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2004年03月17日
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美容師をしております姪っ子が、3日前、本を借りに来ました。
大正から昭和にかけての雰囲気を知りたいので、何か適当な本はないか、とのこと。
何でも、最近のレトロブームを受けて、耳隠しに結ってほしいというお客様があったのだそうです。

多分そうだろうと、聞く前からオチの見当をつけておりましたが、アタりまして。
お店のスタッフの方々は、「耳隠し、それナニ???」 だったそうです。
側で聞いていた姪に至っては、咄嗟にイヤーマフのことかと思ったと、明るく告白してくれました(爆)
幸いにも、イラストに長けたお客様であったそうで、紙に描いてもらったものを元に店長さんが仕上げられて、事なきを得たそうですが。
最近の、お若い美容師さんですと、御存知ないのかも知れませんねぇ。
和服用のヘアも当世風のみ、着付けは受けないという美容院さんが増えているそうです。


もっとも私とて、耳隠しを結っている方をライヴで見たことは・・・多分、ありません。
古い写真や映画で見ましただけだと思います。
母に尋ねますと、さすがに知っておりました。
戦前と戦後数年間は、わりと普通に見かけたそうです。

耳隠しで思い出しましたが、亡き父の3度目の初恋(おいおい^^;)が、母の母、私の祖母でありましたそうで。
私が生まれる前に亡くなったので、古い写真でしか見知りませんのですが、それはもう、なまじの女優程度でしたら裸足で逃げ出すような華麗な美女です。
当時の弁護士令嬢でありますから、それこそ乳母日傘育ちの、文字通り、ろくに台所にも立ったこともないピカピカのお嬢様です。
曽祖父の書生弁護士であった祖父は、師の令嬢を巡って、同輩の書生方と、なかなかにアツい恋の鞘当てを演じたそうですヨ。
そうした美女の祖母に、少年時代の父は憧れていたとのこと。
耳隠しの髪が あれほど映える女性を他に見なかったと、父は申したそうです(by母)
長火鉢に軽く肘をあずけて、どこを見るともない茫洋とした眼差しで長煙管を弄ぶ姿を垣間見るにつけ、まさしく一幅の絵であろうか・・・とトキめいた由。

結構、おマセでもありましたのかも。


おとと、話がズレてしまいました。
閑話休題・・・


さて、「誰も知らない耳隠し事件」 を経たことで、レトロムードも知っておかねばなるまい・・・と発心しました我が姪っ子。
図書館に行こうにも、まだまだ下っ端スタッフでありますので、開館時間に間に合う時間には、とても上がれません。


時代の風俗や雰囲気を手っ取り早く知りたいのであれば、花柳界を描いたものに当たるのが一番でしょう。
それで良いか? と尋ねますと、「花柳界」 という言葉自体から説明せねばならぬと解ったのでありますが。
いささかの不安を覚えなしたが、まあ、読めば解るものだし・・・と思い直しまして。
花柳界風俗の描写で入り易い作品と言えば、永井荷風です。
本棚からヒョイヒョイと数冊抜いて、持って帰らせました。
これが、冒頭に書きました、3日前のことです。


3日後の今夜、姪っ子が、本を入れた紙袋と共に、また参りました。
もう読んだの? と思いましたら、さにあらず。

「たりちゃぁん、読めへんかったぁ」

と、世にもヘナチョコなことを申すではありませんか。
どれくらい読んだのかと尋ねますと、一冊目の10頁くらいだとのこと。
3頁読むと睡魔に倒れるので、3日で10頁ね・・・なるほど。
などと、感心している場合ではありませんか(^^;

「だぁって、こんなムズいの読んだことないんやもぉん」

ええいっ、この根性ナシめがっ。
どの本だって、最初に読む本は、読んだことがないブツでありますがな。
永井荷風は、とっかかりが良いので勧めましたのに・・・日本語が解る人間が読めないという道理はありませぬぞよ。

「日本語やけど、日本語やないやん、こーいうのって」

などと、姪っ子は、ワケの分からぬことを申して、丸い頬を更にプリプリと膨らませます。
彼女の言う日本語の方が、よっぽど解り辛いのですけれどね、ウチには(汗)
ううむ、現代の23歳には、永井荷風はNGなのか・・・。
当時の 「カフェー」 の描写など、体験したことのない世代の私であってもワクワクしますのに。
嗚呼、昭和は遠くなりにけり・・・というところでせうか(苦笑)

では、写真付きの風俗史の本があるから・・・と見せましたら、パラパラと見て、こちらを喜んで抱えて帰った姪っ子でありました。
ウマシカ者め・・・そちらの方が、説明の文章は難解であるのじゃぞ(爆)

目で見る方が良いのなら、4月1日から京都駅ビルのギャラリーで、高畠華宵展があるから見ておいで・・・ともアドヴァイスをば。
これは私も楽しみにしておりまして、友人と行くことになっています。
姪っ子ときましたら、

「タカバ ケカショーって? ハーフの人?」

と申しますので、喩えでなくズッこけました、私(汗)
天ぷらを揚げながら話していましたので、私も気付かずヘンな所で切ったのかも知れませんが・・・とほほ。

「タカバタケ、カショウ」

と、訂正する私の語尾には、いささか血管が浮いていましたかも(笑)
そんな私の心情を知ってか知らずか・・・いえ、知りませんな、間違いなく。
姪っ子は、揚がってくる天ぷらを嬉しそうにモリモリと食べて幸せそうでした。
ま、可愛いですね。 ふふ・・・^^


姪っ子の話で触発されたわけでもありませんが、昭和モダニズムのお洒落をしたい・・・という気持ちは、最近、高まっています。
当時風の派手派手しい組合わせは、離れて見ますと、可愛いとも洒落ているとも思うのですが、いざ自分で着ますには、いささかの躊躇が???
耳隠しに結って、浪漫あふるる様子でキメて歩いてみたいものですね☆





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最終更新日  2004年03月17日 07時06分40秒
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