて、数段の階段も登って、シッポ振って院内へ。





先生の触診で、たしかに少し膨満感あり。

即、レントゲン。

胃の上部に、少し空気が溜まってた。

背骨にそって、横向きの瓢箪型のガス。

でも、それだけで危険な状態ではないとの診断。


私的には、勝手に気になる。。。





熱38.1℃。






2度目の発作。

朝と同様に、後ろ足から腰が砕けるように崩れた。

起き上がれない。

今思うと、これが最期の立ってる姿でした。

レントゲンまでが精一杯だったのね。。。

よく頑張った。



血液検査。

心電図。







心電図、異常なし。

白血球の異常な数値。


異常とは、どのくらいの数値なのか尋ねてみる。

頭がクラクラするわりには、妙に冷静な自分が、しつこく聞いていた。

知りたい!

何でも知っておきたい!



通常の3倍ちかい 30000 超とのこと。

やはりどこかに炎症が伴うらしい。




病理の結果、血中に感染を疑う重篤な要素が見られると。

熱が出てなくても、感染のケースもあるらしい。




恐らく、 細菌性心内膜炎 と診断。

感染なんて、どこで? いつ? 


空気中でも、外傷からでも、どこからでも入るものだそう。

菌が血液を回って心臓に菌が定着し増殖するらしい。

ずっと心臓を患ってる場合が多いとのこと。

昨日、今日ではなく、かなり時間がかかる話らしいが。。。

通常は心雑音が聞かれるそうだが、 りゅう は聞こえないとのこと。

りゅう 、心臓病はなかったけど。。。急性なのか?








どんどん息が荒くなる。さっきまでと違う。

家に居たとき以上に荒い。

身体を起こせない。

でも、何度も起き上がろうとしてた。




待合室で倒れてしまったので、奥の部屋に抱えて運ぶ。

ウンチがたくさん出てしまった。

さっき、起き上がろうとしてたのは、これだったんだね。

ちゃんと自分でしたかったのね。。。

気付いてあげられなくて、ごめんね。





出てしまったウンチは、とてもいい状態。下痢もなんにもない。

朝までしっかりごはん食べてたんだものね。。。

たくさん出るよね。。。




でも、この様子を見た瞬間、

頭の中を、冷たいものが走った。

同じような光景を見たことがある。。。

以前の動物病院で、緊急でゴールデンレトリバーが運びこまれた。

意識が無い子だった。。。


きっとあの子も、突然に倒れたんだ。。。

きっと、ついさっきまで、しっかりごはん食べてたんだよね。。。










見る見るうちに、容態が悪化。

気付いたら、もう舌が横に出てしまってる。

先生から危険な状態であることを告げられる。



うすうす解ってた。

もしかしたら、もう・・・?と感じてた。

でも、実際に先生からその言葉を聞くと、足から力が抜けていきそうだった。

頭から頬のあたりがしびれていくような気がした。








しっかりしてなくては。。。









何度もしつこく、なぜお腹が張ってるのか、膨らんでるのか?

影響ないのか?

尋ねてみる。

そこが私が一番気がかりなこと。

でも、さっきのレントゲンでも、まったく心配要らないとのこと。





心雑音なく、心電図に異常が無いのは、

心臓は一生懸命働いてても、充分に機能してないかららしい。






先生の声。。。色々な言葉が、遠くで聞こえたような気がする。

理解しようしたけど、理解するよ余裕が無かったような。。。





初めての患者。なるべく何でも説明して下さろうとしていた。

先生は、

「もし最期を迎えたら、ナゼだった? 何が原因だった?

 そう思われる飼い主さんの気持ちに、できるだけ応えたい。

 我々も納得できぬまま送りたくありません。」




確かにそう。その通り。知りたい。







念の為、胸部レントゲンを撮ってみるとのこと。


レントゲンなら痛くない?

りゅう が痛くないことなら、お願いしよう。。。

先生方3人がかりで抱きかかえられる。

もう抵抗も何もせずに、静かに抱えられてる。







肺はきれい。

水も溜まってない。

肺炎にもなってない。









ぐったりしてるけど、少し安定。




その間に、主人に電話。初めて容態を伝える。

主治医の先生にも電話。



このまま、自宅へ連れ帰ることも考える。

どちらがよかったのかな・・・?

あのとき、連れて帰ってたら、家で、私の腕の中で最期を迎えられたのかな?

でも、既に、車の移動はきつかったかも。



つい1時間半前にに病院に来たときとは、容態がまったく違ってた。 










血栓を予防するために、静脈に薬(ヘパリン)を投与。

そのために静脈に管を入れる。






「もう治療はいいです。連れて帰ります」って断ればよかったかな?

でもどこかに少しだけ期待があった気もする。


初めての病院。

診療時間が過ぎてても、先生方が総出で緊迫してる中、

「もう止めてください」の言葉が言えなかった。









右腕、嫌いなバリカン、よく頑張った。

怖いのに、もうほとんどイヤイヤもしなかったね。

管を入れるとき、痛かったの?

ちょっと鼻鳴らした。

その声が、今でも耳から離れない。





りゅう にとって、どちらがよかったのか・・・・

後悔。










よく頑張って完了。

頑張ったけど、薬の効果を確認する間もなく呼吸停止。








挿管っていうのかな?

太いL字型の器具が、口にこじ入れられる。




頭抱いていたい。

ずっと抱いていたい。

何もできずに見てる私。。。。。何もできない。





心臓マッサージ。

先生5人がかりで蘇生措置。



ときどき、 りゅう 、大きな口を開いて、上体をのけぞるようにした。

大きく息を吸い込むような仕草。

後日、お尻から、直腸を刺激すると呼吸が戻ることがあると知る。

その瞬間だったらしい。

見てるのが辛かった。

痛かったよね?

数回で、A先生の指示により止められる。

ちょっとホッとした。




心臓マッサージが続く。

モニターの音が、ピーピー響く。






主人が駆けつける。







もうそこまででいい。

もういいです。

もういいです。

充分です。

口から叫びそうになる。

懸命に努力してくれてる先生方を押しのけて、抱いてしまいたかった。

結局、何もできなかった。











8:00

りゅう 、最期まで、よく頑張った。

文句ひとついわずに、本当におりこうでした。

いい子だった。



遅くまで、総出で治療してくださった先生方に感謝します。







私の運転で帰宅。

主人が連れてきた そら 、ただ嬉しそうに無邪気。

主人の車のライトがピッタリついてくる。

みんなで一緒。




途中、思い出の公園に寄り道。

しばし りゅう に見せて、たくさん話をしました。

我が家へ迎えて最初のおでかけは、この公園でした。











*   *   *   *   *   *   *   *   *




後日、疑問に思ったことをA先生にお尋ねしてみた。

いろいろお尋ねしてみた。

何でも知っておきたかった。


死因としては、血管内に血栓ができ、心臓の弁にからみついて急激に悪化したのか?

または、高齢になって心臓の弁が吹き飛んだのかも。。。

そうすると、邪魔な弁が無いため、心雑音は聞こえないらしい。

病院に到着してからの急激な変化から、こういうケースが考えられるそうだ。












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