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映画「シン・ゴジラ」怒濤のようなレビューがメディアにあふれ、執筆者も多士済々、言いたいことなどすでに書かれていてなくなっちゃったので特に感想は書かずにいました。ただ、ゴジラ後の復興について書いている記事を読みたいのに見つからないので、自分で勝手に書きます。おことわりしておきますが私はただの素人なので噴飯物の案を書いていたらすみません。以下、ネタバレ注意。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓1)東京駅周辺完膚なきまでに破壊され尽くした東京駅周辺、このあとどうしたらいいんでしょう。各会社の本社昨日は、都内のあちこちに移転、または郊外、さらに大阪を中心とする関西に移すしかないでしょう。もともと長引く不況で首都圏のオフィスビルは余っているはずなので、オフィス機能についてはなんとかなると思いますが、海外の取引先が訪れたがらないでしょう。そう考えると関西に移転が妥当かもしれません。関東大震災の後も、関西に移転した会社が多く、大阪はずいぶん発展したそうです。鉄道については、東海道新幹線は品川で折り返し、東北新幹線は上野折り返し、品川から上野までは従来どおり在来線。東京駅のアレを解体処理するにしても何十年もかかるから、東京駅は放棄して建設中のリニア新幹線に力を入れた方がいいかもしれません。在来線もすべて手前の駅で折り返しでしょう。2)東京駅のアレ動き出すと大変なので、とりあえずは強靭なケーブルを何十本も張り巡らして固定するか、石棺方式で周囲に型枠を組んでコンクリート流し込んで固めるか。動き出したらそんなものじゃ足止めできないと思いますが、時間稼ぎです。特に尻尾のあれは固定するか解体するかしておかないといつ何時飛び散るかわかりません。くわばらくわばら。足場を組んで固定してから少しずつ解体ですね。3)避難民阪神淡路や東日本大震災の時と同じく、仮説住宅に住む人もいれば疎開先に根を下ろす人もいるでしょう。新元素の半減期が短いので都心部の除染は早く済むかもしれませんが、なにしろ東京駅にアレが立っていては危険すぎます。住むのは避けた方がいいでしょう。あの方も那須に当分避難です。4)経済首都にあんな大災害があっては、財政赤字は膨らむばかりです。避難民を対象とした補助も必要です。アメリカが出してくれた無人機の弁償もいります。うわあ。やっぱりデフォルトだ。大逆転で、アレの細胞や新元素を利用した新技術を開発できれば、それを海外に売って外貨を稼げるかもしれませんが、国連の管理下に置かれているからアレから得られる知見は各国の引っ張り合いになるだろうなあ。5)科学技術4)にも書きましたが、アレのエネルギー産生方法を突き止め実用化して、画期的な発電装置を作ることができれば、あらゆる分野に波及して飛躍的に科学技術が発展するかもしれません。(そうなると原油価格が暴落して中東を中心に世界情勢が不安定になるかもしれませんが……)素人考えでいろいろ書きましたので、誰か各専門分野の人が書いてくれないかな~。
2016.09.03
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シン・ゴジラに「王道」と「覇道」という言葉が登場したので、 参考資料として出典を載せておきますね。 一般には「王道」は「オーソドックスなやり方・まっとうなやり方」という意味で使われることが多いのですが、 映画の中の「王道」は中国の「儒家」の思想(孔子を源流とする)からきています。 (物語の中ではまあ一種の味付けとして使われているにすぎないとは思いますが。) てもとに原文がなかったので訳の載っている本から引用しておきます。 平凡社『中国古典文学大系3論語・孟子・荀子・礼記(抄)』より (原文では覇者の「覇」は「霸」と表記されていますが、「覇」に改めました。) 公孫丑章句上 孟子は言う。 「実際は力で威圧しておりながら、うわべだけ仁者の仮面をかぶって諸侯に君臨するのが覇者である。それゆえ覇者となるためには、ぜひとも大国でなければならない。その人徳からして、おのずと人生を行って初校に君臨するのが王者である。それゆえ王者となるには、何も大国をもつ必要はない。殷の湯王は七十里(訳二八キロ)四方の小国から、また周の文王は百里(訳四○キロ)四方の小国から天下の王者となった。力によって強いられた服従は、心からの服従ではない。自分の力が足りないので、仕方なく服従しているに過ぎない。ところが、特に感じてなつくのは心の底から喜んで服従するのである。たとえば七十人の弟子達が孔子に心服したのなどがそれである。『詩経』(大雅、文王有声篇)の 西より東より来たり 南より北より集まりて 思いて服せざる者なかりき という詩句は、王者に心服するさまを歌ったものである。 荀子 王覇篇 第十一 国家というものは天下の最もすぐれた道具であり、君主は天下における最もすぐれた権勢である。君主は正しい道によって国家を保持しておれば、大いに安泰であり、大いに繁栄し、うるわしき徳をつむ基礎となるが、正しい道によるのでなければ、非常な危険であり、非常な災厄であって、国家を保有するよりもむしろしない方がましであり、最悪の場合には、庶民となって生きのびたいと願ってもそれすらできないこととなる。斉の?王や宋の献王がその例である。 だから君主は天下における最もすぐれた権勢であるが、自分自身で安定することはできず、安定するには必ず正しい道によらねばならない。それゆえ国家を治める者は、仁義の道を確立すれば王者となり、信頼を重んずれば覇者となり、権謀に頼れば滅亡する。この三者は聡明な君主の身長に選択するところであり、仁徳ある人のはっきり弁別するところである。
2016.08.29
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「シン・ゴジラ」を観て、関連のツイートやレビューを見てばかりいる、という非生産的な日々を過ごしていたので、ちょっと「ヤシオリ」と「アメノハバキリ」の出どころについて調べました。ご参考までに。「ヤシオリ」について『古事記』(小学館『日本古典文学全集』より)<原文>「汝等 釀八鹽折之酒 亦作廻垣 於其垣作八門 毎門結八佐受岐 毎其佐受岐置酒船而 毎船盛其八鹽折酒而待。」<上記の書き下し文>「汝等は、八塩折の酒を醸み、亦垣を作り廻し、其の垣に八門を作り、門毎に八さずきを結ひ、其のさずき毎に酒船を起きて、船毎に其の八塩折の酒を盛りて待て」<訳>「おまえたちは何度も繰り返し醸した強い酒を造り、また垣を作りめぐらし、その垣に八つの入り口を作り、入り口ごとに八つの仮の台を作り、その台ごとに酒を入れる器を置いて、その器ごとにその強い酒を持って、待っておれ」「アメノハバキリ」について『日本書紀』(手元に日本書紀がなかったので原文はKINDLE版の影印本から。書き下しは影印本のふりがなを参考にして自分で書いたので違ってたらすみません。)<原文>(見やすいように字の間を空けました) 一書曰 素戔嗚尊 所行無狀 故諸神 科以千座置戸而 遂逐之 是時 素戔嗚尊 帥其子五十猛神 降到於新羅國 居曾尸茂梨之處 乃興言曰 此地 吾不欲居 遂以埴土作舟 乘之東渡 到出雲國簸川上所在 鳥上之峯 時 彼處有呑人大蛇 素戔嗚尊 乃以天蠅斫之劒 斬彼大蛇 時斬蛇尾而刃缺 卽擘而視之 尾中有一神劒 素戔嗚尊曰 此不可以吾私用也 乃遺五世孫天之葺根神 上奉於天 此今所謂草薙劒矣 <書き下し>(「、」やカギカッコはとちめんぼうの補足です。違ってたらすみません。また、「虫」へんに「也」と書く字は変換してくれないので「蛇」に書き換えました。)「一書に曰く、素戔嗚尊の所行、無状にして、故れ諸の神、科するに千座置戸を以てし、遂に之を逐う。是の時に、素戔嗚尊、其の子五十の猛の神を帥いて、新羅の国に降り到り、曾尸茂梨の處に居す。乃ち興言して曰く「此の地、吾居るを欲せず。」と。遂に埴土を以て舟を作り、之に乗って東へ渡り、出雲の国の簸の川上に所在る、鳥上の峯に到る。時に、彼處に人を呑む大蛇有り。素戔嗚尊、乃ち天蠅斫の剣を以て、彼の大蛇を斬る。時に蛇の尾を斬りて、刃は欠けぬ。即ち擘きてきて之を視るに、尾中一の神剣有り。」<訳>「ある書物によれば、スサノオのすることは無礼で、神々は罰として財宝を差し出させ、とうとうスサノオを追放した。この時スサノオは自分の生んだ五十人の猛々しい神を率いて、新羅の国の曾尸茂梨という所に降りた。そこで言うことには、「この土地には私はいたくない」と。そこで粘土で舟を作り、これに乗って東へ渡り、出雲の国の簸の川という川の川上にある鳥上の峰という所に着いた。その時、そこに人を呑む大蛇がいた。スサノオはそこでアメノハバキリの剣でその大蛇を斬った。その時大蛇の尾を斬ったら刃が欠けた。尾を切り裂いて見ると、尾の中に一振りの神剣があった。」←ちなみにこの時の剣が「アメノムラクモノツルギ」のちに「クサナギノツルギ」と呼ばれる剣ですね。
2016.08.12
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今回は、オデッセイ(火星の人)最大のテーマ(なのか?) 「ワトニー君はなぜモテないのか?」 にきりこもうと思います。 ワトニー君がモテないと思われる記述は原作の随所にありますよね。 <ワトニー君、非モテの証拠> 「ログエントリー:ソル97 『イエス!」』だ。『イエス!』といった。プロムの夜以来、こんなにエキサイトする『イエス』はきいたことなないっ!」 (ワトニー君、高校卒業以来、エキサイトするイエスをもらったことはなかったのか。ふびんだ。) 「ログエントリーソル:444 ローバーとトレーラーはちょうどいい温度に調整されているのに、ベッドルームはいっこうに温まらなかった。 まるでぼくの人生のようだ。」 (ワトニー君、ベッドルームを温めてくれる人はいなかったのか。ふびんだ。) ログエントリーソル:501 「なにかひとつもらえるなら、(中略)いや、なんでもいいのなら、肌は緑色だが美しい火星の女王がいい。」(中略)もう長いこと、女性を見ていないから、ちょっといってみただけです。 」 (火星に取り残されていないから長いこと女性を見ていないのはしかたないとしても。) 「もう何年も、彼女がいない。高望みはしない。ほんとうだ。地球にいてさえ、植物学者/メカニアkル・エンジニアの家のドアの前に女性が列をなすようなことは絶対にない。それでもやっぱりなあ。」 (地球でもモテなかったのか。 何年も、というから何年か前には彼女がいたらしいことがせめてもの救いだ。) 「地球にもどったら、ぼくは有名人だ、よね?あらゆる困難を克服した、恐れを知らぬ宇宙飛行士、だろ?女性はそういうのが好きにきまっている。」 (いや、ワトニー君、それで寄ってくる女性はすぐ離れてっちゃうかもしれないよ。) <ワトニー君の人柄の良さ> ワトニー君、なんでモテないんだろう。すごくいいやつらしいのに。 第8章、テレビ番組でアレスミッションの心理学者が語るワトニー君の人物像 心理学者「彼はとても気立てがいいんですよ。いつも容器で、すばらしいユーモアセンスのもちぬしです。ジョークがポンポンでてきますしね。」 インタビュアー「すばらしい男性のようですね」 心理学者「彼がクルーに選ばれた理由のひとつには、パーソナリティのすばらしさがあるんです」 (ほら!すばらしい人のようですよ⁉) 映画版のプロモーション用映像、Ares.archive の「さよなら地球」にて、 字幕「ワトニーは人気者だ」 (こんなにいいやつらしいのに、どうしてモテないんだろう?) <ワトニー君がモテない理由を考えてみた> 1)オタクだから? ログエントリー:ソル29 「ぼくは高校時代、ずいぶんダンジョンズ&ドラゴンズをやった。(この植物学者/メカニカルエンジニアがちょっとオタクの高校生だったとは思わなかったかもしれないが、じつはそうでした)」 2)チームの中で協調性を発揮するのは得意だが、女性と一対一になるととたんにしゃべれなくなっちゃう? 3)実は顔が? いや、人間、顔ではないっ。 だいいち原作者アンディ・ウィアーは書いているときブラッドリー・クーパーかクリス・プラットを想定してたそうだから、原作のワトニー君もかなり美男? 4) 肝心な場面でジョークを連発して嫌われてしまう? 第8章、テレビ番組で心理学者が語るところ、ストレスを感じている時の反応「彼の場合、それが、いつもよりたくさんジョークをいってみんなを笑わせるというかたちで出ていましたね」 わかった!ワトニー君は肝心な時に緊張のあまりジョークを連発してタイミングを逃してしまうにちがいない。 パートナーがいる登場人物は例外なく左の薬指に指輪がはまっているのにワトニー君はラストの後日譚パートでも指輪はなし。すでに白髪交じりなのに相手はできなかったのか。 ログエントリー:ソル475 孫ができるまで待てない。「おじいちゃんは若いころ、クレーターの縁のてっぺんまで歩かなくちゃならなかったんだ。険しい登りだ!EVAスーツを着て!火星でだぞ、ちびすけ!きいてるのか?火星だぞ!」 ワトニー君に孫ができる日は来るのだろうか。 (個人的には、ワトニー君は実はヨハンセンがちょっと好きだったんじゃないか、とか、ミンディと案外気が合うんじゃないか、なんて思うんですけどね。火星のワトニー君をずっと見守っていたのはミンディだから思い出話が共有できるんじゃないかな。)
2016.06.05
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ご無沙汰しております。なかなか書けなくてすいません。こないだポチってしまったAMAZONのタブレットで無料サービスの映画を見たりしていて更新サボっていてすいません。なにしろ「TED2」「トロピックサンダー」「ボーン・アイデンティティ」なんかが無料で見られるんですよ。見ちゃうじゃないですか。 その合間に劇場に「バンクシー」や「スポットライト」、「ヘイル、シーザー!」「デッドプール」や「ズートピア」を見に行かなくちゃいけなかったし。仕事は12連勤だったり7時に出勤して20時に退勤したりというていたらくだし。さて、「オデッセイ」、4月27日にデジタル配信が始まり、DVDのレンタルや販売も始まり、とうとう映画館での上映が終わりましたね。実のところまだひとつだけ上映している館があって、東京の目黒です。(→ソース・映画.COM)行けなくはないな……いや、行きませんよもちろん。ワトニー君とおそろいの時計買っちゃって素寒貧だから行くお金もない。誰か止めてくれ。 さて、劇中の挿入歌は著作権の関係で字幕がほとんど出ませんでした。"Turn the beat around"と"Hot Stuff"だけ少し出ましたけど。場面とどうつながっているのかなあと気になったので調べましたが、もちろん著作権がありますからそのまま載せるわけにはいきません。和訳を載せるのもまずいですよね。 というわけで英語がダメな私が、ワトニー君の立場に立って、勝手に解釈します! <パスファインダーで写真を撮って送る場面から流れる Rock the Boat>ボートを揺らす=波風を立てる。歌詞を調べると、恋人に向かって「愛に波風を立てないでくれ」という歌未定です。楽しげな歌ですが、ワトニー君にあてはめると「せっかくジャガイモ畑も地球との交信もうまくいっていて、この調子なら助かるかも。どうか何もトラブルが起きないでくれ」 といっているように聞こえますよ。 <サプライ機が失敗した後に流れる Don't leave me this way> ジャガイモ農場が全滅した後、NASAから「食料を送るまで手持ちの食料をもっと切り詰めろ」と指示された後、ワトニー君がぼやく場面で流れます。「私の欲求を満たして」”Satisfy the need in me" と歌詞にありますから、ここは「僕を置き去りにしておまけに食料をさらに節約しろってひどいよ。腹減った、飯寄こせ!」です!<ワトニー救出の代案が実行に移される場面で流れるStarman>「Starmanが空で待ってる」=ワトニー君が火星で待ってる、みたいに紹介されていますが、実際に歌詞を見てみると、「スターマンが本当のロックを教えてくれる」という意味ですね。だからここは、「NASAに叛乱を起こしてやろう。火星で待ってるワトニーは、あきらめないことを教えてくれるんだ」と私は勝手に解釈しています。 <ワトニー君がMAVの部品をどんどん外す場面で流れる Waterloo>ワーテルローと言えばナポレオンが負けた戦いですが、歌詞の内容は「ナポレオンが降参したように、あなたの魅力に降参したわ」というような意味みたいです。ワトニー君としては、「新品のMAVを壊すにしのびないけど、助かるためにはしかたがない!NASAの指示通り改造するしかないね、降参だ」という感じでしょうか。 届いたDVD、まだ見ていないんですが、こうやって書いていたら見たくなってきた。
2016.05.08
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ひと月前の日記を見たら、私は6回目を観に行こうかどうしようか迷っていたようですが、昨日10回目を観てまいりました。止めてくれるなおっかさん。そんなことをしている間にだいぶ間が空いてしまいました。ひさびさ自分のブログを見に来てみたらコンスタントに30~40ぐらいは訪問があるようで、来ていただく方に申し訳ないのでツイッターに書いた楽曲についての覚え書きをまとめておきます。 映画「オデッセイ」で"Don't leave me this way" がかかるのは、ワトニー君が置いて行かれる場面だ、と言っているラジオ番組やブログがいくつかあるので書いておく。Don't leave me this way は農場全滅のあと、サプライ機アイリス打ち上げの直前。 ついでに書いておくと、映画「オデッセイ」の歌の順番は、 1)NASAがワトニーの生存に気づくTurn around the beat 2)RTGをローバーに積み込み Hot staff 3)NASAと連絡がとれるようになってアドバイスを受けるようになって Rock the boat 4)農場全滅、サプライ機を送るまで食べる量をさらに減らせ、と指示があってから Don't leave me this way 5)救出作戦の準備が着々と進む場面Starman 6)MAV改造の場面 Waterloo 7)エピローグの後日譚 Love train” 8)エンドロール I'll survive O.S.Tの順番。(記憶違いがあるかもしれないが) 冒頭 MARS ワトニー君を置いて脱出 Emargency launch ワトニー君セルフ手術 O.S.TのCDには入ってない不穏な曲(というより効果音のような) 置いてかれたワトニー君、ハブ(居住施設)を検分 Science the shit out of this 水作り Making water(そのまんまや)ジャガイモ発芽 Sprouting potatos(そのまry) ヘルメスのクルーのもとに、ワトニー君生存の知らせ Watney's alive! ローバー試験走行 Reap&Sow 通信手段を入手 Pathfinder 地球と通信がかなった瞬間 O.S.TのCDには入ってない合唱風の曲 16進法で通信 Hexadecimals 農場全滅 Crops are dead ハブを修理して再与圧 Massage from Hermesの後半 アイリス打ち上げ O.S.TのCDに収録されていない不穏なピアノ曲 リッチ・パーネルがヘルメスのマヌーバをスパコンで確認 Work the problem(これは記憶違いかも) 4/21訂正。Watney's alive! サプライ機失敗の後、ワトニー君がヘルメスに遺言に近いメッセージ Massage from Hermes の前半 ワトニー君MAVに向けて3200キロ火星縦断 Crossing Mars ヘルメスのクルー、エアロックを爆破Build a bomb ワトニー君、アイアンマン作戦 Fly like Iron man エンドロール、I'll survive Odyssey score suite
2016.04.17
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すっかり火星づいているとちめんぼうですこんばんは。ちょっと間が空いてしまってすみません。旅行に行っていたのと、『火星の人』を読んだせいで昔読んだSF「火星三部作」というのがムラムラと読みたくなりまして。キム・スタンリー・ロビンソン『レッド・マーズ』火星に大量の機材と物資を送り込んだ後、100人の科学者を送り込んで火星を調査・開拓する上巻 植民地化されたあと独立戦争になり、とんでもない破壊活動が起きる下巻(このテロは読んでてものすごく怖かった。なんとアレが落っこちてきます。ひえええええ。)【中古】 レッド・マーズ(上) 創元SF文庫/キム・スタンリー・ロビンソン(著者),大島豊(訳者) 【中古】afb 【中古】 レッド・マーズ(下) 創元SF文庫/キム・スタンリー・ロビンソン(著者),大島豊(訳者) 【中古】afb 火星は緑化されたものの、金儲け主義の地球の超国家企業体が火星を牛耳っているため、『レッド・マーズ』で火星に送り込まれた”First hundred”の生き残りがレジスタンス活動をする第二作『グリーン・マーズ』【中古】 グリーン・マーズ(上) 創元SF文庫/キム・スタンリー・ロビンソン(著者),大島豊(訳者) 【中古】afb 【中古】 グリーン・マーズ(下) 創元SF文庫/キム・スタンリー・ロビンソン(著者),大島豊(訳者) 【中古】afb ほらこれ、上下巻の表紙を並べるとつながった絵になってるんですよ。映画「オデッセイ」では広大で茫漠たる火星の風景が息を呑むほど美しかったのですが、この火星三部作も風景の描写が非常に美しいです。ただ、レッド、グリーンと訳されて第三作の”Blue Mars”がなかなか訳されないままずいぶんたってしまいました。続きが気にはなっていたんですが、映画「オデッセイ」で触発されて、英語も読めないのに”Blue Mars” を買ってしまいました。 【はじめての方限定!一冊無料クーポンもれなくプレゼント】Blue Mars【電子書籍】[ Kim Stanley Robinson ] 『レッド・マーズ』は火星探査とテラフォーミングをする科学者、軌道エレベータなど、宇宙開発ファンの私には胸躍る展開だったのですが、『グリーン・マーズ』は政治が絡んでちょっと地味、 ”Blue Mars” はさらに社会学的な考察も入って面白いことは面白いんだけど、辞書に載ってないような単語もあってちょっとつらいです。正直言って一日に1頁しか進みません!読み終わる頃にはお婆さんになってしまいそうです。長命技術が必要です。いつ挫折するかわかりませんが、もうちょっとがんばって読んでみます。
2016.03.22
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今話題の「4DX」って観に行ったことないんですけど、どんなのなんだろう?ユナイテッドシネマズのHPより/p> 「モーションシートが、映画のシーンに完全にマッチした形で、前後&上下左右に動き、その衝撃を再現。 さらに、嵐等のシーンでは<水>が降り、<風>が吹きつけ、雷鳴に劇場全体が<フラッシュ>する他、映画のシーンを感情的に盛り上げる<香り>や、臨場感を演出する<煙り>など、様々なエモーショナルな特殊効果で、≪目で観るだけの映画≫から≪体全体で感じる映画≫の鑑賞へと魅力的に転換致します。」 ふむふむ。これはぜひ「オデッセイ」でも実施していただきたいではないですか。 砂嵐の場面では強風! ワトニー君がアンテナで吹っ飛ばされる場面やMAV打ち上げの場面ではもちろん、座席をふるわせて振動や衝撃が! そして畑作りの場面では「田舎の香水(下肥の臭いのこと)」の臭いが。 もちろんワトニー君の気持ちを味わうために、全員に耳栓を配って鼻に詰めてもらいます。 ワトニー君がヒーターを切ってローバーを走らせる試行の時は、劇場もエアコンで氷点下に下げましょう。 で、RTGを積んだ後はエアコンで劇場の温度を40度ぐらいにするんですよ。 ジャガイモを食べる場面ではふかしたジャガイモの匂いを流してほしいですし、 せっかくですからアツアツのふかしたジャガイモをお客さんに一つずつ配りましょう!(ケチャップもね) そしてMAV打ち上げの場面ではお客さん全員にGをかけます(無理) どこかやってくれないかなあ。
2016.03.17
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映画「オデッセイ」のセルフ手術の場面、やたら長くないですか?原作では「意外に大変なのはアンテナを抜くことだった。できるだけ素早く抜き取ったが、急激に気圧が下がってくらくらしたし、(註:原作ではハブの外で抜いています)脇腹の傷は苦悶の叫びをあげた。」「ちゃっちゃっと局所麻酔を打って、傷口を洗って、九針縫って完了。」 映画ではものすごく痛そうだし血は出るし、傷口を鉗子で広げて刺さった部品を摘出したり、縫合したりとやけに詳細で、娘を連れて観に行ったときは「最初あんたの嫌いな、すごーく痛そうなグロい場面があるから目ぇつぶってな」と言ったらほんとに目をつぶってましたよ。「エイリアン」でも胸板突き破って、血しぶきとともに幼生が出てくる痛~い場面があったし、 「プロメテウス」では自動手術機にやらせるんだけど、自分で自分の腹から異物を摘出する場面があります。↓(以下、もっと痛そうな話なので苦手な方はご注意ください) 先日「ブラックホーク・ダウン」をDVDで観たら、これまたおっそろしく痛そうで悲惨な場面がありまして、太ももを撃ち抜かれて動脈が切れてしまった兵士の出血を止めるため結紮しようとするんですが、切れた動脈が引っ張り出せない。「今からものすごく痛いことをするが、それでお前は助かるからがんばれ」と仲間が励まして、骨盤に入り込んでしまった(!)動脈を麻酔無しで(!)傷口手を突っ込んでひっぱりだして(!)結紮するんです。私の少ない経験の中でも、今まで観た映画の中で一、二を争う痛そうな場面です。 ワトニー君のセルフ手術はもちろん意味のない場面ではないと思います。彼の危機的状況をわかりやすい形で表しています。また怪我のせいで、置き去りにされて絶望している場合ではなくとりあえず目の前の問題を解決しなきゃ死ぬ!と必死になります。、手術が終わって我に返ってから自分の置かれた状況をあらためて突きつけられて慄然とするのを描写する効果もあります。でも……やっぱり監督の趣味なんじゃないかなあ(苦笑)。
2016.03.16
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映画「オデッセイ」のエンドロールが終わるときに、「詳細はAres Liveにて」と字幕が出ますよね。なんだろうと思ってAresLiveで検索してみたら、プロモーション映像がYOUTUBEに上がっているんですよ。作品世界での、ワトニー君を地球に戻そうという世界的な運動、クルーのカウンセリングの場面、火星に取り残されたワトニー君が他のクルーがするはずだった実験を行っている場面などです。メイキングなんて生やさしいものではなくて、中にはずいぶん予算がかかっただろうと思われるような本気の映像です。未見の方はぜひご覧あれ。で、この中で原作のエピソードが生かされている映像がありまして、一つは原作でアクアマンについてぼやくくだりをカウンセリングの場面に取り入れ、もう一つは原作で化学者フォーゲル担当の実験を代わりに行う場面です。(私は英語がからきしダメで、訳はおおざっぱで不正確です。聞き取れる方、ご教示ご訂正よろしくお願いします。 Ares3:The Right Stuff(もちろん映画「ライトスタッフ」の面接の場面を下敷きにしていると思われます。原作では第6章の最後、ログエントリー:ソル61)「(字幕)火星に向かう前に、各メンバーは10日間の隔離訓練を行い、訓練終了の際にNASAの心理学者の面接を受けた。」心理学者「たった一人で過ごして、どんな洞察を得たか聞かせてもらえるかな?」ワトニー君「アクアマンがどうやって鯨をコントロールできるのか考えてた。鯨はほ乳類なのに!」Ares3:Chem Cam (原作の、ワトニー君が化学者フォーゲルに送るメッセージを下敷きにしていると思われます。第16章、クルーに送るメッセージの三つ目)ワトニー君「ヨハンセン、化学実験室のカメラにはぜったい触るなって言ったよね。(装置をなで回しながら)触ってるぞ~」こちらはNG集。これも面白いですよ~。
2016.03.15
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6回目を観に行こうかどうしようか迷っているとちめんぼうですこんばんは。映画「オデッセイ」がゴールデングローブ賞をとったのは周知のことですが、ミュージカル・コメディ部門だというは配給会社はあんまりアピールしたくないみたいですね。 「ゴールデン・グローブ賞 主要二部門受賞!」と書いて、下にちっちゃい字で「ミュージカル・コメディ部門」とこっそり書いてありますけどね。潔く大きい字で書けばいいのに。「コメディ」では客が入らないから仕方がないか。予告映像も、次々と危機に襲われる主人公・家族を思って涙する主人公・感動の超大作!というミスリードする編集になっていてずるいなあと思います。 リドリー・スコット監督ってあんまりコミカルな映画を撮るという印象がなかったんですけど、昨日「ブラックホーク・ダウン」をDVDで観たら、あんな酸鼻をきわめる映画でもさりげなくギャグを入れているんですよね。(「耳元で撃つなよ!」ズダダダダダ「耳元で撃つなって言ったろう!」) さて「オデッセイ」原作の小説『火星の人』にもギャグてんこもりなんですが、映画の方で特に好きな場面は ・NASAで統括責任者のカプーアが涙ぐまんばかりに「たった一人取り残された心理的影響は大変なものだ。彼は、今何を考えてる?」 ワトニー君(Turn a beat around を大音量でかけながら) 「このままじゃ死ぬ!」 「♪Turn a beat around」 「いやビートは回さない、断固拒否する」 (ちなみに原作では、NASAが心配しているその時、ワトニーはアクアマンについてぼやいている、というギャグでした。このアクアマンのくだりはプロモーション映像の”Ares Live”で、別の形で使われています。この内容まで書いていると長くなるので明日書きますね。) ・水素を燃やす場面。うまく火がついて、「Whew!!」と叫んだとたんに呼気の酸素を吹き付けてしまい大爆発!ふっとばされたワトニー君がログを録画するのですが、爆発で髪がチリチリ、服から煙が立ちのぼって……これ、典型的なギャグマンガやアニメの表現じゃないですか! ・で、またこの後、安全のために船外活動スーツのヘルメットをかぶり、アルミ蒸着の樹脂シートで作ったエプロンみたいなものを着て作業を再開するんですが、これがまた頭でっかちで何とも珍妙なスタイル。 ・同じく典型的なギャグとして、ジェット推進研究所のリッチ・パーネルが自分のこぼした飲み物で濡れた床で滑って画面から見切れた後、「大丈夫!」と言って立ち上がり、画面に入ってくる場面。 ・パスファインダーのカメラが写真を撮る時、70年代ドラマの登場人物の決めポーズをとる場面。(これは原作にもあり)アメリカのドラマを知らない私にはピンと来ないんですが、NASAスタッフの困惑ぶりからすると、日本でいったら「シェー!!」をやってみせたようなもんかな? ・一番好きなのはパスファインダーのカメラが「YES」を指した時、ワトニー君が「Whew!」とバンザイした後「Yes!」と叫ぶんだけど誰に向かって言ってるんだ俺は……とはっと我に返りつつ、それでも向きを変えて「Yes!」と叫ぶ場面。 他にもクスリと笑う場面が多々あるんですが、こういう場面は満員の映画館でほかのお客さん達とクスクス笑いながら観たかったなあ。「マッドマックス怒りのデスロード」みたいに、どっかで爆音上映会やってくれないかなあ。 あ、もちろん4DXでもいいですが下肥の臭いはナシでお願いします。
2016.03.14
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今日はこういうもの ↑ を観に行っていて更新が遅くなりました。あいすみません。さて、今日は「オデッセイ」が映画であることを強く意識した作品だということを書こうと思ってたんでした。(いうまでもないし、いうのも照れくさいけど、いわゆるメタフィクションというやつですね。)リドリー・スコットは映像に凝る監督なので、火星の風景の壮大さ、宇宙船ヘルメスの無機質な美しさ、打ち上げや破裂のシーンの迫力は言うまでもない。ただ、今回特に印象が強かったのが「カメラで記録された映像」ということを前編にわたって意識していることだ。火星探査の様子は常にカメラでとらえられている。1)ドキュメンタリー風の映像 船外活動スーツのヘルメットにつけられた”suits cam” 。サンプル調査、MAVへの移動、アンテナで吹っ飛ばされるワトニー、ワトニーのサバイバル生活、しばしば"suits com”の視点の映像が挿入される。手元や、時には斜め後ろからの表情さえ映る。またローバーに付けられたカメラでローバーの走行そのものが斜め後ろから撮られる映像もある。これらはドキュメンタリーを見ているような印象を与える。2)ワトニーの記録するログ置き去りにされたワトニーが自分のデスクで記録を残すカメラ。彼のログは特定の誰かにあてたものではないが、カメラに向かって話しているため、観客は映画の登場人物であるはずのワトニーに直接語りかけられているという不思議な気分になる。これはローバーの中でも同じで、車内を移すカメラが常にワトニーを撮っている。ワトニーもカメラに語りかける。またカメラそのものも映ることが、撮られているワトニーということを強烈に意識させる。 ハブ(簡易基地)の中も常にカメラが作動しており、ワトニーがディスコミュージックにこぼす愚痴や、ジャガイモ「農場」の様子が記録されている。これらは常に、どのカメラか(ワトニーのデスクかキッチンかなど)・時刻・気圧・室温・記録時間などのフォーマットが画面に表示されていて、カメラの撮った映像だということを意識せざるをえない。3)パスファインダーのカメラ 最も面白く、また感動的なのはマーズ・パスファインダーで交信を始める場面である。ワトニーが期待と不安のまなざしで恐る恐る地球にアンテナを向ける。空にはもちろん地球が見えるわけがないがワトニーの眼は見えない地球の方角をすがるように見ている。パスファインダーが地球からの信号を受け取り、カメラが作動する。ワトニーがメッセージボードを掲げる。パスファインダーのカメラが「受信していますか」に対して「イエス」を指す。ワトニーは”Yes!”と叫ぶがふと誰も見ていないことを思い出し、ちょっと照れくささと寂しさを覚える。それでももう一度”Yes!”と誰にでもなく叫ぶ。見られているようで見られていない、なんとも居心地の悪いようなユーモラスな場面だった。4)カメラの映像と映画内の「現実」との境目事故を発表するNASA長官の映像。走査線の入ったアップの映像から始まり、あれ?と思っているとそれがテレビのニュース映像であることが画面の字幕やフォームからわかり、さらにそれが切れ目なく映画の画面に引き継がれる。衛星担当ののミンディがワトニーの移動を見守る映像がある。「今どこだ?」と聞かれて「ここです」と答える映像は火星を回っている衛星がワトニーのローバーを捉えた映像である。これがそのまま移動中のワトニーの映像になる。5)映画全体の枠組みレンズフレア(厳密にはゴースト)と呼ばれるものがある。映画や写真などで太陽が映ると大小の六角形の光が現れる、あれである。本来ゴーストはカメラのレンズに光が入ってしまういわば撮影の不手際で生ずるものであり、映画や写真の画面に映り込むべきものではない。(六角形はカメラの絞りが6枚あることによるもの)ところがヌーベルバーグの諸作品が、このゴーストを逆手にとって、多用するようになった。今ではむしろ太陽が映る場面でゴーストが映るのが当たり前、ないとおかしいとさえ感じられる。ゴーストが生じていないのにわざわざ後からCGでゴーストを加える監督もいるそうである。ゴーストのことを意識してリドリー・スコットの映画を見たことはなかったし、そもそも同監督の映画をそれほど多くは見ていないので、DVDで最近の作品をいくつか借りて確認してみた。やはりゴーストは映っている(写している)ヌーベルバーグの映画でゴーストが意識的に使われたのは虚構性を強調するためであった。今回オデッセイでは冒頭、無音の宇宙空間が映り、カメラが下がっていって火星が映る。そして火星の影から太陽が現れ、ゴーストが映る。ラスト、挿入曲「ラブ・トレイン」が次第に消えていき、地球の映像からカメラが再び無音の宇宙空間に上がっていき、またゴーストが映る。映画の枠組みとして用意されたこの最初と最後の絵を見ると、「楽しい冒険は終わり。しょせんこれは映画だからね。本当の宇宙空間は冷酷で人の生存なんか許さないものだよ。」と監督に冷や水を浴びせられたような気持ちがした。さらに付け加えるなら脚本のドリュー・ゴダードは「キャビン」の脚本を書いた人だということを思い出すと、「これは映画なんだ」と、はっと我に返ってしまうのである。(「キャビン」は私は見ていないし、ネタバレになるので詳細は書きませんが見られた方は何を言いたいかおわかりですね。)というわけで、徹頭徹尾わかりやすく楽しく作られた「オデッセイ」であるが、どこかに監督の冷めた視線・意地悪なメッセージを感じなくもないのである。
2016.03.13
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娘を連れて5回目(娘は初めて)の「オデッセイ」鑑賞をしてきました。私「どうだった?(説明したくてしかたがない)」娘「どうって┅┅感動的な映画でしたよ。」私「普通の人(?)」が見たらどう思うか知りたい!わからない所なかった?何でも説明してあげるよ!」娘「特にわからない所はなかったよ。」私「(´・ω・)」というわけで、映画「オデッセイ」はものすごく、ものすごーくわかりやすい映画でした。「アキダリア平原」とか「ジェット推進研究所」など場面ごとに場所がどこなのかいちいち字幕が出るし、登場人物にいたっては肩書き・氏名まで親切に字幕が出る始末。リドリー・スコットといえば重厚な映画を作る人、というイメージがあったので拍子抜けしたんですよ。「ブレードランナー」で「リック・デッカード(レプリカント捜査官)」と字幕が出たり、「エイリアン」で「貨物船ノストロモ号」とか「マザー・コンピュータ」と字幕が出たりするか? 「1492コロンブス」で「航海○○日目」なんて字幕が出てたっけか。リドリー・スコットって、こんなに親切に説明する監督だったかなあ┅┅と「ブラックホーク・ダウン」と「エクソダス」のDVDを借りて確認してみたら、あら親切にちゃんと「紀元前1300年 エジプト」などという字幕が出ますね。「悪の法則」はさすがに字幕はなかったけど。そうか。作品によって使い分けてるのか。ラストの後日譚的な場面なんか、役者が映るのに合わせて名前が出るからねえ。しかし一癖も二癖もある監督が単純にわかりやすい映画を作るはずがない。と思ったら、最後の挿入曲「ラブ・トレイン」が消えていったわったあと、もう一度地球から無音の宇宙空間にカメラが振られ、楽しい気分から宇宙の苛酷さを思わされて我に返るのでした。やっぱりリドリー・スコット、一筋縄ではいかない。というわけで、明日続きを書きます。
2016.03.12
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今日はくたびれているので火星SFを列挙して終わりにします。すいません。どれも面白いのですが、古典的なSFというともちろん【楽天ブックスならいつでも送料無料】火星年代記新版 [ レイ・ブラッドベリ ] 火星の砂 これもすでに古典の域かな? 【楽天ブックスならいつでも送料無料】火星のタイム・スリップ [ フィリップ・キンドレッド・ディック ] 近年ではグレッグ・ベア『火星転移』あ、書影がない……《早川書房》"グレッグ・ベア 著 ; 小野田和子 訳"◆火星転移 上下揃 "Moving Mars" "ハヤカワ文庫 SF" 【中古】afb こっちはNASAの現役の人が書いたSF。『火星の人』と状況は似た話だけど、『火星の人』はちょっと脳天気すぎて……という人におすすめ。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】火星縦断 [ ジェフリ-・A.ランディス ]火星有人探査に行くはずが諸般の事情で行けなくなり、火星着陸映像を捏造する(!)という映画は「カプリコン1」でしたが、 【中古】【洋画】カプリコン1 LOVE! シネマ2500シリーズ版(DVD)【中古】afb ほんとに火星に映画を撮りに行ってしまうのが『赤い惑星への航海』。ラストにしんみり。私は『火星縦断』よりこっちの方が好きです。 《早川書房ハヤカワ文庫SF》テリー・ビッスン 中村融訳赤い惑星への航海 【中古】afb クラーク御大の『火星の挽歌』これは『時の眼』『太陽の盾』に続く三部作の掉尾を飾る作品です。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】火星の挽歌 [ アーサー・チャールズ・クラーク ] クラークといえば、ノンフィクションでこんな本もあります。これを見ながら『火星の人』を読めば楽しさ倍増。【中古】オリンポスの雪-アーサー・C・クラークの火星探検 水と緑の「惑星誕生」ものがたり クラーク,アーサー・C.; 孝典, 松井; Clarke,Arth ノンフィクションといえばこれも面白そう(積ん読中)友人火星探査を見据えて火星の地表を想定して作られた実験・訓練場をジャーナリストが取材した本。【中古】 僕が「火星」を歩いた日 宇宙探査最前線レポート /笹沢教一【著】 【中古】afb 短篇ではラリイ・ニーヴン「平行進化」。短編集『太陽系辺境空域』に収録。 【中古】文庫 ≪海外文学≫ 太陽系辺境空域 / ラリイ・ニーヴン【02P11Mar16】【中古】afb 最近の短篇で印象が強かったのは「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」。同じタイトルの短編集に収録されています。これはまたユニークかつ感動的な話ですよ~。映画「オデッセイ」や小説『火星の人』が気に入った方なら、他の短篇もどれも面白いのでぜひお読みになるといいと思います。ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選 ハヤカワ文庫SF / 中村融 【文庫】 火星が舞台、というわけでもないのですが火星が重要な役割をするのが『時間封鎖』 時間封鎖 上 創元SF文庫 / ロバート チャールズ ウィルスン / 茂木健 【文庫】 地球が謎のフィールドに覆われ、時間の進み方が遅くなる浦島太郎のような状態になります。封鎖される寸前に、なんと火星に移民を送ります。地球以外は時間の進み方が速いから、火星に入植した人々が封鎖を解く技術を発達させてほしい、とわらにもすがる思いで送り込むんですが、送り込まれた方はたいへんな苦難を味わうので地球人と再会した子孫がだいぶ愚痴を言っていました。あ、これも読まなきゃなあ……『火星夜想曲』【メール便送料無料、通常24時間以内発送、午後1時までは当日発送】【中古】 火星夜想曲 / イアン マクドナルド / 早川書房 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】 他にもバロウズの「火星のプリンセス」シリーズや、日本のSFにも火星を舞台にした名作が沢山あるんですが、どっちかというと海外もののハードSFが好きなので守備範囲外でして。すみません。
2016.03.11
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映画「オデッセイ」にはまったのは、原作『火星の人』が好きだったからというのもありますが、映画のできばえが良かったことと、主演のマット・デイモンが魅力的だった、というのが大きかったのです。 マット・デイモンという俳優は今まで意識して観たことは全然なくて、 ・「ボーン・アイデンティティ」(DVDで観た)の主人公の首の太い兄ちゃん(記憶喪失の殺人マシーン) 【楽天ブックスならいつでも送料無料】【DVD3枚3000円2倍】ボーン・アイデンティティー [ マット・デイモン ]・「インビクタス」(ごつい体格と首の太さがラグビー選手にぴったり) [枚数限定][限定版]【初回生産限定スペシャル・パッケージ】インビクタス/負けざる者たち/モーガン・フリーマン[DVD]【返品種別A】 ・「エリジウム」 (映画館で観た)の主人公のもっさりしたスラム街のあんちゃん (骨に直接外骨格の鋲を打ち込まれる場面が痛そうでしたね~) メール便発送可 (出演) マット・デイモン ジョディ・フォスター シャールト・コプリー アリシー・ブラガ ディエゴ・ルナ ワグネル・モウラ ウィリアム・フィクトナー ファラン【中古】DVD▼エリジウム▽レンタル落ち ・「インターステラー」(映画館で観た)のとんでもない博士(マシュー・マコノヒーに頭突きする場面が印象的でしたね~) インターステラー ぐらいの印象しかありませんでした(ファンの方が読んでいらしたらすみません!!) もともと、私の原作のワトニー君の印象は「宇宙飛行士に選ばれるくらいだから体力・筋力はあるはずだが、そんなに筋肉質ではなく、小柄で細身でちょっと猫背」というイメージだったんですよ。だから、『火星の人』が映画化されると聞いたときは主演がマット・デイモンと知って違和感がありました。 そして『火星の人』原作の新版が出ると、表紙にはマット・デイモンのアップがど~ん。 火星の人 下 ハヤカワ文庫SF / アンディ・ウィアー 【文庫】 映画館に行くと垂れ幕にマットデイモンのアップがどど~ん。 挿入曲集を買ったらPLAY画面にはマット・デイモンのアップがどどーんと。 あの、そんなにこっち見なくてもいいから。 しかし映画を観てみたら、もうワトニー君はマット・デイモン以外考えられなくなりました。 映画のパンフレットには原作者アンディ・ウィアーのコメントがありまして、「執筆中の僕の脳内イメージは、ブラッドリー・クーパーかクリス・プラット。」 ブラッドリー・クーパーじゃなあ……ちょっとイケメン過ぎるし。クリス・プラットじゃなあ…… 軽すぎる気もするし。やはりマット・デイモンのちょっと野暮ったい感じやコミカルな間の取り方、感激して涙ぐんでいるときの演技、後日談的な場面での意外と(失礼!!)知的な雰囲気など、はまり役です。 最初の映像記録で「サプラ~イズ」とおどけて見せる場面、地球との通信に成功して涙ぐむ場面、いよいよMAV打ち上げ直前、嬉し涙を流す場面などチャーミングな場面が数々あります。 冒頭、腹に刺さったアンテナを抜く場面もワトニー本人は死ぬかもしれないと思ってるから必死ですが、ちょっと可愛いです。 痛そ~うに怖そ~うに出産時の「ヒッヒッフー」みたいな呼吸法で我慢しながらエイヤっと抜いて自分で傷口を縫うんですが、原作ではちゃちゃっと縫って終わりなのに対して、映画の方では監督の趣味(?)なのか、やたらに手術の場面が詳細です。明るいこの映画の中で唯一グロいシーンなのですが、悪意のある笑いというか、本人が必死であればあるほど観ている方は笑えてしまうというところです。 傷口から摘出したアンテナの部品を棒状の部分に刺してみるところも何だかユーモラスです。(刺さったはずの部品は全部摘出できたかどうか、死活問題なので確認しているわけですが) 中でも一番好きなのは吹っ飛んだエアロックの応急処置をして再びハブ(簡易基地)を与圧し、ニコっと白い歯を見せてほほえんでヘルメットをはずす場面です。BGMのつけかたもいいし、映画の中で屈指の名場面だと思います。(他にも名場面がありますがまた後日のブログで。) というわけで、 原作者コメントで「でもマット・デイモンで文句があるわけじゃまったくない。」と書いたアンディ!!マット・デイモンに謝ってくれ(笑)! !
2016.03.10
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映画「オデッセイ」は何回も観に行くくらい気に入ってまして、人にも勧めまくっているのですが、あえて何か所か、気になるところを書いてみます。 観てこうすれば良かったのに!というところはあちこちありまして。1)MAVが倒れないようにはできなかったの?原作でも映画でもワトニー君が「MAVをアンテナケーブルで固定して倒れないようにしたら?」と提案しているんですが、それなら天候が穏やかな時にケーブルで固定しておけばいいのに。NASAも、繫留装置を用意しておけばよかったのに。映画の中でワトニー君がハブ(簡易基地)をケーブルで固定している場面もありました。原作にはないけどたしかにあれはやってもいい。2)「卵を一つの革袋に盛るな」ジャガイモの種イモとバクテリアを含んだ「生きた」土を隔離した別室に保存しておけば良かったのに。原作では簡易テントにも畑を作っているのですが、ハブ(簡易基地)本体とつないでいたためそちらも全滅しました。ローバーか船外活動スーツに種芋と土を少し分けておいておくとか。しかしそんな余裕もなかったですわなあ。3)ワトニー君打ち上げのMAV改造について 先端を覆ったキャンバス地がはためいて空気抵抗をうみ、想定した高さに届かなかったためにワトニー君は危機に陥ります。通常NASAは必ず現地と同じ機器を用意して検分をするのですが、改造したMAVを打ち上げるとどうなるか、詳細な試験はしなかったのかなあ。 失敗したらヘルメスの二往復もワトニー君の苦労も水の泡になってしまうんだから、もう少し慎重にしてもよかったと思うんですが。キャンバス地をフックで止めるんじゃなくてダクトテープをべたべた貼った方が良かったんでは?4)テザーがもっと長ければ ラスト、ワトニー君を拾いに行く時にテザーが足りなくなって、とんでもない方法(「アイアンマン!」)で距離を縮めるのですが、母船にテザーがもっと積んであればよかったのに。いや、NASAは補給機を打ち上げる時に、食料だけじゃなくてテザーをあと一本入れておかんかい!そうすれば危ない橋を渡らずにすんだのにね。 もっとも全てが計算され尽くして完璧に進んでいれば、この物語は生まれなかったし、ミスがなければうまくいきすぎてご都合主義だという印象になってしまうから、このぐらいがちょうどいいのかもしれません。
2016.03.09
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映画「オデッセイ」のWIKIPEDIAを見ると、各クルーの経歴が書いてありまして、ワトニー君は「途上国で農業支援」などと原作にはない詳細な情報が書いてあるんですよ。原作でのワトニー君の生育歴はほとんで書かれていなくて、少年期の思い出としてかろうじてわかることは・父親は雪かきをさせる時、人格形成のためだとか、重労働の価値を教えるためだとは言わなかったらしい。(ログエントリー:ソル119(父親)「スノーブロワーは高いからな。その点、お前はただだ。」)・彼女いない歴はけっこう長い。 (ログエントリー:ソル501「……もう何年も、彼女がいない。高望みはしない。ほんとうだ。地球にいてさえ、植物学者/メカニカル・エンジニアの家のドアの前に女性が列をなすようなことは絶対にない。それでもやっぱりなあ。」)・でもプロムではちゃんと相手がいたらしい。(ログエントリー:ソル97(2)「イエス!」だ。「イエス!」とといった。プロムの夜以来、こんなにエキサイトする「イエス」はきいたことがないっ!」) ……ということはプロムでは相手がいたが、そのあとは振られっぱなしなのかワトニー君(涙)。WIKIの情報はどこから取ってきたのかと思ったら、なんとARES3の公式ミッションガイド なんてのがあるんですな!映画の最後に「詳細はARES3で」と出てくるやつがこれですね。NASA長官の巻頭言とか、クルーの真に迫った経歴とか、大まじめに作ってあってすごく楽しいページです。ワトニー君の経歴を抄訳しておきます。(著作権の問題が心配だし私の英語力では逐語訳したらわけがわからなくなったので概要だけ意訳。)マーク・ワトニー植物学者。アレス3ミッションのクルーに選抜される前、11ヶ月間NASAのゴダード宇宙飛行センターで過ごした。シカゴ出身。シカゴ大学で学び、ノースウエスタン大学で博士号を取得。(註:名門!でもシカゴを出ないところが何となくワトニー君らしい)大学院生の時、NASAの院生研究員プログラム(GSRP)に参加。GSRPののち、平和部隊に参加。途上国の農業保全と灌漑システムの設営に従事した。(註・軍隊ではありません。アメリカにほんとにあるボランティア機関で、日本でいうと海外青年協力隊に参加したようなもんじゃないかな。)帰国後、NASAの宇宙飛行士候補生プログラムに応募、卓越した研究業績と社会活動の功績、模範的な職業上の業績によって、選抜された。うわあ、なんとブリリアントな経歴。原作でも映画でもどちらかと言えばコメディ・リリーフのような描き方をされているのに、さすが火星有人探査の飛行士として選ばれるだけあって、とんでもなく優秀ではありませんか。公式HPを作った映画の関係者たちも楽しんで経歴を作ったんだろうなあ。 ルイス船長をはじめ、他のクルーの経歴と写真、ミッション準備段階の経過も簡単に書いてあって面白いのでご覧になるのをお勧めします。
2016.03.07
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映画を観ながら浮かんだ疑問について、続きです。不思議に思った部分について自分なりに答えてみようと思います。 11) 前半、ワトニー君がスーツのヘルメットの修理のようなことしているがあれは何をしているのか。 原作に、ハブ(簡易基地)の中の酸素を取り除くためにスーツの酸素供給装置を使って空気調整機をだます、という場面があるのでそれを再現したのかな?12) ジャガイモ全滅のあと、みんなハブ(簡易基地)の外に捨てていたが、地球産のバクテリアが生き残っているかもしれない土を捨てていいのか。あれはいかんと思う(笑)。JAXAの探査機「のぞみ」などは、殺菌が完全ではないため万一の火星衝突を危惧して機能停止させられている。まあ緊急避難と言うことで。原作では畑はどうしたのか、今探してみたけどまだわかりません。13)MAVへの320キロにわたる旅の場面、アラームで目を覚ましたあと腕時計を確認しているが、 宇宙服に腕時計なんてついてるの?ついてない。あれはワトニー君の私物で今回の映画とタイアップしたハミルトン(もともと潜水士用の時計のメーカー)100気圧防水・機械式自動巻の時計。映画の公式サイトにはちゃっかりバナーがあって、ハミルトンのHPに移動するようになっています。原作には出てきません。火星は気圧が低すぎて液晶(蒸発する)の時計は使えないだろうし、電池も心配だから、船外活動服についている装置のバックアップとしてゼンマイ時計を着用するのは理にかなっているんじゃないかと思います。 14) MAV改造の時、装置を外にぽんぽん捨ててるが乱暴ではないか。MAVの脚にでもあたったらどうする。帰れなくなる。あれもいかんと思います。だいたいアメリカ映画はなぜかものを乱暴に片付けるシーンがよく出てきて、(後で誰が掃除するんだよ!)と思いながら観るんですけど、今回の映画も畑作りの時ハブ内のものを容器に詰めたり全滅した畑を外に処分したり、やっぱり雑な気がするんだよなあ。現実の宇宙飛行士はきわめて慎重に物を扱うと想像します。 15) MAVに乗り込んだ時、ヒゲを剃る場面があるが、いったいどこにそんなスペースがあったのか?船殻は肉抜きして与圧スペースなんかないのでは? 確かにあれはおかしい(笑)。でも棚に船外活動服が人数分並んでいたから、火星上で活動するスーツから船外活動服に着替えるスペースは一応用意されていたのでは。鏡があったのも装着が完全かどうか確かめる装備だと思う。でもやっぱり変だなあ。MAVは限界まで装備を取り外しているはずだから。ローバーの中で剃るようにすればよかったのに。ワトニー君が飢餓で痩せているのを見せたかったんだろうけど。16) ワトニー君を拾う直前、ベックが船首エアロックに爆弾をしかけに行きますが、命綱なしで船外活動をしています。こんな危ないことしていいのか! 命綱はワトニー君を拾いに行くために全部1本につないじゃったので残ってないんです。それにしてもあれは危ないなあ。映画としてハラハラさせるために手が滑りそうになる場面なども入れているから、演出の都合かもしれません。17)最後、船長がワトニー君を拾いに行くのはおかしい。ベックにまかせて、リーダーはブリッジにいて指示をすべきだ。 ……と最初は思ったんですが、2回目映画を観たとき、爆弾を仕掛けるために船殻をつたって往復したベックは疲れ果てているように見える。船長はベックの疲れを敏感に読み取って交替したのではないかと思います。いろいろ突っ込みどころは多いですが、それでも随分練られて、あまりおかしな場面はないように作ってあると感心しきりです。
2016.03.06
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映画を観て不思議だと思った所について、私なりに自信なさそ~うな解説を試みます。あくまで老婆心ですので、「そんなのわかりきっとるわい!」という方もいらっしゃるでしょうし、ご指摘などありましたらぜひ。1)冒頭の地質調査、船長はなぜ無線を切らせたのか。もちろんワトニー君を嫌っていたわけではなく、ワトニー君がおしゃべりで常に仲間と冗談ばかり言う人物だということを描写してるんだと思う。2)MAVに乗るとき、火星地上用のスーツを着ているが、ラストでMAVに乗るワトニー君は船外活動服を着ているのはなぜか。ラスト近く、MAVの棚にに全員分の船外活動服があるのが見えるし、着替えスペースもあるので、本来船外活動服で打ち上げられるのではないか。たぶん本来は船外活動服で打ち上げられるのだが、嵐が来て時間がなかったためハブ(簡易基地)で着たスーツのままで乗り込んだんじゃないかなあ。3)なぜMAVが嵐で簡単に倒れるような設計なのか。アレス計画は3回目だからさすがに嵐の存在は知られていたのでは。宇宙船(と総称しておきます)の設計と製造は10年20年のスパンで行うもので、嵐の存在がわかった時点で対策は試みたと思うが、船全体の設計に関わるような変更は難しかった。従ってセリフにあるようにミッション中止の風速が設定されている。……ということだと思う。4)ワトニー君が腹にささったアンテナの部品を自分で摘出した時、取り出した部品にアンテナの棒を刺してみたのはなぜ?部品を組み合わせてみて、腹にほかの部品が残っていないか確認するため。え~我々が茶碗を落として割ったときに破片を全て継ぎ合わせてみて、もう床に破片が落ちていないかと確認するようなもんですね。(←かなり違う)ちなみにこの痛そ~うな治療のシークエンスがやたら長いのは、監督の趣味だと思います。(「エイリアン」で幼生が胸を食い破るシーンとか、プロメテウスの手術シーンなどが印象的ですよね。)5)ジャガイモを「畑」にいきなり植えているがあれで芽が出るのか。私はジャガイモは切って芽が出てからはじめて植えるんだと思い込んでましたが、今調べたら切っていきなり植えてもいいようです。6)収穫後のジャガイモの葉っぱはどうしたのか。たぶん二作目は肥料として土壌にすき込んだと思います。ちなみによく知られていると思いますが葉っぱには毒があるので食べられません。7)エアロックが吹っ飛んだ後の大穴をビニールでふさいでいたが、あんなんで保つのか。保つわけがない(笑)。原作では簡易基地専用の丈夫なキャンバス地(カーボンナノファイバーと樹脂製)と強力接着剤で塞いでいる。映画で出てきたのもそのキャンバス地だと思う。ラスト、MAVの先端にかぶせてあるのもそう。でも半透明だからビニールのような気もするんだよなあ。だとすると、絵面を考慮した映画的ウソ。8)衛星制御担当のミンディと広報担当のアニーが両方金髪オカッパの女性で見分けがつかない。原作に、ミンディがアニーにあこがれているという記述があるので分身としての描き方をするためあえて似た外見にしたのでは。深読みしすぎかなあ。9)火星なのに重力が小さいという描写が無い。こちらのサイトに主演マット・デイモンのインタビューが引用されていて、火星上でのEVAスーツが重いからスーツ着用時は地球と同じ動きでよい、という提案をしたようですが、完全な再現は難しいのでそこは目をつぶった、ということでしょう。MAV改造シーンでははずした部品がゆっくり落ちている描写をしているように思います。ちなみに映画「カプリコン1」では劇中、火星上の偽映像を作るのにスローモーションを用いていました。10)ワトニー君がMAVへの旅でローバーの外で睡眠をとっていたが、酸素が保つのか。放射線被曝は大丈夫か。あれも映画的ウソ。原作では、スーツのCO2フィルターを節約しなきゃいけないのでEVAも切り詰めなければ、という描写があり、睡眠を取るときは自作のテントのようなものの中で寝ている。車外で寝ているのは画面として主役がうつっていないと絵にならないから。監督もわかってやっていると思う。続きはまた疑問を思い出したら書きます。
2016.03.06
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ごぶさたしております。ほぼ一年ぶりの更新ですね。何かの感想はツイッターの方でつぶやくようになって間があいてしまいました。ブログを書こうと思う時は、新たなはまりものができた時であります。さて、今はまっているのが原作『火星の人』、映画は「オデッセイ」原作を読み→人に勧め→そうこうするうちに映画ができ→4回観に行き→毎日ジャガイモを食べ→ワトニー君が劇中着けていたのと同じモデルの腕時計まで買ってしまい→現在、素寒貧この表紙が最初に出版された時の表紙。現在は上下巻になってマット・デイモンのどアップの表紙。映画を観てとりあえず上巻だけ、という人も買いやすいように二分冊にして価格を抑えてあるし、解説には追加情報もあるので初版を買った人も買いましょう!【楽天ブックスならいつでも送料無料】火星の人(上)新版 [ アンディ・ウィアー ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】火星の人(下)新版 [ アンディ・ウィアー ]映画化されても映画の邦題に合わせて「オデッセイ」としないところがよいですね。タイトルの字体がどういうわけか古めかしく、数十年前のハヤカワ文庫SFの字体みたいなのも良い味を出してます。初版は2014年8月で、面白そうなので買って読んだらほんとに面白かったのですが、帯には「赤い惑星で展開される『ゼロ・グラビティのリアル』」と、その年公開の映画「ゼロ・グラビティ」に乗っかった惹句が書いてありました。「20世紀FOX映画化決定!」ともあったのですが、例によって立ち消えになるんじゃないかと思ったらまさかほんとになってしまうとは。しかもリドリー・スコット監督!原作はユーモア満載の明るい作風なので、リドリー・スコットだとどうなるか心配だったんですが、原作の要所を押さえた名人芸の映画となって、ヒットもしているようで何よりです。字幕2Dを2回、吹き替え2Dを1回、IMAX3D字幕を1回見に行ったんですが、上映が終わらないうちに娘も有無を言わせず連れて行かなきゃ。科学とユーモアで苦難を乗り切る映画は若い人にこそ観てほしいのです。
2016.03.05
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ぜんぜん更新できてませんなすみません。映画、どれを見たか忘れてしまうのでメモのみ。「ヴァチカン美術館3D」「アメリカン・スナイパー」「イミテーション・ゲーム」「博士と彼女のセオリー」「ジュピター」「バードマン」「プリデスティネーション」は見そびれた。5月公開の「百日紅」「チャッピー」は必ず見に行かねば。6月は「攻殻機動隊 新劇場版」おっ、「コングレス」もやっと日本で公開するのか!!http://www.cinematoday.jp/movie/T0019800東京だけかなあ……
2015.04.26
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新スタートレック、データ少佐役のブレント・スパイナー氏があまりにうまいので、他の出演作品を渉猟。映画にも出ているのですが目立たない役が多い。というわけで、出番の多いアメリカ版のドラマDVDを買ってしまった。データ少佐のためならエンヤコラ。密かに地球侵略を企てるエイリアンに対抗する科学者チームの活躍を描くドラマ「THRESHHOLD」(wikipediaはこちら)こちらはDVD(AMAZONのページ)。↓http://www.amazon.com/Threshold-Complete-Series-Carla-Gugino/dp/B000FIHN8ODVDは2枚でエピソードは12話。打ち切られてしまったドラマだそうです。つまらないのかもしれない。でもブレント・スパイナーが観られればいいや。買おう!!というわけで取り寄せ。注文したのはいいが、もちろん北米版だから字幕も吹き替えもないのは承知のうえ。「♪私は言葉がわからない~ 迷子になったらなんとしよう~」よし、予習をしよう。というわけでDVDが届くのを待つまで、ケーブルTVで観られるBBCワールドニュースを毎日せっせと見た。秋から新スタートレックを毎日観ていたこともあって、どうにかこうにか「なんか言ってる」というレベルから「あ、聞いたことのある単語が出てきた!」というレベルにまでは聞き取れるようになった。意味はわからないけど。「最近日本のニュースを観ないから日本で何が起きてるかわかんない!!」と子どもに文句を言われたのも何のその。データ少佐のためならエンヤコラ。そして見始めたわけですが、北米版のDVDを手に入れるまでうかつにも「DVDにはリージョナルコードなるものがある」というのを知らなかった。コードを切り替えよとPCが言ってくるので何気なく切り替えたんですが、日本版の別のDVDを観ようとしたら、回数カウンタみたいなのがどんどん減って行くじゃありませんか。慌てて調べたら、何い?限られた切り替え回数を使い切ったら、最後のコードで固定されてしまうって?じゃあ北米版なら北米版しか観られなくなってしまうのか。コードをフリーにするソフトなどもネットの海に落ちていたんですが、違法すれすれらしいしPCのスキルが乏しいのでやめておき、外付けDVDドライブで観ることにしました。というわけでDVDドライブも買った。データ少佐のためならエンヤコラ。【お届け先・東京23区限定】【平日即日発送】バッファロー/ポータブルDVDドライブ メタリックシルバー打ち切りになっただけあって、出来はどうかというと、ものすごーく面白くてお勧め!と言い切ることはできないんですが、ブレントスパイナーは主要キャストとして出番が多いので、ファンには嬉しい作品です。まだ2話までしか観ておらず、英語が早口すぎて何を言っているのかさっぱりわからないんですが、がんばって観ます。
2015.02.15
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ティム・バートン監督の最新作、「ビッグアイズ」観てきた。お客が少ないかと思ったら、小さい劇場で休日だったこともあって最前列以外は満席という盛況で驚いた。モデルになった画家、マーガレット・キーンのことは知らなかったんだが、ラジオの映画評を聞いて面白そうなので楽しみにして行ったところ、期待にたがわぬ良作。主役のエイミー・アダムスもうまいんだけど、何といっても夫役のクリストフ・ヴァルツが抜群にうまい。「イングロリアス・バスターズ」でも「ジャンゴ~繋がれざる者~」でも癖のある役でしたが、今回も実に良かった。主人公の画家の夫は、妻の絵を自分の絵と偽って売りさばくとんでもない男なんだが、単に悪巧みをはたらかせるずるい奴、という演出や演じ方ではなくて、夢と自分を誇示しようという弱さも、半ば自分の嘘を信じてしまっているような所も見せながら演じていて、味のある悪役だった。作品は誰のものか、という点でも考えさせられる。確かに作品自体は妻エイミーの描いたものだが、夫のプロデュース能力がなければ妻の作品は日の目を見なかったわけで、夫ウォルターの言う「この絵は二人の作品だ」という主張もあながち間違いではない。マーガレットの作品が実際の所どれほど評価できるものなのかというのは何ともいえないまま終わっているのももやもやするし、マーガレットが新興宗教にはまった点ももやもやする。最近の映画はスタッフを一人残らずクレジットするそうで、なるほどエンドロールに監督や主演俳優の運転手まで名前が載っている。だったら妻の絵を売り込んだ夫のはたらきも作品の一助となっているといえないこともない。まあそれにしてもテンポがよく興味深い作品だったので是非観に行かれるのをおすすめします。
2015.02.14
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いやあ面白かった。【楽天ブックスならいつでも送料無料】バネ足ジャックと時空の罠(上) [ マーク・ホダー ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】バネ足ジャックと時空の罠(下) [ マーク・ホダー ]このブログを読みにきて下さる方には、スチームパンクなんて先刻ご承知だと思うが、私のようなスチームパンク初心者(?)の方もいらっしゃるかもしれないので、少し解説。本書の後書きから引用すると、「スチームパンクのおもしろさは、19世紀のノスタルジックな事物と、現代的なそれと掛け合わせて『懐かしくて新しい』という矛盾したものを作り出すところにある」SF小説ではサイバーパンクの雄、ウィリアム・ギヴスンとブルース・スターリングの合作『ディファンレンス・エンジン』が嚆矢ということになるのかな。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ディファレンス・エンジン(下) [ ウィリアム・ギブソン ]映像としては、宮崎駿監督の作品にしばしば登場する、蒸気駆動で真鍮や銅でできたようなメカを思い浮かべてもらうといいと思う。実写映画ではウィル・スミス主演の「ワイルド・ワイルド・ウエスト」【新品DVD】【5000円以上送料無料】ワイルド・ワイルド・ウエスト 特別版/ウィル・スミス【WTB.17175】[新品](白状するが、今調べるまでずっと「ワイルド・ワイド・ウエスト」だと思ってた)アンジェリーナ・ジョリーらが出演の「スカイ・キャプテン」【期間限定 ポイント10倍!】【DVD/洋画/アクション/新品】 スカイキャプテン ワールド オブ トゥモロー 【SORA/DVD/洋画/アクション】【メール便対応】【RCP】【05P08Feb15】【あす楽対応】などを思い浮かべてもらえば、なんとなくイメージがわくと思う。さて、『バネ足ジャック』だが、時間もの+改変歴史もの+スチームパンクもので、アクションあり、謎解きありの大変面白い小説だった。歴史上の偉人であるあんな人やあんな人も、とんでもないマッドサイエンティストとして登場するのでひっくり返って驚く。ロンドンの格差社会や貧民街の悲惨さ、大気汚染や河の汚染なんかももうドロドロでものすごい。私は背景となるイギリス近現代史に疎いので、詳しかったらもっと楽しめただろうと思うんだが、知らなくても十分楽しめるし、巻末に著者からの簡単な解説も載っている。実在するバートンという探検家と、これまた実在のスウィンバーンという詩人のコンビが、怪人バネ足ジャックを追って大活躍する物語。(バネ足ジャックというのも本当にそういう都市伝説がイギリスにあったらしい。)日本に置き換えると、探検家白瀬中尉と太宰治が明治の東京を舞台に口裂け女を追って事件を解決する、というような感じか?だいぶ違うけど。途中、視点人物が変わって種明かしがされてしまうのがちょっとどうかな、と思うのだが、改造された動物たち(可哀想)や蒸気で動くヘリコプターなどのメカも面白いし、時空の罠も絡み合って興味深いし、おすすめです。スチームパンクといえばこちらもおすすめ。 【最大500円クーポン配布中!8日より利用開始!】スチームパンク東方研究所 4/スチームパンク東方研究所【後払いOK】【2500円以上送料無料】【05P08Feb15】続編も出るそうなので楽しみです。
2015.02.13
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昨年亡くなった俳優ロビン・ウィリアムズの主演作品で、「アンドリューNDR114」という映画がある。原作はアシモフの短篇「バイセンテニアル・マン」東京創元社の文庫『聖者の行進』収録だが、ありゃりゃ、品切れか。映画化に合わせて同じく東京創元社から出された『バイセンテニアル・マン』こちらはアシモフの短篇をSF作家ロバート・シルヴァーバーグが長編化したものである。映画の方は割と原作に忠実に作ってあるのだが、大きな違いは主人公アンドリューが忠実に使える一家の孫娘と愛し合い、結婚生活まで送ってしまうところである。【楽天ブックスならいつでも送料無料】【DVD3枚3000円2倍】アンドリューNDR114 [ ロビン・ウィリアムズ ]このDVDのカバーになっている絵が、主人公のロボットアンドリューが始めに作られた時の外見で、彼は次第に人間に近い身体を求めて改造を繰り返すようになる。そして人間として認められようとするあまり、加齢も死も人間同様にしようとする。せっかく若い外見のまま長生きできるのに何でまたわざわざ年をとって死を迎えようとするのか、ここらへんはぜひ原作を読んでいただきたい。人間は何をもって人間といえるのかという大きなテーマに関わってくるんだけど、それはさておき、あっちの方の話をする。映画のアンドリューは恋愛・結婚もするためか、あっちの方の機能も追求する。映画化には恋愛の要素が必要だったろうし、そうなるとあっちの機能は避けて通れないわけで、原作にはないこのエピソードもアンドリューが人間性を追求するには必要だったろう。さて、やっとデータ少佐の話をする。アンドリューが人間に近付くことを目指した以上あっちの方の機能を付けたことからして、データ少佐に同様の機能があるのは当然なのかもしれない。開発者スン博士は人間そっくりに作ることにこだわり、さらに自分の生き写しに作ったのだから、あらゆる点を似せようとしたのは無理もない。以下、データ少佐のあっちの機能に言及されたくだりを挙げる。第3話。自制心を失う疫病が蔓延した船内で、酩酊状態の女性士官に迫られるデータ少佐。いわく、「マルチプルテクニックでプログラムされているからバラエティに富んだ喜びをあげられる」というんだが、どんな機能やねん。ちなみに酔った勢いで同僚に迫ってしまったのを恥じたのか、相手の女性士官は後で「なかったことにしましょう」いや、あんまりです。それはないでしょう。このエピソード以前に使った事があるのだろうか。第99話で同僚の女性と交際と始めようとする時に「こういう経験がない」と仲間に相談してるしなあ。でも艦隊アカデミーにいた学生時代や、エンタープライズ号の前に乗っていたトリエステ号時代に、放っておかれたとも思えないんだがなあ。第162話。スン博士の妻にして共同開発者であるジュリアナ博士が、女性カウンセラーの部屋に面談に入っていくデータ少佐に勘違いして喜び、スン博士がデータのあっちの機能のことを心配していたと話す。(ちなみにデータ少佐は一所懸命否定するが母ちゃん聞いてない。)映画「ファースト・コンタクト」半機械生命体ボーグの、女王蜂みたいな女ボスに迫られ、「以前使ったのは8年7時間16分前」と答えるんだが、それまで何もなかったのか。可哀想すぎる。誰か続編でも作って、データ少佐にまともな相手を!もっとも、第158話で精神分析医に向かって行っているように、そっちの方の欲求はないのだそうなので、本人は困っていないのかもしれない。しかし人間に近付こうと努力するデータだから、アンドリューみたいに人間らしい機能を追求するという展開もありえる。第85話で同僚の結婚に際して、「私にも将来結婚する可能性がないとはいえません」と言ってるから、あっちの欲求はともかく、結婚はしたいらしい。ぜひデータ少佐にまともな相手を!それにしても開発者のスン博士、あっちの機能はあるがあっちの欲求はない、あっちの能力はあるがあっちの感情はない、ずいぶんちぐはぐな作り方をしたものである。感情を持たせた兄のローアには、あっちの欲求もあっちの感情もあったのかもしれないなあ。しかし声を大にして言いたいが、中途半端にあっちの機能をつける暇があったら、兄貴の持っていたような体内組み込み式の転送装置を何でつけてやらなかったのか?それさえあれば映画「ネメシス」でデータ少佐は死なずにすんだのである。まったくスン博士には困ったものだ。最後に話がそれてしまいましたが、以上、データ少佐のあっちの方の話でした。
2015.02.12
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データ少佐の話にたどりつくまでだいぶかかるのである。。陽電子頭脳といい、人間そっくりの作りといい、明らかにデータ少佐のモデルになっていると思われるアシモフ作品のロボットを参考に考えてみる。特に、R.ダニールとその同タイプのロボットは精巧に作られている。言わずもがなの前置きだが、アシモフの小説には「ファウンデーション・シリーズ」と一連のロボットものの小説と大きく二つの代表作があって、晩年のアシモフは二つのシリーズを一つの未来史としてつなげる試みをした。それが『夜明けのロボット』『ロボットと帝国』。【中古】 夜明けのロボット(下) ハヤカワ文庫SF/アイザック・アシモフ(著者),小尾芙佐(訳者) 【中古】afb書影がないなあ。うちにあるハードカバー版の写真を載せておこう。これがまた、ベタというかわかりやすすぎるというか、いかにもというイラストですよ。最初の「ファウンデーション・シリーズ」やロボットものからすでに60年以上、晩年の新たなファウンデーションものやロボットものからも30年以上経っているので、今更ネタバレを気にする人もいないでしょうが、以下、ロボットものからファウンデーションものにに連なる作品の核心に触れますので、「未読だが、これから読んでみたい」という方はご注意下さい。(下げておきます)1954年の『鋼鉄都市』、1957年の続編『はだかの太陽』に続き、1983年発表の『夜明けのロボット』ではR.ダニールと同型のロボットが登場する。そのロボット、R.ジャンダーはダニール同様、細部まで人間そっくりで、なんと『夜明けのロボット』のヒロインとは夫婦生活を送っていたことが明らかになる。ジャンダーのあっちの方の機能への言及もある。この件は事件の謎にも関わってくるんだけど、書くのが恥ずかしいから原文を載せるよ。25章から。”Nothing was lacking and those potions which might be expected to be erectile were,indeed,erectile."だそうです。なんでだ?なんでそんな機能が必要なんだ?ダニールやジャンダーを作ったのはサートン博士というロボット工学者で、本作に登場するファストルフ博士も協力者である。ファストルフ博士は後の場面で主人公の刑事ベイリに問い詰められた時、完全なヒューマンフォーム・ロボットを作るのが自分たちの目標で、あっちの方に使うとは考えたこともなかったと答える。いや~博士、全然考えなかったなんてことはないでしょ。特にサートン博士はジャンダーやダニールを自分の生き写しに作ったから、あらゆる面で完璧に人間に似せたのは男性としてのプライドもあったのかもしれない。さて、ここからやっとデータ少佐の話になるが、データ少佐の生みの親スン博士もデータにあっちの方の機能を持たせており、あっちの方専用のサブルーチンまで書いてある。ジャンダーたちと同じく、人間にとことん近づけようというロボット工学者のこだわりもあったろうし、自分に似せた以上は男性の機能も搭載(?)しないとプライドが保てないのかもしれない。しかしなあ……そこまでしなくてもなあ、とどうも納得がいかないので、続きは次回書きます。
2015.02.11
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お待たせいたしました。(誰も待ってない)いよいよデータ少佐のあっちの方の話をいたします。あっちの方というのはもちろんあっちの方の話です。いったいデータ少佐にあっちの方の機能が必要なのか?別に必要ないんじゃないのか?一回では語りきれないのでまず、周辺からじわじわ行きます。(何をだ)あっちの方の機能のあるロボットの出てくる小説をいくつか。といいつつ、機能があるのかないのか、実は読んだことがないので知らないのだが、古典的名作といわれる『アンドロイド』(エドマンド・クーパ-)死んだ妻そっくりに作られたアンドロイドが、次第に心を持ち始め……というようなあらすじらしいので、うわあ勘弁してくれとン十年前の私は思ったのか、読まなかった。未来社会で人間ひとりひとりについてお世話をするアンドロイドだそうなので、書かれていなくてもあっちのお世話の機能はあるに違いない。そうだそうに違いない。ふん、しょせん1950年代の男性作家の考えるようなことは……すいません憶測で怒ってちゃいけませんね。そのうち読みます。女性が読んでもあまり腹の立たないのは『銀色の恋人』(タニス・リー)心も魂もないはずの恋人用ロボットが、なんと……!という話。【楽天ブックスならいつでも送料無料】銀色の恋人 [ タニス・リ- ]あっちの方専用のロボット開発を、丁寧に描いた『プロジェクト・ゼロ』(石川英輔)これは女性が読むとなんだかなあと思う面がないでもないが、現実に作ろうとしたら何が課題になるか、とことんまじめに追求しているので、いっそすがすがしい。あと、近いテーマの作品で強烈なところでは、『オルガスマシン』(イアン・ワトソン)ですが、これはロボットでなく生体で、あっちの方専用のクローンの改造人間。彼女らはそれはそれは悲惨な目にあうので、こういうものが作られたらさぞかし倫理上の問題が出てくるだろうというのがよくわかる。漫画では、タイトルからしてそのものずばりの『セクサロイド』 【中古】文庫コミック セクサロイド(朝日コミック文庫版)(2) / 松本零士【10P08Feb15】【画】う~ん、昔読んだはずだが内容を全く覚えていない。電子書籍になっているようだから今度再読してみよう。映画で記憶にあるのは、スピルバーグ監督の「A.I.」で、主人公の少年ロボットと旅をするジゴロ・ジョー。他にもたくさんあるんだろうとは思うが、網羅してなくてすみません。映画「アンドリューNDR114」が入ってないじゃないかと言われそうですが、次回はアシモフのロボットものについて考えるのでそこで書きます。
2015.02.10
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映画「ガガーリン」やっと観てまいりました。→公式サイト短期間の上映で、しかも限られた館でしかかかっていないのですが、機会があって観られてよかった。映画自体はガガーリンの宇宙行きを実に淡々と描いています。打ち上げ前夜から打ち上げ、宇宙飛行、帰還までを順に描き、間に回想シーンで訓練・幼年時代・妻との出会い、家族の反応などが挟まれます。打ち上げ直前にハッチを外して取り付け直すとか、軌道上での切り離しがうまくいかないとか、多少はらはらさせる場面を用意してはありますが、実直な印象の映画でした。子ども向けの伝記でしか知らなかったガガーリンの宇宙行きと帰還の様子が映像で見られたのは興味深い経験でした。実話かどうかわかりませんが、宇宙第一号をガガーリンかチトフかどちらにするか議論する場面も面白かった。気になったところ・宇宙空間を飛ぶガガーリン搭乗機に「ヒューン!」と効果音が付けられている。ここは無音にしてほしかった。・やたらに画面にフレア(撮影するとき光源が入ってしまうと画面に生ずる円状または六角形の光の連なり)を入れる。わざとなのかミスなのか?わざとなら凡庸な画面作りだなあ。・昔読んだ伝記では、ガガーリンのミッションは家族にも一切秘密にされていたと書いてあったが、本当のところはどうなんだろう?それにしても、現代の宇宙船や宇宙服の完成度を思うと、よくまああんな素朴な装備や装置で宇宙に行ったものだと感心します。もちろん、当時としては最先端の技術ではあるんだろうけど。それに、現代のロケット打ち上げはお祭り騒ぎですが、同時のソ連の打ち上げの地味なこと。冷戦時代だから隠れて打ち上げなきゃいけないからなあ。
2015.02.09
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しばらく毎日更新していましたが、子どもの受験が山場を迎えて、あまりネット見てばかりもいられないので、桜が咲くまでお休みします。 ガガーリンとホーキングとチューリングの映画は見に行くつもりなので、そのうちまた感想を書こうと思います。 それでは、長寿と繁栄を。
2015.01.25
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最近見た映画じゃなくて半年も前に見た映画なんだけど、昨年公開された映画「her~世界でひとつの彼女~」はなかなか野心作だった。さりげなく近未来を表現したファッションやテクノロジーなど、工夫が随所にあってそれも見所なんだが、人工知能との恋愛の結末がとても興味深かった。主人公は、仕事はまあまあ成功しているが妻との離婚問題を抱えている、女性には不器用な中年男性である。舞台は近未来で、パソコンのOSが人格を備え(ているように見え)、持ち主と人間のように会話してくれる。Amazonのおすすめ機能と、iPhonのしゃべるアプリ「SIRI」が一緒になったようなもので、好みの曲をすすめてくれたり話し相手になってくれたり、悩みも聞いてくれたりする。これはもう持ち主を徹底的に甘やかす存在で、決して持ち主を批判しないし、OSを使い込むうちにどんどん趣味や嗜好を心得るようになって、理想の恋人や親友になってしまう。映画を見ていてはじめのうちは、「こんな都合のいい恋人なんてあるもんか~。自己満足じゃないか~。しょせん男の考える理想の女性なんてこんなもんか~」とブツブツいいながら見るわけだが、実はラストに痛快とも言える突き放した結末が用意されていて、大変満足しました。【新品DVD】her/世界でひとつの彼女 ブルーレイ&DVDセット以下ネタバレにつき反転。↓持ち主に都合のいい、忠実で親切な人工知能に見えたOSだが、実はクラウドにある巨大な人工知能がタイムシェアリングで何億ものユーザーと会話しているわけである。さらに、主人公の使っているOS人格は、仮想人格として作られて歴史上の偉人とも会話していて、それを知った主人公は取り残されたような気持ちになる。ラスト近くでOSはいわゆるシンギュラリティを越えてしまい、人間たちを尻目にはるか高次の存在になってしまう。(だから、「世界でひとつの彼女」という副題はなかなかうまい付け方だ。主人公にとって大切な一人の彼女でもあるし、実は一つの巨大な人格だった、という意味にもとれる。)まるでクラーク『幼年期の終わり』の新人類か、『ニューロマンサー』の人工知能か、ヴァーリイ「残像」に出てくるコミュニティの人たちのようである。主人公にも小さな満足が残されていて、観客は救われた気持ちになれるのだが、辛辣な結末とも言えて、とても面白かった。さてここからが本題。人工知能との恋愛だが、有名な思考実験「中国語の部屋」でもわかるように、中国語がわかるように振るまうシステムを作ることは可能だし、恋愛の相手になっているように見えるプログラムも原理的には可能だろう。(データ少佐はそれで失敗していたけど、また改めて書く)生身の人間だって恋愛の時は相手に気に入られようと演技もするだろうし、そう振る舞うことで逆に気持ちの方が高まることもあるだろう。そういう意味では人工知能とそう変わらないかもしれない。映画「her」で疑問に思ったのは主人公とOSの「サラ」がついに「結ばれる」場面で、BGMのつけかたからして感動的なクライマックスの一つにしてあるのだが、身体を持たない人工知能がそこまで踏み込んだ関係になることは無理だろうと思う。ただ、これには「手紙の代筆」を生業にする主人公の発する言葉の持つ力が大きいので、人工知能云々よりも言葉というものの秘めている力のすごさだ、とも感じた。じゃあ実際に身体を備えたロボットやアンドロイドが恋愛の対象になるかというと、これはもう先行作品も随分あるし書き切れないので、日を改めて書きます。
2015.01.25
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続きです。 『「感染症パニック」を防げ! 』【楽天ブックスならいつでも送料無料】「感染症パニック」を防げ! [ 岩田健太郎 ]いや、これはものすごく良い本。危機管理の本としても読めるし、感染症に興味のある人にもおすすめ。的確な情報の書きとめ方や伝え方の参考にもなる。『学歴・階級・軍隊』【楽天ブックスならいつでも送料無料】学歴・階級・軍隊 [ 高田里恵子 ]明治から今にいたるまでの、学歴への屈折した思いの精神史。高学歴兵士、というと誰もが丸山眞男を想定すると思うんだけど、あらゆる層のルサンチマンに触れられている。ラスト近く、特定の人物に頁を割きすぎているのが難だけど、面白かった。別の著者だけど、『学歴貴族の栄光と挫折』も併せて読むときっと面白い。【送料無料選択可!】学歴貴族の栄光と挫折 (講談社学術文庫) (文庫) / 竹内洋『沈みゆく大国 アメリカ』これを読んで「オバマ・ケアの暗部がわかった!!」と短絡的に考えてしまいそうになったんだけど、レビューなどを見ると、印象論で書きすぎ、という感想もしばしば見かけた。物事はいろんな面から見なくちゃいかんね。反省。
2015.01.24
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1月はまだ下旬に入ったばかりだけど、ネタ切れなので大晦日~今日までに読んだ本の感想を書きます。光文社新書『第二の地球を探せ!』 著者を含めた世界中の学者の今まさに行われている惑星探しがよくわかる。啓蒙書を目指すなら具体的な機材やデータはもう少しあっさり書いた方が良かったんじゃないかと思うが、研究の現状がよくわかって面白かった。第二の地球を探せ!~「太陽系外惑星天文学」入門~-【電子書籍】『読んでいない本について堂々と語る方法【楽天ブックスならいつでも送料無料】読んでいない本について堂々と語る方法 [ ピエール・バイヤール ]』これは私にぴったりの本だ。というわけでもないが、親近感を感じて買ったのは事実だ。実際には、本を本屋で探したり買ったりするのも、少し読んでそのままになったしまうのも、読書の一部だという内容。本文中には架空の本まで出てきて、どこからどこまでが本当なのかわからない箇所もあり、楽しい。『2312~太陽系動乱~』(上下)【楽天ブックスならいつでも送料無料】2312 太陽系動乱〈上〉 [ キム・スタンリー・ロビンスン ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】2312 太陽系動乱〈下〉 [ キム・スタンリー・ロビンスン ]人類が太陽系全体に植民し、地球は環境汚染で後進地域のようになっている24世紀初頭。ジョン・ヴァーリイの「八世界(エイトワールド)」シリーズを思わせるが、政治・歴史など社会科学的な色が強い。子どもの頃読んだらわずらわしく感じたかもしれないが、中年なのでたいへん興味深く読んだ。SF的な楽しさも随所にあって、冒頭で水星人があえて灼熱の太陽に身をさらす危険なスポーツ?に出かける場面は、未来にいかにもありそうな習慣で面白かった。(ちょくちょく「バルカン化」という用語が出てきて、勿論じっさいにある用語のBalkanization だから Vulcanじゃないんだけど、ついバルカン人を思い浮かべてしまうスタートレック脳)『今日から地球人』【楽天ブックスならいつでも送料無料】今日から地球人 [ マット・ヘイグ ]一見SFに見えるが、普通の小説として読んでもとても面白いし、読みやすい。以下ネタバレにつき反転。地球人を暗殺に来た宇宙人が地球人にほだされて、とうとう万能の力を捨てて地球人になってしまう話。感動のヒューマンドラマ……と言えば言えるんだが、SF擦れしている私にはあんまり賛成できる結末ではなかった。「はるかに進化・進歩した宇宙人が、遅れてはいるものの人間的な地球人の魅力に気づき、居着いてしまう」というパターンの話はけっこうあるような気がするのだが(思い出したらまた書く)、それでいいの!?と思っちゃうんである。それって向上心がないというか、生ぬるい自己肯定感に浸っているだけなんじゃないのかなあ。むやみに進歩史観に与する気はないけど。『地上最後の刑事』『カウトダウン・シティ』 以前の日記に書いたので省略。『【楽天ブックスならいつでも送料無料】機械より人間らしくなれるか? [ ブライアン・クリスチャン ]?』チューリングテストに大会にはもっとも人間らしいコンテストもあるのだそうで、それに勝とうとした筆者が「どうやたら最も人間らしいと審査員に思ってもらえるか?」と試行錯誤した経緯を書いた本。人間と機械の違いとか、人工知能の哲学的な解釈など、踏み込んだものを求めて読むと肩すかしをくらうが、広く浅く知りたい場合は面白く読めると思う。でももうちょっと刈り込んでもいいのでは。続きを書こうとしたら長すぎてUPできないので分けて次回に回します。
2015.01.23
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データ少佐は艦隊に勤務しているからつねに制服を着ていて、第158話など、眠るときまで制服だった。制服を大事にしているはずのデータ少佐らしくない。「宇宙戦艦ヤマト2」で療養中のデスラー総統がマントなしの軍服でベッドに寝ていたのと同じくらい異様だった。誰かデータ少佐にパジャマを!ことほどさようにデータ少佐は制服姿の時が圧倒的に多いんだが、艦内で演劇に挑戦するとき、変装して潜入するときなどは色々な服装をしている。挙げてみる。第12話エンタープライズ号にはホロデッキという娯楽設備があり、仮想空間でヴァーチャルな体験が楽しめる。艦長のハードボイルド小説好きにつきあって、データ少佐も1940年代のスーツで登場。よく似合うんだこれが。第13話兄のローアと一悶着あって、黄色いツナギ姿。(機関室の制服らしい)第29話ホロデッキでホームズの世界を楽しむデータ少佐。もちろん服装もホームズの帽子とマント。ベーカー街の部屋では部屋着姿。第30話タキシード姿で登場。これもよく似合う。第32話服装じゃないけど、ヒゲ面のデータ少佐が拝めます。第35話同僚とポーカーをする時、なぜかサンバイザーをかぶっている。制服にサンバイザーだから、笑えるんだけど本人はいたってまじめで、ポーカーの「親」の印のようである。第43話データを珍品コレクションに加えようと誘拐した極悪宇宙商人に強要され、やむなく紫色のツナギのような衣装を着用。う~ん似合わない。フォーマルなスーツなどが似合うのに。第58話シェイクスピアの「ヘンリー八世」の稽古。修道士の服装とおかっぱのカツラ。可愛い。第69話これは実際にデータ少佐がコスプレしたのではなく、空想好きの士官バークレー中尉が、ホロデッキに作った世界に登場。バークレー中尉は上級士官をブルボン朝のような服装で登場させ、データ少佐も三銃士みたいななりでチャンバラをする。白い顔に口ひげなのでアノニマスの仮面みたいである。第85話同僚の結婚式に艦隊制服の礼装バージョンで出席。礼装といっても普段の制服の上着の裾が長いだけで、もうちょっとなんとかならんのかなあと思ったら、映画では別の礼服が出てきた。(後述)第87話劇の練習をして人間性を学ぶデータ少佐。なんと「クリスマス・キャロル」のスクルージで登場。第94話全知全能の宇宙人(?)「Q」の仕業で、上級士官はロビン・フッドの世界に放り込まれてしまう。データ少佐は修道士の服装で、これはこれで結構似合う。第107話驚きの「ロミュラン人変装」ロミュラン人とは例のおかっぱ頭で耳の尖った「ヴァルカン人」と先祖を同じくする種族である。ヴァルカン人と顔の骨格が少し違う。このエピソードではおかっぱ頭、つり上がった眉のデータ少佐という珍しいものが見られる。というより皮膚が肌色で黒目のコンタクトレンズをしているから、普段よりもよほど人間に近く見えるのが面白い。第126話この回はヴァラエティに富んだ服装が拝めます。・タイムスリップ先でポーカーで資金を稼ぎ、負かした相手からせしめた羽根飾りつきの帽子とベスト。制服の上に来ているから妙ちきりんだが、後で出てくる三つ揃いやフロックコート姿が実によく似合う。第134話エンタープライズ号のコンピュータがダウンしたときにデータ少佐の電子頭脳を代用にできないかと実験が行われる。一方、ホロデッキではクルーの一人ウォーフが息子のために西部劇を楽しんでいた。ところがデータ少佐の頭脳に艦のシステムをつないでいたため、西部劇の登場人物が皆データの顔になってしまう。つまりデータ少佐のガンマン姿とか、データ少佐のギャング姿が見られるわけです。最後にはなんとデータ少佐の○装が見られます。第147話副長のライカー中佐が劇の練習をしている時、精神科医の役で登場。第168話不時着した惑星で記憶喪失になったデータ少佐が現地の服装で登場。中世風の服で、フードつきのマントのようなものを着たところも見られる。第177話(最終話)数十年未来の場面が出てきて、大学教授になっているデータが自宅で老艦長を出迎える場面。ゴージャスな部屋着と、「貫禄をつけるため」に髪を一部白髪にしている姿が見られます。映画「ファースト・コンタクト」で2063年の服装をして当時の地球に上陸調査をする。21世紀の服装って……あんまりお洒落ではありませんでした。また、制服もテレビシリーズの時のパジャマかスポーツウェアのようなものではなく、グレーと黒を基調としたもう少し軍服めいたのに変わっています。映画「叛乱」これもグレーの制服。映画「ネメシス」冒頭、同僚の結婚式でクルー達は白を基調とした艦隊の礼服を着ています。この方が礼服らしくてデータ少佐にもよく似合う。私のように、最近データ少佐にはまった!!という方のお役に立つかと思い、列挙してみました。
2015.01.22
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データ少佐はしばしば何かに憑依されて便利に使われる事が多く、とても気の毒なのである。どのように憑依されたか数え上げてみる。第32話「コンピュータになった男」死期を悟ったサイバネティクス学者・グラビス博士が、データ少佐の頭脳に自分の頭脳をコピーしてしまう。そしてコピーされた博士の意識がデータ少佐の体を乗っ取ってしまう。データ少佐になんてことをするのだ。迷惑な博士である。第49話「進化の刻印」知能を持ったナノロボットがエンタープライズ号に蔓延してしまい、データ少佐は彼らとコンタクトするため自分の体に侵入させると申し出る。もうデータ少佐は自己犠牲の精神が強すぎ!無事に一匹(?)残らず体から出ていったからいいけど、不具合が起きたらどうする。ちなみに皮膚から侵入する拡大シーンでデータ少佐の指紋が見られます。第77話「永遠の絆」データ少佐に仕込まれていた隠しプログラムが作動し、船を乗っ取ってスン博士の住む星へ向かってしまう。後で我に返るのだが、こんな隠しプログラムがまだいくつ仕込まれているかわからない乗員は危険で仕方が無いと思うけどなあ。万年少佐なのも、手柄が不祥事で相殺されてしまっているからかもしれない。第97話「愛の化身オダン」この話では憑依はされないけれど、重要人物の大使の共生生物のために、一時的に体を提供しようと申し出る。生身の人間じゃないといけないので却下されるのだが、もうデータ少佐そんなに無理しなくていいから。ボランティア精神が旺盛すぎるよ。第115話「亡霊反逆者」データ少佐を含む乗員3人が何者かに憑依される。言葉づかいの悪いデータ少佐が見られるエピソードだが、人間の脳と陽電子頭脳はおんなじように憑依できるんだろうか?第152・153話「ボーグ変質の謎」憑依とはちょっと違うんだが、兄のローアから搬送波とかいうもので感情を刺激されて操られてしまう。第158話「戦慄のドリーム・プログラム」第142話「バースライト」で、睡眠をとり夢を見る隠しプログラムが動き始めるんだが、悪夢と白昼夢に悩まされたデータ少佐がナイフを振り回して同僚を刺そうとする。(拘束される時に保安部長に猫の世話を頼む場面がかわいい。)実はデータ少佐本人も気づかない理由があったのだが、誤解されてかわいそうである。第169話「多重人格アンドロイド」遺跡からエンタープライズ号に謎のプログラムが送り込まれ、データ少佐の頭脳と体を複数の人格が乗っ取ってしまう。若者・老人・子ども・女王といくつも演じわける俳優ブレント・スパイナー氏の演技が見物である。それにしてもこんなにいろいろプログラムをインストールされていて、不具合が起きないんだろうか。もうデータ少佐の陽電子頭脳はワン・アンド・オンリーなんだから、もっと大事に扱ってもらいたい。
2015.01.21
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夕べ夜半にUPしたつもりが、下書きの日付の位置にUPされて、数日前の場所に載っていたので直しました。読みに来てくださった方すみません。新スタートレック第162話「アンドロイドの母親」によれば、データ少佐の開発者スン博士の妻ジュリアナ・スン博士は、データを作るときに「芸術的才能を与えるべきだ」と主張したそうな。そこでデータ少佐は歌って踊れるアンドロイドになったわけだが、実に多芸多才である。<弦楽器>第50話「移民の歌」冒頭で同僚たちとヴァイオリン四重奏、しかも主旋律です。第71話「英雄症候群」スポックの父親でヴァルカン大使のサレクをもてなす演奏会でもヴァイオリンを演奏。第162話「アンドロイドの母親」で「母」ジュリアナ・スン博士のヴィオラとヴァイオリンの二重奏。第104話「殺戮の宇宙水晶体」ではギター。<木管楽器>第99話「恋のセオリー」でフルート・オーボエ・クラリネット・ファゴット・ホルンの五重奏。ここではオーボエを吹いていて、フルートの娘に教えてもいたそうなので、フルートも吹けるはずだ。(データ少佐が演奏前にリードを水につけているところを想像するとほほえましい。<歌>第1話で口笛。第2話「恋のセオリー」で「ラ・ボエーム」の一節を歌って美声を披露している。映画「叛乱」ではギルバートとサリバンのミュージカル曲、映画「ネメシス」では副長の結婚式で「ブルースカイ」という歌を生バンドつきで歌っている。(この場面、すぐ終わっちゃうので残念!最後まで聴きたい!)<金管楽器>不思議なことに金管楽器を演奏する場面はない。私は楽器はぜんぜんできないのだが、金管楽器をやっている知人によれば、金管楽器は「唇の形が難しい」のだそうだ。オーボエ・クラリネット・サックスなどの木管楽器はリードが振動するのだけれど、金管楽器の場合は唇自体を振動させないといけないので、訓練がいるらしい。昔、トランペットを吹くロボットというのが自動車メーカーから発表されて、たいへん驚いたことがあるが、あれは唇をどうしていたんだろう。ロボットだからトランペットに最適化した唇の形に設計していたんだろう。<蛇足・データ少佐の呼吸について>管楽器が吹けるデータ少佐は当然呼吸をしているんだが、これは放熱のためなんだそうだ。(第142話「バースライト」で初対面の医師に自分の呼吸のわけを説明している)活動するのに空気や酸素が必要なわけではない。ただ、しゃべるためには呼気が必要なので話し始める前に息を吸い込んでいるのがわかる。(人間の俳優が演じているから息継ぎの音はあたりまえ、というツッコミはなしで。あくまで実際のアンドロイドという前提で話をしております)参考までに、データ少佐のモデルのひとつと思われるR.ダニール(I.アシモフの小説『鋼鉄都市』などに登場)も呼吸についての記述がある。(ロボット工学者の博士のせりふ)「彼(註・R.ダニールのこと)は、正常に呼吸しているように見える。言葉をしゃべるために空気を使っている場合はとくにそうだ。しかし、よく注意してみれば、彼の呼吸が不規則で、時にはまったく呼吸していない時間が数分間にも達することに気がつくはずです。」データ少佐もおおむねこんな感じだろう。しかし、楽器用に作られたわけではないデータ少佐の唇では金管楽器は難しいのかもしれない。材質も人間の唇とは違うしね。しかし口笛が吹けるならなんとかならないもんだろうか。ちなみに「新スタートレック」では楽器を演奏するクルーはちょくちょく出てきて、副長のライカー中佐はトロンボーンが趣味だし、(第15話「盗まれたエンタープライズ」で披露)ピカード艦長はあるいきさつ(第125話「超時空惑星カターン」)から笛をたしなむようになった。ピアノの弾けるクルーが出てきて合奏していたこともある。(第145話「ギャラクシー・ロマンス」)トランペットを吹くロボットの方は現在運用をしていなくて、上海万博に出展したヴァイオリン演奏ロボットなら名古屋の「産業技術記念館」という工業系の博物館で実演を見られるようである。トヨタ会館(工場見学のことらしい。要予約)というところのHPにはトランペットを吹くロボットの写真が載せてあるのだが、実際に実演が見られるのかどうかわわからない。以前見たことはあるが、また展示と実演をしてもらいたいものである。
2015.01.21
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スパイナー氏です。スナイパーではありません。データ少佐役の俳優、ブレント・スパイナー氏があんまり巧いので、出演作品をWikipediaなどでせっせと調べてみた。<テレビドラマ「ウェアハウス13」>レンタルDVDで見た。敵役の修道士エイドリアンという人物を演じている。シーズン4のエピソード1・2・3・7・9・10話。1・2・3・7話はちらっと出るだけで、9・10話(DVDでシーズン4の5枚目)が最も出番が多い。<テレビドラマ「ビッグバン☆セオリー」>シーズン6のエピソード4。パーティの場面で本人役として一瞬登場するらしい。これはDVDレンタル・販売ではまだ日本で出てないが、海外ドラマ専門チャンネルの「スーパー!ドラマTV」で放映済みなので、いずれ再放送・販売・レンタルされるはず。<テレビドラマ「ジョーイ」>14話に本人役で出てくるそうです。短い出番のためにDVDを買う決心がつかないので、海外ドラマのチャンネルで放送するのを気長に待とう。古い作品なので無理かもしれんけど。これかな? 【新品】【海外テレビドラマ】ジョーイ 1st セット 2巻(DVD)<テレビドラマ”Threshold”>日本では発売・レンタルされていない”Threshold” というドラマにレギュラーの科学者役と登場しているらしい。北米版を注文してしまった。英語もわからないのに。<スタートレック・エンタープライズ>80~82話で、「データの生みの親・スン博士の先祖」(!)役として(素顔で)出てきます。これが見たいがためにわざわざ「エンタープライズ」のDVDを買ったよ。 【新品】【海外テレビドラマ】スター・トレック エンタープライズ S4(DVD)<映画「インデペンデンス・デイ」>映画では、台詞のある役としては「インデペンデンス・デイ」の異星生物学の研究者。マッド・サイエンティスト風でなかなか面白かった。 【新品】【洋画】インデペンデンス・デイ(DVD)<映画「フェノミナン」>映画「フェノミナン」にも脇役で出ているそうなので今度借りて見てみよう。<その他の映画>ショーン・ペン主演の「アイ・アム・サム」やディカプリオ主演の「アビエイター」にも出てくるらしいが、台詞のない役らしくて、見るとちょっと悲しくなりそうなので多分見ない。<ネットシリーズ>ネットで放送しているコメディ”Fresh Hell”に主演していて、これはYouTubeで見られた。YouTube向けの番組なのかな?私は英語が苦手なのであまりよくわからなかったが、ブレント・スパイナーが本人を演じている。ただし、劇中の役柄は「新スタートレックのデータ少佐以来ぱっとせず、いつまでもデータ少佐扱いされる俳優ブレント・スパイナー」という脚色された役。まじめな舞台劇に出ているのに客席から「データ!データ!」と野次を飛ばされたり、「新スタートレック」ジョーディ役の俳優レヴァー・バートンに金の無心に行ったりと、自虐ネタだった(笑)。多芸多才な俳優さんなので(ミュージカル・舞台出身だから歌もうまい!)もっと色々な役を見たいところである。
2015.01.19
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先日の日記にも書きましたが、私がデータ少佐を知ったのは、ロボットや人工知能関係の一般解説書のたぐいで、もともとスタートレックには触れたことがなかったのでした。ただ、データ少佐というロボット(アンドロイド)の名前はよく目にしたのでどんなロボットだろうと思ってはいました。データ少佐に言及している書籍は数多くあると思うけど、今手元にあるのは以下の3冊くらい。『ロボットにつけるクスリ』星野力著データ少佐の名が1箇所(および註に)だけ登場します。この本はデータ少佐のような人間そっくりの思考ができるロボットについては懐疑的。アシモフのロボット三原則についても、そんなロボットができるはずがない、という立場のようです。実際に情報工学を研究している人から見ると荒唐無稽なのかもしれないが、無理だと言い切っちゃうのはちょっと夢がないというか現実的すぎる気もするなあ。本自体は十数年前のものとはいえ、面白いです。『ロボットは涙を流すか』石黒浩【楽天ブックスならいつでも送料無料】ロボットは涙を流すか [ 石黒浩 ]これは、アンドロイドの専門家・石黒先生の本だから、データ少佐にはかなりの紙数を割いている。おすすめです。(註1)『生命と情報の倫理~新スタートレックに人間を学ぶ~』【楽天ブックスならいつでも送料無料】生命と情報の倫理 [ 渡部明 ]これは「新スタートレック」のエピソードがたっぷり紹介されています。著者は哲学・倫理学者でよほどスタートレックが好きらしく、第35話「人間の条件」などを題材に人間とは何か掘り下げて記述しています。簡単に結論の出るようなテーマではないので、ちょっと後半が未消化というか駆け足というか、保留状態になっていますが、「新スタートレック」が好きな人なら楽しんで読めるでしょう。(註1)ただ、多くの人が間違えているように、ミスター・スポックのことを「スポック博士」と書いてしまっているのは残念。こういうのは、編集者がちゃんと訂正してあげなきゃなあ。現実に出版されている本で、『スポック博士の育児書』というアメリカで一昔前にベストセラーになった本がありまして。スタートレックとは何の関係もないんですが、名前が似ているのとスタートレックのスポックが科学士官であるせいか、スタートレックファンでない人の書いたものでは、よく混同している記述を見かけます。なお、部下をミスター付けで呼ぶのは英米海軍の伝統らしく、劇中ではほとんど必ず「ミスター・スールー(カトウ))」「ミスター・スポック」と読んでいます。データ少佐も吹き替えや字幕では「データ」と呼び捨てだったり「データ少佐」と階級を付けて呼ばれていますが、原語では ”Mr.Data”と呼ばれていますね。あと、データ少佐への言及はないけれど、スタートレックファンに人にはぜひ読んでいただきたいのが新ハヤカワ☆SFシリーズ(いわゆる銀背のアップデートレーベル)の『レッド・スーツ』。出版された時、私はまだスタートレックに全く触れていなかったので他のSFと同様に読み、小説としてたいへん面白かったのだが、その後スタートレックにはまってから再読したらさらに面白くて、くすくす笑いながら読んだ。主人公は宇宙を探索する宇宙戦艦に乗り組む下士官なのだが、いつも周りの下士官がころころ死んだり、かと思うと特定の上級士官が異常に頻繁に事件に出くわして、重傷を負ったり重病にかかったりしては、すぐ回復するという状況を疑問に思い始める。調べ始めた彼には驚愕の事実が待っていた!明らかにスタートレックがモデルになっていて、文中にもスタートレックへの言及がある。SF小説ファンにもスタートレックファンにもおすすめです!【楽天ブックスならいつでも送料無料】レッドスーツ [ ジョン・スコルジー ]
2015.01.19
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来場者プレゼント、第一巻のカバーイラストと言うのが嬉しいじゃないですか。 伝説の、未完の名作『アップルシード』は今まで複数回映画化されているんですが(※1)今回最新のリブート版「アップルシード アルファ」が公開されるというので観に行ってきました。阪神大震災が起きた1月17日公開というのは意図してなんだろうか?現在出版されているアップルシードは4巻までなんだけど、5巻の原稿が阪神大震災で燃えてしまい、続編をストップしていると何かで読んだことがあるので。原作も今回の映画も、舞台は大戦後の崩壊した世界である。主人公は生き残りの女性兵士(SWAT出身だから警察官か機動隊員といった方がいいかも)デュナン・ナッツと、仕事仲間でパートナーでもある戦闘サイボーグ・ブリアレオス。原作も前2作も、都市オリュンポスへ移民してからの二人の活躍がメインだったんだが、今回は「アルファ」というだけあって前日譚が描かれている。以下、ネタバレにならない程度に個人的プラスポイント・マイナスポイントを挙げてみます。(註※2)は映画を未見でネタバレを避けたい方は読まないでくださいね。<ここが良かった!>・原作へのオマージュ・ファンサービスが随所にあり、(※2)荒牧監督の愛がうかがえる。・最後の大爆発で、衝撃波が描かれていた。・敵役のサイボーグ「タロス」が「人間は戦争が大好きなのさ!」と語るところに風刺を感ずる。・テクスチュアとか登場人物やメカの動きとか、これはもうすごいですね。映画第1作のころと比べても隔世の感があります。<ちょっと気になるがまあ良い>・3DCGの人物、歩き方がなんだかフワフワしている。・髪の動きがどこから風が吹いているのかよくわからない。なびかせるためになびかせているように見える。・デュナンの服装が、苛酷な戦闘をするにしては露出度が高く、胸元・ヘソ出しなのだが、まあこれはサービスというか絵面としてやむをえない。胸が見えていないと男だか女だかわからないし(話がそれるがスタートレックのクリンゴン人の女性もバストが目立つ服装になっている)敵が撃つのを一瞬ためらう効果はあるだろう。地下鉄内の戦闘を見ると、デュナンもそれをわかってやっているフシがある。・アイリスの服装だが、背中にバルブみたいなのが並んでいるから、てっきりあれでどこかに接続するんだと思っていたら、単なる飾りだったみたい。・展開の先が読めすぎる。あいつが最後ああいう行動を取るのも見え見えだし、クライマックスで彼女がああするのもありがちだし、あいつが息を吹き返すのも想定内。(おばさんは、「志村~後ろ~!!」と叫びたくなったよ。)・デュナン丈夫過ぎ。双角不死身過ぎ。・ニューヨークの住民、いきなりどっから出てきた。・「そんなところね」とか「ってところかしら」みたいな台詞、かっこいいつもりかもしれないがあんまりかっこよくない。↓これはネタバレにつき反転・冷たいことをいうようだが、論理的に考えるとオルソンとアイリスはつかまってすぐ身投げでもしていれば敵に情報を与えずにすんだんじゃないか?自爆スイッチや自殺用の薬ぐらい備えていてもおかしくない。心情的にそれはいやだけど。<ここは疑問。>・冒頭、地下鉄車両内のアクションだが、暗くて何をしてるのかわかりづらい。(老眼のせいかもしれん。)襲撃者のサイボーグにに蛍光の模様があるので、一応動きが見えるよう工夫しているのはわかるんだが。・細かいことですが、ブリアレオスがトラックの給油中、見張りながらオルソンと話す場面。オルソンに向き直るとき銃まで向き変えちゃだめでしょ。会話はしていても銃は常に外側を向いているべき。・敵役のサイボーグたちが、戦隊ものの悪役に見える(笑)。わざと?・敵のある人物を撃った場面。そこはトドメをさせよデュナン!原作のデュナンなら密閉された場所で敵を撃ち倒したら、息を吹き返さないように必ずトドメを刺すはずだ。・デュナンが途中で「もう無理」と落ち込む場面が唐突。ここも原作のデュナンならもっと淡々としているだろう。作劇上落ち込む場面がほしかったとしても、もう少し絶望的な状況を画面なりせりふなりで説明して欲しい。↓ここはネタバレになるので反転。・最終兵器に迫力が足りない。サイズが小さいことと、前半出てくる無人二足歩行兵器「ドローン」と形状が似ているため、似たようなメカが出てきたなあ、と思ってしまうからである。サイズについてはあまり大きいとあのように動けるわけがないのだが、嘘でもいいから巨神兵並みの大きさにしてもいいと思う。「ドローン」を飛行タイプにしておき、最後に多脚砲台を出すか、「ドローン」はあのままで、最終兵器を多脚砲台でなく飛行船みたいなタイプにして、形状・動き・兵装が重ならないようにした方がいい。または、多脚砲台に搭載されていたレールガン、これが一番こわいので、レールガンをもっと目立たせるとか。・最近どんな映画見てもそうなんだけど、どうしても既視感がぬぐえない。過去の名作のあの場面やあの場面を監督はやりたかったんだなあ、というのが見えてしまう。たとえば「インターステラー」や「楽園追放」がそうだった。見ていて楽しいし、作る方も作りたくてたまらなくて描くんだろうから否定はしないけれども、またどっかで見た光景だなあ、と思いつつ見てしまう。ま、こっちが年をとった、ということなのかもしれない。<言わずもがなの解説めいたもの>老婆心ながらいくつか説明。・地下鉄でデュナンとブリが離れて座っているのはケンカしてるわけではなく、前方後方を見張るため。また、並んで座っていたら襲われたときいっぺんにやられる。離れていれば攻撃されてもどちらかが生き残って反撃できる。・敵役「タロス」は「トリトン」なる組織のボスらしいが、体には「ポセイドン」と書いてある。「ポセイドン」は原作に出てくる巨大企業体。↓ネタバレにつき反転・多脚砲台がニューヨークに打ち込んだのはたぶんレールガン。実用に向けて米軍などで開発中。・P.K.ディックの短篇をもとにした映画「スクリーマーズ」でも、戦争の遺物である殺人機械が地中からズボっと出てきて殺戮を行う。こっちは蛇型で、アップルシードのドローンよりもっともっと怖い。戦争の遺物である兵器が戦後も勝手に動いていてそれを処理に行く、というのは大友克洋の漫画で近年映画化された「SHORT PEACE」の「武器よさらば」にもあったね。「新スタートレック」にも似たような話がある。第21話「生き返った死の宇宙商人」現実の世界でも地雷や不発弾がずいぶん悲惨な自体を招いているから、取り上げたくなるテーマなんだろう。さて、エンドロールの後まで見ると続編が予想されるけど、作られるんだろうか。私は初日に観に行ったけど500人の劇場に10人ぐらいだったよ。みんな、続編が作ってもらえるように観に行こう!(※1)3DCGの荒牧伸志版は今回で3作の前に、セルアニメ版があったはずなんだが?OVAか何かで確かに見た覚えがある。今 Wikipediaを見てきたら言及されていないんだけど、なかったことにされてるの?デュナンが腕を負傷してアテナの肩を借りて銃を撃つ場面を覚えてるんだけど。それから、13回シリーズのアニメがあったことは今wikipediaで調べて初めて知ったよ!うっかりしてたなあ。(※2)・原作1巻冒頭、攻撃を受けた時ブリアレオスがデュナンをお姫様だっこしてジャンプする場面が映画にも出てくる。・廃墟での野宿、デュナンが調理する場面。これも原作1巻冒頭でブリアレオスの帰りを待つデュナンが、自称「ブイヤベース」を作っている場面を思い出す。・原作の多脚砲台があんなところに!・原作のギュゲスがあんなところに!・原作に登場するサイボーグ「双角」が、映画でもいい奴だか悪い奴だかわからないトラブルメーカーとして描かれる。・原作でもアイリスじゃないけどヒトミが敵の戦車に手榴弾を放り込んで爆破する場面がある。
2015.01.18
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<データ少佐の身長・体重>演ずる俳優ブレント・スナイパー氏の身長が180センチだから180センチとしよう。体重は100キロ(!)第162話「アンドロイドの母親」でデータ少佐の「母」、ジュリアナの台詞による。重たいので水に入ると沈んでしまう。映画「叛乱」で少年に「錆びないの?」と聞かれていた。<身体能力>太い合金の棒を楽々と曲げたり(第35話)重い扉を開けたり重い金床を軽々と持ち上げたりする場面がしばしばあるので、相当な腕力があるようだ。走るスピードは不明。特に疾走している場面は見られない。しかし、映画「ネメシス」で自艦のエアロックから助走して敵艦に飛び込んでいるから、かなりの速度と脚力があるはず。泳げるのかどうかは不明。映像としては出てこないが第153話で親友が昔話として「湖に飛び込んだら沈んでしまって、そのまま湖底を岸まで2キロ歩いた」と言っているから泳げなくてもたぶん困らない。<頑丈さ>第94話で胸に矢が刺さったが急所をはずれていたので平気。第168話ではデータ少佐を誤解した住民に杭で串刺しにされてしまったが、仲間に救出されて直ったようである。映画「ファースト・コンタクト」では何発も銃弾を受けて平然としていた、でもあれじゃあ人工皮膚が穴だらけになってるんじゃないかなあ。<データ少佐の成分>第70話「究極のコレクション」で、誘拐しようとしていた一味がデータ少佐の爆死を装うために成分を分析していた。トライポリマー合成物26.8キロモリブデン・コバルト合金11.8キロバイオプラスト・シート1.3キロ体重は100キロなので合計すると足りない。たぶんその他の成分も含むんだろう。第1話では「血が流れている」と話しており、第142話で初対面の医師が「脈がある!」と驚いているし、第63話で「食物は必要ないが、潤滑のためシリコンベースの液体を摂取することがある」と言っているから。<データ少佐の頭脳>第35話「人間の条件」でデータ少佐の法的身分を問う審問が行われ、その中で本人が答えていた。「最大記憶容量は、800かける10の15乗ビットです。それから最大情報処理伝達能力は、一秒間に60兆回」記憶容量はざっと計算して90ペタバイト?(計算違ってるかも)2014年11月現在で、最速のコンピュータは中国の「天河2号」、これは33.86ペタフロップ(ペタフロップスは1秒間に1000兆回の浮動小数点数演算を行うことを表す単位)データ少佐「情報処理伝達能力」と言っているから単純には比べられないけれども、人間の頭部と同サイズの頭脳に収まっているにしては速いことになるのかなあ。人間に近い能力を持たせるために倫理サブルーチンなどいろいろなサブルーチンもあるらしく、中には「服を着ることを納得してもらうためにサブルーチンを書かなきゃならなかったわ」(データの「母親」ジュリアナ博士談)また、第1話で酔った女性士官に迫られ「マルチテクニックでプログラムされているからバラエティに富んだ喜びをあげられる」と言っているから、男性的能力に特化したプログラムもあるようだ。第99話「恋のセオリー」では告白を受けた女性士官の気持ちに応えようと、「恋愛プログラム」というものを自分(の頭脳内)で開発、インストールしたようだが、うまくいかなかったためデリート。感情がないのがデータ少佐の悩みだったが、生みの親スン博士が「感情チップ」を作ってくれていた。(第77話「永遠のきずな」)兄ローアに奪われたが、紆余曲折の末データの手に入り、映画「ジェネレーションズ」で導入。映画「ファースト・コンタクト」を見ると自分でオン/オフができるようである。<データ少佐の組み立て方(?)>第13話で同型のアンドロイド、兄にあたるローアがバラバラの状態で発見される。頭部・胸部・腰部・足などに分解されていた。データ少佐も同様だろう。第35話では腕をわりと簡単に取り外されていてびっくり。第158話で腕・足・頭部がバラバラにされる場面があるが、これはデータ少佐の見た悪夢の中の場面。第107話で耳の尖った異星人に変装する場面があり、医師に「耳はとりはずせないの?」データ「一体成形でとりはずせません」と答えている。第105話・第126・127話で頭部だけになったりしているが、胴体につなぐと復活しているので頭部だけでも生存できるようだ。メンテナンスのためか、体のあちこちが開くようになっている。第61話で修理のため、第134話で船のシステムにつなぐため、ほかにも第169話など、側頭部が開いてケーブルをつなげるようになっている。(内部が露出したようすは、LEDめいたものがカラフルに点滅し、2015年の今見ると、古めかしいというかほほえましいというか、とても超高速の頭脳とは思えない。)第13話では兄のローアに蹴飛ばされて、額の皮がめくれていた。第50話で前腕の内側をパカっと開けて部品を取り出していた。第127話では修理のため後頭部を開けていた。いずれも「いかにも人造人間!」という場面である。<頭髪・髭>第32話のアヴァンタイトルで、なんと髭(!)を生やしていたから髭を伸ばそうと思えば伸ばせるようである。頭髪は長めの時と短めの時があるので、これも時々伸ばしたり散髪したりしている?(演じている俳優さんの髪が伸びるからだろ、というツッコミはなしね。)常にビシッとオールバックなのは、おそらくモデルだと思われるアシモフの小説に出てくるヒューマノイドロボット「R.ダニール」の影響じゃないかと思う。この髪型と顔立ちのためか、古風できちんとした服装が大変よく似合うが(第126話の三つ揃いなど)24世紀のカジュアルは率直に言ってあんまり似合わない。正直いって、あのパジャマみたいな艦隊の制服も似合うとは言えないと思う。(まああの制服が似合う人はあんまりいないと思うが)<その他>楽器演奏・歌・絵画制作などについては、長くなるので後日書きます。
2015.01.16
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「新スタートレック」エンタープライズ号の士官、データ少佐。アンドロイドで生身の人間よりはるかに丈夫なため、きつい仕事を買って出るデータ少佐。労務管理や労働安全はどうなっているのかたいへん気になるデータ少佐。気の毒に、データ少佐はいろんな経緯でしょっちゅう昏倒しているので列挙してみる。(憑依されていたり操られていたり、故障で自分を失っていたりしたものは除いてあります。いずれ「データ少佐憑依リスト」も書く予定。)なお、昏倒の際の俳優ブレント・スパイナー氏の演技は特筆すべきもので、倒れ方もスイッチが切れたようにバターンと倒れる体を張った演技で大変。停止している時は目を開いたまま微動だにせず、人形かと思うほどで、意識を取り戻した時の起き上がり方がまたうまくて、予備動作まったく無しでいきなりピョコンと起き上がる。人間らしからぬ特徴が絶妙の演技で必見です。第3話。謎のウイルスで酩酊状態になって昏倒。第8話。宇宙生命体の端末にとりつかれて昏倒。第13話。兄のローアに一服盛られて昏倒。第35話。スイッチを切られて昏倒。第37話。宇宙人の遺跡のコンピュータを操作していてパネルから電撃が走り、昏倒。第50話。避難するよう説得に行った星で住民に撃たれて昏倒。 意識が戻った時のいきなり上半身を起こす動作や、手の指を動かして動作確認するしぐさが可愛い。第61話。「Q」がさらわれるのを止めようとして頭の回路がやられて昏倒。 後で、全能の生命体「Q」は感謝のしるしにデータに「笑い」を体験させる。 データの爆笑、という珍しい場面が見られる。第70話。誘拐される時に電流かなんか流されて昏倒。 気絶させられた時と同じ姿勢で固まったままソファに寝かされている様子がうまい。第105話。電流の絶縁体を買って出て、昏倒。さらにこの後、自分の頭の回路を使ってもらうため生首状態に。第106話。ゲームにとりつかれ正常でなくなったクルーにスイッチを切られて昏倒。第126話。異星人にタイムスリップさせられて昏倒。第127話。同じ異星人の攻撃で首が吹っ飛んで昏倒。 ラボで支柱に囲まれた装置の中に立って修理されるんだけど、回路がつながってハっ!と目を覚まして反射的に支柱につかまる動作が実にいい。第142話。謎の装置からの放電で昏倒。第168話。不時着(?)の事故で昏倒。そして住民に串刺しにされて(泣)昏倒。映画 「ファースト・コンタクト」強敵ボーグに捕らえられて昏倒。こんなに昏倒していてよく不調が起きないものだと心配になります。かわいそうに……。
2015.01.16
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『地上最後の刑事』を読んで、小惑星が地球に衝突するとしたら、どんな準備をしたらいいのか考えた。地上最後の刑事-【電子書籍】<個人として>まず、食料・水・衛生用品の備蓄をしよう。仕事の方は……私は人材育成とイベントごとが仕事なのできっと非常時にはどうでもいいと世間は思うだろうなあ。でも意外とそんな時こそ必要とされるかもしれない。必要とする人がいれば、『地上最後の刑事』みたいに仕事に行っちゃうだろうなあ。あ、でも自分のうちを守る方が優先かもしれない。子ども達は学校に通わせるか迷うところだ。だいたい学校が開くかどうかわからないね。開いているとしたら有志だけ残って運営しているかもしれない。<地球全体を見た場合どうすべきか>(1)わずかな人類が生き残る場合・まず、文明が崩壊したときのために原発をぜんぶ止めておかなきゃいけないね。 メンテナンスができなくなったら暴走してたいへんなことになるから、燃料棒もぜんぶ抜いて安全に(そんな方法があるならばだが)保管しておかないといけない。・文化的遺産や科学技術の情報を、どこか破壊されないところに保管して、生き残った人類がゆくゆくは利用できるようにしておきたい。・映画「ディープ・インパクト」みたいに地下壕か何か作って、限られた人員になるが避難させておく。現実的にはまったく公平な人選はできないだろうけど、方法は「倫理面はさておき、優生学的に選ぶ」「完全にくじ引きで選ぶ」の二つかなあ。(3)地球脱出が可能な場合(技術的に)ロバート・チャールズ・ウィルスンの『時間封鎖』みたいに、ある程度の人員を火星にでも移住させておく。創元SF文庫 SFウ9-3【11日スタート!限定クーポン配布中!】時間封鎖 上/ロバート・チャールズ・ウィルスン/茂木健【後払いOK】【2500円以上送料無料】『』【楽天ブックスならいつでも送料無料】時間封鎖(下) [ ロバート・チャールズ・ウィルソン ](2)人類は全滅、原始的生物だけ残る場合・やはり文化的遺産や科学技術の情報を、どこか破壊されないところに保管して、生き残った生物が進化して文明を持った場合に利用できるようにしておく。(4)地表は徹底的に破壊され、生命という生命は残らず絶滅する場合アーサー・C.クラーク&スティブン・バクスターの『過ぎ去りし日々の光』みたいに、原始的生物を保管しておく。さ 【中古】ライトノベル(文庫) 下)過ぎ去りし日々の光 / アーサー・C・ クラーク/スティーヴン・バクスター【10P10Jan15】【中古】afb『過ぎ去りし日々の光』ではクライマックスで、実は人類発祥よりはるか遠い太古の昔に、一度地球には初歩的文明を持った生物が進化していて、大絶滅を悟った彼らが生命の元を深海深く保管しておく、というくだりがあった。やっぱり荒唐無稽と言われようとも、宇宙開発はやめちゃだめですねえ。
2015.01.14
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「新スタートレックにはまったわけ」の続き。私がいかにスタートレックについて無知だったか。白状しよう。これが、とちめんぼうが昔想像していたデータ少佐である。おぼろげに知っていたことは、「ロボットの士官が出てくる」「名前はデータ少佐」というぐらい。たぶん、視覚デバイスをつけている別の士官「ジョーディ・ラ=フォージ」という登場人物と混同していたんだと思う。ジョーディはデータ少佐の親友でいつもいっしょにいるから何かで映像を見てまざったんだと思われる。↓ 画像の右のスキンヘッドの人が艦長。奥の黒人男性がジョーディ。【10%OFF】新品未開封【DVD】新スター・トレック シーズン6 トク選BOXパトリック・スチュワート [PPSU-109556]さて、とちめんぼうのデータ少佐歴。ロボット・人工知能に興味があり、関連書籍をちょくちょく読んでいた。その手の本にはしばしば「スタートレックのデータ少佐」というのが例に挙げられていて、名前だけは知っていたが、「何だそれ。なぜデータなんていう普通名詞が名前に?」と思っていたくらいだった。ひょんなことから昨年、スタートレックを観はじめた。もともとアシモフのロボットものに出てくるR.ダニール・オリヴォーのファンだったくらいだから、教養があり勇敢だが子どものように好奇心が強くイノセントなデータ少佐に完全にやられました。↓「新スタートレック」の映画「ジェネレーション」(映画通算第7作)を観る。データ少佐可愛い。↓「新スタートレック」の映画「ファーストコンタクト」(映画通算第7作)を観る。データ少佐可愛い。(そろそろ後戻りできなくなりつつある。)↓データ少佐もっと見たい。↓よし、DVDBOX買おう。【送料無料】【smtb-u】【中古】海外TVドラマDVD 新スター・トレック DVDコンプリート シーズン 7 コレクターズ・ボックス【10P10Jan15】【画】中古だけど、シーズン1~7まで一気買いした。通算178話。毎日1話ずつ見ても半年かかる。幸か不幸か、家庭の事情であまり旅行や遠出ができず休日も家で待機する状況がたまたま続いたので、秋から年末にかけて一気に見てしまった。エピソードは玉石混淆であるが、データ少佐はつねに可愛いし、演ずる役者ブレント・スパイナー氏がうまいので、すっかり気にいってしまった。ながらく放置していたブログを再開してのもデータ少佐のおかげである。データ少佐に感謝。
2015.01.14
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はじめは「スター・トレック イントゥ・ダークネス」だったんですけどね。【新品DVD】2013年公開の「イントゥ・ダークネス」は劇場では観ていません。SF好きな私なら観そうなものですが、「スタートレック」なんてまた随分古いものを。最近は何かとリメイクばやりだなあ。ぐらいに思っていました。だいたいSF好きの私が「スタートレック」に全く触れていなかったのが不思議なんですが、放映時期を調べたら納得。「スタートレック/宇宙大作戦」の放映時期が1969年~1974年「新スタートレック」はアメリカで1987年~1994年(wikipediaより)「宇宙大作戦」はテレビをあまり見せてもらえなかった子ども時代だし、「新」の方は、個人的にSFと少し離れていた時期、つまり自分のSF歴の中でちょうど谷間の時期だったんですな。かろうじて覚えているのが、映画第1作の記事が雑誌に載っていて、「主演女優が頭を丸坊主に!」「異星言語を創作。撮影時は英語で台詞を言い、口の動きに合わせてアフレコ用に異星言語を作ったので大変だった」という内容でした。【10%OFF】新品未開封【DVD】スター・トレック ディレクターズ・エディション 特別完全版(本編ディスクのみ)ウィリアム・シャトナー [PPB-102509]さて、2014年はPodcastやYoutubeで映画の評論を聴くようになりまして、「イントゥ・ダークネス」にも触れられていたので興味はわいていました。ある日友達が「雪風をハリウッドで実写化するなら主役はカンパーバッチがいいのでは」↓映画「イントゥ・ダークネス」に出てたなあ。見てみよう。↓前作(2009年版。映画通算第11作)を見て予習しよう↓その前にオリジナルの「宇宙大作戦」をまず観なくては↓「宇宙大作戦」の傑作選DVDをTUTAYAで借りて観る↓2009年リブート版↓「イントゥ・ダークネス」(映画通算第12作)↓「カーンの逆襲」(映画通算第2作)↓そういえば、私は人工知能やロボットの本を時々読むんだが、よく例に挙げられているデータ少佐って何者?↓「新スタートレック」というのに登場するのか。観てみよう。(この辺で引き返すべきだったのだ。)↓「新スタートレック」傑作選をTUTAYAで借りて観る。まずい。データ少佐に惚れそう。(続く)
2015.01.13
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先日書いたように、小惑星衝突を目前にした社会を舞台にしたミステリ『地上最後の刑事』を読んで、いろいろ考えた。SFでは小惑星が衝突する話は珍しくないが、たいていは衝突を防ごうとする科学者や軍人、政治家が主人公である。大状況を書こうとすると自体を把握している立場の人間を視点人物にしたいから、どうしてもそうなる。(具体例はのちほど)たとえ一般人の状況を描くとしても、あくまで作品にリアリティを持たせ読者をひきつけるために個人の視点がところどころに挿入されるにすぎない。ところが『地上最後の刑事』の興味深いところは、徹底して一個人の視点から描いているところだ。もちろん主人公は刑事という行政側の人間であり、市井の一般人よりは情報を得やすい立場にいる。しかしそれは例えば、警察内で組織改編があり「小惑星衝突地点の公式発表は4月9日だが、上の方はとっくに知っているからだろう」という程度の情報にすぎない。あくまで私の乏しい読書体験の中だが、一個人の視点から社会の崩壊をこれほどつぶさに描いた作品はなかったように思う。すばらしい。では、これを読みに来る方などは先刻ご承知だと思うが、小惑星が衝突するSFを思い出すままにご紹介。<小説>『悪魔のハンマー』未読だが、たしか彗星が衝突する話。《早川書房ハヤカワ文庫SF》ラリイ・ニーヴン/ジェリイ・パーネル 岡部宏之訳悪魔のハンマー 揃 【中古】afb『シヴァ神降臨』シヴァ神はもちろん破壊と創造の神。宇宙船を打ち上げて核爆発で隕石の進路を変えようとする。《ハヤカワSF文庫》グレゴリイ・ベンフォード&ウィリアム.ロツラー 山高昭訳シヴァ神降臨 揃 【中古】afb『神の鉄槌』意外にも、晩年のアーサー・C.クラークが書いた小惑星衝突SF。出てくる人工知能がとてもいい奴。【中古】 神の鉄槌 ハヤカワ文庫SF/アーサー・C.クラーク(著者),小隅黎(訳者),岡田靖史(訳者) 【中古】afb映画では、未見だけど古典的名作「妖星ゴラス」_【中古】【特撮DVD】妖星ゴラス「メテオ」これも未見だけど。【税込み】【3500円以上で送料無料】【レンタル落ち中古DVD】メテオ 超巨大隕石激突 /ビリー・キャンベル【字幕・吹き替え】最近の作品ではもちろん「ディープ・インパクト」これは割と『地上最後の刑事』に描き方が近いように思う。衝突をどう防ぐかよりも、さまざまな登場人物の破局前の行動を克明に追っている。 【新品】【洋画】ディープ・インパクト(DVD)爆笑の迷作「アルマゲドン」 【新品】【洋画】アルマゲドン(DVD)こんなところかなあ。本当に小惑星が衝突するなら自分はどう行動するだろう。世界はどうしたらいいんだろう。後日また書きます。
2015.01.11
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『地上最後の刑事』早川書房から去年でたミステリです。週刊紙などでも紹介されていました。いやあとんでもない傑作でした。「小惑星が半年後に地球に衝突し、人類は滅亡する」という小説や映画でしばしば描かれてきた状況と、「地道殺人事件の捜査を進める刑事」というオーソドックスな話を組み合わせるとこんなに魅力的な話になるとは。主人公の刑事の使命感と、よく考察され練り込まれた背景の社会状況が異様な迫力を生み出している。私はミステリにまったく詳しくなくて、ミステリとしてのレビューはできないので、SFファンとして読んで思ったことを書く。第一作『地上最後の刑事』。版元は品切れみたいだけど電子書籍で買えるね。地上最後の刑事-【電子書籍】地球滅亡を目前にしながらも、刑事に昇進した主人公ヘンリー・パレスは強い職業意識をもって事件の捜査にあたる。続編の第二作『カウントダウン・シティ』こちらは紙の本で買えた。第一作の事件の後、捜査課が廃止されて退職し、市井の人となった主人公パレスは人捜しを頼まれる。本屋にこっちが先に届いたので私はまちがえて第二作を先に読んでしまったが、とぢらから読んでも十分面白い。さて、小惑星の衝突を扱うだけあって、作者は実はかなりのSF好きとみた。『地上最後の刑事』の中のSFネタを紹介するよ。<作中、人気映画として登場する架空作品「淡い輝きのかなた」>崩壊しかけた社会でも、映画館であるSF映画が定期的に上映されている。、実は登場人物がこの映画を観に行った件が謎解きの鍵になってるんだが、内容が社会状況を思うと泣かせる。毎週30分の映画ということは、テレビ放送もすでに消滅しているからなんだろうな~。タイトルは「淡い輝きのかなた」といい、22世紀、女性艦長の指揮する宇宙船が(「スタートレック」好きの人なら、ちょっと似たシチュエーションの「スタートレック・ヴォイジャー」を思い出さずにはいられないだろう。)第3章「SFシリーズの『淡い輝きのかなた』は、クリスマス以降、第ヒット映画なみに、毎週、三十分の新作が公開されている。(中略)銀河間を飛行する宇宙戦艦<ジョン・アダムズ>を中心とする物語だ。艦長のアメリー・チェノウェス提督を演じるクリスティン・ダラスという美人女優が、脚本と演出も担当している。<ジョン・アダムズ>は、2145年ごろに、かなたの宇宙に到達する予定だ。もちろん、その物語の奥からは、なんとかしてだれかが生き残り、繁栄し、宇宙で人類が復活するというテーマが、頭部を一撃するかのごとく雄弁に伝わってくる。」う~っ、泣けるじゃありませんか。フィクションにも希望を見いだしたい人々。フィクションで希望を与えたい人々。ちなみに主人公は「あんまり好きにはなれなかった」だそうだ。<『ロード・オブ・ザ・リング』やマーベルコミックス>第1部(被害者の)「ここ三ヶ月以内の日付の映画館の半券からすると、彼は、青くさい冒険映画を好んでいた。」「『ロード・オブ・ザ・リング』のリバイバル上映。SFの『淡い輝きのかなた』シリーズ二話分。フックセットにあるIMAXシアターで、DC対マーベルのスーパーヒーローもの。」旦那もなかなかお好きですなあ、といいたくなるようなラインナップである。もちろん作者は青くさいと思ってないと思う。主人公の刑事が冒険映画を好まない設定なんだろう。<『エンダーのゲーム』>第2部。主人公がティーンエイジャー時代を回想する。「友人達が(中略)ボックス席に滑りこんでくるのを、ペ-パーバック版『エンダーのゲーム』を読みながら待っている」「どうしてかはわからない。ただ、全然興味が持てなかった。」作者、けっこうSFは知っているように思えるのだが、主人公には「興味がもてない」と言わせている。ほんとに嫌いなのかな?それとも同族嫌悪?<『渚にて』>第4章。図書館のお勧めの本コーナー(”死ぬ前に読んでおきたい本”!!)に誰かがいたずらして『渚にて』を差し込んであるというブラックジョーク。<ジュール・ベルヌ>第4章。主人公が元彼女に暗に伝言をする場面。「パレスが、ジュール・ベルヌの月ロケット発射話のからくりを全部知りたがっていると言ってくれ。」<エピローグの一件>泣かせるエピソードがあります。地球滅亡がわかったらどういう行動に出るか?楽しみを減ずるので書きませんが、SFファンとしてツボに入りました。『過ぎ去りにし日々の光』(クラーク&バクスター)の、とある記述や、新スタートレックのとあるエピソードを思い出したことだけ書いておく。あと、SFじゃないけど第3章で言及されるディラン・トマスの詩というのは、映画「インターステラー」でも出てきたこれだよね、たぶん。Do not go gentle into that good night,Old age should burn and rave at close of day;Rage, rage against the dying of the light.「あの心地よい夜の中へ、従容と入って行ってはいけない。老人よ、燃え上がり、荒れ狂え、人生の日暮れに。怒れ、怒れ。死にゆく光に逆らって。」(とちめんぼう訳なので間違ってるかも)というわけで二作品ともおすすめです!
2015.01.11
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やっと観てきました、「6才のボクが大人になるまで」。イーサン・ホークを父親役、パトリシア・アークエットを母親役、エラー・コルトレーン君という6才の子役を息子役にして、18才までの成長と巣立ちを淡々と描いた映画。毎年夏休みに俳優とスタッフが集まり、物語の結末は厳密に決めずに撮影していった由。奇跡のような作品です。(同じ俳優を期間をおいて続編に出演させる作品としては、有名なトリュフォーの「大人は判ってくれない」に続くシリーズなどいくつかありますが、私は不勉強にして未見です。)感想をいくつか書くと、・主人公の母親が大学に入り直して教わった教授と結婚するのだが実は彼はアル中DV男で、何年も辛抱するがついに離婚。そんな苦労の中でも母親は念願かなってカレッジの先生になるのだが、授業の仕方、ギャグの入れ方が別れた夫の授業とそっくりなのが面白かった。・12年前のチャーリー・セクストンと渋い中年になったチャーリー・セクストンが出ていてびっくり。・リベラルなはずの実父が再婚したのがガチガチの南部の家庭の娘で、思想的にぶつからないかと心配になる。嫁さんの父母は娘の婿の実子(ややこしいな)の訪問も孫同様に暖かく迎えてくれるのだが、プレゼントが銃と教会に行くためのスーツ。やっぱり南部。まあ、詳しい解説やレビューは大勢の人がしていると思うので、SFファンとして思わず聞き耳を立ててしまった場面をいくつか紹介します。母と離婚した父との面会日、主人公の少年メイソンがキャンプに行く。(撮影は10年ぐらい前)父親と、「スター・ウォーズ」の続編はどうなるかと議論する。童心を失わない、なかなかいい父ちゃんじゃないか!中学生になった主人公。級友としゃべりながら歩く場面で、別の級友か何かの名前をあげて「あいつは『ダークナイト』や『トロピック・サンダー』の良さがわからないんだ。」そして主人公が読んでいる本を聞かれて「『チャンピオンたちの朝食』」いやあ、メイソン君、なかなかいい趣味をしているじゃないですか。高校生になった主人公、彼女とドライブ。車内で冗談で「ロボットより人間の方がコストが安い。修理もいらないし自分で繁殖する」みたいな話をしていた。いやあ、なかなかSFマインドをお持ちじゃないですか。チャンピオンたちの朝食 -【電子書籍】
2015.01.10
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わたくしごとで恐縮だが(まあ日記だからわたくしごとしか書かないわけだが)娘が小さい頃、保育園で衣服を分類していた様子を保育士さんからきいたことがある。保育士さんは笑いながら「○○ちゃんったら、かばんに詰めてある着替えを、『(暖色系の服を)これ、かわいいふく』『(寒色・モノトーンの服を)これ、かわいくないふく』って分けてるんですよ~(笑)」と教えてくれて、ああすでに男女のファッションのステレオタイプに毒されておるわい、と思ったんだが、現在は「モノトーンが好き!」とジェンダーフリーに育っているのはまずますめでたいことである。さて、服の話ではなくて、ロボットの話をしようと思ったのだった。私が可愛いと思うロボット(アンドロイドは体を持たない人工知能含む)と可愛いと思えないロボットは何が違うのか、ちょっと整理してみようと思ったんである。以下、順不同で分類してみます。<可愛い>(ヒューマノイド)R.ダニール(『鋼鉄都市』など)データ少佐(「新スタートレック」)クエスター(「人造人間クエスター」)デイヴィッド(「プロメテウス」)R.サミー(映画「アイ,ロボット」)(ヒューマノイドではないが体を持つ)TARS(「インターステラー」)タチコマ(『攻殻機動隊S.A.C.』)フチコマ(『攻殻機動隊』原作)FRX-99レイフ(戦闘妖精雪風続編『グッドラック』『アンブロークンアロー』)無人戦闘機エディ(映画「ステルス」)ジョニー(映画「ショート・サーキット」)<体は持たない、というか宇宙船や施設全体が自分の体>HAL9000(「2001年宇宙の旅」「2010年」)イアソン(『ゴールデン・フリース』)スパルタクス(『未来の二つの顔』)<特に可愛いいとは思わない>(不細工とか憎らしいという意味ではないし、それなりに敬意をはらうべきと思っています。)ベイマックスフロンティアセッターアナライザーC-3POR2-D2デイヴィッド(映画「A.I.」)こうやって並べてみたら何となく自分の好みがわかった。(1) 狙って可愛い外見にしているロボットは苦手。むしろ体はなくてもいいし戦闘機や直方体でもいい。(2) 好奇心が強いロボットは可愛い。(3) 人間に奉仕する意欲満々のロボットは犬的で可愛い。(4) 人間に敵対するにしても確固たる意志がある、または個人を傷つけても長い目で見ると人類のためになる行動をとっているロボットはえらい。(5) どこか不器用でイノセントなところがあると可愛い。う~ん、(3)~(5)なんか特に、自分の内なる差別意識が現れていて自己嫌悪だなあ。ベイマックスはもう、「どうだ、可愛いだろう」と言わんばかりの外見に辟易してしまう。映画は面白かったけど。ショート・サーキットのジョニー5が可愛いのに、フロンティアセッター君をなぜ可愛いと思わないのか不思議だ。たぶん狙ってかわいらしくしているように見えちゃうからだと思う。でもそれならジョニーも同じなのになあ……。【新品DVD】【5000円以上送料無料】ショート・サーキット HDニューマスター・エディション[DVD]/スティーヴ・グッテンバーグ[新品]「プロメテウス」のデイヴィッドなんて人間に対してひどいことをしてますが、あれは好奇心のなせるわざで、許してあげたいと思う。特に星図の立体映像を起動させうっとりと眺めるところなんて、人間よりも宇宙探求の意欲を感じて魅力的だ。別にマイケル・ファスベンダーが男前だからではありません。「人造人間クエスター」は人間に近付きたい切実さがけなげ。なお、「ナイトライダー」のKITT君や、石ノ森章太郎の「ロボット刑事」「キカイダー」が入ってないじゃないか!というお声もいただきそうですが、実は観たことがなく読んだことがないのです……。うちのTARS。(ペーパークラフト)まあ、結局データ少佐の可愛さに勝るものはないのですがね。
2015.01.09
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「楽園追放」では人工知能が人類の後継者として宇宙探査を託される。「2001年宇宙の旅」では人類と人工知能が戦い、人類が勝って進化の次のステージに上る。「インターステラー」では人類が遙か未来の人類の助けで宇宙に広がり進化する。人工知能はあくまでその手助けをする。ちなみに「2001年……」の続編「2010年」では人工知能も進化の次のステージに招き入れられる。「2010年」については昔、先輩が「クラークは『2010年』で人類は進化しなくてもいいと言っている」という意味のことを何かで書いていたのがすごく印象に残っていて、「楽園追放」「インターステラー」も人類は進化しているのかいないのかと考えさせられた。(なお、映画はキューブリックの考えが色濃く反映されていて、クラークの意図するところとは微妙に違う)【新品】2001年宇宙の旅 [Blu-ray] 【新品】【書籍・コミック 文庫活字】2001年宇宙の旅 【新品】【書籍・コミック 文庫活字】2010年宇宙の旅以下ネタバレにつき反転。「インターステラー」では滅びかけている地球に手をさしのべたのが実ははるか未来の人類の末裔、ということになっていて、高次元もあやつる力を手に入れているし、ラストで人類が宇宙に広がっていくことを示唆して終わるので人類が進化の次のステージに向かうという解釈でいいんだろう。でも「家に帰る」というのがキーワードになっているので家族愛のレベルに回収されてしまっている印象も受けた。(ラストシーンでヒロインアメリアが基地に向かって歩いていくんだが、基地には暖かな明かりがともされていて、まるでアメリカ南部の農場で夕暮れ時なつかしの我が家に帰って行くような画面になっている)「楽園追放」では電脳世界に出自を持つヒロインが地上の暮らしにほだされて宇宙船に(人格データとして)乗り込まずに地球に残ることを選ぶ。そして地上出身の男が人工知能に「おまえたちを人類の後継者と考えてもいいんじゃないか」と言って送り出す。エンドロールの後に、電脳世界ディーヴァで今まで以上に管理と締め付けが厳しくなることを思わせる場面があり、電脳世界の人類はおそらく進化の袋小路に陥ることが暗示される。人類の進化は期待せず未来を人工知能に託すとは、究極のニヒリズムといってもいい。(もちろん地上のたくましい生身の人間達が進化に向かうのかもしれないが。)深宇宙へ向かうのと地上に残るのと、どちらに魅力を感じるか。ヒロインは地上で生身の暮らしをすることに魅力を感じたようだが、こちらも袋小路といえないこともない。話がそれて恐縮だが、先日読んだ『今日から地球人』という小説にも似たような物足りなさを覚えた。地球人よりはるかに高い能力を持った宇宙人が地球人の男性になりすますのだが、地球の芸術・文化・人々に惹かれてしまい、とうとう宇宙人の立場と能力を捨てる。感動的な終わり方をするのだが、「非人間的な高次の存在よりも身近な幸せを選ぶ」というのに何か閉塞感も感じた。【楽天ブックスならいつでも送料無料】今日から地球人 [ マット・ヘイグ ]「やっぱり地球が一番だよ!」という感じで、なんか「地元が一番!」といって半径数キロメートルから出たがらない人みたいである。というわけで、フロンティアセッター君にはがんばってもらいたいのである。
2015.01.09
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映画「楽園追放」を見て連想した作品を紹介します。映画を作った人たちが読んでいるという根拠はないんですが、きっとこういう種類の作品を読んできて血肉になっているから映画に反映されているんだろうと思います。「楽園追放」を観たかたは下に紹介した小説もぜひ!物語では「ナノ・ハザード」と呼ばれる災厄で地球文明が崩壊した設定になっていて、たぶん増殖するナノマシンが暴走するか何かしたのだろう。連想したのは『終末のプロメテウス』と『天使墜落』という小説。『終末のプロメテウス』〈上・下〉【中古】 終末のプロメテウス(上) ハヤカワ文庫SF/ケヴィン・J.アンダースン(著者),ダグ・ビースン(著者),内田昌之(訳者) 【中古】afb 【中古】 終末のプロメテウス(下) ハヤカワ文庫SF/ケヴィン・J.アンダースン(著者),ダグ・ビースン(著者),内田昌之(訳者) 【中古】afb内容を紹介すると「楽園追放」のネタバレになってしまうので下げておきます。『終末のプロメテウス』の上巻は帯の惹句に「バイオ・サスペンス」とあるのでパニックものかと思いきや、石油製品を喰うバクテリアによって地球文明が崩壊するポスト・アポカリプスもの。プラスチックや石油を材料にしたオイルが全く使えない世界で、汚染されずに残っていた衛星を打ち上げようと涙ぐましい努力をする人々の物語と、「ウッドストック」を思わせるイベントを催そうとする話が並行して描かれる。『天使墜落』 (上・下) (創元推理文庫SF) 【中古】 天使墜落(下) 創元SF文庫/ラリー・ニーヴン(著者),ジェリー・パーネル(著者),マイクル・フリン(著者),浅井修(訳者) 【中古】afbこちらも文明が崩壊した地球が舞台で、軌道上のステーションで生き延びている人々のうち二人が事故で地球に墜落する。地球の人々は環境破壊の原因だとして科学とSFを憎悪しているため墜落した二人の身元がしれるとどんな目にあうかわからない。そこで地下活動をしていた(笑)SFファンたち(!)が二人をステーションに打ち上げようと奮闘する話。人間をデータにして保存しておく話は新しいところではグレッグ・イーガンの作品が有名だけど、やはりなんといっても『都市と星』ですね。【送料無料】 都市と星 ハヤカワ文庫SF / アーサー・チャールズ・クラーク 【文庫】はるか未来、銀河帝国の崩壊から生き残った人々はダイアスパーという都市にデータとして保存され、復活して肉体を得て人生を送り、またデータとして眠りにつくことを繰り返している。一方、都市の外には素朴な暮らしをする人々がいた。グレッグ・イーガン『順列都市』順列都市 上 ハヤカワ文庫 / グレッグ イーガン 【文庫】これも、人間が「ある場所」にデータとして記録されていてその世界の中で暮らしている話。「楽園追放」では向上心や社会への貢献がないと人格データが凍結されるらしいが、『順列都市』の世界(前半のリアル世界)ではお金のある人は死んでデータ化されても遺族とリアルタイムで話せるが、お金のない人たちはコンピュータのメモリを買えないため、ものすごくタイムラグのある会話しかできない、という設定が面白いし風刺的だった。最後はあっと驚く展開になりますが、それはまた別の話。蛇足。作品中でちょっと気になったところ。爆発で「電磁パルス」が出たって言ってたけど宇宙空間で核兵器を使うのは現在は条約違反。近未来には条約も無効になってるのか、電磁パルスを発する専用の兵器なのかもしれない。 VLS(垂直発射装置)からミサイルを発射した時、排気が出ていたけど、宇宙空間でも出るの?それともわかったうえで「お約束」としてやってるのかも。
2015.01.08
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アニメ映画「楽園追放」はたいへん充実した力作だった。アンテナをはっていなかったので製作も公開も教えてもらったんだけれども、勧めてくれた友人に感謝。さて、原作・脚本・監督は今までの映画・アニメ・小説・マンガを蓄積して育ってきた世代なのだろう、良くも悪くもどこかで見た風景が満載だった。いわば過去の作品の本歌取り。登場人物や舞台が類型的なのも最小限の説明で設定を飲み込ませるには効果的な工夫で、尺が限られているからある程度できあがったわかりやすい設定に物語を載せた方が効率良く観客にわからせることができる。(惜しむらくは長台詞が多いがこれも上映時間の制約があるから絵でなく台詞で説明するのはやむをえないだろう。)と思ったら、脚本の虚淵玄が影響を受けたSFの短篇を集めた本があったので早速買う。なるほどと思わせられるセレクション。『楽園追放rewired』ハヤカワ文庫 JA 1172【後払いOK】【1000円以上送料無料】楽園追放rewired サイバーパンクSF傑作選/虚淵玄/大森望さて、下敷きになっている作品は、「楽園追放」を観に行くような方は先刻ご承知と思うが、気がついたところだけいくつか。災厄のあと文明が崩壊した地球の様子はマッドマックスを思わせるし、「サンドワーム」はフランク・ハーバートの『デューン 砂の惑星』シリーズに登場する虫。ヒロインが乗るロボットの変型の様子はトランスフォーマーに似てるし、乗り込むタイプのロボットという点でいろいろなロボットに似てるが、私はロボットアニメに詳しくないのでよくわからない。(ともかくこういう乗り物のご先祖様はハインライン『宇宙の戦士』)軌道上の電脳世界「ディーヴァ」の意味は女神、ヒロインが報告するとき周りにいるのは、左側の黄色いゾウがヒンドゥー教の神ガネーシャ、中央がギリシャ神話のゼウスか誰か。右側が仁王様(金剛力士像)。各国の神という趣旨と思われる。 ヒロインの名前アンジェラは”angela”=”angel 、バルザックは人間の諸相を描いた『人間喜劇』の著者、バルザック。つまりアンジェラは堕天使かつ人間代表。アンジェラのせりふ「(軌道上の電脳世界にいたとき)私はガンマ線バーストも見た」は、映画「ブレードランナー」のロイ・バッティのせりふ゛I've seen things you people wouldn't believe. Attack ships on fire off the shoulder of Orion. I've watched C-beams glitter in the dark near the Tannhauser Gate. " へのオマージュだろう。アンジェラが食べる麺類(?)もたぶんオマージュ。「フロンティアセッター」の造形、あの一つ目を見るとどうしても「2001年宇宙の旅」のHAL9000を思い出す。というわけで「あ、これはこの作品が下敷きだな」と懐かしく思い出すので見ていてたいへん楽しい。次回は、ネタバレも含む話と、下敷きになっている作品というのではなくて自分が見ていて連想した作品の紹介をします。
2015.01.07
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