ゆけゆけさっち

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民話

おさんぎつね

○○○には今は自衛隊さんが来るけれど、昔は兵隊さんがいて
戦争の練習をしていました。
兵隊さんたちの毎日食べるご飯の残り物を狙って、
いろんな動物が集まってきました。
犬、狸、狐たちが残飯のとりやっこでワンワン、ポンポコポン、コンコン!
もう夜中大騒ぎでうるさくて眠れないほどでした。
狐たちの親分は「おさんぎつね」という名前のおばあちゃん狐で、
天神森で仲間の狐たちと暮らしていました。
そして、時々兵隊さんを化かしていたそうです。
困った兵隊さんたちは、天神森に火をつけて燃やしてしまいました。
ああ、狐たちはどうなってしまったでしょうか。

ある日、兵隊さんたちがいつものように戦争の練習をしていると、あら、大変。
若い兵隊さんが一人いなくなってしまいました。
皆で「おーい、どこだー」と探しましたが、なかなか見つかりません。
その時です。松の木の向こうから「ぬしさんなー たかいところのひめこまつ 
わたしゃたにまのつたかずら キリキリシャント キリシャント」
と歌う声がするではありませんか。
行ってみると、これはどうしたことか。
松の木のそばにサイダーの空ビンや缶詰のカンカン,木の葉っぱ、鳥のフン
なんかを並べて、口から胸まで馬のウンコだらけにして、
若い兵隊さんが座って歌っているところです。
「帰ろう」と言っても「いや、帰らない」というのをどうにか皆で連れて帰って
「どうしていなくなったんだい? 」と聞いてみると、
「おかしいなー。僕はいいところに連れて行ってもらって、
とってもおいしいまんじゅうやごちそうを食べて、
きれいなお姉さんの三味線に合わせて
いい気分で歌っているところだったのになあ」と言いました。

自分たちの住む天神森を燃やされて、怒ったおさんぎつねと30なんびきもいる
仲間の狐たちが仕返しに、こんな風に兵隊さんや兵隊さんの馬までだまして
しょうがなくなったので、兵隊さんたちは○○の偉いお坊さんを連れてきて
「狐さんたち、怒らないで下さい」とお参りして、
焼いてしまったところに木を植え祠を建てたら、
やっと狐も化かさなくなったということです。


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