四季の太陽




アルフォンス・ミュシャの「四季」を知っているだろうか?
もしくは、「一日の時の流れ」でもいい。
イメージしやすいようにと挙げたまでなので、わからなくてもかまわないが。



クロノスで、「四季の太陽」に出合った。

「春の太陽」は、穏やかだ。
暖かく包み込むような陽射し。優しい眼差し。
その愛情の元で育まれた草木は、灼々たる花を咲かせ、有賁たる実を成し、
葉は蓁々として、愛を全身で表すだろう。

「夏の太陽」は、激しい。
眩しすぎる輝き。残酷なほどの灼熱。
跳ね返った己が苛烈な光に射られ、身を焦がそうとも、
その力強い光で虫たちは目覚め、ちっぽけな羽で空に飛び立つだろう。

「秋の太陽」は、深淵だ。
豊穣を祝福する貌。物憂げな横顔。
野山の彩りを照らすその木洩れ日のもと、小さき獣は陽気に騒ぎ、蓄え、
長く伸びる影の中に、何かを見い出すことだろう。

「冬の太陽」は、遠い。
かそけし一筋の光。厚い雲の彼方にあっても感じる存在。
かつて遍く投げかけられた光を、鳥たちは忘れられず、
やがて巡り合うのを夢見て、歌い続けるだろう。

親しい人間なら他にもいる。いい人、魅力的な人も大陸にはたくさんいる。
それでも、これほど何かを放っている人はそうそういない。
少なくとも、自分は知らない。



この「四季の太陽」がそれぞれ誰かわかっても、掲示板でそれに触れるという
無粋なマネはしないで欲しい。
それは、そっと貴方の胸に秘めておいて。
もし、どうしても確かめたくなったのなら、こっそり私書箱に送ってください。

ちなみに、春の方はO-CHAのことを「小川のせせらぎ」と評してくれました。


© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: