車山高原に持っていったのが、この一冊。「ドンナ ビアンカ」。作者は「 ストロベリーナイト ストロベリーナイト 」をはじめとする姫川玲子シリーズは悲惨なシーン満載ですが、今「魚住久江」シリーズは人殺しさえなく、リゾートで読むには適した一冊。但し、サスペンスとしてはやや物足りない感じはありましたが。
偽装結婚をした男女を軸にストーリーが展開。そのストーリーに魚住と金本、峰岸との男と女の関係がシンメトリカルに置かれて、このリアルな男女関係がこのサスペンスに清涼感を与えている。金本の強引さと切り結ぶ、峰岸の知性と力強さ。魚住への「忍ぶ愛」が金本、峰岸に裏打ちされている。一人の男の目線と警察の誘拐事件の捜査の過程が交互に描写されていく構成。事件はハッピーエンドで終わったが、やはり先のない2人(村瀬と瑤子)は物悲しい。読後感は良し。
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