お義父さん80歳。お義母さん79歳。同居生活18年。
人間、年をとると、暑いとか寒いとかいう感覚がわからなくなる。
というか、感じ方が鈍くなるらしい。
というのを知ったのは、ここ数年のことで、わりと最近だ。
お義母さんは、ちょっと前から、やたらと「寒気がするのよね。」を繰り返していた。
「風邪かね?」とか「熱は?」とか聞いても、そういうのじゃないという。
で、夕方、「調子はどう?」と聞けば「何が?」と言う。
すでに忘れているらしい。
「寒気がしたんじゃないの?」
と聞くと、
「あぁ、あれは寒気じゃなくて、今日が寒かったんでしょうね。」
とか言う。
は?寒いのか、寒気なのかがわからないなんてことある??
と思うのだけれど、実際、あるのだから仕方がない。
そういうものらしい。
そんなわけで、
「今日はやたら暑い。私、熱でもあるんかな?」
と言いながら、気温30度の日に、長袖に毛糸のベストを着ていたり。
(おまけに、その格好は暑いと思うよ、と言っても聞かない)
その気温30度の日にクーラーをかけたら、
「お父さんは、よくこんな寒い部屋にいられるね。」
とか言いながら、クーラーを切って、部屋を熱帯地獄にしたりする。
お年寄りが熱中症でなくなる、というのはこういうことなのかと思う今日このごろ。