シネマ大好き!

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2009年08月30日
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テーマ: 映画鑑賞(893)
カテゴリ: 洋画-1970年代



製作:1972年
監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
出演:ローレンス・オリヴィエ/マイケル・ケイン

イギリスの有名な推理小説家アンドリュー・ワイクはロンドン郊外の大豪邸に妻マーゲリットと住んでいたが、彼女には美容師マイロ・ティンドルという愛人がいた。ある日、アンドリューはマイロを自宅に呼び寄せる。そして2人の関係を認めた上で、贅沢なマーゲリットを物質的に満足させるために、アンドリューが持つ高価な宝石を盗んで海外で売るよう提案するが・・・・。

先日このブログでも紹介した「スルース」のオリジナル。リメイク版「スルース」でアンドリュー・ワイクを演じていたマイケル・ケインが、オリジナル版ではマイロ・ティンドルを演じている。スピーディな展開だった「スルース」を先に観てしまっていたので、長尺な本作はテンポが遅く冗長な感じは否めなかった。それでもこれだけの時間をたった2人で魅せる演技とストーリーはやはり凄いのでしょう。大筋の内容はリメイク版で知っていたので格段の新鮮味はなかったものの、細かい点では色々と異なっており、また時代や屋敷内の感じの違いからくる雰囲気などはかなり違っているため、リメイク版とはまた異なった映画のようにも感じられた。





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最終更新日  2009年08月30日 04時47分52秒
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Re:探偵<スルース>(08/30)  
この「探偵<スルース>」は、シェークスピア劇の名優、ローレンス・オリヴィエと舞台出身ではありませんが、多くの映画に出演しているマイケル・ケインが、がっぷり四つに組んで、演技合戦を披露した作品ですよね。

ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の「探偵<スルース>」は、あらゆる意味で"芸"を堪能する映画だと思います。
まず、アンソニー・シェーファーの原作の戯曲及び脚色が持つ、ストーリー展開の"芸"。
それから、ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の熟練の演出が見せる、語り口の"芸"。
そして、最も重要なのは、二人の主人公を演じる名優ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインの演技の"芸"。
ローレンス・オリヴィエが扮するアンドリュー・ワイクは、ロンドン郊外の豪壮な邸宅に住み、推理小説の執筆をなりわいとしているが、作家といっても日本の流行作家などとはだいぶ感じが違います。
原稿の締め切りに追い立てられて必死になっているといったところは、全くなくて、それどころか、自分の優雅な生活のペースをたっぷり味わいながら、その間に悠々と執筆をしているような余裕が、何よりも印象的なのです。
このアンドリュー・ワイクが、イギリスの上流階級を絵で描いたような人物であるのに対して、マイケル・ケインが演じるマイロ・ティンドルは、これまた典型的なほどワイクとは対照的な人物なのです。
父はイタリア移民の時計職人で、その息子のマイロは美容師として成功し、現在では美容院の経営者になるまで出世したのです。
つまり、アンドリュー・ワイクはサラブレッドであり、マイロ・ティンドルはハイブリッドなのです。
しかも、血筋が違うだけではなく、育ちも違う。
こうした違いは、イギリスの社会では、日本人の我々が自分たちの社会の構造を当てはめてみて体験的に想像するよりも、遥かに厳しいもののような気がします。
この二つの役にローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインが配役されたのは、二人の俳優の個性をうまくつかんだ、絶妙の選択だったと思います。
これだけタイプがぴったりならば、あとは二人の演技の"芸"の対決をじっくり味わえばいいということになりますね。
それではこの二人、どちらが演技的にうまいか? あるいは少なくとも、この映画ではどちらが優れていたか?
この二人は、1972年度のアカデミー賞の最優秀主演男優賞の候補になりましたが、「ゴッドファーザー」のマーロン・ブランドが受賞し、惜しくも受賞を逃しています。
マーロン・ブランドという最強のライバルがいたことと、二人の間でアカデミー会員の票が分散されたため、受賞には至りませんでした。
キャリアと実力から言えば、どう見てもオリヴィエに歩があるのは明らかです。
オリヴィエの演技には、舞台のシェイクスピア劇で鍛えられ、最高のシェイクスピア役者と謳われた、円熟の妙味が豊かに脈打っています。
とりわけ、ちょっとした目の表情の変化などに、イギリスの上流階級だけが持っている"尊大さと傲慢さ"と、そして"冷たいずるさ"を感じさせるあたりが、オリヴィエの"芸"の見どころだと言えると思います。
この映画でのオリヴィエの演技は、歴史上の英雄だとか大人物だとかを正面切った芝居で見せるというものではなく、イギリスの上流階級の人種を絡め手の方から浮き彫りにして見せるといったものです。
そして、それだけに、小さな演技に見どころがあり、味があるのだと思います。
実際、オリヴィエは、この役を演じるにあたり、舞台的な演技ではなく、映画的なそういった細かい"芸"の工夫を、何か悠々と楽しんでやっているように感じられました。
これに対して、マイケル・ケインは、チャンピオンに立ち向かう挑戦者のように、全身全力を傾注して、老獪なローレンス・オリヴィエという名優に、健気にも対抗しているといった風情だなと感じました。
この映画は、かなり手の込んだ構成を持っていて、オリヴィエと堂々と互角の演技合戦を展開していたなと思います。
このマイロ・ティンドルは、立派な成功者なのですが、なぜかアンドリュー・ワイクと対等の立場に自分を置くことができません。
それは、イギリス社会が生んだ階級の格差のせいで、その格差がマイロの人格に影響を及ぼしてしまっているからなのですが、マイケル・ケインは、そういう劣等感をわざとらしくなく表現しきっているのが、実にいいなと思います。
この両者の"芸"のいずれに軍配が上がるのか?
私は、オリヴィエの余裕と貫禄、ケインの積極演技を引き分けと見ました。
それにしても、うまい役者のうまいお芝居を観るのが、こんなにも楽しいものだということを、再認識させられた映画でしたね。 (2023年02月20日 17時36分32秒)

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