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2005年01月05日
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カテゴリ: 本、マンガ
 「復活の儀式」(上下/T・E・クライン/創元推理文庫)

 最初に手に取った理由は、翻訳家が大瀧啓裕さんだったから。いやまあ、世の中には「この翻訳家さんなら間違いない」と信用する方がいて、実際、その方が訳された本は十中八九ハズレがないのであります。というわけで、本書もやはり大当たりの本。

 実はこの作品は昨年春に購入して一度読んだのですが、その時はじっくり丁寧に一文字ずつ追って読みました。年明けにまた読みたくなり、今回は、語り手ごとにわけて読んでみるという反則技? に挑戦。
 うーむ。どんな読み方しても、ちゃんと均整がとれていて、破綻のない作りになっていました。すげえ。

 個人的には次から次へと出てくる怪奇小説のタイトルや作家名がうれしくて、大興奮。「うんうん」「こうきたか」「じゃあ、あの詩人も出してよ」みたいな。内輪向けの喜びとでも申しましょうか。

 内容はというと、とある存在がいて、そいつの下僕たる「老人」が儀式に必要な人間たちを、必要な時と場所まで苦労して導いていく、といった感じ。主人公は「老人」と、操られ導かれる一組の男女。でも脇役も魅力的で、不思議な力を持つ未亡人、そま息子夫婦など、本当に緻密な描写が素晴らしい。

 私個人はカップルが出会い恋に落ちていくさまを演出して導いていく「老人」の手腕にほれぼれ。もちろん暗示にかかりやすい人間を選んだのだけれど。「老人」凄いぞ、偉いぞ、頑張れ、悪の手先!! 

 などとのんきなことを書いていますが、実際には非常に緊迫して、緊張感に満ちあふれた繊細かつ大がかりな小説です。

 英国幻想文学大賞をとったのもうなずける、読み応えばっちりの作品。気力がある方はぜひ。随所に伏線がはられていて、楽しいです。丁寧に読めば読むほど、いろいろなものが見えてくる一冊。





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最終更新日  2005年01月08日 18時19分49秒
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