青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2024年04月21日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆Yamaki F-12
ギターオーナー様は、兵庫県在住の【薪拾いジジィ】様です
 現在リペア中の【 CHECKMATE】にリペアが完了次第発送して頂くと言う事で
 ご予約頂きました➡無事到着しました

◆メールで頂いた画像をアップ致します

店の倉庫から出てきたギターで、サイドやバックに若干のキズがありますが
 弾かれた形跡はほぼありません。
 弦はダルンダルンの状態でビニール袋に入ったままだったそうです。
 ボディー表面はラッカーが滅茶滅茶薄く、塗り方が残念な感じです。


●コーションマークにデラックスの表示が有りますが、ヘッドにデラックスの文字が入ってません
 細字のYmakiを見た記憶が有りません


●ペグの状態は良好です


●無傷に近い状態です
 画像で見る限りではクリアが極薄で吹かれている様です


●弦がダラダラに緩めて保管されていた様ですが、弦高が超絶高いと言う事は・・・
 今は考えない様にします。


🌻55年の眠りから覚めてギターとして活躍する時が来ました

●GW中で到着が遅れるかも?と心配してましたが午前中無事に届きました。ヤマト運輸様には
 感謝あるのみです。


●ビンテージギターで錆びが全く無いペグを初めて見ました

◆ロッド調整前に弦高が高い原因を確認します

●1フレットの高さはリペア前でしたら良く有るレベルの高さです


●6E/12Fで、5.00mm有ります


●1E/12Fは、4.60mm有ります


◆ロッド調整をします

●ロッドを調整する前のネックの状態です➡ロッドフリーと思います

●ロッドを締めて行きます

●締め方向限界手前まで締めても劇的な変化が有りません
 通常でしたら5フレットから1フレットまでは逆ゾリになるはずですので、
 ロッドの効きが宜しく無い様です

◆弦を外して更に確認します

●ボールエンドが素直に抜けませんのでリーマーで広げておきます


●ロッドフリーの状態で順ゾリの最大値は0.25mmですから、超絶高いレベルでは
 有りません


●ネックに非公開○○を掛けてから、ロッドを締め込んで行きますと
 1フレットで0.08mm逆ゾリになりましたが、もう少し逆ゾリになってくれればと思います


●ネックの元起きを確認しても2.00mmで、12Fが5.00mmになる事に違和感が有ります


◆ベストなセッティングにするためのアプローチは、沢山有りますが思考回路を
 リセットする必要が有ります



●ブリッジ全体のサンディングが甘いのでサンディングします

●綺麗なハカランダの木目がハッキリ出て来ました


◆弦高が高い原因はネックのセット角度以外に無い事が確定しました

●6E/12Fに2.5mmのスペーサーをセットします

●弦のテンションが掛かって無い状態で、6E弦のクリアランスが0.5mmしか有りません


●ボディの延長上に貼られているフレットボードの高さに対して、ブリッジが必要以上に
 厚みが有り高い訳では有りません。ブリッジの中央部分で標準的な10mm厚です



●元起き矯正用の治具をセットします


●6E弦のクリアランスが通常の状態になります


●ネックのセット角度を矯正するためシリコンラバー・ヒーターで短時間加熱します
 プラスチック製のポジションマークの交換が必要になる事は想定の範囲内です



●ボディトップの延長線よりも上に来る様に治具をセットします
 矯正に要する日数は予測不能です

◆いずれにしても半世紀前の事ですから許容範囲内と言う事で宜しいかと思います。
 この先はギター製作の先輩方から、あとを託された私の使命と思います

◆矯正治具を外して元起きの戻り具合を確認します 


●セッティング出来るレベルまで戻って来ましたが、治具を外して振れ戻りしないか
 確認する必要が有ります


●治具を外している合間に、シリコンラバーヒーターで収縮したプラスチック製の
 ポジションマークを白蝶貝のマークに交換します
 ロースウッドのパテを盛って埋め込みます


●パテが硬化しましたらサンドペーパーを掛けます


●パテが硬化しましたので、軽くサンディングして段差を無くしておきます


●エボニーのステインで着色します。 
 画像は蜜蝋ワックスを塗る前です


●ステインが乾きましたので、蜜蝋ワックスで仕上げます


●ロッドを回す度にギイギイ音がしますので、構造を確認しますとロッドの周囲が【コの字】の
 アルミの中に入ってました。音が発生する原因が判明しましたので、六角をバラシて潤滑材を
 スプレーしておきます


●サドルを調整する前にフレットボードを確認します



●ネックとフレットのボード に段差が出る程、フレットボードの乾燥が進んでます


●フレットのエッジが指に引っ掛りますのでエッジを処理します


●指腹に感じ無い様に修正して有ります


●弦高を下げるためにブリッジのトップを
1.5mm下げて有ります
 既存のサドルが緩く厚手のメモ用紙が入るくらい隙間が有ります

 サドルを作ります


●エボニーでサドルを削り出しました


◆セッティングを確認します

●6E/12Fは予定通り2.25mmの仕上がりです


●1E/12Fは1.75mmの仕上がりです


●ブリッジ周りの仕上がりです


●1フレットのクリアランスを整えました



●ストラップピンを打込みむ下穴を開けますと、数ミリ入ったところでドリルの手応えが
 無くなりました。ヒール材が中空になってる様なので、強度を上げるために
 タイトボンをを流し込んで埋木をして取付て有ります


●リペアの完了です

 セッティングが安定している事を確認してから発送させて頂きます


◆ネックの状態を確認します


●セッティング直後よりも弦高が下がってます
 弦高が下がると言う事は、リペアが成功していると判断してます


●ロッドを緩めて弦高を上げますが、2F〜7フレットのバズリが解消されません


●2F〜7Fを擦り合わせします


●フレットクラウンを修復します


●セティング後のネックの動きを一度修正してますので、この先はこの様な大きな変化は
 発生しないと思われますので、今週末にお送り出来る見込みです








🌻K2ギターファクトリー

  千葉県八街市 八街 に-67-3 
   代表 加藤 和久
   ☏ O8O-5376-O998 
   ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております






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最終更新日  2024年05月29日 07時48分54秒
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