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内部の観光を済ませ外に出て家屋の見学・・アイヌ語では「家屋」のことを「チセ」といいます・・発音するときは「チ」のほうではなく「セ」のほうを高く発音します・・この「チセ」という言葉はこれまでしばしばとくに日本語の文章に取り入れられた場合にかつてのカヤやササなどで葺ふいた家屋だけを指して使われることがありました・・しかしアイヌ語として考えた場合には現代の新しい工法による家もやはり「チセ」と表現することになります・・じっさいお年寄りにアイヌ語で会話をしていただいた中に現代の家屋を指して「チセ」ということばが用いられている例があるそうです・・材料や工法が変わってもアイヌ語にとって「チセ」つまり「家屋」に変わりはないのです・・オッカヨル(男子用トイレ) メノコル(女性用トイレ)オッカヨル・メノコルはトイレの建物で柱にはドスナラ・壁にはササやカヤが使われました・・人が立ってようやく入れるくらいの小さめの建物です・・形は男女で違います・・女性を大切にする家では男性用が手前・・少し離れて女性用を置いたとされます・・地方によっては男女共用のアシンル(トイレ)が置かれる場合もありました・・中には円形で30~50cmくらいの深さの穴を彫っって用を足します・・穴の深さは家族の数によってかなり差があったといいます・・穴の周りには石を置き中には砂や小砂利を敷いていました・・中には男女ともにイナウ(木を削って作った祭具)が置かれていることがあります・・削りかけを入口に指す場合もあります・・これはトイレの神様にお供えしたものです・・トイレの神様はとても強い力を持ち女性を守ってくれるといいます・・その家の女性がお産で苦しんだときにはトイレの神にお神酒を捧げて祈り・・安産を願います・・捧げた酒は産婦にも飲ませ出産を早めるまじないとしたそうです・・また 北海道の東部ではトイレから少し離れたところに先祖供養の祭壇を作りました・・ポンチセ(小さい家・4~5人家族が住む家)4~5人が暮らすための家として作られました・・時代とともにチセも変わり現在ではかつての文化や技術を伝えるためにつくられています・・日高地方や十勝地方では結婚したばかりの時は小さなチセに住むほうが良いとされていました・・内部は長方形の一間でポロチセと作り方はほぼ同じで中央に炉が切られています・・この炉は四方が炉ぶちで囲まれカムイブヤラ側(上手)には男性が行うイナウ(木を削って作った祭具)作りや木彫りをするための台があります・・火は大切なカムイ(神様)で炉縁や炉かぎは今でも粗末にしないように大切に扱いました・・炉の上には肉や魚を干して燻製にするための炉だながあり床は土間の上にかれ草その上にカヤやヨシで編んだすだれ・・更に上にガマやスゲで編んだゴザを敷き暖かく過ごす工夫をしていました・・チセ作りが完成するとコタン(村)の人々や親戚を集めチセノミというお祝いをしました・・衣服などに施した独特の文様は布を切って衣服につけたり刺しゅうをしたりして作ります・・こうして作られる文様にも地域ごとに特徴があります・・刺しゅうの文様には魔除けの意味があると言われますが実際のところは地域や人によってさまざまです・・昔のことをよく知っているお年寄りの話でも文様の刺(とげ)の部分に 魔除けの意味があるという人もいますし文様には特にそのような意味はないという人もいるそうです・・作りプ(食べ物などをしまう倉)プは長い冬の生活のために食べ物などをしまっておく倉(建物)です・・ここでは1年ほど前のプを再現して展示しています・・木で骨組みを作りカヤ・ササ・木の皮で壁や屋根を作ります・・足を高くそてあるので湿度でカビがはえたり動物に食べられてしまうのを防ぐことができます・・高さは地面から130cmほどです・・プの足にはエルムオシピレプ(鼠返し)といって板や木の皮でネズミが登れない仕掛けを付けました・・またネズミの嫌うイパコブリプ(ごぼう)の実の外側についているトゲを柱のつけておくのが一番効果があったようです・・出入りにはははしごを使います・・はしごは丸太を2つに割り足をかけるための刻みをつけたものです・・使わない時はネズミが登らないように外しておきます・・プとは1つとは限らず2~3個ある裕福な家もありました・・ポロチセ(大きい家・集会場)お祭りや集会で人が多く集まる村長の家などとしてつくられました・・時代とともにチセも変わり現在ではかつての文化や技術を伝えるために作られています・・形は長方形で十勝地方ではおおきいもので長さ9~11m幅4~6m程度だったと言われています・柱は腐りにくい木を使い地面に彫った穴に立て四すみの柱には太い木を使用します・・材料はブドウやコクワのツル・シナ皮の縄などで縛り壁には北海道ではカヤがよく使われ北部・東部ではササ樺太ではマツやシラカンバの皮を板にしたものが使われました・・冬は壁を厚くし風よけを作るなど季節ごとの工夫もあります・・天井が高く煙を出す穴があり家は窓の向きは地方によって様々です・・白老周辺では東側二神々が出入りするロルンプライという窓がありこの窓から家の中を除くことはしつれいなことで儀式などのとき以外は締めています・・ヌサ(祭壇)祭壇は神に捧げるイナウ(木を削って作った祭具)を立てるところです・・支柱に横木を組みここにヤナギやミズキなどで作ったイナウを立てます・・アイヌ民族は自然界のものや人間の作った道具などどんなものにも命があると考えてきました・・それらは人間の役に立ってくれるものとして大切に考え1年に何度か祭壇にイナウを立ててお祈りをしました・・家の外にある祭壇をソユンチパともいいたくさんの神々がまつられた大きなものです・・川・湖・海の神などはそれぞれの場所に祭壇を作ることもあり・・家の外にまつることもあります・・家の中の祭壇はアウンチパといい囲炉裏には火の神イナウが宝物置き場(家の中の神聖な場所)には家の神のイナウが立てられました・・第二次世界大戦後になると生活の変化により殆どの家では祭壇をもたなくなりましたが近年は新しく祭壇を立てる人も増えています・・ヘペレセツ(子熊のおり)明治時代までは狩猟をする人も多く子熊を見つけると連れて帰ってきました・・子熊はカムイ(神様)の子どもなので大切に育てやがてイヨマンテ(クマ送りの儀式)でカムイの世界に送り返します・・ヘペレセツは子熊の寝床・巣という意味です・・樺太ではクマを育てている時はカムイチセ(神の家)といいイヨマンテをして空になるとイソ・チセ(クマの家)といいました・・子熊を育てる大切なものなのでどこに作っても良いというものではありません・その家の主が炉のそばのシソ(右座)に座って外を見たとき窓を通して見えるところに作ります・・丸太を組んで作り縦・横・高さが2mほどです・・床は地面より30~40cmの高さにする場合と1mほどの高さにする場合とがあります・・このそばには子熊の守り神もまつられていました・・タンネチセ(長い家)イタオマチプの展示用に作った建物で壁葺きは行わず支柱と屋根葺きのみでできています・・この建物を表すためにアイヌ語で長い家と意味するタンネチセという名称を新たにつくりました・・材料はカヤ・カツラ・ブドウヅルを使用し屋根にはサクマ(屋根を葺く時に抑える横木)を取り付け縦縛りで結束してすだれを張ってからカヤ束を5段重ねて葺き梁には筋交いを施して耐震補給しています・・イタオマチブ(板綴り船)アイヌ語で船のことをチブといいます・・丸木舟が多かったといわれていますが丸木舟の舷側(船の側面)に板を取り付けた船をイタオマチプと言い大きいものでは全長15mほどのものもあったとされています・・主に海洋に出る時に使われました・・板を取り付けて舷側を高くすることで安全性を高め積載量をふやしたとされています・・材料にはカツラやシナノキなどの大木を用い板の取り付けには地域にもよりますがサクラやシナノキの樹皮などを縄状にして使用しました・・船を漕ぐ時は車櫂という左右順番に動かす独特の櫂を使ったほかガマなどの草を編んだゴザを帆として使い推進具とした船もあったとされています・・また進行方向を変えるときは船の後方に取り付けた練櫂を使用しました・・イタオマチプは海での漁労のほか和人との交易にも使用されました・・板を用いたアイヌ民族の船としてはイタオマチプのほかアムール川方面から伝わった樺太アイヌのトンテヘカなどがしられており戦後樺太アイヌが北海道に移住したあとも使われていたとされていますアイヌ文化センター前日に行く予定をしていたのですが到着が閉館間際になることから行こうかどうしようか迷い・・翌日の予定を組み替えて行きました・・行ってみて本当に良かったと思えるところでした・・とっても勉強になりました・・アイヌの知恵・文化を知るいい機会になりました・・続く・・FC2・・はこちらから
2024/11/07
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サッポロピㇼカコタン(札幌市アイヌ文化交流センター)北の大地に先住し独自文化を育んできたアイヌ民族の生活や歴史芸術を楽しみながら学べる交流センターです・・札幌アイヌの人々が製作した数々のアイヌ民族伝統工芸品をその場で見て・触れて・体験できる日本初の先住民族の施設・・サッポロピㇼカコタンとはアイヌ語で「札幌の美しい村」という意味だそうです・・展示室には伝統衣服や民具など約300点が展示されていて実際に手にとって見ることもできます・・この展示物が手に取って見ることができるんです・・どれも素敵で圧倒されました・・入口のところで実演販売をしていた新谷さんヒノキを小刀で細く削り取っている作業をしています・・ハップンカラ(アイヌ語)ハップンは山葡萄・・カラは作る・模様という意味だそうです・・魔除けだそうです・・アイヌの着物の模様と同じですべての模様が繋がっているそうです・・魔が入ってきたときに渦の模様で惑わしたり・・迷路になっているので遊んで飽きて入ってこないと言われているそうです・・コッパアート(木っ端アート)とも呼ばれるそうです・・クマさんも私も一目惚れ・・4500円・・手の込んだ作品なのにお安いとおもいませんか?速攻でお持ち帰りです・・我が家の玄関に飾って魔除けとして頑張ってもらっています・・続くFC2・・はこちらから
2024/11/01
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