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2004年04月11日
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一昨日ですが、行って参りました、京都駅ビルギャラリー。
楽しみにしていた、高畠華宵展です。 やっと行けました♪
先日の日記で自慢しました、美しき友人と待ち合わせ。
彼女も私も、レトロ・ビューティの世界が大好きなのです。

大正ロマンティシズム ~ 昭和モダニズム時代に一世を風靡した華宵画伯。
予想していましたよりも、充実の展示内容でした。

苦難時代のスケッチから始まり、
津村順天堂(現・ツムラ)の広告画を認められ、
挿絵画家としてカリスマ的人気を博し、

日本画から、生涯の大作である六曲一双屏風 『移りゆく姿』 は圧巻でした。

行きつ戻りつ眺めていた時間は、時計の上では2時間くらいであったようですが・・・
半日過ごしていたかと錯覚するような、濃密な時間でした。

華麗な画想、繊細を極めた色遣いの微妙、茫洋の視線・・・
形容は何とでも出来ますが、本当に良いものの観賞は、語彙比べではありません。
ただ惹きこまれて、陶酔するのみです。
じっ・・・・と、ひたすらに観ておりますと、向こうからも呼ばれるような気になるのが不思議。

ニーチェ哲学の、逆ヴァージョンなのだろうか? と思いました。
ニーチェは、「暗闇に目を向け過ぎるなかれ、暗闇もまた、覗く者に興味を向け返すものだから」 という意味の言葉を著作に残しています。
今日の観覧を思い返しますと、逆も真なりなのかな、と。
極めて美しいものに真剣に向き合おうとしますと、美しさもまた、こちらに微笑んでくれるものなのかも・・・


ああ、でも、そういったコトは、本当はどうでも良いのです。
美しいものには、ただ素直に感心し、飽かず細部の宇宙を追って陶然となれば充分だという気持ちを持ってもおります。

画集では解らなかった精緻な筆使いや配色を、大きく間近で見られたことも大層な眼福でありました。
特に色味が、気が遠くなるほどにピタリと決まっているのです。
チリ一抹分ほどでも絵具の配合を変えれば、全くもって違う印象の画面になったであろう・・・と。


華宵描く人物画には、「玲瓏珠の如し」 という表現がピッタリくるように思います。
しっとりと、真珠色のヴェールをまとったような神秘的な麗しさ・・・というイメージで、この言葉を出しました。
華宵の筆になる人物、特に女性は着物姿でも極めてモダンであり、洋装であれば現代人の私の目にもキワどいと映るような大胆なものもあります。
それでいて、あくまでも典雅であり、奥深い叙情性が香り立たんばかりです。
お洒落の多様さや肌の露出度では、現代女性も負けていないはずなのですが・・・「玲瓏」 という表現を思わせるものではないような?
時代と美意識の違いと言ってしまえばそれまでですが、華宵を始め、夢二や虹児といったレトロモダニズムの具現者が飛躍的に脚光を浴びている現状を見ますと、単に 「時代が違う」 という言葉では説明がつかないようにも思います。

堅苦しい話は、さて置き・・・
友と二人、お互いのペースでゆったりと観賞しました。
順路などは無視して お互いに勝手に眺め歩いていたのですが、見終わった時間は ほぼ同じだったのが笑えます。
出口のお土産ブースで、彼女は絵葉書と栞と髪飾りを、私はミニ画集と半襟文様集を記念に買いました。
素敵だったねぇ、あの絵が特に良かった、いやいや、あの絵も・・・と語り合いながら、とある紅茶専門店へ。
目立たない場所にあるのですが、紅茶が抜群に美味しくて、茶器にも凝っているお店なのです。
ケーキとタルトを半分こして、彼女はアッサム、私はアールグレイで優雅なティータイムを過ごしました。
あああ、深い深い充実・・・心の奥底から潤いました。
あの時間の私は、普段よりは美しく見えていたのではないかな・・・造作は同じながら、満ちた気持ちが表に出ていたのでは、と思うのです。
華宵美人には及ばないとしましても、ですけれどネ(笑)

会期中に、出来れば、もう一度見ておきたいものです。
時間があれば良いのですけれどね・・・しょっちゅう通る京都駅なのに、たかが1時間少々の足止まりに いちいち考え込む自分がイヤですな(^^;

高畠華宵展、おススメです。
今月21日までにJR京都駅付近にお越しの際は、是非、御覧下さい♪






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最終更新日  2004年04月12日 00時52分23秒
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