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2004年05月19日
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あんなに臭いモノでしたかねぇ!
20年以上ぶりにマトモに触りましたが、記憶では、多少の生臭さを超えるモノではなかったように思うのですが・・・むぅ。

話は、先週末に遡ります。
茶道の集まりで、はるばる中国地方の某県へ泊りがけで行って参りました。
着物と荷物のバッグは、コンビニから宅急便をお願いしたので身軽なものです。 ついでに、お財布も軽くなった・・・(爆)
地元の友人が、車でJR駅まで送ってくれます。
夕方には京都に戻っていたい私のために、少し早めの出発となりました。
もっとも、新幹線にさえ乗ってしまえば2時間程の距離ですから、途中でお昼を食べて、駅前でおチャして・・・と計画しながらのノンビリした道中です。
途中、開いたばかりの温泉(入浴のみもOK)に寄って、貸し切り状態で優雅な朝風呂としゃれ込む余裕ぶりです。


湯上りのピカピカした顔で車に乗り込み、市街に向けて再び出発ばぶ~ん。
左には緑濃い山の連なり、右には大きな河を眺めながら、気の合った友人とのトークが盛り上がる快適なドライヴです。
1時間ほど走った頃でしょうか・・・お昼には、まだ少しという時間でした。
急におしゃべりが途切れ、車内が一瞬シン、と。
道路の端っこに黒っぽいコンモリとした物体があり、のそのそ動いていたのに同時に気付いた友人と私は、思わず絶句したのでした。

「・・・亀やんな、今の」
「うん、多分・・・てゆっか、亀」

人家もまばらな、山と河に挟まれた田舎の環境です。
亀がいること自体は不思議でも何でもないのですが、アスファルトの道路、それも真ん中に向けて歩いていたことは問題です。

「あのまま歩いてたら、車に轢かれるで・・・」

友人は一瞬黙り、それからキッ、と路肩に車を駐めました。


「うん・・・ええか? 手間かけるけど」
「いーよ、たりちゃんのビョーキじゃからね」

友人は苦笑いでUターンしてくれまして、車はすぐに件の場所に戻りました。
いるいる。 やっぱり亀です、間違いなく。
勤勉な性格であるのか、ものの3分くらいの間にも結構移動していました・・・車道の真ん中を目指して。

これを使えと、友人が後ろの座席から取った孫の手を渡してくれました。
何で孫の手なんか車に乗せているのかとツッコミを入れる余裕は、その時の私にはありませんでした。
ゴクリと唾を飲み込み、恐る恐る近付きました。
はい、そうです・・・ムチャクチャ怖かったのです!
勢いで戻って来たのは良いのですが、カミツキ亀だったらどうしようかと思って。
数年前から、飼い主が持て余して捨てたカミツキ亀に喰いつかれて大怪我をしたという事件が増えています。
まともに噛まれたら、指の一本や二本は持っていかれるとのこと。
私の住む地域でも、安易に触るなとの警告ポスターやCMを目にします。
なるほど、と理解してはいたつもりでしたが、実際に見知らぬ大きな亀に接する機会があるとは思っていませんでした。
暑くもないのに、ジワリと汗が・・・。

私の躊躇いなど知るはずもなく、亀はチックリチックリと歩を進めています。
まずは、この孫の手で突ついて反応を見るべきです。
グワッ! と噛み付いてくるようでしたら、それはそれで然るべき役所に連絡せねばなりません。
停めた車から離れてはいけない友人は、私を気にしながら、ケータイで近場の保健所の番号を探してくれています。
大丈夫、カミツキ亀であっても飛びやしないんだから・・・と、孫の手を握り締めて一歩踏み出しました。

と、そこへ後続車が!

それまで車が来なかったのをいいことに悠長にビビッていましたが、曲がりなりにも国道ですから車は通ります。
亀はもう、かなり出ています・・・車は快調に走ってきて、シャッ! と通り過ぎました。
轢かれた! と思い固まった私が見た光景は・・・亀の怯えでした。
亀が声を出せれば、「うわあっ!」 と叫んだことでしょう。
幸いにも車の両輪の間だったのですが、頭と四肢をバッと引っ込めたのです。 その瞬間を、私は見ました。
車が通り過ぎても、甲羅の中に隠れたまま出てきません。
亀としては大きくても、車とは比すべくもなく・・・そもそも、高速で自分の上を抜けて行った大きなモノが 「車」 であることなんぞ、亀には解りません。
怖かったはずです、甲羅の中でブルブル震えているのかも知れない・・・。
可哀相に! と思ったパッションが、怖さを超えました。
そして、その反動か、いささか冷静にもなりました。
TVやポスターで見たカミツキ亀とは、甲羅の色や形が違います。
思い切って駆け寄って、孫の手でツンツンしてみましたが、反応ナシ。
ガタイが大きいだけで、普通の亀なのかな?

そこへ、更なる後続車が近付いて来るのが見えました。
今度は大型トラックです、あれに轢かれたら間違いなく死にます、この亀。
カミツキ亀ではない(らしい)だけで、私の知らない凶暴な種類なのかも知れません。
でも、このままでは必ず死ぬ・・・ついでに、どんな亀でもお尻を持てば大丈夫(らしい)。
この二点を解ってしましたので、ままよ! とお尻に近い甲羅をガッシと掴み、路肩に駆け戻りました。
近くに迫っていたトラックに、「すみませんでしたー!」 と大声で叫びましたら、助手席のアニさんが笑顔で手を振ってくれていました。 ホッ。

さて、次にこの手をどうしたものか・・・
亀のお尻を掴んだまま、ンッ、と考え込む私です。
河岸ですかね、戻すとしたら。
と思い、タタタと道路を横切って河へ出ますと、昨夜の雨で水量が大幅に増えています。
土手は急傾斜しているだけで、平らな部分がありません。 こっちはNGですな。
車を数台やり過ごして、また道路を横切って山側へ。
腕を思い切り伸ばした中腰の姿勢で支える30センチの亀は、非常にドッシリと重いものでした。
このような辛い体勢で歩き回った理由はですね、身近に引き寄せた途端に噛みつかれてはという恐れもありましたが、それより何より、臭かったからなのですよ(爆)
触れている指先の色が変わるんじゃなかろーかと、本気で心配したくなったほどの臭いです。
昔、洗面器で飼った小亀は、こんな臭いしなかったぞぉ・・・と思いながらフと見ますと、指に何やら黄金色の液体がタラリと。
うげげ、アンタもしかして・・・(爆)

友人のアドヴァイスに従い、しばし歩いた田んぼの側道に安置しました。
ここが良いのかどうかは解りませんが、少なくとも水と食料には困るまい、ということで。
もうヒョコヒョコ出てきたらあかんえ、アンタも亀ならまっとうに長生きしよし、と声をかけて、キョンシー体勢で車へ戻りました。
手がくっさーーい、一刻も早く洗いたいのに、近場には人家すらなし。
困ったなぁ、と話していますと、友人がパンと手を打ち、私の荷物をガサゴソ。
そうです、朝風呂で使ったままの濡れタオルがあったのです!
私は狂喜して、思う存分手を拭いました。 はぁ、スッキリ。
それでも気持ち悪かろうという友人の配慮で、20分ほど走ったドライヴインで、早めの昼食タイムとなりました。
お手洗いの石鹸で手を洗い直し、ついでに、内緒でタオルも水洗い・・・スミマセン^^;

その後は予定通りにJR駅前の喫茶店にてゆっくりとオチャして、友人に見送られて無事に新幹線に乗りました。
あの亀、どうしているかな・・・と、窓の外を眺めながらボンヤリ。
強いて戻って助けたかった理由は解っています。
先述の、子供時代に洗面器で飼っていた小亀をむざむざと死なせてしまった胸の痛みがあるからです。
私の不注意で洗面器を戸外に出したままにしたところ、庭に入った猫にやられたのです。
小亀の甲羅の無残な様子は、いまだに忘れられません。
小亀を死なせてしまったことへの贖罪に置き換えるほど能天気でも感傷的でもありませんが、単純に何らかの助けの手を出せる立場にいるのならば、素直に手出ししたいとは思います。
その場限りという批判もありましょうけれど、まずは窮地を脱させて次を考えられる環境に誘うくらいは穏当の範囲だと思います。

京都駅に戻ってからは、またもや汗を浮かべながら移動・・・。
京都国立博物館の、南禅寺展の最終日でした。
こちらのレポは、また後日。






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最終更新日  2004年05月22日 04時26分07秒
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