Sydneyより時を超えて

Sydneyより時を超えて

距離が縮まる



相変わらず彼は授業が終わるとさっさと
いなくなってしまう。

まあ、ちょっと気になるぐらいで私には大切な人がいる・・・。



そう、実はその頃私には大切な人がいた。

日本にいる他の国の人。
彼とは6年間一緒に時間を共にしてきた。

彼は4歳年上の私を育ててくれたお兄さん。


実はその彼とその頃煮詰まっていた。

結婚するか、それとも
私はこのままシドニーで勉強を続けるのか・・・。


慎重派の彼はなかなか

「一緒になろう」

の一言が言えなかった。

「もうだめだ。」



そういわれる旅に私は地獄に落とされたようだった。



でも6年間諦めないで、
何よりも彼の事をこの上なく愛して、理解して、
一緒にここまできたのだ。



しかし、彼の一言で天にのぼるような気持ちになったり
地獄に落ちた気分になったり・・・・。



私はそんな彼との関係に疲れを感じていた。



そんな時、



ゆーと話す機会が増えてきたのだ。



はじめは遠くから見ていた私だったけれど、
隣に座った時に話したり、
コンピューターの時間にさりげなく話したりするうちに、

授業後のお昼休みを一緒に他の友人と食べに行ったり
するようになった。



そして私の心を躍らせた出来事があった。


ある日、

クラスでゲームをする事になった。

そのゲームに負けた人は必ず
質問に答えなければならないという
罰ゲームつきだった。


その時・・・。


なんと彼はあっけなくゲームに負けてしまい、
ある学生が聞いたのである。

「このクラスの中で一番いいなと思う女の子は??」


他に女の子はたくさんいた。
みんなゆーとはクラスが前に同じだったり、
私よりもよく話す子もいた。

何よりもその子達の方がきれいだし・・・。


彼は笑いながら困っている。



「Who??Who??? You like the best????」
(誰が一番いいの??)



私はひそかに
(お願い~~!ここで私の名前を言ってくれー!)
と願った。





そして彼と目が合った。







その瞬間、




私はどうしようもなく






冗談(かつちょっと本気!?)で





「Tell my name~~~!!!!!」




と、
のたもうた。

(後日インドネシアの友人曰く、すごい勇気だ。。。と)








そして彼の口が開いた











「MARIKO」











クラスメートが騒ぐ。



私は顔に火がついたようだった。






照れ隠しに


「OK--OK----- next game~~~!!!」
(はいはい、次のゲームね~~!!)




とあまり顔に出さないように
言った。






でも・・・。






実は めっちゃ うれしかった。





飛び跳ねるぐらい うれしかった。









ゲームは続き、




そして私もゲームに負け答えた、





「Who you like the best???」

(好奇のまなざし。。。。。。。。。)







私は躊躇なく

答えた。









「YU------.」










・・・・・・・。















その日、



私は自宅近くの駅から自宅までの坂道を
大またスキップして帰った。





歌が自然と口に出てきた。






空は夕焼けで

淡いブルーとオレンジがまじりあっていた。








私は歌いながら

そんな空をながめていた。。。。

2005-09-24 02:52:55







(後日談「私の名前を言え」と命令(?!)したから私の名前を言ったのか??という疑問はもちろんあったが、その時はハイでなんでも良かった。ただうれしかった。^^)

(→ゆー後日談では
言えと言われたから、、、半分ちょっと好きだったから、、、半分
だったそうだ。)






つづく


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