殿上人日記

2005年03月10日

「平和の日」　東京大空襲より６０年。

(35)

テーマ：今日は何の記念日？(694)

カテゴリ：行事、地域

　人でも、昭和２０年と聞いて、何かを感じてくれるだろうか
　第二次世界大戦の終戦の年である

　昭和２０年８月６日の広島の原爆投下。９日には長崎への原爆投下
　そして１５日には終戦を迎えるのだ。沖縄の「ひめゆり部隊」も
　ゼロ戦で若くして命を散らした特攻兵も、よく映画にされたりする

　さらに、本土の都市部を狙っての焼夷弾による空襲によって
　いかに多くの市民が亡くなり、焼け野原にされてしまったのか
　野坂昭如氏の自伝的小説「ホタルの墓」では、神戸の空襲に
　よって、兄と幼い妹が過酷な運命をたどる

　愛・地球博の開幕の為に地上に、名古屋城の「金のシャチホコ」が
　おろされている。この尾張徳川家の雄大な「名古屋城」の天守閣も
　また、名古屋大空襲で焼け落ちたのだった。その紅蓮の炎は
　数十キロも離れた岐阜県恵那市からすらも、西の空が真っ赤に
　染まっていたと、生前に母が語っていた

　青森、敦賀、宇都宮、横浜、名古屋、沼津、長岡、大阪、呉
　熊本、高崎、豊橋、桑名・・・空襲と検索をかけると、日本各地の
　都市の名前が、次々と現れてくる

　昭和２０年３月１０日、午前０時８分。東京の下町の上空に
　３００機を超えるＢ２９爆撃機が、大量の焼夷弾による
　爆撃を開始をした。高度約２千メートルからの、日本の
　木造家屋用に開発をした「Ｍ６９焼夷弾」で、墨田、江東
　台東区などにあたる（当時の地域名で言うと、本所、深川
　城東、浅草など）地域で、大火が発生をした。わずか２時間程の
　爆撃で、死者は、一般の市民を中心にして、約１０万人！
　負傷者は約４万人、被災家屋は約２７万戸にものぼった

　故・林家三平師匠の夫人である海老名香葉子さんは、祖母や
　両親、兄弟ら６人の家族を、東京大空襲で亡くしたそうだ
　このほど自費を投じて、東京の上野に東京大空襲の慰霊碑と
　自分のような戦災孤児を、二度と出すことのないようにと
　母子の像を建立をしたという

　わずか６０年前、日本は焦土とかした。「空襲の後、黒く
　なった遺体の山を、またいで歩いた光景は忘れられない」
　生存者は語る。私たちは、彼らの声に耳を傾けなければ
　ならない。東京大空襲で、また日本全国において、なぜ
　彼らは、焼き尽くされなければならなかったのか？

　　　声なき声を。彼らの死を忘れてはいけない

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　慰霊式典　
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　被災経験語り継ぐ
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