青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2024年03月12日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆Gibson ES-175D
ギターオーナー様は、京都府のKN様です
Kay L1311 に続いてご依頼を頂きました

◆画像から確認して行きます

●ES-175はGibsonのギターラインナップで、長期に渡って製作され続けられているギターです
 正に名機と呼ばれるモデルです






●ペグは新しい物に交換されている様です


●ネック裏のクリアが飛んでませんので、それ程弾き込まれていない様です


●バックの状態も良好で極上品です




◆リペア開始して行きます

●リペア前に試奏して見たのですが、6E/12Fで1.8mm//1E12Fで1.50mmの弦高で 
 バズるポジションが全く有りませんでした。
 演奏するには最高の状態で有るのですが、画像をご覧いただきますとヘッドが1E側に
 下がっている事が判ると思います。
 経験上1E側に下がっている事は、つまり捻じれているってことですが、この状態ですと
 弾くには相当弦高を上げなけれならず、現在の弦高で弾く事は不可能なはずです。

  この状態でご機嫌に弾けると言う事は、既にネックアイロンを掛けて捻じれを修正している
 事以外は考えられません。
 工房でも、フレットボードはストレートに修正出来ても、ヘッド材とネック材は接ぎ木接着


【過去の参考画像】 Gibson J-45 ネック捻じれの修正後です

●フレットボードはストレートでヘッドは左に下がってます【ナットの上のフレットと比較して下さい】
 ES-175Dも全く同じ状態で有ると事と、ロッドはスムースに回りますので
 ご相談頂いたネックアイロンを掛ける必要は有りません



👇フレットボードスケールを6E//センター部分//1E 側に当ててネックの状態を確認します



●センター部分も側問題有りません

●1E側も側問題有りません
 この事からネックアイロンで修正済である事が確定しました
 この様に自然現象でネックはストレートで、ヘッドだけ捻じれると言う現象は考え難いです


●トラストロッドも問題無く回る事を確認しました
 ロッドを完全フリーにしてネック材の本来の状態を確認するため、
 半日フリーにして確認する事にします


●六角ナットを磨いて再度ネック調整します
 ナットにキズが付くと言う事は、サイズ違いのボックスレンチを使ったか、専用工具以外を
 使った事が原因と思われます。工具使用の基本は、工具を他の用途に使用しないが大原則です



●ブリッジの土台をボディの曲面に合わせる前に、オクターブチューニングが合う位置を
 正確に出します
 ボディカラーが変化している位置付近でオクターブはバッチリ合います
  弦交換や弦に関わる作業をする時は、ブランコテールピースの下に養生をしておけば
 無用のキズを付けて頭を抱える事が無くなります


●念のためご確認致します
 上の新しいブリッジが発送に際にギターにセットされていた物で、
 下はハードケース内に入っていたブリッジです。
 ブリッジ土台をボディに合わせて、弦溝を付けるオーダーですから、
 上のブリッジをお使いになると言う事で間違い無いでしょうか?




●オクターブが合う位置をマーキングしてから、サンドペーパーをその位置に貼り付けます
 ピックアップが直ぐ上ですので、ストロークが取れないので回数で稼ぎ削って行きます


●土台に鉛筆でマーキングして、とても地味な作業ですが正確に削って行きます


●延べ150分間、地味な作業を続けてブリッジの接地面をボディと合わせました


●隙間が無い事を確認します


●オリジナル?のブリッジをセットしてブリッジ側の、E to Eを確認します
 微妙にズレている部分が有る様ですが、必要とするE to E 50mmが確認出来ればOKです


●新しいブリッジの弦跡を確認して、E to E の位置を決めてから各弦の位置をマーキングします


●オクターブが合う事を確認してある、オリジナルブリッジの弦接点位置を新しいブリッジに
 マーキングします


●同じ位置に弦接点が来る様に修正しました


●弦を張り戻して試奏しますと、1E弦の位置に僅かな違和感を感じますので
 確認します。5フレット以下のローポジションでも感じますので、ブリッジ側の
 E to E がズレている可能性は有りません。
 ※画像は6E側を基準に確認してます


●スペーシングルラーを動かさずに1E側を撮影しますと、1E弦が弦1.5本分外側に寄ってます

◆リペアでお預かりする前に弾かれた際に、違和感を全く感じられ無い様で有りましたら
 このままで問題は有りませんが、少しでも違和感を感じられた様でしたらナットの交換
 をお勧めしたいと思います

◆セッティングを決めて行きます

●1フレットのクリアランスを確認します


●6E/12Fは、2.0mmにセットして有ります


●1E/12Fは、1.50mmにセットして有ります


●ブリッジベースの位置とサドルの弦接点を微調整してオクターブも合わせて有ります


●ご用意頂いたエリクサーに交換しましたが、張って有った弦もまだ使える感じでしたので
 外した弦はエリクサーのパッケージに入れてお返し致します。
 ブリッジの決め位置にマスキングテープを貼った状態でお返し致します。
  今後弦交換をする際に、全弦を外さずに6E~4Dを交換してから、1E~3Gを交換しますと
 ブリッジ位置が殆どズレませんので宜しいかと思います




🌻K2ギターファクトリー
  千葉県八街市 八街 に-67-3 
   代表 加藤 和久
   ☏ O8O-5376-O998 
   ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております





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最終更新日  2024年03月30日 21時27分53秒
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