たかたに社会保険労務士事務所

養育費はどのようにして決めるのか？

【　養育費は必ず払わなければならないのか？　】
１．親権者か否かに関係ない
　離婚したとしても、子供にとっては父であり母であることには変わりはないため、未成熟の子が扶養を受ける権利、親が未成熟の子を扶養する義務は続く
　つまり、親権者・看護者にならないか、子供を引き取るか手放すか、離婚後の面接交渉をするかしないかに関係なく養育費は親として分担する義務がある。

※　親の務めを果たすという意から、金融機関に子供の名義の口座を開いて、そこに養育費を振り込むようにする方法が多くなっているのも、子供のためという養育費の性質に適しているから。

２．経済的余力と要否句碑分担義務
　失業、事業不振、ローンその他の負債、借金等で、経済的な余力がないから養育費を払えないというのは原則として通用しない。全部免れるためには、非常に厳しい客観的に認められる窮状が必要である。
　基本的に裁判所の判断は次の通り
・親の未成熟子に対する扶養義務は、親に存在する余力の範囲内で行えば足りるような生活扶助義務ではなく、いわば一椀の飯をも分かち合うという生活保持義務である。
・したがって、基本的には親が負債を抱えていたとしても、自らの生活が維持されていて、債務の弁済すらできている以上は、未成熟の扶養義務を免れる余地はない。

３．養育費請求の根拠
　離婚に際し、あるいは離婚後に父母の一方が他方に養育費の支払を求める方法には・・・
【1】監護に関する処分として監護費用を請求する。（民法766条）
【2】扶養の問題として子の法定代理人として扶養料を請求する。（民法877条～880条）
がある。【1】は親どおしの問題であり、【2】は親と子の扶養の問題で、手続は両者の間で若干異なってくる。なお、判例上、離婚が裁判沙汰になったときは【1】の監護費用としての養育費請求の方が好都合だといわれる。

４．養育費の決定方法
【1】当事者の協議

【2】家庭裁判所の調停・審判
　協議ができないときは、家庭裁判所に申立て、家庭裁判所が決定する事になる。なお、監護費用としての養育費なら申立人は養育している親、扶養料としての養育費なら、申立人は子供本人で、親権者がその法定代理人となって他方の親を相手方とすることになる。
　家庭裁判所は、父母の資力その他一切の事情を考慮して定める。離婚そのものの調停は、合意に達しなければ不調に終るが、養育費請求の調停は、合意に達しないときは調停の申立てのときに審判申立てがあったものとみなされて、審理のうえ審判を下す。

【3】通常裁判所での訴え
　離婚の訴訟に付帯して訴えると、離婚を認める判決の際に、寛喜費用の支払を命ずることができる。（離婚訴訟の際には、財産分与及び監護費用の申立てをすれば、問題を一挙解決することができる）

※最高裁判例で、離婚判決と一緒に養育費の支払を命ずることが認められた。つまり、家庭裁判所の離婚調停が不調で、地方債に離婚訴訟を提起する場合、離婚の請求に付帯して、財産分与の申立てのほか「子の監護をなすべき者その他子の監護につき必要な事項」の申立てができる。

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