たかたに社会保険労務士事務所

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親権者・監護者はどう決められるか


1.原則は話し合い
 親権者、場合により監護者は、協議離婚の場合は夫婦の話し合いで決定し、話し合いができないときは家庭裁判所に指定の申立てができ、裁判離婚の場合は裁判所が決定する。

では、裁判所ではどのような点が決定の基準になるのか
【1】監護に関する事情の比較
 監護事情に優るほうが良いに決まっているが、それを比較するものとして、
・父母の心身状況が問題・・・病弱・精神的不安定で監護養育が困難なときは問題となる。
・父母自身がどのように監護できるのか・・・自営業・サラリーマンその他の職業の種類、内容によって、育児にどれほどの時間が取れるのか、具体的に比較する必要
・夫婦双方が職業を持つ場合・・・監護補助者が問題になる。
・監護補助者を必要とするときは、監護補助者自身の心身状況、育児経験の有無、補助者は特定か不特定か(たらいまわしの危険はないか)などが問題になる

【2】 子自身に関する事情の考察
・ この年齢に応じ弾力的に考える必要。乳幼児、3歳から10歳くらいまでは母の膝下で監護せしめること、母とのスキンシップによるようイクが一番自然で幸福だといわれ、家裁の調停や審判例ではこの点を重視し親権者を母とすることが多い。15歳以上になると、民法上も意思能力を認め、身分行為のうち、縁組や離縁の能力を認めており、遺言もできるとしているので、そのこの意思を尊重する。家裁の親権者・監護者の指定の手続では、15歳以上の子供については、その子に陳述の機会を与えなければならないとされている。

【3】 その他の事情
 父母の経済事情は、優る方から劣る方へ養育費を支払う事で解決できる問題であり、特に監護者を決めるに際しては重要な基準でなく、むしろ付随的な事情。しかし、実際には、カネを出す以上当方で引き取る、という決め方が多い。なお、判例では、経済的な事情は、決定の基準として考慮すべきでないとしている。
 したがって、不貞行為をした母が子を連れて家を出て行った場合でも、離婚に際しその子供の親権者になる資格はないとは言い切れず、監護に関する諸事情、子の事情を総合判断して親権者となることは可能。
 しかし、監護事情など色々な条件が対等で、双方親権者になることを希望する場合は、やはり離婚について責任を作り出した親、不行跡のあった親はハンデとならざるを得ない


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