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◆今回の便利工具はこれです●普通の二ブリングニッパーです 少しだけ改造して有ります●降りて来る刃の際に溝を入れる事によって、フレットターニングニッパーに改造しましが・・・●専用工具では有りませんので、少しだけ残ってしまいます●サイドバインディングに掛かる部分が少し残るので、ヤスリで綺麗に取除く 必要が有ります。しかし作業効率は大幅アップしてます。 SM社の専用工具を使えば良いのでしょうが、これでも十分に代用できます。 ●浮いたフレットを打込むためのツールです。 左から マホガニー丸棒/真鍮溝付き/山桜製/マホガニー角材 用途に合わせて使い分けますが、真鍮はフレットに擦り傷が出来ますので マスキングしてからの作業になります。
2016年12月06日
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◆K2の秘蔵コレクションのリゾネーターギターを、強制的にお買い上げされました HN/永遠のカントリーボーイS様にお届けする前の事前チェックです。●先日ルームK2をお尋ね頂きました、S様が・・・これ何入ってるの?と その存在がバレてしまい、試奏までは良かったのですが、 譲って!と拝み倒されてしまいましたので、お譲りする事になりました。 S様談 若い頃から欲しいと思ってたんだけど、何故か購入機会に恵まれ無かったんだよね! ここまで言われたら、気持ち良く送り出して上げたいと思います。 ・・・商売っ気は最初から有りません。◆メタル製では無いのですが、面白い音色で、良い音とは言い難いのですが、味わいの有る 面白いギターである事は間違い有りません。●バックの虎目は天然物です●サイドのタイガーストライプも天然物です●マホガニーのバック&サイドの虎目が気に入ってました●特別大きく調整する所は無いのですが、ロッドカバーが白黒3層のプラスチック製でしたので 味わいの有る木製に変えて欲しのいと、ピカピカだからレリック加工して・・・レリックに関し ましては即答で却下しました、ボディの味わいはギターとの触れ合った歴史で、加工して作る 物では無いので、これからギターと共に刻んで行って欲しいのです。●エボニーで切り出す事にしましたが・・・ ビス穴が際に有る関係で、穴を開けますと割れてしまいますので、違う方法で化粧する 事にしました。●べっ甲柄のピックガードで作り直しました、雰囲気が出てると思います。●現役で弾いてましたので、特に調整する所が無い事を確認して終了です。 お引渡し日を待つだけです。●本日、2017年2月19日 多忙な永遠のカントリーボーイ様のとのスケジュールが合い お引渡しさせて頂きまました。 試奏されている時の、ご満悦な笑顔にK2も嬉しくなってしまいました。
2016年12月04日
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◆今回はこれです●正確に75° が出てる治具で、人工水晶で出来てます。 日本を代表する家電メーカーの依頼で、試作品の部品を製造してる方に拝み倒して 製作して頂いた物です。●ギターで正確な75°の角度が必要な物と言えば・・・ナットしか有りません。(たぶん) ●この治具が無い時には、75°で正確に削り出すには神経を使いましたが、これを 製作して頂いてからは、5分も掛からず正確に削り出す事が出来る様になりました、 とても有難い治具で有ります。●誤差は+-0.0001 即ちジャスト75° です。 簡易測定器で測ったそうです。・・・小数点4桁で簡易測定器扱いとは驚きました。●日本の物作りの素晴らしさを実感しました。余談ですが、この治具を製作された方の技術で、今の液晶テレビの発展が有ると言っても言い過ぎでは有りません。
2016年12月04日
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◆今回のご依頼品は、S様所有のヘッドウェー です 小さめのボディでショートスケールなのですが、爆音!状態です。サウンドホールを こっちに向けて隣で弾かれますと思わず・・・うるさくて自分のギターの音が聞こえない から、あっち向けてね!とお願いするほどです、 爆音と言ってもエキゾーストノートですからご安心下さい。あのボディからあのパワー は何処から出て来るの?謎です。●前置きが長くなりましたが、ご依頼の内容は【若気の至り】の撤去です。●説明するまでも有りませんね!そうです、スッテカーです。 ドライヤーで温めれば取れるよとアドバイスさせて頂きましたが、HELP! 取れないからお願い でお引き受けしました。 ミトンで熱防御してドライヤーで温めれば。ハイこの通り!の予定でしたが、 確かに頑丈なステッカーで簡単に剥がれてくれません。アルミ材質で薄く硬い& 強固なテープで直ぐにパリパリと割れ、しかも、接着テープが残ります。 力任せや熱任せで強引にすると、ソリッドトップにダメージを残す事になりそれも駄目です。 ●スッテカーを匿名にするためのプレートです。●ステッカーは問題無く除去しましたが、お知らせしたい事は、 スッテカー貼ったららだめですよ! って事です。 特にサウンドホール左、右、中央下なんて貼ったら、それだけで音が籠ってしまいます。 ソリッドトップでは特に顕著に表れます。 S様が弾いてる時にサウンドホール下を手で抑えたら、スッテカー剥がさなきゃ! 剥がそうと思ってたのですが、後が残るから・・・と躊躇してたとの事でした。●音に関係ない装飾は不要です。カルロス・サンタナのヤマハSGも様に、エレキギター でしたら良いのですが、アコースチックギターはご法度で有ります。 プロでもいらっしゃいますよね?個人の自由ですからどうでも良いのですが、 良い子は真似しないで下さい!ってテロップ流して欲しいです。(笑)●ご依頼はここまででしたが、条件反射でクリーニング&ネック調整してたら、???発見! ●サウンドホールネック側にクラックが入ってます、幸いにもトップまでは達して無い のですが、放置すると面倒な事になりますので、クラックにタイトボンドを刷り込んで から、極薄のパッチで補強しておきました。●クランプにクッキングシートを貼っておきますと、はみ出たタイトボンドがクランプに 接着されないので安心です。一夜放置します。●この後の画像を撮り忘れてお届けしてしまいましたので、画像の追加は有りませんが 更に爆音を響かせたギターに、初めて出会った時と同じ状態に戻った様ですと感想を 頂き合ました。
2016年11月23日
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◆今回のご依頼品は、S様の名機 Crescent Moon by Tone Wood 製、 特注品のアコースティックギターです。●前回のリペア完了の画像の流用です 絶好調で凄い音色になってる!とお聞きしてましたので、リペアが原因では 無いと聞いて安心しました。 少し前にセッティングさせて頂いたギターなのですが、ブリッジの何と言う 名前なのか判らないのですが、弦のボールエンドを通す穴の前後を挟み込む ボーンの部品です。クラッシクギターに採用されてる形状です。 *画像のブリッジの真ん中のボーンです。 そのサウンドホール側の4D部分から折れてしまい、共鳴振動で凄い事になって いるので、取敢えずマスキングテープで止めたとの事でした。この事が後になって リペアのヒントとなりましたが、この時は気が付きませんでした。 ●リペア開始します。 こんな感じです・・・●ボーン製なのですが、僅かな幅に最大で2mm強の穴開け?ドリルのブレが出ない 超高性能なボール盤を使わないと6穴開け終わる前に確実に割れるよねぇ~ 悩んでもしょうがないので、トライしましたら・・・ パテ用の素材ボーンが増えました・・・予想通りなので余りショックは有りませんでした。 かと言ってシビアな仕事で使ってる仲間の、超々精密ボール盤を借りる訳行かないし・・・ ならば・・・ハカランダ、ハードメイプル、作って乗せちゃえばってなもんで、トライしま したが違和感有り有りです!リペアは美しくがポリシーですからNGです。 悩む事5日・・・もともとブリッジに接着剤で張り付けて有るのだから、オリジナルを接着すれば 済む事かも?マスキングテープで止めても効果が有ったのだから、タイトボンドで接着後に割れた 部分をボーンパテで埋めて整形すれば解決するはずです。●目論見は大正解でした●特大クリップで止めてる様子です。ブリッジ周辺はクリップが外れてもキズにならない 様に撮影後入念に養生しました。●ボーンをダイヤモンドヤスリで粉末にしてタイトボンドと混ぜて作ります。 サンドペーパーで粉にしますと、サンドペーパーの砂が混じりますのでダイヤモンド ヤスリを使いましょう。●●パテ盛って整形する前の状態です。この画像はマスキングが不十分ですから、撮影後に 全体をマスキングし直してますのでご安心下さい。●完全硬化するまで待ちます、待つ事もリペアで有ります。●表面を整形して完了です。 ・・・画像取り忘れて既にお届け済みです。 🌸たいへんよくできました🌸
2016年11月19日
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◆今回のご依頼品は,Gibson SONGWRITERです ご依頼者様は、HN/ドク様です。●画像からどうぞ! 今回は珍しくリペア前の画像です。●デスクトップパソコンご利用の方は、首を横にしてご覧くださいませ。●カスタムの称号は伊達では有りません。素晴らしいギターです。 今更ですが、ヘッドトップのハードメイプルバインディングは曲げたのか?切り出した のかどちらでしょうか?もし曲げたなら凄い事だと感心してしまいました。 蒸気を当てながら慎重に曲げても~~~ポッキ?と割れる事が有るので、どうやったら こうなるのでしょうか?●トップのスプルースも厳選されてる材と一目で簡単に判ります。 バインディングがメイプル【多分?】メイプルも良い感じですのでアイデア 頂きました。でも曲げ加工が大変そうです・・・マホガニーとは比較にならない程 面倒かも知れません? ●エレアコはアンプ通してなんぼ!の世界ですから、生音は・・・と言うか生音を 判断基準にしないのが通常ですが、このギブソンは生音も素晴らしいです。 私の知ってるギブソンとは違った音色です。●エンブレムです●ギブソンの凄い所はシリアルナンバーで、製作されたデータ全てが判る事です ダイナミックなお国柄とは思えない管理をされてます。 ●ご依頼の内容は *弦高の調整 *全体的なチェック *その他●昨夜にチューニングされた状態で試奏させて頂いた時の印象は、弦高はそれ程 高い訳では無いけれども、指板Rに各弦が有って無いので違和感を感じるのか?、 12Fと7F付近の高さが同程度からかな?測定用のスケールを持ってませんでした ので、あくまでも感触での印象です。●レギュラーチューニング前のネックの状態は 5Fを中心に逆ゾリ つまり、最終F~5Fまではストレートで、5F~1Fが僅かに逆ゾリ この状態は、どうって事有りません、良く有る事ですから気にする必要は全く有りません。 敢えて言いますと、レギュラーチューニング中の最初は、フレットに弦が接触してビビる 程度で、チューニングが終わる頃は低い弦高でご機嫌なコンディションにするセッティング する事は良く有る事です。 他に、捻じれ等の深刻な状態は一切認められませんでした。●トラストロッド 殆どフリーに近い状態でトルクは殆ど掛かって無い状態です、僅かに回した形跡が有る程度です◆レギュラーチューニング後は 昨夜試奏させて頂いた印象とは微妙に違い、ん?調整の必要有るのかな?と言うくらい 落ち着いてます。昨夜の順ゾリよりも反りの程度が軽く成ってる様に感じますが、 弦高は決して高く無いにも関わらず、僅かに違和感があるのは、順ゾリが原因と 1E2Bがほんの僅か高いからです。 ●調整開始します レギュラーチューニング後の順ゾリが許容範囲を超えてる為に、12Fと7Fの弦高の差が0.2mm しか無く、昨夜の印象が数値で明確になりました。 先ずはロッドを慎重に締めて行きます。僅かにトルクが掛かり始めましたら、3時以内に締める範囲を少なくして、少しほって起きます。すると、こんな感じになって来ました。●12Fで2.25mmは低いと言える高になりました、この調整で、次に重要な1Fは 調整前は、0.5mmピンク板がスカスカ通ってましたが、引っ掛りながら入る、 理想的な高さになりました。これですからナット溝の調整は最後の最後にしないと 自分で仕事を作ってしまうのです。 *若い頃師匠から、仕事かたずけてるのに自分で仕事作ってどうすんだ? 今でも時々思い出します。 PS,かたずける=作業中って事で帰り支度って事では無いです話が横にそれてしまいましたので戻します。●この調整でネックが決まりましたので、サドル調整に入ろうと思うのですが、 何か引っ掛ります。一日違うだけでネックの反りっぷりが変わる事です。 過去にも有りましたが、最低2回/2日はこの状態で【張りっぱなしでは無い】 レギュラーチューニングしてネックの動き具合を確認しないと、その日によって ビビったりビビらなかったり となる可能性が有りますので、ここは焦っては 行けないところです。 ・・・これからチューニングしてきます。昨夜と変化が無ければよいのですが、幸いにも雨が降ってきましたので、湿度上昇の気候変化テストが出来るのは幸運です。何事もポジテブが宜しいかと存じます。●ギブソンを甘く見てました 先ほどチューングして昨夜のデータと変化は有りませんでした、要するにネックが 微動だにしないと言う事です。●チューニングして測定したら次にする事は? 勿論試奏ですね! ・・・最終的なセッティングはまだですが、弾いてる環境かも知れませんが K2のリペアルームで弾くと、鳴る!って感想は訪問された殆どの方が 感想を述べられますが、それを差しい引いても大きくなった様な気がします。 ・・・明らかに昨夜とは違うと思います。 K2のリペアルームで鳴るギターの音色を確認する時は、リペアルームの外に出て 階段の踊り場付近で聴くと丁度良いと言う、変わったリペアルームなのです。 1~3弦の調整がビシッと決まった時が楽しみです。●余談ですが、鳴らないギターをな鳴るようにして下さい!と言うご依頼には 基本的にそれは無理ですが、鳴らない原因を突きとめて、その障害を取除く 事は出来ます。とお答えしてます。 しかしながら、楽器としての完成度が極端に低いギターは手の施しようが無い場合も有ります。 このケースでは、音の改善は諦めて、兎に角弾き易くセッティングするに尽きます。 すると、音にも良い結果が付いてきて、弾き易いから弾く すると音も良くなる事も有りました。 また、一流メーカーでも過度な期待と信用をしないで、シビアに吟味する耳を養いましょう。 特にマーチンを選ぶ時は自分で弾いたらさっぱり判りません。音が真直ぐ前に出ますので 弾いてる本人には余り聞こえません。それと、ギターのテクニックが凄い方の試奏も避けましょう 余り上手くない方がより良いと思います。曲を弾くのでは無く、全てのフレットにデットポイントが 無いか?オクターブは有ってるか?音ずまりは無いか?弦高、ネック捻じれは無いか?楽器としてでは 無く、木工業製品として吟味しましょう、楽器に変わるのは自宅に連れ帰って弾き始めてからだと 考えて下さい。◆セッティング開始します●調整前のサドルは・・・光が漏れてますので、平らに削られて無かった様です。 ルームK2は師匠から、平らな物は平らに、直角は直角に、75度は75度にと、とても 厳しく躾けられて来ましたが、この様に光が漏れるサドルがとても多いので、アバウトでも 良いのかな?なんて思う事も有ります。仮に完全密着してなくても音に影響は無いと数値で 立証されても、この原則を守って行きます。。●指板に合わせたサドルの整形後がこんな感じです。●親指横の光は、フレットロッカーの下から漏れたものです。角度を変えながら光が 漏れない事を確認しました。●マウントしてチューニングした画像です 6E/12Fです、とても低く弾き易セッティングに落ち着きました6E/7フレットです、計算上の弦高と一致しました。●では1E側はどうでしょう?こんな感じです。●1E12フレットも良い感じです●1E側の様子は 予定通りの高さに調整して有ります●マウントした状態の画像が抜けてました 後ほどアップします●試奏タイムです 弦の暴れも収まり低い弦高でボリュームも上がってます、後は低すぎてビビらないか の確認ですが、湿度の低い季節の設定の場合は、湿度が上がると弦高は上がるだけなので 湿度の高い時期の設定よりも簡単です。 先ほどまで、I氏宅で、マーチン・D45V、ギブソン・サザンジャンボ を久しぶりに 弾いて来ました、ドクさん様のエレアコとの比較をしたかったのでグッドタイミングでした。 ・・・当初は、D45Vに近いのかな?と思ってましたが、音の系統が違ってました、また サザンジャンボとも全く違う系統でした、つまり、エレアコの系統って事でしょう! 低音に魅了されそうです。●ご提案です *ブリッジに溝が有るタイプは溝の所からクラックが入る事が有り、オレンジオイル等で 保湿は必須です。オレンジオイルで保湿すればクラックを確実に防げる保証は有りま せんが、保湿しないとギブソ● は年数を重ねますとクラックが入る可能性がアップ しますので、こまめな保湿をして下さい。 *弦の選定ですが、現在のダダリオは3G~6Eを使い、1E/2Bにエリクサーを張ったら 個人的には面白いかな?と感じました、高音部の煌びやかな感じが好みなので、直感で 感じた次第です。 *張る弦は現在のゲージから換えない様にして下さい。細くしますとネックを順ゾリ方向の トルクが弱まり、フレットと弦が接触します。また、太くされますと順ゾリ方向のトルク が強まり、弦高が上がります。もしゲージを変更される場合は微調整しないと駄目ですから ご相談下さい。◆お届を週末に控えて試奏してました エレアコはボディ内に、振動を阻害するマイクAssyが入ってます。音色に良い影響などは 微塵も有りませんが、このギターはそのストレスを全く感じません、綺麗な澄んだ音色と 綺麗な中低音域で驚きの連続です。 アコギ用のアンプよりも、エレキ用ですが、K2一押しのVOXが合うような気がします。 ●単に弾きたいだけでしょうが? ・・・その通りで返す言葉も有りません で、レギュラーチューニング後の6E/12Fです。全く変化してませんし、ビビリも 有りませんでしたが、お届けの時にビビり始める事が有りますが、ロッドを10度戻せば 簡単に解消しますので心配無用かも知れません。🌸たいへんよくできました🌸
2016年11月13日
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◆今回のご依頼品は TFモーリス W-60 です。●既にペグ&弦は外してリペアを開始して居ります、毎度のお手付きです。●縦ロゴに憧れたゲスト様も多いのでは無いでしょうか?因みにK2も憧れてました。●3Pバック ピンボケしてます●サイド 逆サイドは省略します ●W-60のエンブレムですここでスペックを簡単に紹介しますと トップ ソリッドスプルース サイド ハカランダ合板 バック ハカランダ合板&メイプルセンター 3ピースバックです 昭和50年代のモーリスギターでは名機と呼ばれる数少ない個体です。【個人的な感想です】クライアント様は、ミキサーの仕事をされてましたU様です。●リペア箇所は・・・ ・フレットの浮き 特にハイポジション部分でのビビリ解消 ・弦高を限界まで下げる ・全体のセッティング●リペア開始します。 ・フレットの浮きは既に完了してます。浮いた画像を撮ったのですが、さっぱり浮いてるか 判らないので省略させて頂きました。シクネスゲージ0.2mm.が入る程度です エッジの仕上げが甘いと言うかバリが残ってます。ベベリングファイルで45~35度で 角度を付けて行きますが、その際にサイドモールも少し面取りする程度にベベリングファイル で仕上げるのが基本です。推測ですがベベリングファイルを使わずに1フレット毎に手仕上げ した様に見えます。フレット毎に角度長さが微妙に違います。バリを取って引っ掛らない様に 仕上げました。 ※初心者用と称した仕上げの悪い個体で、フレットで指を怪我した話しは時々聞きますが、 安いギター=初心者用 の方程式が馬鹿げてる事は間違って無いと思います。 ●ネックの上下に物を置かないと、後ろにピントが合ってしまうのでフレットの水平器は 特に意味が有りません。ストレートネックで有る事は判断出来ると思います。●フレットは前オーナー様が擦り合わせされてたようです、フレットロッカーを使用すれば 全体の擦り合わせしなくて済んでたかも知れません。 2000番の極細スチールウールで磨きましたのでピカピカです。 指板にはオレンジオイルで保湿して有ります。●ヘッド&ペグがピカピカですと見た印象が大きく変わります。 ヘッドは鏡面仕上げでピカピカ ペグはピカールでピカピカです。 ネック裏~ボディ全体は既にピカピカにして有ります。●弦高を限界まで下げる工程に進みます。●サドル外しましたら・・・絶句 溝が無いというか、両サイドは窪みに入ってるって 感じです、ここまで削った事が無いと言うか、ここまで削ったら溝を深く掘った方が 良いと思いますが・・・センター部分で僅か2mm弱しか有りません、新品では最低5mmは有りますので削るの大変だったと思います。●センターで4.5mmまで溝を掘る事が出来る様です。●ブリッジ厚 7mm センターの深さ 2.0mm 引算しますとブリッジ底面まで 5mm有りますので、3mm掘っても大丈夫です。●ドルメル4000の出番です。ブログアップしてからドルメルを使うリペアは初めて だったと思います。リーマーと言えばドルメルでしょう、ギターリペア用のアタッチメントの 豊富さでは他を圧倒してます。●治具が使えませんので、フリーハンドで削って行きます。幸運にもサドルが2.8mm なので、3~3.2mmのサドルにサイズアップ出来ますので、若干サイドを削っても 修正が効きますので、慎重に削って行きます。●ほんの数分で掘り終りましたが、底面はブリッジファイルで平らに仕上げていきます。 ブリッジを削る時に、黒で塗って有るブリッジの場合は、全ての塗料を落とさないと 画像の様に変に見えます、手間は掛かりますがこれがリペアでは無いでしょうか?◆ブリッジの修正後です ●既にアマニオイルで仕上げて有ります。十分な溝の深さを確保して有りますので 牛骨サドルの振動を確実にボディに伝えてくれます。 仕上げの最後に、亜麻仁油主体の蜜蝋ワックス【蜜蝋20%高濃度】で仕上げて ブリッジは完了です。●周囲に残ったままのブラックペイントを、落としただけで随分印象が変わると思います。 ストリングガイドも修正して有ります。●この一手間は・・・もし自分のギターだったらこうするでしょう? 考えられる全ての工程を全身全霊で粛々と進めるが、ルームK2のリペアに関する 考え方です。●マホ材で仮サドルを作って調整しましたが、指板のR350に合わせますと4&3弦が 出っ張ってしまいます。やっぱりでした・・・ブリッジ中央部分のボディが隆起し てます。●R350でサドルを削り出してから、4&3弦部分のみを0.5mm程度削ぎ落します。 すると、計算通り弦高が暴れずに綺麗な弧を描いてくれます。●これでしたら本業がエレキギターのU様も納得して頂けるのでは無いでしょうか?●12フレットの弦高が決まりましたので、次は1フレットの調整でが、1フレットは 最後の最後に調整しませんと、ナットの作り直しになる可能性が有りますので 充分に注意しないといけません。●6,5,4弦が若干高かったので、ほんの少し溝調整しました。ピンク板はお馴染みの 0.5mm板です。これが微妙に引っ掛りながら入るのがベストの高さです。●サイドのクラックを点検しましたら、2枚合わせ両方に達してました。 このケースは見て見ぬふりしたらNGです。 この様なクラックの原因の多くは落としたor倒したのどちらかです。 表面からクラックにニカワを流し込んで、内部にには補強のパッチ板を貼ります。●●パッチを張る箇所にマーキングを予め付けておきます。●パッチを張りました●クランプが掛けられませんので、マスキングテープで止めて浮上がりを防止します。 予めボディのRに合わせてパッチにもRを付けて有りますので、素直に合ってくれました。 ソリッドサイドの割れ止めでは有りません割れ補修ですから、間違えない様にしましょう。●表面のクラックにはラッカーを2回程塗ってから、サンドペーパー~コンパウンド~ワックス の順で仕上げていきます。●クリアラッカーを塗ったのが判りますか?画像では全く分かりませんですね。 仕上げはこれからです。完全に硬化しないでペーパー掛けると、妙な事に なりますので、急いてはいけません。待つときは待つ!がリペアの鉄則です。●割れ後は残りますが、補修は完全です音への影響も皆無と思います。●マホガニーで作った仮サドルに合わせて、ボーンサドルを削り出していきます。 オーバーサイズで削り出してから微調整して行きます。大は小を兼ねます。●削り出しが完全に終わって後に、仕上げとして↓のマイクロファインで磨くと 艶が出ます。まるで象牙に見えてしまいます。●画像では伝え切れないのが残念です。●リペア後のサドルです。●オクターブチェック?勿論済みです●最終調整後の12Fです。2.27mmと言うところでしょうか●仕上がりの画像です。何時もの通り横向いて見て下さい。●ギターファクトリーK2 のPCはデスクトップなので、横向く必要が有りますが ノートPC&スマホの方は横向く必要が無い事に気が付いてしまいました。●試奏タイム! ハカランダモデルを数多くリペア&試奏して来ましたが、それぞれに個性が有り 流石にハカランダだね!と感じますが、このW-60は他のモデルとは違った味わい が有り、例えが難しいのですが、元気いっぱいの若武者!って感じです。 弦との相性も有ると思いますが、元気で軽快な大音量で鳴ってくれます。 試奏した感じですと、エリクサー&マーチン弦よりも、ダダリオ との相性が ベストに感じました。 在庫にダダリオ011弦が無くて、取敢えずアリアの弦を張って有りますが、アリアで これだけ鳴るのですから、素晴らしいギターで有る事は間違い有りません。🌸たいへんよくできました🌸
2016年11月06日
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◆ギターリペアルームK2の面白便利工具を紹介します●今回はこれです●ギターテクニシャンの方で、スチュアートマグドナルド社【スチュアートマック】を 知らない方はいないでしょう?アメリカのギター関係の工具、パーツのメーカーです。 最新号を取り寄せましたが、見ていて飽きないですね!読むと頭が痛くなります。 個人輸入は困難を極めます。DHL便で頼むと送料込みでアメリカ価格の約3倍! 日本の市場は閉鎖的だとか何とか言う前に、もっと気軽に購入で出来る様に努力したら? と言いたいです。HP/カタログ 全て英語で、試しに本社に電話したら日本語判る方 居ないし・・・ハロー!キャン・ユー・スピーク・ジャパニーズ?しか通じませんでした(笑) 【IP電話なので通話料が市内通話より安いのです】●これは何でしょう?●フレット打ち換えの時の工具ですが、フレットニッパー2種類はどうって事無いのですが 実はステンレスのプレートが優れ物なのです。 フレットを抜くと時に、ハンダ鏝で温めてからニッパーで慎重に抜いて行くのですが、 構造上、フレットのギザギザが指板に食い込んでるので、時にフレット溝にダメージを 残す事が有り、専用補修パテで修正する必要が出て来ます。 *0.5mmの溝専用プレートを入れて、パテ盛り、乾燥、サンディングの工程 これこそ師匠の教えの【自分で仕事作ってどうすんだ?】です。 フレットの端を持ち上げたら、このプレートを指板とフレットの間に挟み込んで抜き進めて て行きます。 Wの効果が有り、フレット溝が傷みにくい&ニッパーでフレットのキズが付かない! 工房作ですがオリジナルのアイデアは有りません、 リクパ【逆読】です。 ●横30ミリ 縦15ミリ のステンレス板から作りました さてこれは何でしょうか? 実はとっても便利な工具です●サドルの弦との接点がサドル中央で有れば、中央に罫書き線を引く必要が無く削り 始められ、しかも正確にサドル中央に頂点が来るという便利な工具です。 使用上の用法及び注意点は ①サドルは左右10ミリ程度長めに切出してからこの工具を使って山型に削り出してから ブリッジに合わせて切断する事。丁度良い長さからですと両端の整形が綺麗になり難い からです。 ②必ずバイス【万力】に固定して使う事 サドルを手に持った状態ですと削り難く、加工精度も落ちます●本業のパイプソーの切れなくなった刃を加工して作りました。●次はこれです●何処にも有るスクレーパーなので、これがどうしたの?と思われるかも知れませんが、 今までは上の形状の物しかなく、例えばブレーシングの浮きを調べる時に、上は右側 のブレーシングを調べるのに適した形状で、これを左側に使うと実は使い難いのです それで、下の形状ですと左側の調査に適した形状なのです。以前から逆向きが有れば 良いのにって思ってたところ、取引先からの情報で早速仕入れました。◆面白便利工具を紹介します●ブレーシングの浮きを接着する時に使う、【ジャッキ】と言う物です。 両端の丸棒が止まってる全ネジは、逆ネジになってまして、センターの丸棒を回すと 両方が開くor締まる 方向に動いて行きます。SM社でも購入出来るのですが、 効果が同じで自作出来る物は自作するがポリシーですから作ってしまいました。 とても便利です。●次はこれです●なんだこりゃ?って思われたかも知れません。 弦を張ったままの状態で【チューニング状態で】フレットが擦り合わせ可能な H型のアルミ板です。一度に1~6弦は出来ませんが、1弦と2弦の間にセットして Xを描く様に軽く擦り合わせすればOKです。これを順に5&6弦まで順にすればOK です。弦を緩めた状態で擦り合わせなんて出来ない事は簡単に想像出来ますよね? 弦の張力が有る無しで指板ネックが動く事は誰でも知ってると思います。 全体を擦り合わせ出来る長さと、3フレット分、5フレット分と長さを各種用意して 有ります。●今回は既製品ですが、流用してるアイテムです ●OLFAのノコですが、これがフレットソーと同じ 0.5mm幅のノコ刃なのです。 専用工具のフレットソーよりも個人的には使い易く、価格も比較にならない程安い ので、リペア料金を下げる事に貢献してくれております。●掃除機の先に付いてるのは、洗濯機排水延長ホースです。 アコギの内部のクリーニングをする時にとても便利です。 自由に曲り、キズも付き難い優れ物です。まだまだ有りますが次回にご紹介したいと思います。 お楽しみにして下さい。
2016年10月22日
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◆2014年10月にリペアさせて頂きました【ヤマハ FG200J】通称ブラックラベル の定期検査のご依頼を頂きました。 *丁寧大切に弾かれた様で、顕著なリペア箇所が見当たりません●最初のリペア後から、現在の画像からどうぞ!●40年近く経過したギターとは思えない程の良いコンディションです●コーションマークですが、お見せしたいのはブレーシングの加工です。 二等辺三角形の様に先端を尖らせる事で音色に良い影響が生まれますが、ゲストの方で ご自身の愛器を加工される時は自己責任です。過ぎたるは猶及ばざるが如し にならない 様に少しずつ調整して行きます。 やや・・・サウンドホール下側に見慣れないキズが・・・スプルース剥き出しはNGですから 蜜蝋ワックスで保護しておきます。相乗効果でキズが気持ち目立たなくなる効果も有ります。 亜麻仁油主体の20%高濃度の蜜蝋を使ってます。●経年の名誉のキズは無数に有りますが、キズ一つ一つが思い出では無いでしょうか?●ネックの深い傷が有り演奏に支障が有りましたので、塗装を剥がし補修後に オイルフィニュッシュを施しました。 好みと思いますが、個人的には手に馴染んでしっくりするネックです。 オイルを2回塗る事になりました。●ペグは一見すると グローバーに見えませんが、実はキクタニ製です。 リーズナブルな価格でも性能はリーズナブルでは有りません、ライブでOK だそうです。●ネックジョイント付近です●ネックセンター付近の状態です。●なかなか良いです●測定データよりも低く感じて、エレキ出身のK2 でも満足な弦高です。●リペ予定箇所です。 *ネック裏にオイルフィニッシュ仕上げを再度施す。 *サウンドホール回りのピックキズに蜜蝋ワックスで補修 *内部の埃除去 *ボディのワックス掛け *全体の微調整 ●2014年のリペア前までは、弾き難いなぁ~と思っても、ほっといていた事を 教訓として愛器のコンディションが変わる前に、愛器の状態を知り尽くした ルームK2で検診を受けたいとの事でした。 思い入れの強さを感じます、FG200JのMAXパワー以上の力を気持ち良く 出して頂ける様に、こちらも何時も通りMAXフルパワーで調整して行きます。●久しぶりに試奏させて頂きましたところ、あれ似てるかも?音色の系列が フォルヒD34-SRに似てるのです。2014年の時は気が付きませんでした。 ・・・サドルを入荷したての 激硬ボーンに変えたら面白いかも? 今月入荷した牛骨サドルは、削ってる時に何時ものと違って、とても硬く驚きました しかも、締まったバランスの良い傾向になるので楽しみです。
2016年10月20日
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●K2の数あるギターの中で、現在のメインギターが 【フォルヒギター D34-SR】です 初めて画像アップしますのでご覧になって下さい。●フォルヒギターのモデルナンバーは、D34-SRでご説明しますと D ドレットノート 34 型番 S トップがスプルースの意味です R バックがローズウッドの意味です *フォルヒは全てソリッド材を使ったギターのみ で構成されてます。 判りやすい命名方法かと思います。●ヘッドロゴが最近のモデルは大きくスタイリッシュなデザインに変更されてます。 K2が狙ったのは、目立たない普通の外見で、弾いたらびっくり! だったので こっちの方が好みです。●コーションマークはスプルースの超薄板で作られてます。●ギターテクニシャンから見ても素晴らしいトップ材です●理想的なトップ材と思います。 購入後2年経過してますので、最初の色白美形からあめ色美形に変化して来てます。 実はこの2年間は寝かせた状態でクラシックCDの音振を掛けてシーズニングしてました 何故か?弾く時間が余り無かったからと深い理由は有りません。●ネックの仕上げ方法●ボディはラッカー仕上げでも、フィニュッシュでマットな感じで仕上げて有りますが ネック裏はオイルフィニッシュ仕上げです。実はこの組み合わせを、ルームK2で 大変参考にさせて頂いて居りまして、ネック裏がキズ放題のリペアではこの方法を 積極的にギターオーナー様に提案させて頂き、高評価を頂いて居ります。 ペグはGOTOHのオープンタイプで精度は高いのですが、個人的にはグローバー が好きで、交換する事を考えます。●後ろからどうぞ●バックのローズウッドも良い材と思います。 他には大したコメントは有りません。●専用ハードケースはロゴ入りです●37年程前に フェンダーテレキャスを買った時に、ハードケースに Fender の 特大ロゴが有り、恥ずかしくて電車・徒歩・バス移動の時は使えませんでしたが、 フォルヒデザインなら持ち運んでも恥ずかしい思いはしなくて済みそうです。 このケースは軽くて丈夫で、専用ですからピッタリ収まります。●弾いて見ると 音色は、フォルヒギターの【YouTube】でのデモ演奏と殆ど違いが有りません。 フォルヒも数十本試奏して来ましたが、メーカーに送り返した方が良いよ! って個体に会った事は有りません。●参考に全くならない音源デモは 日本での総代理店様の【YouTube】音源はフォルヒの音色では有りませんので、 完全無視して下さい。音色を紹介するPRであんな変なコード使わないでしょう? エンジンで言えば エキゾーストノイズ と言うのですよ。チューニングが完全で無い と特に変な音で鳴る【Dコード】等で綺麗な音を聴かせるのが普通と思います。 K2も最初に総代理店様の音源を聴いてたら【しょぼぎたー!】と耳に刷り込まれ 買うとか検討する対象以前だったでしょうね。 ●参考にして信頼できるのは フォルヒギター メーカーさんがアップしてるであろうと思われる【YouTube】の音源 です。ブルーの Tシャツを着た方が、全く同じフレーズで沢山のモデルを引き比べおら れます。私のD34も殆ど同じ音色です。 フォルヒギターとの出会うチャンスを与えてくれた、イオン成田店 島村楽器様には感謝 して居ります。 日曜日に顔を出しましたら、D34 D33 OOタイプ2種が入荷しており、オチ押しメーカー で有る事を感じました。個体差のブレが少ないのは売る側としては安心できると思います。 ◆2016年6月現在の情報では、D34ーSR は、なんと受注生産扱いになって居り、 入手に更に時間が掛かる可能性が有るとの事です。前出のショップ店長談】 ●音色は・・・ 日本/アメリカでも無い ヨーロッパの感じがします。意味が?ですか? 単なる例えですから気にしないで下さい。 繊細で綺麗な上品な音色です。●サドルを象牙に交換して有ります 40年近く前に入手してました、最後の1個虎の子の象牙サドルを使ってしまいました。 ・・・商売っ気の無さが・・・最初から有りません(笑) オリジナルはタスク【人工象牙】ですが、ICレコダーで録音すると微妙に違いが出ます 良い悪いでは無く、どっちが好み?ってレベルでK2は本象牙を選択しました。
2016年10月19日
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◆今回のご依頼品は スタッタフォード エレアコを強制的にエレガット仕様に改造です。 モデルナンバーは、スタッフォード SAJ-1280Z です。●この個体は、アンプを通す事を前提にって、エレアコですから当然なのですが、生音では音量が 極端に絞られてる感じがします。 エレアコだからアンプ通してね、で潔い感じがして個人的には好きです。●ご依頼者様は、S様で子供さん用として購入されたとの事です。●試奏は 私のお気に入りの【VOX】を使いましたが、エレガットらしい音がしてリペア後が 楽しみです。●画像です◆リペア開始です●イコライザーのスライドSWが体に触れて動いてしまう事を防ぐためにガムテープを 貼ってたようですが、ここはプロの仕事をさせて頂きます。 ●ナットがエレアコ様の溝幅ですから、ガットギター様に溝幅をナットファイルで 広げていきます。 使用する弦は試奏した時点で、ハイテンションタイプとの相性が良いと判断しましたので マーチン弦に合わせてセッティングしていきます。◆リペア開始のアップが遅れてました ●まずはコントロールパネル処理から ●イコライザーINはライブ中に触った程度ではOUTにならない様にして有ります。 3つのスライドSWはMAXまで調整出来る様にピンクパネルの上をスライドSW が通る様にして有ります。 ピンク板にした理由は、黒系ですとライブ中に目立ちませんのでピンクの方が見え 易いからです。 残っていたガムテープの残党が頑固者で有りまして、I様がら頂いた特殊クリーナーが 威力を発揮してくれましたのでとても助かりました。●フレットがくすんでましたので、綺麗にしておきます。●綺麗になりました●画像よりも実物は綺麗です●ペグもピカールでピカピカです。●ピックガードレス仕様のため、サウンドホール付近の浅いキズは超微粒コンパウンドで 除去して有ります。画像の光はスパームーンが写り込んで入る訳では有りません。 蛍光灯です。これが明瞭に映り込む事が綺麗になった目安になります。●弦高調整後の12フレットです。とても弾き易いセッティングです。●ナット溝がアコギ用でしたので、削り過ぎない様に、ガット弦用に修正し、理想的な 1フレットのクリアランスになってます。●今回チョイスしたマーチンクラシック弦です。目論見通り、ハイテンションタイプが 合う様です。この弦はボールエンドタイプなので、ブリッジで縛る必要が無くとても 便利な弦です。●上記画像に、一つ注意点が有ります。 ブリッジに溝が有るタイプは、乾燥が進んだり、オイルを塗ってませんと、真っ二つ に容赦無く割れるorクラックが入りますので、乾燥する季節に限らずオイルを定期的に 塗らないと大変なことになります。 オイルはの種類はオレンジでOKです。●リペア完了です●弦高を下げっても弾き易いエレガットに生まれ変わりました。◆試奏タイム 当初の音が小さいからアンプ通す云々・・・は訂正させて頂きます。 どうしてどうして、生音もそこそこ音量が有ります。 エレガットらしい音色と思います。 適正弦高と弦との相性でここまで変わるのか?、と思われると思いますが、 その通りです、ですからベストマッチの弦に当たるまで色々な弦で試す訳です。 ベストと思ったら、後は浮気しないで使い続ける事が良いと思ます。🌸たいへんよくできました
2016年10月16日
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◆今回のご依頼品は モーリス F18です 素晴らしいギターを多数所有されてます、S様の正に青春のギターです。 【青春のギターリペア】がブログのタイトルですから何時もの通り気合が入ります。●画像から●ご依頼の内容は 1フレットに1~3弦がベタ付きで1カポしないと弾けない状態です。 ・・・プラスチックナットは日常のチューニングだけで、ナットがここまで減る事は あまり無いと思いますので・・・何かした?んだろうなぁ~ と思ったら ナット外し工具一式を用意して弦を緩めたら、ありゃ?ナットが無事外れましたと言うか 外して有りました。弦高調整で削ったらやり過ぎちゃった!んでしょうね。弦を緩めたらナットも外れました、接着剤を取ろうした後が無いのは好都合です。専用のヤスリorスペースにピッタリの当木を使わないで接着剤を取ろうとされますと仕事が増えるだけです。ロッドカバーのビスがを舐めちゃってます。サイズの合わないドライバーを使うとこの様になりますのでご注意下さい。●ナットは交換しますか? 実はナット自体が音色に影響する割合は思ったよりも少なく、リペア予算をサドルに 使った方が良いですよ、のアドバイスでナットには1ミリのエゾ松を履かせて高さ 調整で済ませる事に決定しました。1フレットの高さに合わせて最後に調整します●サドルを外したら・・・ ありゃ!とってもお茶目なサドルですね。形状からしてエレアコ【サドルにピックアップ が仕込んで有るタイプ】を流用したのかな?って感じで、更にスペサーが噛まして有りました この工夫には脱帽です。 それにしてもブリッジから出てるナット高さが極端に低いので、これ以上はサドルを削った 調整が出来ないため、ブリッジを1ミリ削ってサドル露出部分を増やしましょう。画像にしますと3~5弦のカーブが不自然なのが良く判ります、フレットボードに有ったRでないと、隣の弦との高さがバラバラになって、たとえ低い弦高でも弾き難く感じる事が有ります。サドルは作り変えないと駄目です。 ●毎度の余談に入ります ボディサイズと音量は比例しないのでは? 通常はドレッドノートタイプの方が音量が大きいと思うのですが、今回のモーリスと言い 同時進行リペアさせて頂いてます、ヤマキは共に000タイプですが、音がデカいのです。 しかも無駄にデカいのでは無く、音質もなかなか良く個性的な音質なのです。 ボディの厚みは約100ミリくらいですから、ボディ体積はとても少ないのです。 そう言えばマーチンの000も大音量で鳴ってました。 このタイプは歴史も有りもしかしたらアコースチィックギターの究極の形なのかも知れません。 そういえば、21世紀になってもニカワを超える接着剤って開発されて無いから、ドレッド好き のK2は考えさせられるリペアになりました。●話を元に戻します。この画像は・・・●フィンガーボードはトップ板の上っ面から貼って行きますので、ネック付根にスケールを当てると その延長は、フィンガーボードの下面と一致するはずですが、画像の通り5ミリ程度下がってます。 これが何を意味するかは【ネックの元起き】って事ですが、これだけ起きてますと12フレットで 7~8ミリの弦高になるのですが、そうなって無いのが不思議です。 それとナットが密着してませんので、弦高調整の時に修正して行きます。3ミリ強なのです・・・ネックの仕込み角度が違うのか?ブリッジが薄いタイプなのでこの程度で済んでいるのかも知れません。 以前にもこのケースで???の個体が有った事を思い出しました、ヘッドウェーの廉価版モデルで、横から見ると【く】の字に成ってるのに、とても弾き易い調整が出来たので、理由を探ろうと色々測定したのですが、これだ!って結論が出せなかったケースが有りました。●ノックテストをしてましたら何か変です。 1弦側のネック付根~右方向に叩いて行きますと、~?なんか変な振動音が返って来ます 内部を新兵器のLED付きミラーで確認しても、内部には剥がれ箇所が無いようです。 原因が判りました・・・ボフィンガーボードが剥がれ掛けてます、この部分が振れて変な音が出てた様です。ルームK2に、この症状のリペアの依頼が入りますが、フィンガーボードとネックの収縮率の違いでなるケースと、極希にトラストロッドの回し過ぎによるものが有ります。貼りつける時は、ロッドを完全フリーにしてから貼りつけて行きます。接着剤はニカワを使います。●フィンガーボードも元通り貼り直しましたが、外れてから時間が経過してるため、接着部分 に跡が残りますので、パテで隙間を補修した後にマホカラー~ラッカー仕上げしておきます。●ペグ取付がユルユルでしかもチューニングがちゃんと出来るか怪しいです。 ●広がってしまったネジ穴はマホ丸棒で埋めておきます。●ペグが限界ですね●このブッシュタイプのペグは本体を2本のネジで止め、ペグのギヤ部分を支軸で支えるので、 ペグがガタガタ&チューニング狂い放題で、交換しないとNGです。 とりあえず、メインで弾くギターでは無いので、キクタニ製にします。 キクタニは価格的にはリーズナブルですが、どうしてどうして自宅で弾く分には問題無い ペグで価格も1800円程度ですから、ルームK2でも採用してるメーカーです。 本当はグロバーと言いたいところですが・・・・●ペグ交換は途中の画像を撮り忘れてましたので、文字で説明します キクタニのペグ取付穴は、10ミリですから広げないと入りませんので、リーマーで 広げて行きます。 現行のビス穴は全く合いませんので、ヘッド裏はクリアーウレタンで補修して、水研ぎ ~コンパウンド~鏡面仕上げワックスで仕上げました。●こんな塩梅です。●ここまで来ましたら最終的なセッテングを残すだけになります。●ロッドが完全フリーで調整前の12フレットは、3ミリ弱です。 少し高いかな?って感じですから、ロッドに軽くテンションが掛かる程度まで 締めておきます。完全フリーですと糸の切れた凧状態でネックが何処に行ってしまうか 心配です。●ストリングガイドが中途半端でしたので、整形をしておきます。 ●ドルメルでも良いのですが、いつもこれを使ってしまいます。カットソーの刃を 彫刻刀の柄に無理やり仕込んだ道具です。●ナットは何時もの通り、1フレット0.5ミリ弱に調整しておきます。●最終調整がこれです●12フレット2.5ミリ強で弾き易いセッテングになりました●全体の仕上がり画像です ●超微粒コンパウンド&鏡面仕上げのワックスの組合せで磨き上げますと本当に綺麗に なります。 試奏した感想は、頑張って鳴ってくれてます! 最近のリペアさせて頂いたギターが特別な存在ばっかりだったので、それと比較したら 可哀想かも知れませんが、弾き込んで行けば期待に応える様に鳴って来ると思います。 忘れてました、貼って有る弦が限界を超えてますし、弦自体が同じ種類で無く、3個1 の様です。この弦でこれだけ鳴ってるのですから、褒めてあげても良いと思います。🌸たいへんよくできました🌸10/9にお届けしました。張って有るダダリオが限界を超えてますが、中程度の力で弾くととても心地よい音色です。エリクサーに張り替えると更にパワーアップすると思います。 I氏のD45Vとセッションされましたが、互角! は言い過ぎですが、良い味が出てるが満場一致の感想です。 この頃のモーリスは良いギターを作ってましたと思います。🌸たいへんよくできました🌸
2016年09月19日
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◆今回のご依頼品は、ハモックス byヤマキギターです HN/薪拾いジジィ様からのご依頼で、TVの鑑定団風に言いますと【お宝珍品】 ですね、試奏したらとにかく音がデカい!どこで見つけて来られるのでしょうか?●この画像ではリペアする箇所が良く判りませんが、次の衝撃画像をご覧下さい。●ゼロフレット&ブラスナットの000タイプで私の知る限りでは、ヤマキとしては珍しい個体です。●ご依頼の内容は、画像をご覧下さい ●ブリッジの平らな所に水平器を当てた画像です、とても急な坂道になっておりますが、 このポピュラーな変形とセットになるはずの、サウンドホール下の凹みが無いのは とても不思議です・・・●サウンドホール~ブリッジ付近までのブレーシングに異常が出てるはずなので、 LED付きミラーで丹念に探しましたら・・・●Xブレーシングは異常無しでしたが、画像の通りサウンドホール回りで1か所剥がれ箇所 発見しました。ここは最も簡単な部分なので良かったです。 Xブレーシングが頑張って変形を阻止してたのだと思うと、褒めてあげたいと思います。●今や変形に一役買ってるブリッジを外しますが、ここまで引っ張られて殆ど剥がれ浮き が無いのは、違った意味で異常です・・・タイトボンド以外の接着剤を使ってるとしか 考えられません。●ボディを巻き添えにしてる箇所が有り、素直に剥がれない可能性が1000%に赤丸急上昇しました。●まずは周囲を養生しておきます。ブリッジが通常のサイズよりかなり小さいです。●このシルバーの物体は、ルームK2の【しょうも無い】オリジナル治具です。 台所で使うミトンをブリッジ&ナットの形状に切り取ってアイロンの熱からボディを 守るための物ですが、以前こんな会話が我が家で有りました ・・・ミトンの片側知らない? 知らないよ! 【まじで忘れてました】 後日・・・リペアルームで無残な姿のミトンを発見した奥様が【これはなにかなぁ?】 ・・・知らないのミトンって言うんだよ、けっこう効果有るよ・・・あっ! ●▽◢*★◎◆☐×÷⦿ 奥様の発言は放送コードに引っ掛りますのでカットです(笑) 翌日もっと高級なミトンを買って来たので許しを得る事が出来ました。 ・・・こわぁ~~ いくつになっても男は母親に怒られる少年と同じです 話が脱線しすぎましたので元に戻します クリアー塗装の保護にとても役立ってますが、高性能タイプで無いと駄目な様です。●ブレーシングを確認してる時に使われてる接着剤を見て嫌な予感的中しました。 アイロン使っても、スクレーパーをアイロンで温めても接着剤が柔らかくなりません。 ヤマキギターさんですから、タイトボンド使ってると信じてたのに・・・ このケースでは、綺麗に剥がす事よりも、ボディのダメージを少なくする方向で 考えるべきです。 しかも、巻添えを喰ってるボディが横から見ると【V字形】になってる訳ですから尚更です。 修正はブリッジ下の補強材入れて、トップは木工用のエポキシパテで補強するすれば強度的 には問題は無いと思います。●予想よりも良い状態で外せました。●スクレーパーの先端に刃を付けた、K2オリジナルで魔改造したスクレーパーのお陰です。 これのどこがまともなの?・・・経験上、修正の障害になる事は有りませんのでご安心下さい。●トップの隆起を押さえるために、スチームを掛けてからクランプで押え込みして行きます。●初期段階ではこの程度で充分ですが、どのくらいの時間が必要かは予測不能です。 最終的にはブリッジ下内部の補強をしないと、元の状態に戻りますので的確に補強を 入れる箇所を見定めなければなりません。 また、ブリッジの交換も視野に入れないと駄目かも知れません。 ブリッジにはトップ板の補強の働きも有ると思います、ボディとの接地面積が広いほど 引張強度が上がり、ブリッジ下にXブレーシングが有れば協力して変形を防いでると 思います。 この先のリペアの方針は、トップの戻り具合で変わりますので、多くのパターンを 考えておく必要が有ります。●ヤマキギター様 ごめんなさい 外したブリッジを確認しました所、2種類のチューブに入ってて同量を混ぜて付ける接着剤は何? 答えは簡単 エポキシ系です。 外したブリッジの底面を綺麗にしようと、濡れウエスを当ててスチームアイロン掛けても ブリッジ接着剤が微動だにしません。 なんとエポキシが使われてます・・・前オーナー様の手による可能性が、99.99999%以上です。 これでは、通常の方法でブリッジが外せる訳が有りません。 時々有るケースですが、どんなリペアされたのか全く分からない個体には驚かされます。 ●画像右下のテカリがエポキシの残りです。●この辺で話を元に戻します●ブリッジが小さすぎると思います。 通常サイズとの比較です、これでは弦の約60kgの張力に対して接着面積1㎠あたりの 張力が掛かり過ぎると思いますので、通常サイズに交換する予定です。●前段でも触れましたが、ブリッジはブレーシングと一致協力してトップ変形を阻止する 任務も兼ねてますので、デザイン優先 かも? で有るとすれば駄目だと思います。 高級クラッシクギターのブリッジのサイズを思い出して下さい。超ロングでは有りませんか? 弦の振動を洩れなくボディに伝えるために必要な長さなのだと思います。●ところで変形はどうなってるでしょうか?●最初のスキージャンプ台に比べますと、著しく改善したと思います。●違った角度からもクランプを当てて行きます。●たすき掛けです。 ブレーシングの新たな剥がれ箇所を見つけました、画像の上のクランプの下の端が 剥がれ掛けてました。 トップの修正が一段落しましたら、形状保持ための補強を入れる際に更に丹念に 調査して行きます。●ブリッジ交換&サウンドホールのブレーシング交換 補強板は変形してるためマホガニーに交換します。*下の画像は何だかって?気にしないで下さい。 厚みは同じですが、強度を上げるために3ミリ大きいサイズにして有ります。元の位置に貼り戻します、LED付きは本当に便利です●ブリッジ交換 ●新しいギターに貼りつけるのは簡単ですが、リペアではブリッジマウント部を修正しても 少なからず変形が残りますので、クランプ掛けの最中に画像取ってる余裕は有りません! はみ出たタイトボンドは、湿らせた筆と固く絞ったウエスで拭き取りておきます。 ブリッジが付くと言う事は・・・リペアが佳境に入ってるって事ですが、最も大切な セッティングがエキサイティングで好きです、正に入魂するって感じです。 完全に固定するまで一晩放置します。 美しく無いクランプ掛けの見本の様ですが、この位置に掛けないと隙間が開いてしまうのです。 貼りついてから思い出しました、Sマック社の専用治具を参考に自作した、特工が完成して いた事を・・・あれだけアルミ厚板の切出しには難儀したのに忘れるとは、とほほです。●最も重要なセッテング前にこのままの状態で弦を張って試奏して行きます。 試奏して正直驚きました、今までリペアさせて頂きました【ヤマキギター】で文句無しNo1です。 このクラスのギター特有の箱が鳴ってる感は若干有りますが、耳にした事が無い個性的な音色です。■試奏中に問題発生 矯正したブリッジの下側周りが盛り上って来てしまいます。 試奏を即刻中断して弦を完全に緩めて、状態確認と対応方法を検討しなければなりません。 何と弦を緩めると隆起が少し収まります・・・長期間隆起した状態だったから、トップ材が 変形する癖が付いてしまってるのと、ヤマキのトップ合板はソリッド板の2枚合わせと言う ソリッドを使った方がコスト掛からないではないかな?ってトップ板なので変形癖が収まら ない様です。 この件はボディクランプを掛け直してる間に解決方法を考える事にして、次に進みたい と思います。●フレットがこの状態です●0フレットを除いて全てのフレットが、.025ミリ前後という凄い事になってます。 試奏した段階では、1弦の7~以上でビビリが若干出てます。●ルームK2で採用してるフレットは、新品時で1.0ミリですから、1/4しか残って無い 事になる訳です。 連動して12フレットの弦高を通常に調整しても、+0.75ミリ高くなる成る訳です。●この採用してるフレットワイヤーは、信頼の日本製で数多くの有名メーカーで採用されてる 物を使ってます。打ち換える事によって新しいフレットに違和感を感じる事が無いように してます。●このままのフレットでも弾けない事は無いのですが、長く付き合うには打ち換えないと 駄目です。それにしてもフレット擦り合わせでここまで削ってしまうとは・・・ 凄いです。●ボディの変形防止ブレーシング追加 試奏の段階でブリッジから3cm程離れた箇所で若干の隆起が発生するため、補強のための ブレーシングを追加で入れて行きます。 ●この位置に正確に入れて行きます。●ボディが薄いため完全に腕が入らないため、シュミレーションをしてから予定の位置に 張付けました。 クランプは30分で良いと取説に書いて有りますが、一晩放置の方が安心出来ます。●補強のブレーシングが問題無く付きましたので、セッティング前の状態を確認しておきます。 ●12フレットで3.25ミリとルームK2標準設定よりも少し高いでので、ネック、サドル ナットとバランス良くセッティングを進めて行きます。◆ロッド調整 殆ど限界まで締めて有るので、【押しても駄目なら引いて見な】で完全フリーにして 数日様子を見る事にします。 ネックヒーターを使う事を視野に入れての調整になります。●ボディクランプを外して、クランプ効果&新たに入れた補強バインディング効果を 確認するために試奏して見ました。半音下げてのチューニングでしたがブリッジ下2㎝の 隆起は収まった様です。 補強とクランプが効いて来たようです。 しかしながら、念のため1週間ほど再度クランプを掛けて様子を見る事にします。*試奏の時のギターコンディションデータ 6E/12F 2.75ミリ 1E/12F 2.00ミリ ピッチ調整 正常フレット音痴なし フレットワイヤー 0.25ミリ残ですが、ビビリは認められず 打替え無しでも暫くはこのまま弾ける状態と 想定されます。 *音色 コードストロークの音のバラスが良い、フィンガーピッキングも 綺麗な穏やかな音色ですが、リードパートは苦手と思われます。 使用の弦がエクストラライトゲージの関係も有りうる ●ボディ変形もなんとか収まり少し時間が掛かりましたが、近日中にお届け出来る 予定で有ります。 ※弦高が高いって?フレットの残を考えますと実は相当低いのです。フレット残が 8割残りの0.8mm有りますとフレットからのクリアランスが、―0.55mmになりますので 指板からの距離を考えますととっても低い設定になる訳です。 意味が良く判らない方は読み流しましょう。●ブリッジ下のボディの画像です。完全フラットまでは行きませんが通常の状態と思います。●サウンドホール付近の凹みは、一度大きく変形しますと完全に戻す事は困難ですから、 この状態を考慮して、弾き易いギターにセッティングする事が肝要だと思います。●使用する弦は、エキストラライトゲージ.010~限定です。これ以上太いゲージを使用 されますと、ボディへの悪影響が心配です、また、弾き終わりましたら 全ての弦を 完全にダラダラに緩めて下さい。●最終的な試奏しました 元気にコードストロークした時の箱鳴り感が・・・K2には聴き取る事が出来ません! S様所有のオールド・マーチンD28と良く似てるとと言うか、聞き分けがつきません と言うと言い過ぎかも知れませんが、それほど素晴らしいギターで有ります。 ルームK2でリペアさせて頂いた【ヤマキ】ギターで No,1 の個体で有る事は断言出来ます。 素晴らしい! 天晴! です🌸とてもよくできました🌸
2016年09月17日
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◆今回のご依頼品は、カマカ・ウクレレです HN/薪拾いジジィ様が入手されたのですが、ビンテージと呼ぶに相応しい素晴らしい 個体を探し出す名人と思います。 特にウクレレは、やたら高い品か、お土産品のようなブランドしか店頭で見た事が 有りません。ウクレレの魅力を知り始めてからと言うもの、あらゆるルートを使って 探してますが吉報来たらずです。●カマカ・ウクレレは、ウクレレ界のトップブランドで、作りもしっかり丁寧に作られてます。●ご依頼の内容は *トップ&バックのセンターのクラック補修と、ペグをグロバーに交換する事です。●判り難かも知れませんが、中央にクラックが入ってますのと、リペア前の検査で サウンドホール下のブレーシングが完全に剥がれてる事が判明しましたので、リペア を進めて行きます。*トップやバックのクラックは、セオリー通りに補修すれば音色に重大な影響を及ぼす事は 経験上少ないですが、ブレーシングの剥がれ割れは、笑ちゃうくらい不思議な音が出ます。 変な音がするんだけど?の原因の殆どがブレーシング関係です。 それだけ振動してるって事でしょうね。●リペア開始は・・・後日 ・・・・で後日が参りました。 最初にするべき事は、ご依頼の内容の正確な診断と対応策の検討です。 ●トップの割れとブレーシングの剥がれは、初期診断通りで全く問題は 見当たりません。 割れ箇所の内部に突板を正確に当てて補強した後に、ブレーシングを張戻せば 問題有りません。 ●問題はバックの割れです。問題は割れた事では無く、割れた部分に推定セメダイン系の 接着剤で段差有り修理されている事です。 選択肢は複数有ります。 *接着箇所全てに段差が有る訳では無いので、段差部分だけ接着剤を除去して 平らにして補強材を入れる この手法は現実的です *ルームK2魔改造スクレーパーで接着箇所を分断して補強材を当ててリペアする この手法も現実的です *段差をサンドペーパーで補修する ペーパー掛け後の塗装【オイルフィニッシュで上塗り無し】に色の違いが出て 目立つと思います。素人修理の上乗せとなりますので却下 ●迷ってる時は先に進めない!がルームK2のポリシーですから、先にトップの補修 から入りますが、その前に治具を考案作製しなければなりません。 バックの補強材が一般的なクランプの類では絶対に固定出来無いのです。 自作の内部用クランプを半分のサイズに改造するしか方法が有りません。 まさかタイトボンドお勧めの、接着後30分のクランプ掛けの代わりに手で抑える のは手が入りませんので不可能です。★リペア開始です バックのクラックの接着剤を除去して状態を観察から始めます。 ●慎重に除去したところ、バック材の乾燥が進み収縮した事で出来たクラックの様です。 アコースチックギターの場合は、張合わせ部分に突板を張って補強して有るのですが カマカでは補強材無しで張り合わせただけです。もし補強材が有ったら如何なってた でしょう?収縮を押さえる事は出来なかったでしょうから、バック材の弱い部分で材が 裂けてクラックが入るか、ボディの歪み変形してたかのどちらかでしょう、そう言った 意味では、補強材が無い方がダメージは少なかったかも知れません。●内部にはパッチを張るのですが、収縮して離れた部分が約0.5ミリ有りますので、 隙間の処置方法を考えます。 *パテで埋めると、オイルフィニッシュが乗り難いため仕上がりに難が有ります。 *突板で埋めると、オイルフィニッシュは乗りますが、カラー差が出る可能性が 有りますので、事前テストしてからリペアを進めます。●内部に染み出た接着剤はパッチを張る時の障害になりますので、画像の通りスクレーパー にサンドペパーを貼り付けて表面を均しておきます。 ●0.5ミリのクラックに合わせた補修材を切り出しておきます。●エゾ松材です。 薄い板はタイトボンドに触れた瞬間から乾燥するまでは、柔らかくなりますので クラックに入れる時は注意しないと駄目ですが、かと言ってユルユルで削り出すと 補強材としては弱いので、素早くはめ込む必要があります。●ぴったり入りました。 着色剤で馴染ませてから、最終仕上げはライトウォークのオイルフィニッシュで仕上げて 行きます。 クラックに合わせた内部補強は必要が無いのですが、クラックの両先に割れ止めのパッチ を張るだけに留めておきます。●色合わせした状態です、画像では違いがはっきりしてますが、現物は馴染んでます。●トップのクラックに表面からニカワを流し込んで貫通した事を確認しました。内部のニカワが乾き始める前に補強板を貼ります●表面からニカワをクラックに流し込んで、クラックセンターにはマホガニーの補強板を入れました。 クランプの画像は割愛しました、本当は取り忘れです。★ニカワ&タイトボンドが完全に乾いたらクラックのリペアは完了です。 ◆日曜日に話題作の【シン・ゴジラ】成田で見た後に、イオン成田店の【島村楽器成田店さん】 に行ってきました。島村楽器さんは【ウクレレ】に力を入れてるので、カマカの同級モデル も店頭に有り、弦高など入荷したばかりの個体で確認して参考にさせて頂きました。 この個体は、ボディ~指板~サドル~ナット全てに変形は無い丁寧に工作されてます、 で無ければ参考になりませんがね! アコースチックギターよりも弦高は高くセッティングされており、試奏もさせて頂きましたが とても弾き易く感じました。 ウクレレにとても詳しい店舗スタッフさんに確認した所は、ウクレレの標準設定との事でした。 そう言えば【コアロハ】の新品も同じ様なセッティングで有りました。 余談ですが、島村楽器さんは、ルームK2一押しの 【フォルヒギター】にも気合が入ってまして D34ーSR、D33-SRが入荷してました。D33-SRの現物は初めて手にしたのですがJ45の デザインで、フォルヒらしい素晴らしいギターです。思わず欲しくなってしまいましたが我が家の 大蔵省が許可する訳が有りません。 他にも00タイプが2種類も有りまして、個体差の激しいマー●ン買うなら、私は迷わずフォルヒ ギターを買います・・・D34-SRは既に買いました。●入荷が遅れてました、グローバーペグがようやく入荷して来ました。 オリジナルのペグ穴径は、6mmでグローバーは9mm弱ですから穴径をリーマー&8.5mmの ドリルで慎重に広げていきます。過ぎたるは猶及ばざるが如し にならない様に慎重に進めて 行きます。●ブッシュを付けた所です●付属のネジは10㎜有りハッキリ言って長すぎます。ウクレレのヘッド厚に合わせた 長さに変更すべきでは無いでしょうか? 2mm短い物に交換して止めて行きます。●つけ終わりました、途中の画像を撮り忘れてました。ギヤ部分のグリースアップは しないと駄目です。●補強も良い感じです。●お楽しみの試奏タイムに入ります。 覚えたての3種類、C,G、D の3コード&出鱈目で押さえるコードを駆使 して引きまくりますと、ウクレレって面白い楽器なんだと思います。 でもチョーキングはウクレレには合わない奏法の様です。 このスタイルで島村楽器様の店頭で弾いてましたら、ウクレレ相当弾かれてるんですか? と店舗スタッフさんの?に3個しかコード知りませんとお答えしますと絶句されてました。 現在販売されてます同等クラスのKKは13万円と、ギターでしたらお安い感覚ですが、ウクレレ の13万円はとても高級と感じます。音質も申し分有りませんし流石カマカって感じです。🌸たいへんよくできました🌸
2016年09月17日
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◆私のブログに訪れて頂いてるゲストの皆さまはバンドを組んでるか。組んでいたと 言う方が殆どでは無いかと思います。 K2も若い頃ロックバンドでギターを弾いてましたが、その時のバンド名が 【火魔人】 でした。 *注釈 ひまじん と読みます。 貸スタジオの受付の方が、最初の【ひ】の発音を低くしますと、暇人 ひまじん と 聞こえて来ますので、違います火魔人です。 *注釈 最初の【ひ】を強く発音し火魔人 と毎回訂正させて頂きました。 ひまじんさ~~ん って呼ばれると周囲から失笑が起きます。 バンド名の由来は、ジョン・レノン氏 の イマジン と漢字のバンド名が流行っていた 様に記憶してましたが、それを掛けて付けた名前です。それと、本当は暇人だった事も 掛けた記憶が有ります。 ブリティシュロックのコピーをメインにライブをやってましたが、社会人になりメンバーが バラバラになって自然消滅と言う王道を歩んで来ました。 好きなバンドは【敬称略】 レッドゼッペリン ウイッシュボーンアッシュ エリッククラプトン ピンクフロイド レインボー ジョンレノン バッドカンパニー ・・・クィーンのボーカルやったら○○でしょう? ZZトップ 紫 ジョージ紫さんと握手させて頂きました関係でファンになりました。 愛器は ヤマハSG1000とグレコEG800 でした。SGは手元に有るのですが、EG800は 誰かに譲ったと思うのですが、残念ながら記憶が有りません。 *注釈 EGシリーズはレスポールスタンダードモデルですしょうもない話にお付き合い頂きまして有難うございます。ゲストの方で、ユニークなバンド名の由来など有りましたら、是非お聞かせ下さい。
2016年09月14日
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◆今回のご依頼品は モーリス・エレアコ です。 トップ / ソリッド・スプルース サイド / ソリッド・マホガニー バック / ソリッド・マホガニー要するにオール単板のギターです。●ご依頼の内容は *弦高微調整 *他に有れば調整 リペアの打合せでは特に不具合が見当たりませんので、リペアマンとしては 逆に困ってしまいます。 我々の健康診断と同じと考えてお預かりして来ました。 このギターオーナーはS様です。・・・素晴らしいギターを何台持ってるんでしょうか?◆モーリス持てばスパースターも夢でない!時代のモーリスとは全くの別物で、良く作り込まれた 個体です。◆リペア開始です ●内部の作りも丁寧に作り込まれてます。●サドルへの食い込みが進んでますので整形してから最終的な弦高調整します。 サドル底面は綺麗に調整されてました。●厳密にいいますとオクターブが微妙にズレるかも知れません。●弦高の確認 ●画像で見る限りでは低めの設定ですが、ネックの順ゾリの関係で体感的には低く感じませんので ロッド調整して反りを修正して行きます。●6E側の修正後 ●1E側の修正後●12フレットでは変化は微妙ですが、5~9フレット付近が下がってますので、実際の 弦高と体感弦高が一致しました。◆ネック調整はプレーヤーの好みやプレースタイルで変化しますので、これが正解! 何てのは無いと思います。プレヤーが弾き易い好みの設定が正解と思います。 ルームK2では、ネックは限りなくストレートで可能な限り低く設定 を基本としてます。 最終的にはご依頼者様のご希望に限りなく一致させる様に調整しますが、順ゾリも僅かでも 限度を超えますと、12F/2.5mm以下でも弾き難いと感じる事が有りますので、低いけど 弾き難いんだよね?って方は、5~12Fで弦高が余り変わって無いからかも知れません。 弦自体は1F~~12F 0.5~~2.5 へ真直ぐに張られますが、指板が水平になってませんと 弾き難く感じる訳です。 2本の線を引いて見ると簡単にご理解出来ると思います。誰でしょうね軽い順ゾリが良いと 言うのは?これは、ルームK2のプレーヤー&リペアマンとしての経験から感じた個人的な見解です。●1フレットの調整●1/2/6弦が、気持ち高いので、0.5mmのスペーサーが引っ掛る高さまで微調整して 行きますが、このナット調整は最後の最後にしませんと。後で1Fに弦がベタ付き! の憂き目に合いますのでくれぐれも慎重にしなければなりません。【経験者談】 ま~どうって事無いですよ!ナットを作り直す手間が一つ増えただけですから・・・ この時のリペアは当然自爆となります。(笑)●スペサーが均等に引っ掛る高さに調整しました。◆試奏してみました。●アコースチックとしても直ぐにマホガニーと判る音色で、アコギ専用のアンプを持ってません ので、フェンダーならアコギ用に近いと勝手に判断し、繋いで見ましたらエレキギターの音色 では無いアコギの音色でした。 生音も大きく歯切れが良くなった様に思います。 ギターには最も弦の振動(音)を拾うレシオが有るのでは無いかと何時も思ってます。 弦高を調整しただけで今回の様に劇的に変わる個体を数多くリペアして来ました。 【弦高が高い方が音が大きくなる】と時々聞きますが、本当でしょうか? 数多くのギターをリペアして来た経験では、大きいと言うよりも、単にバランスの悪い 各弦が勝手に鳴ってる 様に感じてます、そんなギターでも弦高を調整したでけで変わる 可能性が高く、リペア前は高い方が・・・なんて言ってた方が違う事に気が付かれた例は 数えきれません。 話を元に戻します・・・ エレキギタープレヤーのK2がディストレーションを掛けない訳が有りませんね! ・・・不思議な音でした。1E/0.13弦ではチョーキングがやり難い事この上なしです。 *今回のリペアは当初の見立て通りに、する事が余り有りませんでしたが、それでも格段に 良くなったと思います。🌸たいへんよくできました🌸9/19日 工房にS様が友人のI様【プロのミキサー】とご一緒にルームK2にご訪問頂きました。 試奏の上で無事納品させて頂きました。 ロッド、サドル、ナットの調整をしただけでこれ程変わる物なんだ!と驚かれておられました。 I様も調整前の音色をご存知で、これが本当の音だったんだね、との感想を頂きました。 たぶんI様も、【モーリス持てばスパースターも夢では・・・単なる夢です。】の頃のモーリス のイメージを持たれてるのだと思います。最近のモーリスは過去とは全く違うギターを作る メーカーに変身してる事をご説明させて頂きました。 I様のギターの状態を確認しましたが、完璧な状態で何もする事が有りません、と言うか、 1フレットが0.3ミリなのに、全ポジションでビビリが一切有りません、しかも12フレットが 2.0ミリの低さです、ネックが完璧なストレートで有る事が要因です、軽い順ゾリが良いなんて のは単なる都市伝説で有る事の証明で有ります。 指板とフレットのクリーニング、ボディ全体のワックス掛けでリペア完了です・・・ この何処がリペアなの?・・・その通りです。リペアとは言いません。 最高の状態ですから週末のライブ頑張って下さい!
2016年09月11日
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◆リペアルームK2【K2ギターファクトリー】では、完全に調整されたアコースチックギター を数台放出する予定です。 予定しておりますギターは *ヤマハ FG130 グリーンラベル *ヤマハ FG200 黒ラベル *タカミネ コーションマークの文字が消えてまして判読不能です トップは合板です。●上記3台はルームK2で完全に調整されたギターで有りまして、綺麗な音色を奏でてる 個体ですが、流石にマーチンD35ハカランダと比べますと、ランクが下がりますが 比べる事は可哀想かも知れません。 いずれにしても、古き良き時代の完全調整されたギターは、日本の物作りの優秀さを 実感できるのでは無いでしょうか。ご希望が有りましたら、個人情報は絶対に書き込みしないで、ご希望の機種とハンドルネームをコメントに書き込んで下されば、後ほど詳細なお返事を差し上げます。購入方法は、ヤフーオークション経由を予定して居ります。画像とギターコンディションの詳細は後ほどアップ致します
2016年09月04日
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◆今回のご依頼品は、マーチンD35 67年製 ブラジリアンローズウッド です。 このギターの存在は話には聞いてましたが まさかこのギターのリペアをさせて頂く 幸運に恵まれるとは思ってもいませんでした。 リペア内容の打合せの為に少し弾かせて頂きましたが、凄い凄い凄い!3連呼です。 この素晴らしギターのオーナー様は、S様です、クレセントムーンをお届けした時に お預かりして来ました。・実は、ギターに触れずに言葉だけでネックの反りだけは直してしまったギターなのです。 ルームK2はエスパー●藤では有りませんのでご安心下さい。 S氏 弦高が高いのでリペアお願い出来ますか? K2 今ちょっと立て込んでまして・・・それで、させて頂いたアドバイスがこれです、 弦を全く緩めないとの事で有れば、お預かりするのに2週間程掛かりますから、その間 弦を完全に緩めて仕舞っておいて下さい・・・1週間後S様から・・・ネックが殆ど元に戻ってます! つまり、触らずにネックの反りをリペアしてしまった事になるのですが、実際は、ネック材& 指板材が自分の行きたい方向に戻った結果、順ゾリが自然治癒力で戻ったと言う事です。 ここまで極端な例は初めての経験です。 この個体は、トラストロッドが入って無いので、ネックヒータークランプ使用を避けたかった ので、一番喜んだのはK2の方かも知れません。♦今回のリペア内容は *弦高微調整 *サドルをエボニーで製作【楽器との相性を見る】 *ブレーシングチェック 簡易検査では3Pバックのサウンドホール付近の低音側のノックテスト 音がおかしいので、この辺を中心に全体をシビアにチェックする予定です *ピックガード交換 先っぽが剥がれてまして、1、2,3弦の音が変です。浮いた箇所を手で押さ えると違和感は有りません。 67年製ですから、セルが縮小して剥がれかけてるのですが、幸運な事にトップ板には影響が 全く認められませんでした。 *その他 全体のセッティングは基本的にお任せですが、想定外が有ればその都度確認する。◆リペア開始の前に画像をご覧下さい。さらに!67年製のグロバーです、現在のタイプとはフィーリングが微妙に違いますさらに2!スプルースもかなり良質の物ですさらに3!●弾いてますと、ブラジリアンローズウッドの香りを感じます。さらに5!●このアングルが好きです!●このアングルも好きです♦この個体をリペアさせて頂く機会はそれ程有りませんので、記録として画像を撮った 一部を共有したいと思いアップしました、決して調子に乗った訳では有りません。◆状態の確認からピックガードがこの程度剥がれてるだけで音に相当の悪影響が有ります。落ち着いたカラーの茶べっ甲柄に交換する予定ですが、後ほどアップする画像で賛否を問いたいと思います。ふるってご意見をお聞かせ下さい。 ところで・・・●ん~~ ネックヒールにストラップピン打つとは・・・・マイナスネジの物ですから、 新品で購入されたオーナー様が打ったに違い有りません。 考えますと、67年と言えば1ドル360円の固定相場時代です、この時代にマーチンを 購入してエンドピン付ける立場の方?プロミュージシャンの方では無いでしょうか? この個体に心当たりの有る方の情報提供をお願い致します。今回は触りませんが、再全塗装の時に穴埋め~色合わせ~ラッカー仕上げの時にリペアする予定です ●ブレーシングの浮きから・・・見つけました ●当初の見込みでは低音側と思ってたのですが,低音側を丹念に探しても見つかりません 再度ノックテストを慎重にしていきますと、ブレーシングの無い箇所でも微妙にノック音 が変です。ノックテスト中に、この感じの金属音は聞いたこと無いので再び驚いてます。 高音側かも?有りましたサウンドホールから見える箇所で、ここをノック しても変な音が返って来ません。剥がれ箇所と共鳴振動する所がここまで違うのは珍しい かも知れません。●確認の為の一手間です ●剥がれ箇所に突っ張り治具で固定してノックテストをしますと、全く問題が無い事が 確認出来ました。 それにしても、ブレーシング&ピックガードで共鳴異音が出てるにも関わらず、大音量 で繊細にして綺麗な音色とは、何というギターなのでしょうか?●ピックガードの交換から●オリジナル●茶べっ甲柄●黒茶べっ甲個人的には黒茶べっ甲が良いのでは無いかと思いますが、如何でしょうか?●オリジナルピックガードを外して見たところ ●変形は深刻なものでは無くそのまま使えるので良かったと思います。 67年当時は現在の様な両面テープでは無く推定?タイトボンドで付いてます。 強力両面テープは、将来的にトップに悪影響を及ぼす恐れが有りますので、 ルームK2では、弱めのテープを使用します。●オリジナルのピックガードを元に戻しました。●次はブレーシング接着です ●時間との戦いでも有るため、途中の画像を撮る時間が有りません。トップのクランプは 内部から持ち上げる力が働くためボディの変形を防ぐために掛けます。 リペア後のノックテストでは全ての箇所で異音の発生は有りません。●サドルの製作はオリジナルのコピーを製作後に微調整して行きます。 オリジナルでオクターブが合っている時は、弦との接点が何処に有るのかを 画像の通り、2B以上の鉛筆でなぞって行きますと、簡単に接点が浮き上がって 来ますので、同じポジションで接点が出る様に整形して行きます。 材質は牛骨でした。 第三の???発見しました。サドル底辺の水平が全く出てません&バンク角だけで無く 真直ぐ削られてもいません、?が3か所も有るのに、素晴らしい音色なのは理解不能です。 他の方のリペアをどうこう言う積りは有りませんが、これはちょっとねぇ? マーチンD35/67年ハカランダモデル・・・ですよ。 話を戻します Rの掛かったサドルも良いのですが、最近流行りの【タスクが出た頃からかな?】 カクカク!としたサドルが好きなので、今回はタスク風に整形して行きます。●乗せて試奏しましたが、【水と油】で、エボニーのサドルは駄目でした、ここまで エボニーと合わない個体は初めてです。 サステーンが全く効きませんので、あるいは好みの問題かも知れません。 で、思い出したのですが、エリクサーでもマーチンと全く合わない個体が有り、両者の 長所を打ち消す働きが有るのかも知れません。●サドルを水平直角に整形し直してリペア完了です。 画像からどうぞ画像データでは向きを変えたのに、アップすると横向いたままですので首を横にしてご覧下さい、今、首を横にしましたね?(笑)◆2時間程は試奏したでしょうか?とにかく凄いギターです。音がサウンドホールから真直ぐに 出るので、自分で弾いてますと音が良く判りません!本当は弾いてるのを聴くのがベストなの ですが、一人の時は壁に向かって反響した音を聴きます。 ■余談ですが、マーチン購入の際は一人でショップに行っては駄目です。仲間に弾いて貰って その音色をサウンドホール正面に陣取って聴かないと良く判りません。🌸たいへんよくできました🌸◆PS リペア ルームK2の近くで仕事が有ったI氏が、久しぶりに訪ねて来て頂きました。 お届け前のD35を試奏して頂いたところ、~~~うなってました。 【これがこのギターの本当の音色なんだねぇ~】の感想を頂き合ました。 K2がI氏の試奏を聴いてた場所は何と、リペアルームから出て、 階段の踊り場です、良く鳴るマーチンは近くで聴くよりも離れた方が 良いのです。 マーチンを代表する一流メーカーの良く鳴るギターは、既に完成されてまして、 音を良くする事は基本的に不可能と考えてます。 出来る事は、本来の音色を邪魔する障害を出来る限り取除く事!だけです。 3か所の障害を取除いて本来の音色を取戻したのだと考えてます。 前置きが長く成りましたが、張って有るマーチン弦が限界を超えてます ので、支給品のダダリオに交換するついでに、ナットの整形&ペグの クリーニングをPS・リペアでしました。 ●ナットの上面が殆ど水平ですと、クラッシクギターでの整形でしょう? これでは弦との接点が広すぎますので、通常のRの掛かった形状に直します。 接点は2ミリは音色&耐久性の点で、ルームK2ではスタンダードの形状です。 【ナット&サドルは牛骨でした】仕上がの画像ですが、ナット下角のキズは既に付いてたものです、この様にナットが溝に収まってるナットの場合は、ナットをドルメルor精密ノコで中央から切断して外さないとキズ割れになる可能性が高いです。また、溝に収まってるナットの場合は、ルームK2では接着しません、ナットは消耗品ですからナットを外す時&接着剤の残りを取除く時のリスクを考えれば接着する理由が見当たりません。・・・内緒で補修しておきました。●上の方のヘッドの画像を見て、ペグのクスミが気になったのでナットを整形する時に ペグを外して、鏡面仕上げコンパウンド&鏡面仕上げワックスを掛けました。ピカピカです。●仕上がりの画像です🌸たいへんよくできました2🌸
2016年08月15日
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◆今回のご依頼品は、ビンテージ・スズキウクレレ緊急ドッグ入りで有ります。 HN/薪拾いジジィ様の相棒のビンテージ・スズキウクレレのトップ板に異常が発生。 パッキ!・・・んッ?何?・・・ありゃまぁ?嘘だろ?・・・! 独断の推測で心情を再現して見ました。つまり 頭真っ白!だったのでは無いでしょうか。 Byメガドライの穂先折った時のK2の心情でも有ります でも大丈夫っすよ! と軽く明るくお引き受けしますと、なんだぁ~どうって事無いのか? って少し安心されると思います。本当に大丈夫ですから心配しないで下さい。♦ウクレレのブリッジ下の補強はボディを縦断する形状では有りませんので、腕で挟んで演奏する スタイルで有るために、この様なトラブルが発生するものと考えてます。●画像からブリッジの1弦側に少し窪んだ線がクラックです。マホガニー合板なのですが表面のマホガニーの一部と、バックアップ板の一部が割れてます。●補強が無い・・・サウンドホール際のブレーシングは有るのですが、ブリッジ下の補強が一切有りませんでした考えられるのは、マホ合板だから不要と考えたのではないでしょうか? 実はこの方が、リペアするには無い方が都合が良いのです。♦リペア開始します ●クラックにニカワを流し込んで接着して行きます。クランプは広がる事を防ぐものです。 裏側にニカワのシミが出て来ましたので、ニカワが貫通してる事が確認されました。●見えない手が入ら無い箇所のクラックに添って、補強板を正確に入れるのは思ったより簡単 では有りません、先ずは補強板の際にガイド板をマスキングテープで張ってから、ガイド板 に沿って入れて行きます。●こんな感じで入れて行きます。●クランプが1か所しか掛けられないので、センター1か所で両サイドが浮かないかテストして見ました●この長さの補強板でしたら両サイドが浮かない事が確認出来ました。●バックに補強板を入れて行きます●画像のクランプ養生材はとても便利です、このケースでクランプ掛けてもキズ凹みが付きせん。◆これは何でしょう?正解!クラックのセンターに補強板が入っているかをテストする物です。トップ板のクラックに上を 合わせると、咬みあってる下の部分がクラックセンターに来ますので、それをミラーで確認す ればOKとなります。Fケーブルを曲げただけですが思いの他便利でした。●前回のリペアで指板とネックの間に入れたスペサーの色合わせが不十分でしたので合わせて行きます。 ・・・マホカラーのGGWカラーを使い切ってしまい、オーダーした所が生産中止!在庫無し! こりゃ困ったのですが、手あたり次第に購入しては、こりゃNGばっかりで困り果ててた時に 有りました!GGWカラーと遜色無い着色材が、10種類以上無駄な物を購入してロスしたか ・・・何かは今は秘密です。●判らないでしょう?は言い過ぎでです、オリジナル塗装は経年変化をしてますので 着色~ラッカー仕上げ~コンパウンド~マイクロファイン磨き~ワックス~ 1&4弦側の画像です●弦高微調整 現状よりも少し高くなるナットを、ハカランダ材で削り出して行きます。 画像にしても絵にならないので割愛しました。手抜きとも言います?●リペア完了しました●殆ど判らないと思います、音色も依然と変わらないと思います。●内部の補強状態です。●端が写ってませんがリペア完了画像です🌸たいへんよくできました🌸
2016年08月13日
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◆30年来の友人で身内同然の【HN/きみさん】の青春のギターのリペアーが先日終了しました。 50年以上経過したクラッシクギターで、中身は全く違うギターに生まれ変わったので、驚がせ てしまった様です。 今度のギターをアミちゃん気に入ってくれるかな? ギターの練習も良いけど勉強とお手伝いを 忘れるとK2のオジサン見たくなっちうから注意してね!【妙に説得力が有ったりして?】 受験勉強そっちのけで、ギターを掛け布団に炬燵で何度寝ていたか?思い出してしまいました。 でも第一志望校に受かったのでとても不思議です。◆きみさんの話では、ヤマハのギター教室に通うとの事なので、フォークギターのレッスンには 残念ながらクラシックギターは向きませんので、きみさんからご相談を受けて探して来ましたよ! TOKAIがハミングバードと名乗ってた頃の、0【ゼロ】フレット仕様のマニアックな ギターなので、ヤマハの先生が驚くかもね?画像はこれです!マークぢゃ良く判らないでしょう?ジャンクなギターを【千葉県東金市のハードオフさん】で見つけて来まして、使える様にリペアの真っ最中です。東金市のハードオフさんはK2も定期的に訪問するお店で、運命の出会い&掘り出し物に出会える事が有り、【お気に入り】のお店です。・・・掘り出し物と同時にK2の顔を思い出すのはご法度ですよ(笑)ギターの管理も良くて安心して選ぶ事が出来る信頼できるお店です。◆【ジャンクなTOKAI】のジャンク 1】ネックの波打ち&元起き 2】サドルが凄い物が付いてます 3】塗装がくすんでます 4】全体調整必要 5】その他後から出る出る?◆リペア開始 1】ネックの波打ち リペア前の画像を撮り忘れてしまい、リペア前は、9フレット&5フレット付近で局地的な順ゾリで、要するにネックが波打ってる状態でした。200度で15分加熱後に2日クランプ掛けを2セット、ネックヒター&クランプで修正したところ素直に真っ直ぐに成りました。が、しかし・・・スケールの右側が微妙な隙間が有る事が判りますか?元起きは残念ながら完全に戻ってくれませんでしたが、ネックリセット?その前に、この状態で弾き易くセッティング可能かをネックスケールで測定したところ、問題なし!充分イケる事が判りましたので一安心です。ポジションマーク融解するプラスチック製のポジションマークはヒーターで簡単に溶けてしまいますが、想定してましたので問題有りません。6ミリのグリーン鮑です、下のドリル刃は竹に穴を開けるドリルなのですが、通常の木工ドリルと違い、綺麗に開ける事が出来て、バリがでて指板を痛める可能性が低いので重宝します。綺麗に開きますので隙間修正パテが必要有りませんはい、綺麗に仕上がりました凄いサドル・・・上が使用されてたサドルです、・・・プラスチックなのですがサドル材では無く、なんなんでしょうね?下は、測定値よりもプラス2ミリで作ったエボニーのサドルです。セッティングの時に、高さ&オクターブチェックしてから最終整形します。塗装のくすみ画像では白濁に見えますが、白濁では無いようですのでコンパウンド&鏡面仕上げコンパウンドでピカピカにします。はい、ピカピカになりました、小キズは蜜蝋ワックスで目立たなくします。ヘッドにネームを入れます塗装を全て落とし、マホガニーなので下地処理してオイルフィニッシュ後にネームいれて特殊な一液性のウレタンクリアーで仕上げました。最終調整の前の画像集オーラ?スポットライト当てて撮影した訳では有りませんが、綺麗なギターは気分が良いですねフレット&指板を良く観察しますと殆ど弾かれた形跡が有りません、流行っていた頃に買ったはいいけど・・・直ぐに挫けて御蔵入り!では無いでしょうか?書き忘れてました、通常は合板アコギのトップ板の裏は、サンディングされて無くてザラザラなんですが、このギターは綺麗にサンディングされてました、【初めての事かも?】ザラザラを手の届く範囲でサンディングして上げますと、音色に良い影響が有る事は経験上知ってます。皆様のアコギもトップ裏がザラザラでしたら弦交換の時に試して見ると良いかも知れません【あくまでも自己責任忘れずに】木目に逆らわず真直ぐに掛けないと駄目で、根気よく行って下さい、削りカスは掃除機で吸い取ってしまいましょう!トラストロッドカバーアルミ製で雰囲気が有りましたので、ヘッドマークだった物を貼り付けました。●ブリッジ蜜蝋ワックスを塗って、ストリングガイドを開けて完了ですが、サドル溝の整形が5~6弦の所がが狭いと言うか、入口だけ狭くなって3ミリのサドルが入らないのです???そのまま溝に入る様にサドルを整形すると、入った時に中はユルユル!これは駄目でしょう?ナット溝ファイルがジャスト3ミリなので、整形しなおして完了。 なんだかなぁ??どうやったらこんな開け方出来るのでしょう?謎は深まります●ナット試奏していて6弦に違和感、寄ってるんじゃない?画像ではフレットを見て下さい、1ミリ弱左に寄って接着されてます。瞬間接着剤を使うと、一発勝負!サドルを置いた瞬間に貼り付いて微調整が効きません。一発でピッタリ何て神業出来ませんので、ルームK2では、水で薄めたタイトボンドを薄く塗って付けるか、ネックコンディションによって頻繁に交換するギターでは接着すらしません。●ペグ付けこのタイプにありがちな支軸を支える部品が全てOKでしたので、バラしてクリーニングでそのまま使用します。ネジ穴が広がってましたので、同じ材質のマホ材で修正します無事に付きました、ピカールで磨いてピカピカです。微調整前セッティングの状態です、12フレット 2.4ミリ はまあまあですが・・・●1フレット弦高が 0.8+ 有ります1フレットが全く駄目です。ギター初めての時は、1~3フレットを多用しますので、ここが低く無いと必ず挫けます!0フレットの調整したの?って言いたいですね! 前オーナー様がこのギターを余り弾かなかった理由が判る気がしました。0フレットが調整されてない、ナットがズレてる、これでは初めての方でしたら、ギターって難しいや~めた!になるでしょう? 注意【Fコードを押さえる事は、大リーグボール養成ギブス状態です】齢がばれますってか? フォークブームが去って多くのギターメーカーが消えて行きましたが、初心者向けと称した、きちんと調整してないギターを販売したブーメランが戻って来たのも理由の一つではないでしょうか?初心者用=安いギター 馬鹿げた方程式言い出したの誰?まともに調整されて無いギターが初心者向けなど有り得ないですね。ルームK2では予算の許す限り高いギターを買って練習して下さいとアドバイスします高い=良質ギターの可能性が高く、弾き易く、音も良い、何と言っても高い金出したら簡単に止めないでしょう? 昔は、何時かはギブソン&マーチン でしたが、本当はいきなりギブソン&マーチンが良いと思いますフェンダー(USA)は夏休みフルバイトで買ちゃました。◆話が明後日の方に行ってしまいましたので、この辺で元に戻します。●ナットのズレの原因は、ナット溝が全て直線で切られていた事が原因だった様です。ネックから来た弦が、ペグに向かう方向に合わせて少し曲げてあげないと。ナットの画像上の部分が力点になって、左方向にズレようとします。3弦側も同じで右にズレようとしますが4~6弦の方が力が強いのでこの様な結果になります。 この際ですから、牛骨で作り直します。0フレット仕様のナット交換で音色変化に興味が有ります。結果は後ほど・・・◆便利な工具入荷する 本題とは関係有りません ミラーにLEDライトが内蔵されてまして、内部を確認する時に今までは小型ライトを内部に入れたりペンライトで照らしたりと、ブレーシングの浮きを確認する作業の時には難儀してましたが、これからは片手がフリーになりますので作業効率が上がります。★またまた得意の脱線ゲームでした★★ジャンクの称号返上す!リペア完了★★ 先ずは画像から・・・●ネックの調整具合は・・・●ジャンクしてた頃と比べると2.1ミリ・・・ありえなくねぇ~ 若者言葉引用しました●問題の0フレット&1フレットは、お馴染み0.5ピンクがピッタしです。 0フレットのフレット溝の加工が不十分でフレットが浮いてました、と言う事は 生まれた時からこの状態だったと言事です。も少し真面目に作りましょうね!♦試奏したら・・・んんんあぁえええそそそありゃ?綺麗な音してる、サスティーンも効いてるぞう、 コードストロークしても乱れない!なんじゃこりゃ?このコンディションで店頭に並んだらきっと・・・【ジャパンビンテージ、0フレット仕様、ネックコンディション良好、音色良し、弾き易いギターです】なんちゃって!の称号で並ぶかも?しかも使用した弦は、調整テスト用として使ってる サウンドハウスさんの1セット/200円以下の弦です。リペア終了後に、2時間ほど弾きまくってしまいました。・・・引き渡しはこれからなんですが、娘を嫁に出すときよりも惜しい感じがしてるかも(笑)・・・冗談ですからね!♦〆にもう一枚🌸たいへんよくできました🌸
2016年08月11日
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◆今回のご依頼品は コアロハ コンサートタイプのウクレレです HN/薪拾いジジィ様が運命の出会いをされた逸品とお聞きして居ります。●先ずは画像3枚をご覧下さい。●ダイナミックな材を使用しておりまして、試奏した感じではウクレレの *1マーチンって感じです。 得意の3コードを駆使して試奏しました所、綺麗な音色でボリュームも申し分 有りません。 マーチンもウクレレを作ってる事を初めて知りましたので、ウクレレ界の ギブソンに訂正します。 *1】マーチンもウクレレを作ってる事を知りませんでした。 ◆ご依頼の内容の前に衝撃画像2枚をご覧下さい。●ブリッジを中心にサウンドホール下側が陥没、ブリッジの左右が陥没&隆起と言う 症状です。これは弦を緩めなかったであろう前オーナー様がこの状態になり 手放したと推測されます。 弦のテンションでブリッジが隆起してブリッジ下が引っ張られて隆起、 サウンドホール下がその煽りを喰らって陥没と、絵に描いた様な弦を緩めない 弊害の見本の様な状態です。 この状態でリペアプロショップに依頼されたら、リペア料金で新しい物を買った方が 安いかも?って言われると思います。●●●ここでルームK2からのお願いが有ります●●● ルームK2にご訪問頂いた心優しいギタープレヤーの皆さまにおかれましては、 弾き終わったギター&ウクレレの弦は、完全に緩めて休ませてあげて下さい。 張りっぱなしで良い結果などは、微塵も有りません。百害あって一利なし!です。 良くギターは弦を張った状態で計算されて作られてる! などとおっしゃる方が いらっしゃいますが、計算?で有れば数学ですから、この計算式を教えて下さい。 K2の青春のギターR400Dは、40年間弾かない時は弦はだらだらに緩めた結果、 6E/12Fが2.1ミリです。レスポールと間違える程のネックコンデションです。 ・・・少し話がそれてしまいましたが、弦は所詮消耗品で、本体よりも弦が 大切な訳有りません。切れたら交換、錆びたら交換 弦のストックは忘れずに! お願い致します。●次の画像2枚です●画像の線に見える箇所がクラックです、トップ&バックに各1か所入ってます。 トップのクラックは裂けた様な状態です。◆リペアの開始です。●画像をご覧ください ●力技でねじ伏せてみます。 力技と言っても、むやみにクランプ掛けしてる訳では有りません。経験からクランプを 掛ける位置と養生材、バックアップ材を駆使し、更にトルクを微妙に加減しながらの 工程です。良い子は絶対真似しないで下さい【番組からのお願いです】 ギター用の工具治具が使えるのでラッキーです。 数日~様子を見ながら効果を検証して行きます。許容範囲まで戻りましたら、 間髪入れずにバックアップ材を入れて補強しますが、ブレーシングを入れますと 音色がガラッと変化してしまう恐れが有りますので、突板を使っての補強になる予定です。 ●画像右下の塗装の寄れがトップ材に達してる様で、ボディ全体の再塗装の必要が有る様です。●力技が効かない場合・・・バックを外してのリペアになりますが、調査の結果ブレーシングを 入れてもセオリー通りのブレーシングで有れば、音色への影響は心配する程では無いと 言う結果で、少しほっとしました。◆勝負の早いバック外しに方向転換します。 バック外しに踏み切れなかった最大の理由のは音色変化です。しかしながら、 心配する程でも無い事が信頼出来るソースから入って来ましたので、バック外しに 移行します。 ●開口口を決めますライニング材がアコギと違って一枚板で接着面積が狭いため、突破口が決まれば後は慎重に剥がして行くだけです。・・・見える手が届く なら勝負は簡単です。ブレーシング材は、エゾ松&マホガニー&オリジナルの再利用で行く予定です。●決して無理せず外して行きます●数種類の工具を使い分けて開けて行きます●ブリッジも外しておきます●変形に一役買ってるブリッジを外しておきます、スクレーパーをアイロンで温めて 接着剤を柔らかくして外していきます。●外れました、位置決め用のダボ穴が有りますので、マーキングは不要です。●バックも外れました●ブレーシングが余りにも頼り無いです、音質重視も良いですが、これではいくら弦緩めても 演奏中にボディが変形するんじゃないかと心配になります。 前オーナー様の管理不良を疑って申訳有りません。♦トップ板厚 1.5ミリ ソリッド・ハワイアンコア/マホガニーブレーシング2本 ブリッジ裏補強板 1.7ミリ マホガニー/ 以上 個人的な見解ですが、この構造で変形させない方が無理ではないでしょうか? 力技の効果が殆ど無かった原因は、補強板とサウンドホール下のブレーシングの間で複雑 に捻じれた事で、補強板とブレーシングの間を真直ぐにしても、ブレーシングがそれを阻む 様に機能していたからです。●1.7ミリの補強板では強度不足と思います●ブリッジ裏補強板●幅は同じですが、長さを延長して厚さを3ミリのマホガニー材で補強材とします●変形してる箇所に両面から当て木を使って修正して行きますが、乾燥した木材は 少し水分を含ませませんと元に戻る力が働きませんので、蒸発の早いアルコールを 使用しました。●この方法で変形したトップを修正して行きます。この時点ではホール下の ブレーシングは付いたままです。 この工程後にブレーシングが邪魔してる事に気が付きまして、ブレーシングも 外してサウンドホール周辺を修正しました。●本来は音&強度を高めるブレーシングが変形保持材になってました。●このブレーシングが真直ぐなる事を拒んでいました。●ブレーシングは本来の機能に戻って頂きます。●画像の上の当て木を先にクランプ掛けてから、ブレーシングを戻します●新規で縦に入れるブレーシングを付ける前ですが、こんな感じに修正出来ました●僅かに変形が残ってますが、縦のブレーシングを入れた時点で修正されます。 水平が出て無いって?この場合は水平は関係有りませんから、問題有りません。●トップ&バックは塗装を剥がして再塗装します。●はがし剤が気持ち良いほど効きます。●ブレーシングに戻ります●ドイツ松が手に入りませんので、エゾ松を使用してますが遜色無いと思います。●中○ウクレレ さんのデザインを参考にしてブレーシングをデザインしました。 ブレーシングは予め削っておきませんと両サイドが削れなくなります。張りながら ノックテストをして音色を想像して行きます。◆トップ板のクラックが裂けるように広がってしまってます。 トップ修正後は変化は無かったのですが、トップ板のクラックが裂けるように広がって しまってます。ハワイアンコア材は年輪らしし物がはっきりしません。ハワイの気候を 考えますと、成長が著しく遅くなる冬が有りませんので年輪がはっきりしないもだと 思います。 最初のクラックも割れたと言うよりも裂けたと言うふうに考えられ、バック板を合わせ て見ますと、広がってませんので乾燥が進み、バック&サイド板よりも収縮した分。弱い 箇所が裂けるように割れたのだと考えられます。 バック板を貼る前に変化して良かったと思います、張り戻した後ですと当木を貼るのは 至難の業かも知れません。 ●トップの割れは、裏に当て木をしてからトップ板をサンディングした木粉をタイトボンドに 混ぜてパテを作りクラックを埋めて行きます。 タイトボンドと同質の木材パテを使いますと音への影響を最小限に留める事が出来ます。 ●パテで埋めてサンディングします●ブリッジを戻します●サンディングは、320番 600番 1000番 2000番の順の順に仕上げて 行きます。◆ここまで来ますとバックを貼り戻し塗装をして最終調整してリペア完了となります。 塗装はオイルフィニッシュを予定してますが、オリジナルのイメージでクリアーに ライトウォールナットを少量混合した物を使います。 バックは、クリアーにマホガニーを混合した物を使う予定です。●トップはクリアーのみで仕上げました、光の具合で色合いが変わる不思議な トップです。タイガーストライプでは良く有りますが、トップでは初めてです・・・ ハワイアンコア恐るべし!●バックを張り戻す際に一度塗装しておきますと、はみ出たタイトボンドが材に 染み込みませんのでオイルフィニッシュでは必須の工程です。◆バックの張り合わせする前にクラックの補修画像が抜けてる事に気が付きました。 この部分はサウンドホールから丸見えになりますので、マホガニー材を面取り&Rを 掛けて整形してクラックのラインに合わせて貼り付けます。●こんな感じです。◆それではバックの張り合わせに移ります。 この工程はやり残した事が有ると迎えられません!テレビCMのパクリでした。 経過観察のため10日程インターバル期間を開けましたが、変形等の不具合が 進行する事が有りませんでしたので一安心です。●アコギと同程度の工程と考えていましたが、括れの部分が微妙に開いてまして、 タイトボンドが乾き始めるまでの短時間で、貼り合わせるシュミレーションを 繰り返しましたが、考えた通りになりません。型枠を作る方向で考えた時に思いつきました、 括れ部分の開きを押さえれば良いだけ なので、発泡スチロールで作ればOKでは?1回のシュミレーションOKでしたので、 貼り戻し開始です。 作業途中の画像を撮ってる時間は有りませんので、こんな感じで貼り合わせて行きました。 はみ出たタイトボンドは、本来ですと直ぐに拭き取りませんと後が大変なのですが 下塗り塗装をして有りますので、クランプを外してからウエスをお湯で濡らして 拭取れば大丈夫です。●無事にバックの貼り合わせも終わり、いよいよ仕上げの塗装に入りたいのですが、 雨高湿度雨で塗装に入れません、今日一日だけ晴れの予報ですので、昨夜のうちに 養生は済ませて有ります。●養生を丁寧にしないと仕上がりが悪くなります。●5回に分けて塗った所です。 1週間ほど自然乾燥させてから,軽く水研ぎしてからコンパウンドで仕上げて行きます。●養生を外した画像もアップしておきます。●ハワイのイメージでスカイブルーのフェルトを敷いて見ました。Aloha~ です。●ラッカー吹いてから天気が回復しません。ラッカーがカラからに乾かないと仕上げに 移れません。我慢の日々です。●9/11日に晴れてから3週間で晴れた日が僅か1日と、水研ぎの邪魔をされる日が続き リペアが進めませんでしたが、ようやく湿度も下がりラッカーもカラカラに乾いて来ました。 一気に水研ぎ~コンパウンド~蜜蝋仕上げ が出来ます。 ●一気に仕上げました・・・途中の画像を撮り忘れる程でした。●オリジナルのマットな感じを残したトップ仕上げです。 2000番の耐水ペーパーで軽く水研ぎ後に、微粒コンパウンドで磨き上げてから、 最後に蜜蝋ワックスで仕上げました。 光の強弱で色合いが変化する仕様ですが、単にハワイアンコアの特性かも知れません。●トップ●バック●ネック裏の塗装のヨレが手に引っ掛りますので、2000番で軽く水研ぎ後に、 微粒コンパウンド~蜜蝋ワックスで修正しました。 ●サイド●逆サイド サッカー用語でした●弦を張ってから試奏ですが、リペア完了直後の弦張り~音出しは最も緊張します。 特に今回は、無かったブレーシングを入れると言う手法を選択しましたので、特に 緊張します。■余談コーナー ウクレレはもしかしたら、内部構造が確立してない言わば、発展する余地を残した 楽器なのではないでしょうか? メジャーなメーカー~個人ビルダー~お土産品? に至るまで、内部構造が 多種多様で、アコースティックギターのXブレーシングの様に【右へ習え】って 事が無いのでそう思ってしまいます。 併せて、弦の張力を無視or軽く考える 構造が目立つ様に思います。音質と強度は 共生出来無いのかも知れませんが、通常使用でボディの変形をしないだけの強度は 考慮すべきでは無いでしょうか? 今回のリペアは、日本の著名な方の内部構造を参考にさせて頂きましたが、 ノックテストではん?って反響音は有りませんでした。 ・・・ルームK2オリジナルのウクレレを製作してしちゃおうか?って気が満々に 湧いて来ました。 *仕様はこんな感じでしょうか タイプ コンサートタイプ トップ ソリッドシダー AAA以上の材使用 サイド ソリッドマホガニー バック ソリッドマホガニー ネック マホガニー 指板 エボニー 内部構造 Xブレーシング ビンテージマーチン改造型 ペグ グローバー ナット 象牙orボーン サドル 象牙orボーンorエボニー ▲接点 接着剤 オール膠 フィニッシュ スーパーブロンズ・シュレック仕上げ 販売予定価格 300,000円 大幅値引き有り応相談 誰も買いません(笑)●現在のコアロハの内部構造はサウンドホール下に【ユニブレース】と命名されたフレーム 状の補強が採用されております。 この事が意味する事は、今までの構造には耐久性に問題が有った証明でも有ります。 極薄のトップ材、強度的に不充分と思われるブレーシング、ネックジョイントも頼りない 接続方法、音も大切ですが長期間変形しないで使える楽器で有る事も大切な事では無いで しょうか? ウクレレエキスパートの楽器店スタッフ様にお聴きしましたところ、コアロハの変形には 困った経験が多く有ったとの事でした、同時にリペアを進めてます、【カマカ】と比べますと 一目瞭然です。カマカの作りはしっかりしております。●試奏タイムです 最近のコアロハの同価格帯のモデルを、参考に島村楽器・印西イオン店様で試奏させて頂いた 個体と音色、弦高 共に差異は感じませんでした。コアロハらしい音色と思います。 外見はハワイアンらしく小麦色にオイルフィニュッシュ焼けされまして精悍な感じに仕上がり ました。コアロハはガラス細工の様な繊細な楽器ですから、弾かない時は弦を完全にダラダラに 緩めて休ませる様にして下さい。🌸たいへんよくできました🌸
2016年08月07日
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◆今回のご依頼品は Crescent Moon by Tone Wood 製、特注品のアコースティックギターです。 月に代わってお仕置きよ!はセーラームーンで、クレセントムーンとは、 名古屋で素晴らしいギターを作られてますギタービルダーさんです。12フレットのインレイが実に印象的で、音色は質実剛健と申しましょうか、太く、大きく綺麗、全体の調和が取れてる名機と呼ぶに相応しいギターです。トップはシダーなのですが、私の知ってるシダーとは一味違った感じです。意味が通じるかどうかは別として、フォークギターにクラッシクギターの隠し味を仕込んでいる様な感じです。1】 ご依頼の内容は、1Eのハイポジションでビビる。 フレットロッカーで簡易検査しましたところ1E側のフレット数か所でフレットが浮いてました。 特に9フレットは0.2のシクネスゲージが入ってしまいますので、これではハイポジションは ビビって弾くどころでは無いと思います。 オーダー品で有ろうとも、特に珍しい現象では有りませんし、通常でしたら簡単に直りますので心配は無用ですが、 物が物だけに、【フレット打込み棒】で打ちこむのは避けて、フレット打換え用の治具を使って圧入する方法を選択しました。2】全体的なクリーニング&微調整 シェラック塗装なので、化学薬品的なクリーナー、特にアルコール含有の物を使いますと、それこそ どえりゃぁ~事になりますので【シェラックはアルコールに溶かしてニス状態にします】シェラック 仕上げの㊙クリーニング方法は、吐息を吹きかけて化学薬品処理していないクロスで磨く!が最善の 方法で実に綺麗に成ります。1】リペア画像●指板350R用のフレット圧入治具、フレット部分打込み棒【K2作】 圧入治具を使いますとフレット全体が、じわじわっと均一の圧力で入りますので、中央~反対側が 浮いたりしませんので、新たな問題を作ってしまう可能性が低くなります。●圧入完了画像問題無く綺麗に元の位置に戻りました2】全体的な調整 ●フレット&指板のクリーニングです●右2本がクリーニング済で左がこれからです、違いが判ると思います。フレットがピカピカは気持ちいですね。●指板にオレンンジオイル湿布後に磨き入れ●綺麗な指板は弾いていて気持ち良いものです。 私のストラトのメイプルネックは凄い事になってますが、フレットはピカピカで違和感の塊です。 ●チューニングの時に、ピッキ!の音と引っ掛りが有りましたので、ナット溝のチェックします。 ●本来でしたらナットファイルを使いたい所ですが、1フレットのクリアランスが理想的なため これ以上削れませんので、溝クリーニングとFグリーズで滑らかにして引っ掛りを防止します。 個人的な見解ですが、ナット溝の角度がペグ取付位置と微妙にズレてる様に思います。 しかしながら、今すぐに作り変える必要が有る程では無いので、消耗品で有るナット交換する時に 正規の角度で作り直しすれば充分です。●1フレット弦高確認 ●1フレットは理想的です ピンクの物体は、0.5ミリのスペーサーです。これが気持ち引っ掛る程度に入るのが良いです。●12フレット弦高調整●6Eのデータで3.0ミリは若干高いかな?程度ですが問題は1E、2Bです。 原因は簡単で、指板350Rに対してサドルが350Rに成ってません、画像のナット中央上部と 350R治具の接する部分に隙間が有りますので黒く映ります、即ち1E2B5A6Eの高さに バラつきが発生して、測定データよりも少し弾き難いかな?って感覚に成ります。 人間の感覚って案外凄いと思いませんか?0.5ミリ違いで弾き難いと感じるとは・・・●サドルをR350に修正します 修正したオリジナルサドル&エボニーの新しく削り出したエボニーサドルです●高湿度の季節用に、1ミリ低く削り出したボーンサドルです**サドル底面を簡単に正確に削り出す方法【使用する工具】●ガラスの様な正確に平面が出ている物に320番程度の木工用サンドペーパーをひきます。 スコヤを置きスコヤの側面にサドルを押し当てる感覚で削って行きますが、この際に、サドル 底面を削る感覚では無く、スコヤに押し当てて前後に動かして削る感覚でやって下さい。 10回程度削ったら前後入れ替えてまた10回削ると良いと思います。 削りながら正確に削られているか確認しながら進めて下さい。*スコヤは出来れば新品を用意して専用工具として他に使わない方が良いです。 ルームK2では、精密加工工場の廃材を使ってます。廃材とは言え、完全に90度が出ている物です。 ペーパーは耐水よりも画像の木工タイプが目ずまりが少なく使い易いです。●正確に削られますと画像の様に、光に当てると光が漏れて来ません、見る角度を変えながら 妥協しないで確認して下さい。●直角が出てるかは、ガラス板に乗せて上から見て下さい、曲がって無ければ殆ど90度が出てます 人間の直角に対する感覚は鋭い物が有るとの事です。♦リペア完了しました ●例によって画像から●シェラック塗装のためスタンドにウエスの養生は必要です。●弦高はこんな感じです 6E/12F 2.4ミリ●反対側はこんな感じです 1E/12E 2.1ミリ●1Fは最初からこんな感じです●ネックコンディションによって交換するサドルたち●ボーンはオリジナル 2.6ミリくらいになります●エボニーは激低の 2.1ミリになります♦〆にもう一回🌸たいへんよくできました🌸
2016年08月07日
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◆タイトルの【ナルダン88番 ジャンクなギターの再生】は、既にリペアが完了してるピックギターです◆初対面の印象は、この状態で無事にルームK2に辿り着きましたね!もう大丈夫ですよ! とにかく、痛々しい程の状態で、このギターの価値が判らない家族が居たら、焼却 処分されても不思議では無い程でした。●上から ペグ壊れてる フレットが1世代前のタイプ【割りばしと呼んでます】 ピクガード無し ブリッジ無し テールピース付根のボディが盛り上って割れてる トップ、サイド、バック に計7か所の割れ 塗装は貫禄を通り越して綺麗とは言えない ブレーシング割れ剥がれ放題 その他 とにかく、酷い状態でした。Eメールの送れない携帯に画像が残ってましたのでアップしました最終フレットとその手前のフレットは抜かれて有りませんでした・・・実はリペア前と進行中の画像を飛ばしてしまいまして◆完了後の画像をご覧下さい。これなら捨てられる事は絶対無いでしょう! ちみちみ写真写り良すぎるかも?ピックガードの形状は、ルームK2 の想像で作成して見ました。同時進行でシェラック塗装をしてるギターが有りましたので、12回塗りで仕上げて見ました。バックはタイガーストライプが出てます。勿論、天然の虎ちゃんです。Fホールの左上から伸びてる黒い線が、見事なクラック跡です。完全に修復して有ります。この年代のギターのポジションマークは、3 5 7 10 12 15 です。10のマークはこの年代をご存じのかたでしたら、そうなんだよね!紛らわしいんだよね!ですギターオーナー様のご希望で、10Fから9Fの方へ引っ越しして貰いました。ついでに、指板にはポジションマークが無いので、入れて欲しいとのご要望で白貝で入れて見ました。◆ピックギターはサウンドホールの代わりに、Fホールが有るのですが、手はおろか 専用工具も入りませんので、バックを外してからリペアの開始でした。 *全ての割れ箇所にエゾ松の突板で補強 手が届けば簡単な工程です *ブレーシングは全て貼り直し 手が届けば簡単な工程です *テールピース取付位置 割れたトップはスチーム当てながら、元の位置まで戻して、ローズウッドで補強 トップの割れは、テールピースが弦で引っ張られて発生したものです。 このお陰でネックの曲りが殆ど認められなかった様です *ナルダンNo88は全てソリッドが使われてます。オール単板ってやつですが、 ピックギターは、トップ&バックは削り出しが最も良いとされてまして、 通常のアコギほどは有難味が軽いと思います。 *塗装の処理は暫く迷ってたのですが、セミプロベーシストの我が娘に意見を求めた所、 【貫禄通り越して 汚いって言うと思うよ】の一言で、オーナー様も納得されて、 全て剥がして、マホカラーのオイルフィニッシュで、最後は蜜蝋ワックス仕上げに 決まり、画像の通りの仕上がりとなりました。 時間が経ちますとオイルフィニッシュは馴染んできて、素晴らしい味が出てくるから 好きです。 *ペグはこのギターに期待してませんから、キクタニ で取敢えずOKでした。 *ブリッジの製作 K2では最近導入した工作機械のお陰で、早く正確に製作する事が出来ました、 材質はエボニーです。 ボディ接地面のRの型取り方法は、申し訳有りません 企業秘密で公開は ご容赦下さい。 *フレット擦り合わせ このフレットの印象は、割りばし見たいなフレットです。【戦前のギターに採用されてたらしいです】 極太ネックに全くRの付いていないフレット、このままでは 弾きにくいこと極まり無し で、フレットを標準的な高さに擦り合わせ 極太ネック・・・最も細い 1フレットにSHUBBのカポタストが付けられません 想像を超えた極太ぷりですが、弾いてると不思議に直ぐに慣れてしまいます。 ◆弦の選択 ダダリオを張って見たら、・・・テールピースからペグまで届きません、3G~ 6Eの巻弦は、巻いてある所がペグに掛かりません! それで、ジャズギター用の特殊な弦を張って見ました。◆試奏した感想 通常のピックギターは、なんとも言えないチープな味とでも言うのでしょうか? とにかくチープな音がする事が多いのですが、チューニングしてる時に、結構 いい音してるんじゃねえ?って感じてました。◆オーナー様の試奏 ・・・絶句!ここまで綺麗に成るとは予想してませんでした。 直ぐに、ペグをグローバーに変えて下さい でした。 念のため、決してチューニングが合わないって意味では有りません 安いのに普通に使えるペグとして重宝してます。 それだけ気に入って頂いたって瞬時に理解しました。🌸〆にもう一枚 🌸たいへんよくできました🌸1950年代半~60年頃に製造されたらしい国産オール単板のアーチトップ・ギターです。製造元のNardan/鳴弾)は、第二次大戦後のシベリア抑留から帰還した岩田初由氏によって1948年に名古屋で創業され、1970年頃まで/国内及び海外のギター愛好家にも支持された国産ギター・ブランドです。(現在のナルダン楽器は大正琴の専門メーカーです)★当時のナルダン・ギターのラベルは大きく分けて2種類のデザインがあり、ひとつは当該ギターの様に銀色の地に黒い文字が印刷されたもと、白地に銅版画風のイラストが描かれたタイプが有った様です。イラストが描かれているタイプのラベルは、何故かブランド名が「Nardan」ではなく「Nardau」と表示されています。詳細な理由は残念ながら資料が無く、現在となっては正確な理由は不明です。想像のはんいですが、輸出する際に商標権の問題が生じたため、輸出用のギターに限り表記を変更したのではないかと推測しております。アメリカ中古市場のナルダンの多くは「Nardau」表記が多いらしいです
2016年07月18日
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◆ルームK2のブログに来訪されるゲストの方で、【アオキギタークラフト】さんってブランド ご存じですか? もし、ご存じ無い方で、孫子の代まで付き合あえる!ってギターをお探しの方が いらっしゃっいましたら、選択する仲間に入れた方が後々後悔しなくて済むと 思います。※ご注意 アコギのリペア&セッテングが不要な個体は存在しないと考えてます。 僅か数ミリの薄板に削り出した丈夫なネックを貼り付け、簡単なブレーシング のみで、頑丈なフレームも無い木工製品が、何十年も同じ状態を保てる 方が異常では無いでしょうか? 弦の張力は約60kgと言われてますが、丁度私の体重が60kgです。 アコギのボディに私が24時間ずっとぶら下がってる事を想像すれば 弾いた後は弦を緩める方が良い が我がK2の見解ですし、リペアさせて 頂いたクライアント様には、必ず緩める様にお願いしてます。 ◆上記【垂涎の的】のギターリペアのご用命を頂いたのは、S様です。 先日、リペアをさせて頂いた、I様のご友人で、数年前にライブで ご一緒させて頂いた事が事が有り、素晴らしい歌声とギターに魅了された 事は、今も耳から抜けてません。 立場上沢山のギターに触れて来ましたが、驚いた おったまげた~ ギターは、I氏の愛器D45V、J45ニカワ、メリルギター、フォルヒギター の数台しか有りませんでしたが、今回のアオキギタークラフト製のギター には、驚いたなんて日本語は相応しく無く、やっぱり、おったまげた~ です。◆前置きが長く成りましたが、それ程素晴らしいギターって事なのです。 柾目のソリッド・ブラジリアンローズウッドのバック&サイドですから驚きです。 音量もドレッドノートと変わりません!●ダイナミックな木目のブラジリアンローズウッドを崇拝される方が多いですが、実はあの木材は アメリカメーカーでは使わない材として輸入された、廃材と言うと言い過ぎかも知れませんが そんな感じの材らしいです。その材を日本人の技術力でギター材とし使われた訳です。 ローズウッドの薄板を扱ってますと、使う木目方向を間違えますと裂けてしまいます。 ウェストーンW80は割れ止めが有りながらブラジリアンローズウッドの薄板2枚合わせなのは ダイナミックな木目は裂けてしまうからだと思います。●S様とリペア打合せ事項 1】全体的に弦高が高いので弾き易い高さに調整する 2】サドルをエボニー&ボーン で製作する 3】1Eのローポジションで弾くと少しビビる感じがする 5】全体的なセッテング、音色は変化させない ●簡易的な見立て 1】6E 12Fで4ミリを少し超えてますので、確かに高いのですが、 高さ応分の弾きにくさは感じないのが不思議です。 最も良いとされる高さに戻しますと弾き易く音色にも良い変化が現れる と思います。 2】当初は、本象牙でと打合せしてましたが、これ以上鳴ると収拾付かない 可能性が有りますので、現状のボーンとエボニーで製作と成りました 3】精密な調査では無いのですが、1Eのローフレットを弾くと、2Bが共鳴 して発生してる様に見立てました。 弾いてますとボディからの振動が、脂肪でプロテクトされた私の腹に響いて 来ますので、特定の振動数が2Bの開放弦を揺らして、と同時に、消耗品で有る サドルが起因してる様に見立てました。 5】兎に角凄いギターですから、奏でたい音をストレス無く出る様にお手伝いする! に尽きます。◆リペアの前にする事 弾き終わった後に弦を基本緩めない、ロッドは触って無い。との事でしたので いきなりロッド回しは禁じ手です。 木材の自己修正能力を見極めるために、数日間は弦を緩めた状態でネックが元の位置に どの位戻ろうとするか見極める必要が有ります。◆24時間経過観察 弦を完全に緩めた状態で測定しますと、5F~最終Fまでほぼ完全ストレート 5Fで ごく軽い逆ゾリです。 この状態は特に珍しくは有りません。この状態からレギュラーチュー二ングすると 弾き易いネックになる。つまり、逆ゾリを利用してストレートに持って行く調整です。 リペアルームK2でもこの様な調整に持って行くことは有ります。 チューニング中は1Eと2Bがビビりますが、チューニングが終わるとストレートに なるから心配有りません、と説明して送り出します。 でも・・・経験上この状態でチューニング完了後に、12Fが4ミリになるのが合点 が行きません。なんで? 明日の夜にチューニングして原因を突き止め無ければ先に進みませんが、疑わしい原因が、 ブリッジの剥がれです、チューニング後には予想を上回る程ボディから離れるのかも知れません。 専用のクランプをブリッジセンターに掛けて、浮き上がりを押さえて見れば簡単に判明しますので、 実際のリペア開始が楽しみです。◆リペア開始!の前に先ずは現状のデータ取からです 当初は4ミリ強の6E/12Fの弦高が、3.5ミリ程に下がり、 5Fから1Fの逆ゾリは解消しましたが、自然治癒力はこれで限界かと思われます。 ●弦高 12F 1F 6E 3.5 1.0マイナス 1E 3.0 0.5プラス●ネックデータ フレットスケール 1F~最終F シクネスゲージ .015 順ゾリ ネックの中央で測定した値 金属板がシクネスゲージ【隙間測定板】 ●ブリッジの一部剥がれは画像の通りです ブリッジセンター ブリッジ左角 サウンドホールから確認しましたところ、ブリッジが2本のボルトで止め補強されてます このまま、タイトボンド入れてクランプを掛けますと、補強ボルトが気になりますので クランプを掛ける際には、ボルトを軽く緩めてから掛ける様にします。 ●サドル&ブリッジの確認 サドルを外したところ、?マホガニーで0.5ミリ程度、スペーサーを交まして有り、 更に、3G~1Gにプラ板で更にスペーサーを交まして有りました。 サドルトップの【R】と指板のR405が微妙に合ってませんので、過去に 弦高を下げようとして削ったのは良いけど、下がり過ぎてビビリ発生!で この様な対応をされたのだと推測されます。 ※経験上、0.5ミリ程度のスペーサーで有れば音色が変わる程の影響は無いと考えてます。 貼り付けられてましたマホガニーを外しましたところ、サドルの下面が画像の様になってました、 サドルとブリッジの接点は【限りなく全面ベタ付き】で無いと振動が素直に伝わらず、今回の様に 1E~3Gがベタで付いてませんと、その部分の音が小さく感じたり、全体のバランスが悪く成った りしますので、加工調整する際には注意しないといけません。※F1のフロントノーズの様な感じです、この状態で凄い音色なのだから驚きです。◆ブリッジの張付け ●上の画像は、締付トルクを加えますと、ジワッとはみ出て来るタイトボンドを拭取る 前の画像です。●クランプの養生に使ってる物は、ルームK2の流用アイデア品です。この養生を使い始めて から、ボディ~ネック裏クランプを掛けて、キズ、陥没凹み等のトラブルは一切無く成り ました。コルクと違って使い捨てしないので余計な面倒も掛かりません。◆リペア完了しました 先ずは画像から ●画像の通り 6弦/12Fで【2.5ミリ】弱ととても弾き易い状態に成りました●1フレットは、理想的とされる、0.5ミリ弱に調整しました。 ピンクの物体は、0.5ミリ厚のプラスチック板です。●ナットの溝切が深く調整しました、完全に巻弦が溝に埋もれた状態でしたので、 巻弦の半分がナット溝から露出する、通常のナット調整に戻しておきました。●ナット&サドルの材質がオイル漬ボーンでした。●リペアさせて頂いたギターは、フレット&指板をクリーニングします。 フレットはマイクロファイン仕上げ、指板はオレンジオイルで手入れします。 指板が綺麗ですと、とても印象が変わります、ここはギターの顔と思います。●テールの小キズが目立たなくなりました。2枚目の画像と比較しますと判ると思います。●ルームK2の簡単テクニックを公開します。ギターの僅かな擦れキズは【蜜蝋ワックス】 を塗って拭取りますと、消える訳では無いのですが目立たなくなります。 【キズの深さによっては効果が無いケースも有ります、ご自身のギターに試す際には自己責任で、お願いします】●下地が出てしまうキズには、蜜蝋が染み込んで木部が湿度の影響を受け難く成ります。◆本日お届けさせて頂きました。 弾き易きなり、音色も更に良く鳴った との評価を頂きました。 リペア中に弦を何度も、緩める~外す~張る を繰返しましたので、弦が完全に行ってしまったので エリクサーに交換して数時間後から、ガラッと変わって来ました、エリクサーは数時間~数日経過する 良い変化をする事が有りますので不思議なストリングスです。 よく研究されて製作されたギターはやっぱり凄いです。 夜遅くまで、S様I様と3人でセッションで盛り上がったのは言うまでも有りません。 S様の歌声I様のギターテクには毎度ながら、圧倒されます。ギターリペアでは負けないのにのに・・・♦〆にもう一枚🌸たいへんよくできました🌸
2016年07月18日
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◆今回のご依頼品は、HN/薪拾いジジィ様の愛器、ウクレレのヤマハ90番です シリアルナンバーから、製作されたのは、昭和40年です。御年51歳です。 楽器の寿命は?と聞かれる事が有りますが、ギターを構成する木材が、木材 で有る事を止めた時と思います。 【木材を構成するセルロースが結合する事を止めてしまう】だったと思いますが 違ってたらごめんなさい です。 つまり、木材としての結合が殆ど無くなってしまい、ノックテストをしますと 反響しないポコポコとした音が出る様になります。そうなると、楽器としての 役割が終わって、たくさんの思い出の詰まったインテリアに生まれ変わるって 事だと思います。 バイオリンの世界では、50年何てのは新しい楽器の範疇なのだそうで、今回の ウクレレは、たったの51年ですから、まだまだ現役で頑張れるお年頃と思います。サウンドホールのラベルとヘッドの YAMAHA の赤文字がヤマハの歴史そのものの様に感じます。パッと見で、赤いトラクターのヤンマーと読み違えそうです。◆今回のリペアー内容は、ボディトップの完全に割れたクラックと、1弦ブリッジ際の今にもクラックが 入りそうな部分の補強と、ペグ交換【1対1は微妙なチューニングは辛いですから】 &全体のセッテングです。画像の上部の線が、完全に割れた部分です。この様な割れはソリッド材が使われてる証です。また、ブリッジ1弦側に弱い箇所が確認出来ました。・・・原因は恐らく多分で推定ですが、ウクレレ踏んじゃった!では無いでしょうか?構造上、普通に扱ってれば割れる可能性が最も低い箇所だと思うからです。また、フルアコの形状とは違い、ブリッジ付近が常に押さえ付けれてる構造では無いですから、踏んじゃったor立ち上がる時に偶然手の下に有ったので でパッキ!と思います。磯釣り師も兼ねてます私は、手入れ中にダイワのメガドライの穂先を折った時と同じくらいショックが有ったのだとお察し申し上げます。・・・うそでしょう?夢でしょう?穂先1万5千円は眩暈がしまいた。◆楽器リペアの必需品のミラー ギター用のミラーはサウンドホールから入りませんので、画像のミラーを 取敢えず作って見ました。小さな鏡って探すと案外売って無いのです。 目的は内部の確認ですから、この際出来栄えは無視する事にします。◆覗いて見ました。突板の右側面がクラックで、完全に割れてます。◆覗いて見ました、ありゃりゃ?ブリッジ裏にブレーシングが入って無いくて、突板の推定の厚み1ミリが補強板として張って有るだけです。普通は無いのかな?無くても良いのかな?で早速調査開始です。ウクレレの調整に詳しいショップ担当者様によりますと、ウクレレの内部構造は多種多様で、今回のタイプも特別な形状では無い様です。Xブレーシング、クラシックギター型、アコギのバック型、なんだこりゃ?タイプまで、製作された方の弛まぬ研究の結果で有ろうと思います。考えないといけません、最初から無いって事は、ブレーシングを入れると内部構造に手を加える事になり、当然音色にも影響してくるはずです。現在の音色は、現在の構造から発せられるものですから、ブレーシングを追加で入れた時の変化は、入れて見ないと判らない が正解です。吉と出れば良いのですが、外す事になった時は、必然的にバックを外す事になると思います。バック外しだけは避けたいので、変化を最小限にして補強する方法は、クラックのスタンダードなリペア方法の、クラック裏側にエゾ松の突板を張り、クラック面にタイトボンドを入れて補修が最善の方法と結論しました。クラック箇所がボディの際ですから、ボディのRに合わせて整形するのですが、いかんせん、中に手が入りませんので、上から型を取り、ライニングの寸法を考慮して整形して行きます。上から内部からを同時にしないとNGですから、硬化時間の稼げる膠を使う事にします。※トップクラックを先に補修すると段差が出来る恐れが有り、裏を先にすると クラックが開か無くなるので、タイトボンドが入れられないと成ります。◆クラック補修用の突板を切り出しは、とっても簡単な事に気が付くまでは 少し難儀しました、手が入らないし、見ようとすると合わせが出来無い、 合わせようとすると見えない・・・ トップ&バックは全く同じ形状なんだから、サウンドホールから見えるクラックの 真下部分で合わせりゃ良いんじゃない? とっても簡単な理屈に気が付かなかったのは、暑さのせいに決まってます。 で、ピッタリ切り出しました。◆次は正確に入れられるかテストを繰り返します◆次は、補強板の接着剤が硬化するまでの固定用クランプです。 ・・・手持ちの中のクランプが使える事が判って一安心しました! 合わなければ作るだけなので、心配する事で無いでしょう?って 声が聞こえそうです。確か使うのは2度目だった様な気がします。この画像はCクランプを当ててるだけでトルクは加えてません。◆トップのクラックでボディが僅かに開いて広がってますので、X型にクランプ を掛けて固定してます。◆反対側の完全に割れていない部分にも、補強の突板を入れて行きます。 手が入れば、数分のリペアもミラー見ながらなので、思いの他時間が掛かります。 画像の矢印が弱くなってる部分です。 ◆補強の突板を入れて行きます。手が入れば数分のリペアもミラー見ながらなので、 思いの他時間が掛かります。 補強の突板張が完了しました。◆ペグをグロバーに交換します。 既存のペグ穴径は。6ミリで、グロバーは9ミリなのでペグ穴を広げないと取付出来ません。 工具一式です*ペグ本体 *ブッシュ圧入クランプ *リーマー *面取り用ダイアモンドヤスリ *ドリル◆ペグ交換完了 画像下のタミヤチューブは、ミニ4駆用のFグリースです、グローバーと言えども金属カムが接地する部分には摩擦が起きますので、オープンタイプには画像のグリースを使ってます。ミニ4駆のシビアな調整に使われるだけ有って優れ物です。順正のビスは少し長いので、このまま使うと2&3弦ペグの上部分が盛り上る可能性が有りますので手持ちの少し短い物と交換して使用しました。ウクレレのヘッドは薄いので、1ミリ程短い物を付属した方が良いと感じました。◆リペア完了しました! 先ずは画像を並べて見ました。 キズを完全に消すには、塗装を全て剥がしてから、下地を完全に作り再塗装するしか有りません。 この方法を取りますと、51年の歴史が全て消え去ります。 キズはこのウクレレが歩んできた歴史その物ですが、木材白地むき出しですと宜しく有りませんので 全体をオイルフィニッシュを数回施してから、蜜蝋ワックスで仕上げました。 キズにはオイル分が染み込んで保護されてますので安心です。4弦の溝が余りに狭いので、ナットファイル0.28で広げました。◆全体のセッテング【魂入れ工程】! ●先ずは画像をご覧下さい オーナー様から、気になる程では無いけれども、微妙にオクターブが合わない感覚が有るとの事でした。 2台の同型チューナーで遊んでいる訳では有りません。 左側が【440HZ】設定で開放弦測定用で 右側が12フレットの音程チェック用です。 1台ですと、HZを上げたり下げたりで面倒なので、同型のチューナーを駆使して測定します。 アコギ用が使えないので、完全アナログ方式での計測です。 ●結果は微妙にズレてました、確かにフレット音痴までは行かないまでも、気にし出しますと 気になるかも知れないレベルです。 フレットを持つ弦楽器は、厳密に言いますと完璧に調律が合う事は有り得ません、フレットと言う 高さの有る障害物を押さえて音を出しますので、押さえた時にセンターの12Fがスケールの中央 から必ずズレるからです。特にウクレレはギターと違ってスケールが極端に短く、12Fの弦高は ギターをそれ程変わりませんので、ギターよりもオクターブを合わせるのはシビアな調整が必要 で有ると感じます。 人間の耳はある意味丁度良い加減に出来てまして、0.01HZの違いを聞き分ける出来る方は 滅多にいないと思います。これで大丈夫って感覚が有るから成り立ってると思います。! ●メモの上部分は、オクターブチェックのデータです●メモの下部分は、ネックにスケールを当てた時の、シクネスゲージのデータです。 ※シクネスゲージとは、簡単に言うと隙間測定プレートセットの事です。◆オクターブ調整は、12Fが高い=短いので、サドルの弦接点をブリッジ側に下げる事に よって、結果的に12F以降が長くなり、音程も下がると言う訳です。◆ネックの捻じれが有る様に感じるとの事でしたが、確かに超微妙にズレは認められますが 演奏に影響が出るレベルでは無いと思います。 測定データ上は、指板のセンターを基準に、2弦と3弦では、8フレットから11フレットに シクネスゲージが入る差異が有りますが、この数値は演奏に支障が出るレベルでは有りませんし、 少なくとも私は捻じれを全く感じませんでした。◆サドルが深い溝になってましたので、溝の下までフラットにして、弦との接点をブリッジ側に下げます そうすると、弦高を下げる事無くオクターブ調整が出来て、更に、弦とサドルの接点を点に変える事に よって音に改善が生まれる予定です。◆どれかの画像の中に、ミラーが写り込んでます。実はこの型のミラーを見た記憶と、ポケットイン型の エチケットブラシにミラーが付いてた、の記憶が混同してまして、久しぶりに顔を出した工具ショップ で見かけた時に、・・・やっぱし有った! もっと早く気が付けば良かったけど、アフターカーニバル 後の祭り状態ですが、有ると便利な工具は見かけると、即買い!が鉄則です。 現在の本業でもそうですが、工具が無ければ何も出来ない!からです。◆リペア完了画像3連続 ◆弦を張って試奏した感じは、【ウクレレらしい音がする】って表現がピッタリ合う感じです。 ウクレレなんだからウクレレの音に決まってるだろ?! そうなんですけど、素直なウクレレ の音って感じで、癒されるというか、暖かい音色に感じます。前回の木曽スズキ製とは違った 感じの音で、楽器の個性って面白いなぁ~って思った次第です。 補強突板を加える事によっての、音への変化、特に宜しく無い影響は感じられませんでしたので 安心しました。🌸たいへんよくできました🌸
2016年07月17日
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◆今回の依頼はBLUE BELL のアコースティックギターのリペアーですソリッドスプルースのトップ材ですが、理想的な年輪で素晴らしい材と思います。最近は世界的に有名なメーカーでも、そうめんの木箱の様な年輪のスプルースを平気で使うから困ったものです。 センター中央部分は木目が詰まっていて、外側に行くに従って少し開いて行くスプルースが最も良いとされてます。桐の様に離れたスプルースは例え一流メーカーの個体でも選んでは駄目です。●症状とご要望 1】ブリッジが完全に取れてしまってます 2】ピックガードが画像の通り、熱?でとろけて剥がれてます 3】バック、サイドを【シェラック塗装】にして欲しいソリッドトップのモデルで、リペアー前の音色が聞けないのが残念ですが作りも良く、他に問題を抱えて無いようなので・・・問題無いリペアーと思います。 幸いにも、シェラック塗装が非常に手間と時間が掛かる事を、ギターオーナー様が承知されて居りまして、通常のリペアーよりも多くの時間的猶予を頂きました。1】ブリッジは素直に剥がれてまして、ボディの変形とトップ板のダメージも少なく 位置を慎重に合わせて、リペアー完了です。画像では既にピックガードが新しくなってます。2】ピックガードは簡単に剥がれるのですが、慎重に剥がさないと自分で仕事を 作ってしまいますので、綺麗に剥がしました。画像では両面テープの残骸が残ってますが、この後綺麗に取りましたのでご安心下さい。3】シェラック塗装をご存じでない方に、シェラックとは緑色の大男・・では無く カイガラムシを原料にした天然素材です、アルコールで溶かしてニス状態にして タンポで塗っては乾かしてサンドペーパー掛け、更にこの工程を1セットとして 数セット繰り返します。 クラッシクギター製作家の方が採用する塗装方法のイメージが強く、メーカー では、余りに手間が掛かるので大量生産には向かない塗装方法と思います。 最初のひと塗りと、2セット目が完了した時が最も好きです。 仕上がりは、とっても上品で気品さえ感じます。 通常は 1カット 100ccに対して12グラムの配合が基本ですが、ローズやマホ材 の目止めを目的とする場合は、倍の24グラムで配合する事も有ります。画像左から、アルコール計量ボトル、無水エタノール、シェラック(ブロンズ)、 完成品(賞味期限6ヶ月以内) シェラックは冷蔵庫に保管しないと夏場は大変な事になってしまいます※安価なエタノール(コーヒーサイフォン用燃料用等)は毒性が有り危険ですから使用しては なりません。毒性とは視神経に害を及ぼし、視力低下~失明する恐れも有る恐ろしい害です。 画像の無水エタノールは、屋内ですと、【酔っぱらう恐れ】の副作用が有ります。 酒を全く飲めない私は、塗装中に少し良い気分になる事も有ります。◆画像は、1セットが終了して、2セット目の3回塗った時点です。ムラが有りますが 全く気にしないでどんどん進めて行きます。画像ですと良く判らないですが、仕上がり画像では違いが判ると思います。との粉を使った目止めを避けて、シェラックで埋める方法を取ります、まだ少しだけ目が残ってますが、気にせずどんどん進めて行きます。サンドペーパー掛けする時は、1週間は乾燥時間に空けてます。アルコールはあっと言う間に乾くのですが、シェラックが完全に硬化するには時間が掛かるからです。
2016年07月10日
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◆今回の依頼品は、30年来の友人の青春のギター【推定年齢50歳】クラッシクギターです。 状態はそれ程悪くは無いのですが、【見よう見まねで作って見ました】感、満載の個体です。 内部の工作レベルと反比例して、塗装技術は素晴らしいと思います。経年変化を想定して 仕上たのでは無いかと思える様です。※同年代のギターを沢山見て来ましたが、この塗装は素晴らしいと思います。50年後にこうなる様に 想定した塗装技術は残念ながら【ルームK2】には有りません。リペアー前の画像を撮り忘れてまして、既にバックを外した画像で代用してます。◆初期診断とリペアー方針 1】ブレーシングが・・・これ何? しかも。剥がれ放題でボディを叩くと【ブレーシング剥がれ】特有の 音が各所に出てます。例えると ビィヨン!ポォコ!かな? 弦を叩くと変な音がしますが、変な音に隠れた本来の音は 【悪く無いかも?】 で、気合を入れてリペアーしましょう! この時点でバックを外す覚悟が出来てました、急がば回れです。 2】内部にべニアを化粧板として使うの何故? 3】音は・・・製作方法を考慮しても、それ程悪くないのは何故? 4】ネックは・・・完全に近い状態で、ストレートを保ってるのは何故? 5】ブリッジ付近は、若干の隆起は有るものの、この程度で収まってるのは何故? 6】本人はそれ程弾いて無いよ!と、おとぼけ してましたが、指板フレットを 観察しますと、相当練習した形跡が有ります。 青春の愛器を自分のJrが弾くのを見ると 昔を思い出して感動するのです。 ですから、手を抜く訳には行きません。 ■???だらけの個体ですが、孫娘さんが、弾いて見たい! って訳ですから 気合を入れてリペアーさせて頂きます。◆バックを外してから今回のリペアーは始まります。 バックを外して見ました、この画像は、トップ板の裏面です。平行にブレーシング が、お行儀良く並んでます。トップ裏では初めて見ました。 はみ出た接着剤は綺麗に拭き取らないと画像の様に残ってしまいます。 手抜き?一手間掛けると全然違うのに・・・ ブレーシング材は、なんとラワンの角材です。私の記憶が間違って無ければ、ラワン材は 建築用資材として好き放題伐採された結果、ワシントン条約で輸出禁止になってたと思います。 確か、ブラジリアンローズウッドも同じですが、有難味が全然違います、ラワンは無いでしょう?三角のネック補強材が画像では判りませんが、ピッタリ付いて無くて、浮いてるのです収めるスペースに合わせて加工されてませんでした。接着材は、エポキシを使ってる様です、硬化時間が短いので扱い難いと思うのですが?ブリッジ裏の補強板が一切有りません。初めて見ました。◆全てのブレーシングを外して、クラシックギターの王道型のブレーシングに交換します。 ブレーシング材は、【エゾ松】を使う事にしました。 クラッシクギターの元プロの友人の愛器で最高級ギターの【エドガーメンヒ3世】と言う ギターが、ドイツ松を使っており、リペアーさせて頂いた時の、音を聴いて、惚れてしまった からです。流石にドイツ松は入手出来ませんでした。 ブレーシングのデザインは、王道タイプに決定済です。 手書きのデザイン画で、アップは如何なものですが・・・◆どんどんブレーシングを入れて行きますのと同時に、ブリッジ裏にスチームを当てて 修正後に、本来は有る補強材を入れて行きます。 全ての接着剤は、恐ろしく手間の掛かる【ニカワ】を採用します。 獣臭は、行きつけの豚骨ラーメン店で鍛えてますが、リペアールーム での、ニカワの香りは強烈です。換気扇&空気清浄器2台フル稼働でも 追いつきません。でも、接着剤としてニカワを超える物を知りません。画像の後ろのブリッジ欠の個体は、リペアー順番待ちの、サイド&バックが【ハカランダ】のギターです【ローズウッド】って名前が付いた理由が判る個体です、製作後40年以上経過してる様ですが、現在でも甘い香りを発してます。ローズウッドの甘い香りのする個体には、滅多に出会う事が有りません。◆ブレーシングが交差する箇所は、寸部の隙間無く工作しないと、後で大変な事になりますので 一切の妥協をしてはいけません。本来はサイドを張る前にブレーシングを張るのですが、リペアーではその工程が逆になりますのでサイド越に使える手持ちのCクランプには限りが有り、しかも、有効強度の出るまで時間の掛かるニカワを使いましたので、ブレーシングを交換するのには、1週間を要しました。ブレーシングを入れてトップを叩きながら、ブレーシングの両サイドを削って行きます。表現が難しいのですが、軽やかで爽やかな反響音とでも言うのでしょうか?そんな反響音が鳴るまで、慎重に削って行きます。これも逆工程なので注意しないとサイド板を破壊してしまいます、恐ろしく切れるノミを使って削るので・・・◆こんな感じでトップ裏は完了です。打検査をしますと、軽快な音が返って来ます。 良い結果が待って居る予感満載です。◆接着剤の跡を完全に取り切る事は断念しました、表面を平らにサンディングするまでに 留めます。これ以上取ろうとすると強度低下が心配です。接着剤後は木が振動しようと する事を邪魔する存在と思いますが、背に腹は変えられないです。◆バックはこんな感じです。 まともなバック材の上から、粗いベニヤを、 補強材目的なら無くても強度は確保されてる 化粧目的ならば・・・荒ベニヤを使うの何故? 作った方に確認して見たいです、私には計り知れない深い意味が有るのかも知れませんけども、ルームK2では、不要! と結論しましたので、容赦無く剥がしますが慎重に剥がさないと、バック作り直しという事態になりますので注意が必要です。慎重に剥がした結果綺麗に剥がれました、多分、科学的に合成された接着材が機能を失いかけてたのだからと思います。 皆さまも、自宅のリビング等のフローリング床で、床が浮いて来た経験は有りませんか?合板は縦横に薄板をプレス&接着剤で整形して行くのですが、その接着剤は10年程度で機能を失いかけ始めると、仲間の大工の頭領が言ってました。◆この個体は、左右が対照では無いのです、センターを入れてから、平行にブレーシング を入れる工程で気が付きました、ブレーシングの墨付け位置がズレてる?ありゃ?やっちゃた? 違いました、左右対称では無いので、これでいいのだ! ◆サインは絶対見えない箇所に内緒で入れて見ました、築250年の古民家を本業の設備部門で 参加した時に、メインの梁に、江戸時代の年号と頭領の達筆な墨書のサインが有りまして 宮大工の頭領が、部門の責任者のサインを入れよう!と、江戸時代のサインの近くに、書かせて 頂いた経験を思い出したからです。未来のリペアーされる方が見ても、恥ずかしく無いリペアー だったと確信する事が出来ると判断したからです。 ※画像アップした時点で 内緒で無い事に気が付いてしまいました◆バックを貼りました 特にコメントする事は無いのですが、この工程の時にいつも思うのは 腕が4本有ったら簡単なんだけどな!です。 専用のゴム紐を使うと微妙にズレるので、最近はマスキングテープ&クランプで止める 様にしてます。手早くしないと・・・あちゃ~です。バック&サイド&ネックは、リフィニッシュする途中です。シェラック仕上げも考えたのですが、楽器を使う方がプロでは有りませんので、オイルで仕上げで最後に、特殊な1液のエポキシ塗料を吹く事になると思います。 1液エポキシは、知り合いの塗料メーカーで開発されたもので薄く、強く、1回で殆どムラが出ない、つまり、クリアーの仕上げの工程が殆ど不要な優れ物です。 ラッカーを数回重ねた仕上げよりも薄く仕上がると思います。しかも、ラッカー対応!でないとNGなんて事も一切有りません。トップの最高の状態のイメージを壊さない様に仕上げてみましたネックの仕上がり状況ヘッドはボディと同時に見えますので、違和感を感じない仕上がりとなりました。◆仕上げ塗装が完全に乾くまでは、約1週間程掛かりますので、お届けは来週末となります。 クールに仕上がりましたので、ご対面を楽しみにして下さい。 仕上げ塗装の注意点は、弾いた後は、柔らかいウエスで乾拭きすればOKです、他に 面倒な手入れは不要です。🌸たいへんよくできました🌸
2016年07月09日
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◆今回のリペアーのご依頼は、【ウクレレ】です。 スズキバイオリン社の、推定50年前に製作されたウクレレです。画像付きのメールで拝見した時には、オーラ が出てるね!対面した時も、素晴らしいオーラと共に、【まだまだ頑張れるから、少し手助けして下さい】って声が聞こえた様な気がしました。◆慎重に初期診断とコンディションチェック 1】ネックがナットの所で、2ミリ捻じれ指板も一部剥がれが発生 手前と奥にピントを合わせる事が出来ませんでしたので、奥のブリッジに対してナットの 位置がズレている事は何となく判ると思います。 基準点はサドルの上面では無くブリッジの上面です。ブリッジは水平に製作されてます。 2】ブリッジの角が僅かに剥がれてる 弦を張るスペースに挟んで有るローズ材は、クランプ掛けの為の補強材です、 スペースが開いたままクランプを掛けますと・・・ 結果は説明するまでも有りません。 3】ペグは再生不能に付き交換【ご依頼者様支給品】 4】ネックヒールのクラック 5】ネックの木材痩せ【マホガニー材】 ◆リペアー方針と実際のリペアー 1】指板の剥がれは、ネックの捻じれが原因と判断し、指板を外して【※ネックヒーター】 でネックの修正を試すも、予想通り改善しません。 ネックリセットも今回の捻じれに改善策には成りませんので、ネックの交換か 指板とネックの間に、斜めに削ったローズウッドを交まして、ネックはストレート で、ヘッドは曲がってる と言う状態で仕上げる方法しか有りません。 【ネックを削ってもヘッドの曲りは解消しないし、強度が落ちるため検討すらせず】 画像の通りネック側から見ますと、見事に右に捻じれてます。測定値では2ミリ でしたので、2ミリのローズウッド材を捻じれ始めてる所から、慎重に削って捻じれ の隙間にピッタリにします。指板の貼り付けは、将来的に再度指板調整する事を想定して、【ニカワ】を使用してます。 仮止めの画像の通り、隙間が埋まり、ネックはストレートでヘッドは右に傾いたままの 何とも不思議なネックに生まれ変わりました。 修正完了後の画像です、ネックは真直ぐなのに、ヘッドが右に傾いている不思議なネック ですが、プレーする時に違和感は感じません。少なくとも私は感じませんでした。 当初の指板の高さは、ボディトップを基準に極薄の指板が張られてる高さでしたので、 捻じれ解消の為に、2ミリ上がったらプレーに影響無いのか心配でしたが、出入りの ギターショップ様で、高価なウクレレで比較したところ、指板が極厚で今回リペアー した高さと変わらないため、問題無しと判断しました。 ※ネックヒターを使いますと全て解決という、神話を信じてるギタープレヤーの方 が意外と多いのです。 確かにクラッシックギターの様に、ロッドの入っていないネック修正には ヒター&クランプを有効な解決方法として選択する場合は有ります。 指板とネックが違った方向に曲がり、ニカワで接着されてる場合には、驚くほど の効果が出る個体も有ります。【エドガーメンヒ3世/250万円のギター】 は完全に修正出来ました。 しかしながら、フォークギターの様に、タイトボンドで接着されている場合には 一時的な効果で、複数回ヒーター&クランプを掛けますと、ネックが 波を打ってしまう事も有ります。 ルームK2では、ロッド調整/ヒター/フレット擦り合わせ/ 指板の擦り合わせの順にリペアーを進めて行きます。 過去に、この方法でプレーに支障が無い様に成らなかった個体は殆ど有りません。 既存のナットは使えませんので、ブラジリアンローズウッド【ハカランダ材】で 作り直しました。 左がハカランダのナットです、調整前の削り出し直後の物です。 ナットが乗る部分は捻じれたままの状態ですから、ナットの形状も何とも不思議な 整形になりますが、弦を張ると、1フレット 0.5ミリ強 12フレット 2.5ミリの 理想的とされる状態に仕上がりました。 2】ブリッジ角の剥がれ 本来でしたら、ブリッジ専用のクランプを使うのですが、フォークギター用では サウンドホールから入りません、ブリッジ上から直接クランプを掛ける訳ですが、 トルクを間違えると、トップ割れorブレーシング割れ剥がれ になりますので 慎重にトルクを掛けつつ、剥がれ部分も接着する様に慎重にクランプ掛けしました。 【※縁の下の力受け】が使えれば心配無いのにね!フォーク用で入らないし、仮に 入っても、手が入らないから、トッブ&バックの隙間に合う様に調整出来ません。 ※我がルームK2の自作治具 3】ペグ交換 既存のペグがペグとしての役目を終了してますので新品に交換です。 1か所センタービスが外れない!外れなければ話になりませんので、ネジを折って 外すしか方法が有りません。ネジ折れ完了して全てのペグが外れましたが、 ネック裏の凹みが気になります。この形状のペグは構造上こうなる様に思います。 凹み隠しに、真鍮のすり鉢状のワッシャーを交まして美的配慮をしました。 既存のペグ穴は、約8ミリで支給のペグは、7.4ミリ用で・・・穴を塞ぎ開け直すも ウクレレペグは、この工法では、強度が足りません。 手持ちの部材から同年代の8ミリ穴用の薄いブッシュを選び、ペグは交換完了しました。 連続画像のみ 4】ネックヒールのクラック 一見するとクラックの様に見えましたが、隙間が有りません!マホネック材の痩せ で段差が出来たと判断して、この部分はリペア見送りました。 実は、塗装に【バイオリンニス】を使っている様に判断してまして、段差を解消 しますと、塗装も剥がします、バイオリンニスは以前は使ってた事も有りましたが、 非常に高価な塗料で、しかも、仕入れ先が取扱いを中止してしまい、現在はワトコ オイルを使って次第です。 ワトコも仕上げに、蜜蝋ワックスを使うと美しく仕上がり、バイオリンニスと遜色 無いと思います。 5】ネック材の痩せ 今回の原因の全ては、ネック材の痩せですが、これは木材の宿命と言えます。 全体的な工作技術は1級品と思います。 薄い指板材【フォークギターと比べて】極細フレットも 「このフレット打つの 大変だったろうな!?』 改めて日本の物作りの優秀さを実感した次第です 6)最終仕上げと微調整 近似色のワトコオイルで拭き上げて、更に蜜蝋ワックスで拭き上げて、 指板、ブリッジ、ナットは亜麻仁油で仕上げ、弦チェックして完了しました。時代を超えた貫禄を感じます。 12フレットの弦高ピンクの物体は0.5ミリ厚の1フレット用チェックプレートです。 ブリッジの弦を嵌める溝のクリアランスは、お使いになられる弦に合わせて ナットファイルで溝調整して有りますので、問題無く弦を張れると思います。 カミングアウトしますと・・・ ウクレレの弦は1から4弦へとアコギ、エレキの様に順に太くなっているのでは無い 事を初めて知りました。 今回のリペアーは当初の目論見通りに進み、まだまだ現役で頑張ってくれると 思います。 また、指板とフレットの状態から判断しますと、殆ど弾かれて無かった様に 思います。今後の奏でる音の変化が楽しみです。 🌸たいへんよくできました🌸
2016年07月02日
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◆今回の依頼品の登場です! Bunny SG です。久しぶりのエレキギターです。 初対面の印象は・・・中途半端なレリック加工してあるなぁ~~ でした。 しかも・・・サーキットが目茶苦茶です。雑音は入らないのですが、 このままにしとくと、感電するんじゃねぇ? シールドがむき出しの箇所や ハンダ鏝で溶けてる箇所、ボリーム/トーンのハンダ付けが・・・も少し練習してから 付けた方が良いと思います。 幸いにもレスポール【G社】に使った特別なシールドが間に合う分残ってたので、シールドは 全て交換する事に成りました。 ※今回のリペアー箇所は *塗装のやり直し マホガニーのボディーなのでイギリスのワトコ社のオイルフィニュッシュ仕上げ 色合いは2回塗りで、暗くも無く明るくも無い丁度良い塩梅仕上げ *シルードの全交換 *マイクをディマジオに交換予定 *弦高&オクターブ調整 ネックの反りは無し *金属部品の磨き仕上げ で決まりましたが マイクの種類は後日決定と成りました。◆塗料はがし剤(強力】がぁ~~ 久しぶりのエレキギターだったので、すっかり忘れてました、 塗装はがし剤が役に立ちません・・・とほほ 厳密に言うと、湿布後にはスクラッパーで剥がせる状態なので 気持ち効いてるのかも知れません。 ひたすらサンドペーパーで研磨研磨研磨 です。 半日でネック~トップ部分ははがし終わりましたが、 レリック加工された時に、ペーパー掛け過ぎの所があるので との粉で修正しなければならないので、容赦無くガシガシと サンドペーパー掛けして本日の作業は完了です。●リペア中の画像が有りませんので、時短モードで完了画像をアップします●これぞSGって感じの音です。
2014年10月16日
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◆今回のリペアーは ヤマハ FG-200J 通称 黒ラベル です ・・・ネックが元起きしてる~~よ! ギターオナー様とリペアーの作戦会議【これが重要なんですよね】最も大事なポイントを お聞きしますと、12F弦高 5ミリ超え を何とかして欲しい! です。 元起き/ネック順反り/ でもトップが盛り上がって無いので 何とか成りますよ 際どいリペアーに成る予感が満載です。 因みにネックリセットは予算の関係で却下! ●ネック調整 トラストロッドを順反り修正方向【右回し】 するもネックが元に戻りません・・・ この場合は、一度六角ナットを外してロッドろナットの間にスペーサーを噛まして、 ロッドを回せる範囲を稼ぎます、今回は05ミリのワッシャーを2枚噛ましました。 ロッド調整にリトライです・・・ ワンポイント・・・40年近く経たギターのロッドは内部で固着してる場合が有りますので ロッドを調整する前に、ネックを軽くサバ折方向に力を加えてから調整した方か効果的です。 ・・・でも弦高が目標の、12フレット2.5ミリ弱に下がらない事が確定して しまいました。弦を外して、1フレットに0.5ミリのスペーサー 12フレットに2.5ミリのスペーサー そこに定規を当てて、サドルの下げられる 所まで当てても、12フレット3.5ミリが限界です。 ***ブリッジを削りましょう~ ブリッジを3ミリ削れば、目標の2.5ミリ弱に下がる事が判ったため、 容赦無く削りましょう~~ 削るのはとっても地味な作業なので省略します。 削った後の仕上げは、亜麻仁油で仕上げました、この亜麻仁油の香りは、 何んと無く カメ虫に似てると思うのは私だけでしょうか? サドルがチープなプラスチック製ですから、タスクで作り直す予定だったのですが、 サドル厚3ミリのタスクが無い! ・・・こうなったらエボにーで作ってしまおう ってな具合でネックの R350の合わせてナットを作って亜麻仁油で仕上げ。ナットはタスクで 作り直しはいつの間にか完了してました。●セットアップ開始 フレットの錆びが酷く、指板をレモンオイルしても見てくれが悪いので、 チューブ入りのピカールで磨くと、本当に綺麗になります、 ピカール恐るべしですね。 最初に張る弦は、個性の少ない弦を張る様にしてます、エリクサーでも良いの ですが個性が有る弦はギター本来の音が判らないので、お安い弦で試奏し、 その後に合いそうな弦をチョイスするようにアドバイスしてます。 ****なんだこやぁ~~ 日本の物作りのレベルの高さを今更ながら実感しました オール合板のギターだよねぇ~~音量/サスティーン/低音の輪郭/高音の太さ 素晴らしい!!! その辺の ◎ーチンを完全に上回ってます、知らないで弾いたら 【このギター良く鳴るねぇ~と 感想が出るで しょうね!◆ 引き渡し 覆面状態で弾いて貰ったら・・・凄げぇ~~~ギターですね、 これ何ですか? 凄いでしょう?判りませんか? ヤマハのFG200Jってギターです・・・ ??? んじゃ私のギターって事ですか? その通りです。 なんでこんなに変わちゃうのかなぁ~~??? ・・・愛情を持って弾き込まれていて、保管状態も良かったからと、 当たりの個体だったのではだったと思います。 それとエボニーのサドルがピッタシだったのかも知れません。 木材のサドルは耐久性が有りませんので、必要以上に弦高が下がったら 何時でも、言って下されば作り直しします、今回は湿度が低い時期なので、 湿度が高い時に用のサドルも作って有りますので、TPOで交換して見て下さい。 1~5フレットが限界に近いので、そろそろフレットの打ち変え時期なので、 予定して下さいね! フレット打ち変えする価値の有るギターです、大事にガンガン弾いて下さい! ◆リペアーは感動ですね!
2014年10月12日
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アコースティックギターのブランドで【ライダー】ってご存知ですか?ハヤシ楽器さんで製造された個体で、とても優れたメーカーで名機と呼ぶに相応しい個体を数多く残してくれたメーカーです。私の知る限りでは現在は廃業されてるとお聞きしてますが、間違いでしたら情報をお寄せ下さい。【製造されたのはハヤシ楽器さんの技術力でヘッドウェーは関係無いと思います】実は高校生の時に初めて買ったアコギが 【ライダー R400d】だったのです水道橋の某・石橋楽器さんで購入しました。当時の私はエレキギターはそれなりの知識を持ち合わせていたのですが、アコギって?ヤマハ・マーチン・ギブソンくらいしか知らなくて、店長さんに予算を言ったら、絶対これが良いよ! で購入して以来、41年の付き合いになってます。 フォークギターでのコンサートは片手間程度だったので、それ程弾き込んで居た訳でも無く、社会人になってから15年程は殆ど弾かない状態では有りましたが、最高のコンデションを維持しております。6弦/12フレットで2.0ミリ 40年物の個体です。改造した所は以下の通りです ナットはタスク サドルは本象牙(40年物) ピンはブラス ペグはグローバー ピックガードはべっ甲柄 ギターリペアで収入を得てる立場ですから、コンディションの悪いギターを持ってる訳には行きませんが、40年以上の個体でこれだけのコンディションを維持してるR400dも珍しいのではないでしょうか?【デットストックと呼ばれる、弾かれて無い個体除く】音色は綺麗で繊細で優しく美しい 自己評価です。購入直後よりも今の方が好きです。★★★私のR400dをご存じの皆様へのメッセージです★★★ R400dは私の体の一部で有りますので、何が有ろうともお譲り出来ませんので諦めて下さる様に重ねてお願い申し上げます。(笑) お好きなだけ弾き倒す事は何時でも大歓迎ですが、渾身の力を込めたコードストローク奏法はご法度でございます。
2014年07月05日
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こんばんは! 突然ですが【たをやめオルケスタ】 さんってバンドご存じですか?実は、管理人も今日知ったのですが・・・美女18人の管楽器のバンドです、ご機嫌な演奏をされてますので、YouTube でチェックして更にご機嫌になりましたら、ライブにも足を運んで下さい!バンドメンバーの父上様とK2が知合いで、その父上様が最近ギターを特訓中で来年4月にライブをやる! ・・・こんな話を聞いたら 参加させてぇ~~とお願いしない訳有りませんね! 即答でOKOK! と言う訳で 楽しみがまた増えました!やる曲は? 演歌/昭和の歌謡曲が中心だそうで、歌謡曲は兎も角 演歌って一度も演奏した事が無いので若干の不安が有りますが、いつもの通り 何とかなるさ! ずんちゃちゃ のリズムで良いのかな?ライブはいつやっても最高です!んじゃ!
2014年06月20日
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