とねりのテケテケノベル

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第6話

「ま、とにかく俺たちはこの新たな戦いに備えなければならないわけだ。それで、ジークお前に軍事会議に参加してもらいたい。これからの国の方針を決める重大な会議だ」
「待ってくれよ!俺は、ただの学生だぜ、その会議にでる資格はないだろう?」

 まあ、詳しくは会議で話すが・・・。まあ、とにかくついて来い。」
 半ば強引に俺は大会議場に連れて行かれた。



 この会議には首脳陣たちが揃っていた。政事総裁のキョウ=フロイト、軍事総裁のウェルス=クライフ、皇帝後見職のロイ=ヒョードルがいた。

 この俺たちの国は百を超える国々を束ねる宋国である。一国独裁ではなく、俺たちの国主導の共和国制国家である。そのため、俺たちの国の重要なポストには多々他国の王や将軍などが就く。

 キョウ=フロイトは、コモナの国の若き王。ウェルス=クライフは、何を隠そう俺の兄貴である。才能以上に容姿まで似てないときている、本当に兄弟か、と思う時さえある。そして、ロイ=ヒョードルは、「武のクライフ家、政のヒョードル家」といわれ、うちと同じくらいの歴史ある名家である。

 年は、おれの10以上うえで俺の兄貴の同期で非常に仲が良い。よく家に来ていた記憶がある。



 「さあ、それでは今日の議題について話させていただく。」口火を切ったのが議長役でもあるキョウであった。俺からすればひどく気だるい話の幕開けと言ったところか。


 「今回、我が帝国は重大な局面に瀕している。この局面をどう打破しなければいけないか。私は、もう軍事征伐しかないであろうと思う。どう、思われますかな、みなさん?」

 「うーむ、たしかに。しかし、私の軍隊を含め実戦経験のものはほとんど・・・。軍編成という観点からしても非常に難しい局面を迎えてると思います。」兄貴は、冷静に現状を述べた。

 この発言のあとに少しの沈黙があった。
 「が、しかし、やらねばならぬであろう。皇帝、出兵のご許可を!」ロイが言った。「しかし、どこに出兵するのだ?」間髪いれずキョウが聞く。
 「ここは、今四方八方敵に囲まれてる。どこを叩くんだ?」
 「北、西、南に限っていえばけん制の軍を10万ずつだせば問題はない。問題は東のロザン国だ。

 あそこは、非常に攻めづらい環境だ。兵力もかなりある。そして、あの猛将ランクス将軍がいる。だから、俺とキョウとウェルスで30万で攻めれば間違いなく攻め落とせるでしょう。それでも国には5万の最強の近衛兵が残ります。いかかでしょうか陛下?」

 「元老院は大丈夫か?」ファウルスは思い出したようにいった。
「全く問題ありません。」きっぱりとロイは言い切った。


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