道のりは険しい?

道のりは険しい?

出会い編


大事な空ちゃん

いつもの様に、出勤してランチの準備に追われる。

パスタランチの準備をしていたその時、

自分にとっての運命を感じる出会いを果たす。


店長
「太陽さんさんチーフ、こちら空さんです。」


「空です、よろしくお願いします。」

自分
「太陽さんさんです。よろしくお願いします。」

彼女はおさげのよく似合う女の子だった。

その時の印象はそれだけじゃ無かった。

何と無く、後姿を追っていた、何と無く。


自分はよく怖いと言われる。

どうも、コックコートを着るとスイッチが入るらしい。

何処のお店でも同じことを言われる。

ただ、調理に対してストイックに向き合っているだけだ。

人を幸せにも、そして不幸にも出来るから。

これは後から聞いた事。

空ちゃんにも一度、怒鳴ったことがある。

案の定、怖い人のレッテルを張られたらしい。



何かの拍子に空ちゃんと話すことが出来た。

海外の話からだ。

ずっと、ずっと、空ちゃんと話をしたかった。

それまでは業務上の会話、若しくは

ほんの少しの会話に留まっていた。

でもね、いっぱい話をしたかった。

感だけど、何か共通点が多いと何故だか感じていた。

同じような空気で包まれている、そんな気がしていた。

家に帰っても、知らず知らずの内に空ちゃんの事を考えていた。

日にちが経つにつれて、少しずつ大きくなっていった。



そんなある日、空ちゃんと珍しく話す機会が訪れた。

空ちゃんが過去に行ったくに、そしてこれから数週間訪れる国へ

僕が過去に行ったことがあることから、話をする機会に恵まれた。

彼女の口から飛び出す一言、一言を聞き逃すまいと

一生懸命に聞いていた。

もうそれだけで、有頂天だ。

彼女がバイトに来る日が毎週、楽しみだった。



その時、僕にはお付き合いをしている女性がいました。

その子とは2年近く、お付き合いをしていた。

6歳年下のその子とは結婚するのだろうなあって思っていた。

したいではなく、するのだろうなあって。

お互いの親にも会い、そんな話もしていた。

もちろん嫌いではない。

愛してもいた。

でも、何かが違う。

最初はその事に気づいてはいなかった。

空ちゃんに会うまでは。



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