生きてるだけでゼイタクです ~1/365のひとりごと~

生きてるだけでゼイタクです ~1/365のひとりごと~

2024年04月22日
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カテゴリ: 死別しての12か月



1月16日に入院をした。

「いつ容体が変わってもおかしくない」

医者からはそう言われた



人が亡くなる時、

いちばんいいのは病院と言われている

医者がすぐに対処してくれるので何ら不審な点もなく

その後の手続きもスムーズにいくからである



突然死などを迎えると、

救急車は生きる可能性のある人しか乗せない


家族はただでさえ、何が起こったのか受け止め切れないのに

あらぬ疑いをかけられて心労がひどいのだという



旦那に回復の見込みがないとわかったときから、

私は緩和医と言われる医者を探していた。

万が一のとき、対応してもらいたかったからだ

しかし、コロナの全盛期

どこの医者も新規患者は受付をしていない

どうしてもみつからなかった

旦那にも言っていた

「もしも死ぬなら、病院で死んでね」

今思うと、残酷な言葉だ



自分の事だけ考えていた

間違ったことを言っているなど、微塵も思わなかった



そして、病院に搬送された

その間、家で介護するための準備を

病院のスタッフの方が一生懸命やってくださった



ベッドや訪問看護師や訪問医の手配

1週間で準備をした

旦那はその間、持ち堪えた

家に戻り、介護ベッドを入れてもらった

一番いいマットレスを準備してくれた

しかし、ガリガリに痩せ細った体には

意味がなかった

痛みがひどく医療用の麻薬を使っても痛みがひかない

トイレにも立てなくなった

口にするものはほんの少しの水

意識が前後しているらしく会話がおかしくなった

目が離せない状態になった

あまりの痛みに安楽死をしたいと言った

座薬が処方された

アンペックというものである

モルヒネだ

処方される薬は、訪問薬剤師の方が直接届けてくれる

そしてその場で清算

医療用の麻薬は高い

毎回、2万3万とかかっていた

少しでも長生きしてほしいと願う傍ら

このままこの状態が続いたらどうなるのだろう・・・・

綺麗事ではすまない

お金はどんどんかかる

お財布からも貯金通帳からもなくなっていく

「どうしたらいいのだろう・・・」

お金の不安・旦那が死んでしまう不安・一人になる不安

どこを見回しても不安しかなかった

旦那の痛みは増す一方 

痛みを取る術はない・・・・・

私にできることなんて何もなかった




2月2日

穏やかな顔をしていた

今まで見たことないくらい穏やかな顔

彼は旅立った

痛みも苦しみもないところへ

やっと解放された




一年が経ち、時間が上書きされる

彼は死んで

私は生きている

慣れることはないし

まだまだつらい

でも、現実を受け止める準備ができ始めた

それが生きている証







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Last updated  2024年04月22日 13時09分33秒
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