日日粛粛

日日粛粛

2008.05.04
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カテゴリ: 独り言

私の尊敬する先生に,札幌大学の鷲田小彌太先生という方がおります.哲学者なのですが,実に様々な著書をお持ちで,博学かつ思慮深い言葉はいつも私を勇気づけてくれます.

昨晩,以前に買ったものの読まずにいた鷲田先生の著書を読破しました.昨年,鷲田先生に「これを読みなさい」と言われていた本だったのですが,その中に心に残る言葉がありました.

教養は,「専門以外の領域(雑学)に,常に関心を抱き,雑学の知識と技術を専門との関係で追及し,鍛磨すること」によって身に付く.

という一節です(この場合の「雑学」とは,毎日のようにテレビで放映されるクイズ番組にでてくるような「雑学」ではなく,専門領域以外の学問知のことなので,鷲田先生の名誉のために断っておきます).お間違いなきよう.

白い巨塔のイメージの強い医学部のことは知りませんが,あのイメージをすべての学部に当てはめてもらっては困ります.セクシャルハラスメントやアカデミックハラスメントを予防するためのマニュアルがしっかりと出来上がっていて,講義中に不用意な発言はできませんし,私語が煩くて授業の妨げになる学生を強制的に排除することもできません. 用事があって学生に連絡を取りたくても,事務に聞いても個人情報という理由から教えてはくれません.

学問を修得するためには,一定の強制と精神的圧力がどうしても必要だと思うのですが, 定員割れを危惧しながらの大学運営では,こうならざるをえないのでしょう.さて,その結果,学問を修得しない社会人が再生産されるわけです.

「大学の勉強は就職先では役に立たない」という方が多くおられます.そんなことはありません.学問知という土台のない家(仕事)は,やがて崩れ落ちますが,しっかりとした土台のうえには頑強な家(仕事)が立ち,朽ちることはありません.

多くの人にとっては,人生のなかではわずかばかりの大学生活ですが,ここで何を得たか・・・.40歳を過ぎるころから歴然とした差が出てくるように思います.

この主張,的を外したものだとは思わないのですが.






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Last updated  2008.05.05 08:53:57
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