青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2020年02月05日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆Gibson J-50 ブレーシング剥がれ、トップクラック、セッティングの
 ご依頼を頂きました。
  ギターオーナー様は、成東ノイズのKomatu様です
 KIKI様のご紹介で工房にお越し頂いた当初は、搭載するピックアップのご相談と言うこと 
 でしたので、工房で常備してますフィッシュマンのNEO-Dでテストして頂き、
 J50との相性が良く直ぐにOKを頂きましたが、出音に別の違和感を感じましたので、
 軽くノックテストをしましたら、やはりブレーシングが剥がれてました。
  トップのクラックの原因は、ブレーシングが剥がれた事により起こる事が圧倒的に多く
 トップにクラックが入ってブレーシングが剥がれて無いと言う事は今まで有りませんでした。

 トップクラックでボディのエッジまでクラックが入った場合は、ライニングも必ず剥がれてます
 ので、リペアする時はライニングまで確認する必要が有ります

◆画像から確認して行きます

●トップに3本のクラックが入ってますが、正しくリペアすれば経験上クラックが原因で
 音質低下する事は有りませんのでご安心下さい
 クラックはソリッドトップの宿命かも知れません。




●弦交換する際にヘッドをクリーンングすると宜しいかと思います


●ピックガードが一部剥がれてます


●3本のクラックが入ってます

◆リペアを開始して行きます


●ピックガードの接着から始める事にしました。
 ピックガードが分厚いタイプでは無く、変形も有りませんのでマスキングテープと
 ピンポイントでクランプを掛けて接着して行きます






●左のクラックは既にリペアされてましたので、センターから貼り合わせて行きます
完全にプロの仕事ですがこの際にブレーシングの 確認をしなかったのかも知れません。
 この時に確認していれば、クラックの拡大を防げたかも知れません


●センターのクラックにニカワを流し込んでクランプで固定します


●右のクラックも貼り合わせて行きます

◆剥がれている ブレーシングを特定して行きます





②右Xブレーシングのセンター部分です

③ ②のブレーシングの後ろも剥がれてました【画像を撮り忘れてました】



●①から接着して行きます。
 タイトボンドを流し込んで、内部にジャッキを掛けてから外側にはボディクランプで
 固定をサポートします


●②を接着して行きます。
 タイトボンドを流し込んで、内部にジャッキを掛けてから外側にはボディクランプで
 固定をサポートします。ジャッキの後ろのピンクのマスキングテープが張ってある
 箇所が追加になった箇所です


●トップクラック&ブレーシングの剥がれのリペアも完了しましたので、内部から
 パッチで補強して行きます


●パッチはエゾ松材を使います


●この位置のブリッジ下までは手が入るので簡単です


●その奥は手が全く届かないので、滅多に使う事が無い11インチのサウンドホールクランプを
 使います。Gibsonの場合は、11インチのサウンドホールクランプを差し込むのも
 知恵の輪状態です。パッチの張り方は【非公開】です


●パッチ補強が完了しましたので、ハードウェアーを戻します




●NEO-Dは3メートルのシールド仕様なので、LRBのジャックを流用して内部配線タイプ
 に変更します


●弦高を確認します。K2仕様に修正します


●1E側は高すぎます


●1Eは理想的ですが、これはロッド調整をする前にナットを調整した事を意味します
 順番が逆と思います


●ナットの切込が不完全で、良く言いますと不思議なサステーンが掛かって聴こえる?
 K2は異音に感じます



●殆どトルクの掛かって無かったロッド調整後の弦高です、6EはOKですが
 1Eが0.25mm高いです、これ以上ロッドを締めますと5Fから上がフレットに
 接触しますので、サドルを調整して弦高を下げます


●サドルからも異音が出てました。1E&2Bが弦の進入角度に対して弦との接点の手前で 
 サドルに接触してまして、ハイポジションですと弦の張力で異音が出ないのですが
 7Fより下ですと、サスティーンの様に聴こえる音を発生させますので、弦高調整
 と共に修正します。
 全体の整形を見ますと完全にプロの仕事ですが、詰めが甘い感じがします



     修正後の画像アップ予定スペースです



●最終的に弦高調整が完了しましたので、1F~7Fで弦が接触して無いか確認します


◆仕上がりました



●J50の本来の音色を取り戻したと思います。このJ50は繊細な音を奏でるGibsonです
 前オーナー様は,ガンガン引き倒す奏法で無かったので、このタイプを選んだのでは
 無いかと勝手に想像します。
 ガンガン弾くGibsonオーナー様は【俺のGibson鳴らないだよなぁ~】
 と言いつつ喜んでいる様に聞こえるから不思議です。

◆試奏タイムです 
 8mmのモガミシールドにノイトレックのジャックでキューブ60で鳴らしますと
 繊細な音を奏でてくれます。NEO-Dとの相性もバッチリです。
 弾いていて楽しく何時までも弾いていたいギターです

🌸たいへんよくできました🌸


 とJ50からのお言葉です









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最終更新日  2020年03月02日 03時09分44秒
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