生きてるだけでゼイタクです ~1/365のひとりごと~

生きてるだけでゼイタクです ~1/365のひとりごと~

2015年10月13日
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【前回までのあらすじ】
3年ぶりにアルムの山に現れたデーテ。
いきなりおじいさんにハイジをフランクフルトに連れていくと言い出しました。


。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *



「この3年間、ハイジのことを忘れたことなどなかったわ」

心にもない親心を切々と語るデーテ。

「ふとしたことからハイジがとっても幸せになれる話を耳にしたの。
 ハイジは何千人、いいえ、何万人にひとりの幸運にめぐりあったのよ!」
dete
「じらさないで言ってしまうわ」



フランクフルトで一、二を争う大金持ちの親戚がいる。
今年、12になる一人娘がいるが、足が悪くて丈夫でないから
一日中家にこもりきり。学校にも行かずにいる。
それを不憫に思った親戚がどこかに遊び相手でもいないかと
探している・・・・

という話でした。


デーテはその話に飛びつき、急いでその親戚の家に向かい
執事のロッテンマイヤーさんにハイジのことを話しました。
そして、是非とも連れてくるようにと言われたのでした。
dete rottennmaiyer
最初で最後の悪女二人の2ショット。


「どう?すごい話でしょう!」



「ハイジの行く末にどのくらいの大きな幸せが待っているか計りしれないのよ!!」


そして、デーテの本音がでます。


「もしも、お嬢さんに万が一のことがあってごらんなさい。
 あんなに弱いんですもの。どんなことがあるかわかりゃしないわ。
 おうちのひとだって、子どもがいなけりゃ寂しいでしょうし、

 その時はまるでおとぎ話のような幸せが・・・」

そうです。
デーテの狙いはハイジの幸せではなく、
お嬢さんが死んで、ハイジが養女になったときの
相続するかもしれない莫大な財産というあさましいものでした。


「おまえさんの話はまだ続くのかね?」

おじいさんがあきれ顔でいいます。


そんなおじいさんにデーテは言います。

「ハイジは8つになるのに何も知らないじゃない。
 村の人たちも心配しているのよ。
 姉さんの子だから、自分にはハイジを幸せにする責任があるのよ!」

「連れていけるものなら、連れていけ!!」

おじいさんは声を荒げます。

「訴えるとでもおっしゃるの?そうしたら、おじさんが忘れたがっている
 昔のことがほじくり返されて、洗いざらいさらけ出すことになるわ」
dete
デーテはおじいさんを半ば脅します。


onnji
「だまれ!!!!」
激高したおじいさんは木材を折ってしまいます。


「どこにでも勝手に連れていってあの子を腐れさせてしまえ!
 もう2度と、あの子を連れてわしの前に現れるな!!」

「じゃあ、連れていっていいのね?」

「ハイジがついていくわけがない」

おじいさんは、ハイジのことを過信し、
そして、デーテのことを甘く見ていました。


デーテはハイジの元へ行きます。
そして、フランクフルトに行こうと言います。
フランクフルトに行けば、今とは比べ物にならないくらいの
幸せが待っているといいますが、ハイジの答えは「行かない」の一点張り。

「私はペーターのおばあさんのところへ毎日遊びに行くの。
 私が行かなかったらおばあさんが悲しむわ。」

「帰ってきたときに会いに行けばいいじゃない。
 おばあさんの好きなものを お土産 にどっさりもってさ」


「お土産?」

ハイジの顔が明るくなります。

「じゃ、やわらかい白パンがいいわ!フランクフルトに白パンはある?
 今日中に帰ってこられる?」

「帰りたいときはいつだって帰ってこられるよ」

デーテはこのチャンスを逃してはいけないと、
ハイジに話を合わせます。
dete
チャンス到来!このチャンスを逃すわけにはいかないわ。

ハイジも、大好きなおばあさんのために白パンを買い、
おばあさんを喜ばせたい一心で
早く行くようにデーテを促します。

haiji





onnji
「ハイジ!!!!!!!」

まさかの展開。
おじいさんはただただ呆然とするばかりです。





その頃、林でたきつけ用の小枝をを集めていたペーター。
ハイジが急いで山を下りてくるのを見かけます。
peter

そんなハイジにペーターが声をかけると

「デーテおばさんとフランクフルトに行くの!」

驚くペーター。


おばあさんに挨拶をしたいというハイジの手を
無理やり引っ張っていくデーテ。


ペーターは家に戻ると、集めた小枝を乱暴にテーブルに置きます。


「デーテがハイジをフランクフルトに連れていったんだよーー!!!」

ペーターが大きな声で言います。

それを聞いたおばあさんはあまりのショックに
仕事道具の糸車を倒してしまいます。
obaasan

そして、

「デーテ、お願いだから、その子を連れていかないでおくれ!!」

おばあさんの悲痛な叫びが林じゅうに響きわたります。



デルフリ村に着くと、村人が急ぐハイジとデーテを見かけます。

「こういうわけでゆっくりしていられないのよ」

デーテはいかにもハイジが自分から望んで行っています
いうことをアピールします。



その頃、夕飯を食べているペーターとおばあさんとブリギッテ。
peter



「一体、ハイジはいつ帰って来るんだろうねぇ・・・。
 いいことも楽しいこともみーんな、なくなってしまったよ」


おばあさんはそうつぶやくとうつむきました。

すると、何かを思い出したようにペーターが家を飛び出しました。

一目散におじいさんの家へと向かいます。


おじいさんの小屋の扉を叩きますが、返事はなく
そっと開けると、そこにはおじいさんがただ静かに座っていました
onnji


ペーターに気づいたおじいさんは声をかけます。

「よく来たな。飯はまだなんだろう?」

「ううん、もう食った」

「そうか・・・」


ペーターは意を決しておじいさんに聞きます。

「おんじ、ハイジは、いつ帰って来るの?
 ねぇ、いつ帰ってくるの?」

「ハイジはもう帰ってこん・・・」

「どうして?!」

「ハイジはもう帰ってこないんだ」

突然の出来事を受け止めきれない様子のおじいさん。

「わしには信じられん。まさかハイジがわしからいなくなるなんて」

悲しみに体が震えるおじいさん。

「おんじの、おんじのバカ!!どうしてハイジを行かせちゃったんだ!!!」

ペーターはそのまま牧場へと
涙を浮かべながら走りだします。
peter


そして、牧場につくと
怒りと悲しみと悔しさの感情が爆発してしまいます。

peter
「ハイジーーーーーー!!!!!」



【ナレーション】
ハイジは一刻も早く白いパンをおばあさんに持っていってあげたい一心から
わき目も振らずに歩きました。
おばあさんの喜ぶ顔が見られるかと思うと長い坂も少しも苦にならなかったのです。




次回、「​ フランクフルトへ ​」

ハイジにもおじいさんにも試練の日々が始まります。


不定期更新中。
お楽しみにね♪





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Last updated  2018年09月26日 00時21分15秒
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