うまじい~の十行随筆

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2005.08.10
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カテゴリ: 随筆


<10時を過ぎた頃全員帰宅が許されたのですが、道路という道路は倒壊した燃える建物で塞がれ、歩きようがないので、川の土手づたいに市の北端にある自宅を目指すことにしました。
ところがこの土手も多くの負傷者が郊外に逃れようとして溢れています。その中に、ひどい火傷をしてよろめきながら歩いてくる、同じ中学の下級生がいました。(市内の中学校・女学校一・二年生は勤労奉仕で建物疎開の為の取り壊し作業をしていた。)そこで一緒に居た友達と相談して、帰宅を止めて彼を西の方の被害の少ない場所へ連れて行き、手当てを受けさせることにしました。彼を中にして三人で肩を組んで歩き始めました。土手のいたる所に動けなくなり横たわっている人や、火傷の熱さに苦しみ体を冷やそうとして川の中へ入っていく人も居ます。そして「水、水をください」と叫んでいました。彼も例外ではありません。「水をください。お願いです。水をください。」と何度も訴えました。
だが当時火傷を負った者に一度に水を与えると死を早めると教えられていたので、水のある場所に連れて行っても「少しだけだぞ」と言って二口か三口飲ませて我慢させては歩かせました。/font>

<その時、この傷ではもう助からないのではないか。だとすると、望みどおりに十分飲ませてやる方が良いのではないか。
いや、もしかすると生きるかもしれない。水を与えたために死んだら彼の命を私が奪ったことになる。
水を与えるべきか、我慢させるべきか、大変悩みました。/font>

そしてやっと見つけた救護所に彼を預けて、我が家へと急ぎました。 今でもこの事は私の記憶から離れません。 あの時せめて名前と住所を聞いておけば、後に彼の消息を家族の方へ伝えることが出来たのに、と悔やんでいます。
1時頃、雨が降り出しましたが、黒く油のような感じでした。たくさんの家が焼けているのだから、その煙のせいだろう、ぐらいに思っていました。それが放射能を帯びた恐ろしい死の灰を含んだ「黒い雨」だということを知ったのは、何年も過ぎたビキニ水爆実験の犠牲になった第5福竜丸の事件の時だと思います。


<県立第二中学校生徒の碑/font>

二中慰霊碑

<県立第一高等女学校生徒の碑/font>

県女の碑


<ヒロシマには、川辺や道端や街角や小さな広場の片隅に、大小、形もさまざまな姿で慰霊碑がひっそりと立っている。そして8月6日になると千羽鶴や花が供えられ、人々の足を留める。
/font>





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Last updated  2005.08.10 21:22:47
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