阿修羅城の瞳

舞台「阿修羅城の瞳」
   2003年8月8日(金)→30日(土) 新橋演舞場


  出演者 市川染五郎
      天海祐希
      伊原剛志 
      夏木マリ
      高田聖子
      橋本じゅん
      近藤芳正
      小市慢太郎
   作  中島かずき
  演出  いのうえひでのり

  主催・製作 松竹
 制作協力:劇団☆新感線 ヴィレッヂ 後援:TOKYO FM

  http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/0308.html


※2003年9月2日  zakuro さまからいただきましたレポートです。

 阿修羅城の瞳の感想です。
Shevaさんはご覧になってないようだったので、簡単にストーリもつけてみました。
またまた、長いのですが・・・
どうして、短くコンパクトにまとめられないのでしょうか?

私が見たのは8月16日のソワレ。
場所は新橋演舞場でした。

[ストーリー]
舞台は江戸時代。
戻り橋前では鬼の退治を特務とする鬼御門の筆頭・13代目安倍清明(近藤芳正)が尼
僧姿の鬼・美惨(びざん/夏木マリ)と鬼御門の仲間・安倍邪空(あべのじゃくう/伊原剛志)の裏切りによって殺されてしまう。

病葉出門(わくらばいづも/市川染五郎)は鬼御門の一員で、「鬼殺し」の異名を取
るほどの凄腕だったが、5年前に鬼御門を抜け、今は戯作者・鶴屋南北(小市慢太
郎)の弟子となっていた。
出門は謎の女・つばき(天海祐希)と運命的な出会いをし、つばきに惹かれていく。

つばきは5年以前の記憶がなく、肩にある炎の形をした痣だけを頼りに、自分の過去
を探すため女盗賊「闇の椿」として働いてていた。

鬼の王・阿修羅の復活を目論む美惨はつばきを誘拐する。
つばきの正体は阿修羅だったのだ。
つばきが阿修羅へと変化をするためには、強い男を愛する思いが必要だった。
出門を愛したことでつばきは阿修羅へと変わってしまう。
阿修羅の復活により、江戸の上空には阿修羅城が現れ、江戸の町は業火に包まれる。


つばきを救うため阿修羅城に向かう出門だったが、出門を待っていたのは、鬼に操られた鶴屋南北と兄弟同様に育ってきた邪空だった。
清明の影(近藤芳正)、桜姫(高田聖子)のつばきの盗賊仲間・渡り巫女達の助けを借りて、阿修羅=つばきと再会をする出門だったが、阿修羅には刀も術も効果が無かった。
最後の手段として、出門が手に取ったのは、つばきの簪。
出門は阿修羅の咽喉元に簪を突き刺し、阿修羅は出門の首筋に噛みついた・・・


[感想]

最初に言ってしまいますが、席がすごく悪かったんです。
チケットがあまりにも取りにくかったので、途中で諦めてしまって・・・
3階席だったのですが、新橋演舞場の3階席は絶対にお勧めしません。
なぜかって、花道が全然見えないんです!
チケット取りって頑張るべきですね・・・(反省)

さて、舞台はとにかく、大音量・ハイテンションですごく楽しかった!
BGMにはハードロックが大音量でガンガンにかかってました。
笑いのツボや演出など、まるでジャパニーズ・コミックスの世界です。
途中、清明や渡り巫女達が歌って踊るシーンもあり、ミュージカル風なところもありました。
渡り巫女の歌シーンは「シカゴのパクリ?」とか思いましたが。

やはり市川染五郎さんと天海祐希さんがとっても良い。
染五郎さんですが、、様式美の世界に身を置いてる人って、やっぱり所作が美しい。

刀を構えた時やミエを切った時に型が決まっているのはもちろんですが、前に垂れてきた髪を頭を振って払った時や、殺陣の途中でひょいっと片足を上げた姿がとっても印象的でした。
一つ一つのポーズが、日本人なら分かるであろう「そこっ!」という位置に手・足・腰が入っていて、見ていて気持ちがいい。
殺陣の切れ味も最高!
染五郎さん、時代劇合ってる!と歌舞伎役者に失礼な感想。
だって、テレビドラマだと、現代劇が多いから・・・
刀を構えた時、着流しの裾から見える褌(^^;)と足が色っぽかったぁ。
もちろん、新感線の舞台ですから、笑いもきっちりとってました。
変装のため、そそくさとネズミの着ぐるみ(ねずみ小僧のつもり)を着るシーンは可愛らしかったです。
(歌舞伎座では「野田版ねずみ小僧」の公演中だったようなので、ニヤリとした笑いを誘ってました)

天海祐希さんの闇のつばきは色っぽくて可愛らしく、でも凛々しい。
一変、阿修羅になると威厳があって、何者をも寄せ付けない雰囲気。
この役は天海さんにぴったりの役だと思いました。

伊原剛志さんは体が大きく、動きも切れがあって、大迫力でした。
染五郎&伊原の殺陣はかっこいい!
もっとちゃんとした席で堪能したかった!
邪空ってすごく出門にこだわるんです。
もしかして、出門のことが好きなの・・・???と思うほど。

夏木マリさんは角川映画「里見八犬伝」を彷彿とさせる怪演。
高笑いが新橋演舞場に響き渡っていました。

そして、新感線のメンバー、清明の娘・桜姫役の高田聖子さんと祓刀斎(ばっとうさい)役の橋本じゅんさんがかなり頑張って笑いを取っていました。
特に橋本じゅんさんが出ると笑いを全部持っていくという感じ。
染五郎さんは「青ひげっ!」と呼ばれていました(^^;)

気になったのは足元。
天海さんはブーツを履いているの。伊原さんもかな?(記憶が曖昧)
染五郎さんは雪駄を履いていたけど・・・
どうして、着物に靴なのかな?すごく違和感がありました。
動きが激しいから、という理由もありなのかも知れないけど、染五郎さんだって激しい動きはしていましたが・・・。

ストーリーの甘さは多少感じましたが、十分楽しい舞台でした。
再演があったら、また観に行きたいと思います。
今度こそ良席ゲットだ!



© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: