『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第57話「夢があったから生きていけた」
夢之助は、ナルトをじっと見つめる。
「サクラちゃんとデートすること! サスケに勝つこと! カカシ先生の素顔を見ること! 一楽のラーメン一度に十杯食べること! 友達いっぱい出来ること! えーとそれからそれから……」
「何……それ……」
夢之助は、呆然とする。
「だから夢だってば! 楽しいこと! 生きてる意味!」
「……そんなことが?」
「そんなことでも、死んじまったら、叶わないだろ?」
「……」
夢之助は、がっくりと地面に手を突く。
「……ナルトお兄ちゃんには分からないよ。今まで辛いことばっかりで……生きることが辛かったボクの気持ちなんか……」
うつむく夢之助の耳に、ザッと近づく足音が聞こえる。
「分かるよ」
夢之助の、目の前に立ち、ナルトは告げる。
「分かるってばよ」
深くて、重い一言だった。
「今までオレ、ずっと独りぼっちだったってばよ。気ぃ狂いそうなほど辛くって、楽しいことだってなんにもなくって……。だからオレ、思ったってばよ。どーしたら、生きていけるのかなぁ……ってよ」
夢之助の肩が、ぴくりと動く。
「それで、決めたんだってば。火影になるって。先代のどの火影をも越えて、オレの存在を認めさせてやるんだって」
夢之助は、顔を上げる。
「独りはさみしいなんてもんじゃなかったから……。耐えられなかったから……。だからそんな夢を持ったってば。今思うと、なんて子供っぽい動機だったんだろって思うよ。だけどあの時は、それでも夢があったから生きていけた」
「……」
「火影になることは、今でもオレにとって、一番大きな夢だ。動機は、もう、さみしいからじゃなくなったけど……」
「……」
「……夢之助って名前、お前の父ちゃんと母ちゃんが、お前にしっかり生きていってほしくて、つけたのかなぁ。生きるために、夢が持てるようにって……」
「……」
夢之助の表情が、わずかに変わる。
「お前も、今は、生きるために必要な夢を持てばいいってばよ」
「それならボクは、木ノ葉の忍になりたい」
夢之助の瞳に、初めて一筋の光が差す。
「お兄ちゃんたちと、木ノ葉の仲間になりたい!」
その時、夢之助の体は光り始めた。
「ネジさん……。お願いしますっ!!」
ナルト『次回は……みんなが夢之助と一緒に頑張って…ってオイ、チョウジ!?』
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ハロウィンイラスト るろうに剣心 October 29, 2012
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