藤井聡太棋王に伊藤匠七段が挑戦する第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負(共同通信社と観戦記掲載の21新聞社、日本将棋連盟主催)は、第2局が2月24日(土)に石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われた。
対局の結果、角換わり腰掛け銀の研究勝負から抜け出した藤井棋王が94手で勝利。貴重な後手番勝利で防衛に向け前進。対戦成績を1勝0敗1持将棋とした。
39手目 ☗2四歩までは昨年2023年12月14日に行われた第82期順位戦A級6回戦、☗佐々木勇気八段-☖稲葉陽八段戦と同じ進行。
両者ともここまでは研究通りの手順か。佐々木-稲葉戦は、☗2四歩に☖同歩☗3五歩☖同歩☗4五桂☖2三金と進み、141手で先手佐々木君が勝った。
藤井君は☖2四同銀を選び、前例の☖同歩を離れた。
伊藤君のチャンスは78手目☖7三同角と藤井君が指した次の手。実戦は伊藤君が79手目 ☗9四竜としたが、ここは☗5三金としたかった。以下、☖同玉☗7二竜☖6二金☗7一竜の進行が予想され、本譜よりは優った。
手持ちにしておきたい持ち駒の金を犠牲にする手順なので、伊藤君は選び難かったかと想像される。本譜の順では折角の竜が☗9四竜で2枚の角の堅陣で抑え込まれてしまって、イマイチ。
☗7一竜に竜を展開出来ていれば、竜がイキイキとしていた。
角を守る藤井君の80手目 ☖8四歩打が好手。
立ち合いの久保九段も「後手陣が安定してきました。6五と7五の歩が厚みになっています。先手は9四竜の使い方が難しい。後手を持ちたいです」と藤井君優勢との判断。
仕方なく81手目 ☗7六歩打と角頭を攻める順を伊藤君、選んだが、82手目 ☖6三桂打が7五の守りにも利いて絶品。71手目の局面は後手玉周辺に金が1枚あるだけだった。いまは見違えるほど味方の駒が多い。
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