トカトントン 2.1

トカトントン 2.1

2007/10/21
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カテゴリ: 読書
sekaiseihuku

■だから、ただの遊び半分で世界を征服しようと思っても、方法はともあれ、それが成し遂げられた後のビジョンが明確になければ、なんの感慨も浮かばぬ代物になってしまうわけだ。

■それは復讐なのだろうか。今まで散々自分をバカにしてきた周りの者にギャフンと言わせてみたい。自分なんか相手にしてくれなかった多くの女の人たちをひれ伏せてみせたい。今まで自分には手が届かなかった色んなモノをこの手でつかんでみたい。物欲、色欲、支配欲。

■アレクサンダー大王、織田信長、シーザー、ヒトラー、ムッソリーニ、レーニン、金正日、ブッシュ・・・。小さい小さい。なぜなら、彼らは自らの国を治めたに過ぎない。世界征服とはこの地球をまるごと支配して初めて成し遂げられる栄誉である。

■そのためにはまず世界統一言語が必要になるじゃないか。いつまでたっても「オレ様」なんて自分のことを呼んでいても始まらない。この地球に住む人間が全て同じ教育レベルで同じ言語感覚を修得しなければならないわけだ。そして支配者は自分の考えを彼ら全てに浸透させなければならない。ルールも作らなければならない。治安警察も作らなければならない。それらの管轄は全て自分が行わなければならない。

■なんか、世界征服って、とてつもなく面倒くさいじゃないか。そもそもわたしは悪者だったはずなのだが、やろうと思っていることは世界人民に対する教育活動だったりするところが変だ。ちぇ、独裁者なんてちっとも、面白くもない。誰が反乱を起こすか心配で夜も眠れず、明日やること、明後日やること、来週やることは分刻みで決まっていて、くつろぐ余裕なんてちっともない。

■本書でも横山光輝の「バビル2世」に登場するヨミ様が夜も眠れず段々と弱っていく様が紹介されていたけど、世界征服を成し遂げた後の苦労話は征服者の数だけ存在するんだと思う。(昨日見た映画でもヒトラーはいつ寝ていたのかわからなかった)

■仮面ライダー、ヤッターマン、北斗の拳、宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダム、ドラゴンボール、などなど。引用される漫画は多数。そこで登場してきた様々な悪者のパターンを分析して、真の世界征服者たるものは誰、という切り口はさすがに面白い。多くの原作からの引用画面もよく許可取れましたねというぐらいすごい。なかでも”ヨミさますごろく”は傑作。

■最後に自分はどの支配者タイプにあてはまるのか考えてみたが、自分大好き、贅沢大好きの「王様タイプ」だと思う。何万人もの歓声をバルコニーから見下ろして自分に酔いたいタイプ。別名「バカ殿様型」と呼ばれるタイプなんだそうだ。





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Last updated  2007/10/21 09:10:39 PM
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ミリオン@ Re:「北の国から」を友達にすすめてみる(01/02) こんばんは。 嬉しいです。頑張って下さい…
Dehe@ Re[1]:カルトQ 2005 北の国から(10/18) adventさんへ ご指摘の通りです。例によ…
advent@ Re:カルトQ 2005 北の国から(10/18) 五郎が読んだ大江健三郎> 開口健ではなく…
しょうゆ@ Re:家庭教師 / 岡村靖幸(09/09) …最後まで岡村靖幸はわからなかったのでは…
背番号のないエース0829 @ Re:ヒトラー 映画〈ジョジョ・ラビット〉に上記の内容…
Dehe @ Re[1]:センチメンタル通り / はちみつぱい(04/17) Mr.Zokuさんへ 情報ありがとうございまし…

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