海砂のつらつら日記

海砂のつらつら日記

2008/08/05
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カテゴリ: 読書

恋文  連城三紀彦 (2008.8.5読了)


マニキュアで窓ガラスに描いた花吹雪を残し、夜明けに下駄音を響かせアイツは部屋を出ていった。結婚10年目にして夫に家出された歳上でしっかり者の妻の戸惑い。しかしそれを機会に、彼女には初めて心を許せる女友達が出来たが…。表題作をはじめ、都会に暮す男女の人生の機微を様々な風景のなかに描く『紅き唇』『十三年目の子守歌』『ピエロ』『私の叔父さん』の5編。直木賞受賞。(「BOOK」データベースより)


今更ながら、連城三紀彦さんの直木賞受賞作を読みました。
ミステリでないことはもちろんわかってましたが、連城さんの文章力の高さと、
ぐいぐい読ませる筆力なら、ミステリじゃなくっても楽しめるんではないかと思って。
想像以上に、感動しました。

5編とも、なんとなく今ではなくなってるような、優しい心根をもった人々が登場します。
昔の彼女が死期が迫ってると言って出ていく夫を見守る妻。
亡き妻の一周忌が終わった後、突然やってきた妻の母と暮らす男。。。等など。
私から見たら、「信じられない」ほどの優しさが胸を打ちます。

(だって、あまりにもどの話にも信じられない人が登場するので。。。)
どの話も素晴らしくって甲乙つけがたいのですが、特に「私の叔父さん」はじわじわ~と感動。
(ただ、ラスト・・・「ホントにいいの??叔父さん」って突っ込んじゃいましたwww)
もちろん、題材は「男女の人生の機微」なので、どろどろした部分もないわけではないのですが、
それより、お互いがお互いを思いやる心とかそのための嘘とかにじ~ん。。。(p_-)
う~ん大人の世界は奥が深い。
きっと、昭和時代の大人って同じ年でも私たちより本当の意味で「オトナ」なんだろうな~と
いつまでたっても子供気分の私は思ったのでした。

連城さんの人間に対する優しいまなざしが感じられる作品だと思います。
うぅぅん、他のミステリじゃない連城作品も読んでみようかな~






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最終更新日  2008/08/05 10:25:44 PM
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