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「アジア金融システムの経済学」宿輪先生のゼミ　その２

カテゴリ：ＴＡＫＥ　ＮＯＴＥ！！

今月も「アジア金融システムの経済学」宿輪先生のゼミに出てきました。
http://www.shukuwa.jp/

（前回はここ）

今日は特別講師、東京大学大学院工学系研究科　宮田秀明先生がゲスト講師でした。
miyata

（なんか、ちょっとイイ男！ですねえ！）
研究室の公式ホームページ
日経ビジネスでの特集

私が聞けたのは後半からでした。

とりあえずメモをそのままアップします。

■プロジェクトについて

プロジェクトを成功させるのは、マネージメント、お金、チームワークである。

「サッカー日本代表を破綻させた“構想力”の欠如」という記事を書いたら、普段３万人読んでいて３人とかしかコメントこないのに、２７人とかアクセスにきた。

しかし、勝負の世界（世界のトップレベル）とはそういうもの。

世界のトップレベルで、１％違っていたら絶対に勝てない。国の仕事は途中でほったらかしたり、大学なら研究だけで住むということがあるかもしれないが、私たちは、アーキテクチャーとして（そのトップレベルと競う）そこまでいかなければならない。

難しい状況での全体最適化、妥協しなければならない時、いろいろある。スパイラル方式で、ためしながら進むなど色々あるが、設計では選択を迫られた時、どちらが大切かを間違えたら大変なことになる。

重要なことの一つに、シュミレーションがある。これはモンテカルロシュミレーションみたいな単純なものじゃない。設計の場では、まさにバーチャルリアリティ。
最後は勝てるか勝てないかをシュミレーションする。それには統計データが必要。

ヨットのセーリングレースの船を作った時、日本のチームは最弱で練習もろくにできないので、３％他国より船のレベルを上にしたかった。

しかし、各々の部品のレベルが他国より１％づつ上だとしても、線形的に足し算で３％上ということにはならない。それが全体最適化が必要な理由。

企業も同じ。全体のパフォーマンスで判断する。やさしい経営ならそれぞれが良くやっていれば住むかもしれないが、厳しい競争ではそうならない。
設計と経営は良く似ている。

上記の船のような難しい仕事をしてわかったのは、常にプロジェクト思考にしないと勝てない。１位を目指さないと勝てない。

それから企業は、人が育たないで勝てるということは絶対ない。

あの時、外国の設計者で３００万ドル年収の人が自分の船をみて、
「これ絶対間違いだよ」と言った。でも私は、自分があっていると知っていた。彼にはわからない、これは自分の勝ちだ。
イタリアの船とかみて、悪いところが自分にはわかった。設計で自分で悪いところがわかったものは絶対ダメ。

以前、高速道路で、１０００億（？）かけて２車線から３車線にしてみて、これは役に立ったのかという問い合わせがあってシュミレーションした。珍しい仕事だった。現在の交通量を過去の道路で計算する。結果、全く一台あたりの車が出せる速度に変化がないことがわかった。これは無駄だった。
現在はこうやってシュミレーションで出せる。だから事前にシュミレーションしてから第２東名作ると決めればいいのに、１２兆円。しかも評論家とか作家とか出てきて評議会作って感情論まで出てきている。ただきちんと分析すればいいのだ。

電力で設計の仕事した時、ウエザーニュースが船舶へのニュースを配信している。
それで船舶にそっちにいくと湿気てるとか、判断していた。
違う仕事をした人は新しいことにチャレンジした人の能力は、革新的に成長していく。変化というのはすごく重要。
５年ごとに新しい仕事に挑戦するのは成長の基本的なメカニズム。

人材がダメになっていったら企業はどんどん衰退していく。一度そうなったらどんなに頑張ってもダメ。
GMは経営者はすばらしいかもしれないけど、技術者がダメだから、ゴーンさんはやめたほうがいい。ゴーンが日産で成功したのは、もともと日産には優秀な人材がいたから。

サムスンとかGEとか経営が非常にしっかりしてるところは、人材に拘っている。

トヨタは、本当にプロジェクト思考で、技術重視。だから強い。
２０万人もいる会社が、社長がいいから良いということはありえない。
自立分散的な会社が成長する。３５歳のトヨタの社員はものすごく優秀だろう。

こんなような話でした。いちいち、会社のウエの人たちに聞かせたい言葉でした。

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