海砂のつらつら日記

海砂のつらつら日記

2011/05/30
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カテゴリ: 読書

【送料無料】君の望む死に方


膵臓ガンで余命6ヶ月-。“生きているうちにしか出来ないことは何か”死を告知されたソル電機の創業社長日向貞則は社員の梶間晴征に、自分を殺させる最期を選んだ。彼には自分を殺す動機がある。殺人を遂行させた後、殺人犯とさせない形で-。幹部候補を対象にした、保養所での“お見合い研修”に梶間以下、4人の若手社員を招集。日向の思惑通り、舞台と仕掛けは調った。あとは、梶間が動いてくれるのを待つだけだった。だが、ゲストとして招いた一人の女性の出現が、「計画」に微妙な齟齬をきたしはじめた…。(「BOOK」データベースより)


「扉は閉ざされたまま(感想 こちら )」の続編・・・というか探偵役が同じです。
これ、もし前作を読む前に読んでいたら誰が探偵役かを考えるのも楽しめたかも。

前作は殺人を犯してから発覚するまでの話ですが、今回は殺人が起こるまでの話。
いつもながらいろんな設定を考えるな~石持さん。
殺人が起こるまでと言うちょっと退屈になりそうな設定にもかかわらず
最後まで読者をぐいぐいひっぱっていくのはさすがです。

自分を殺してもらおうと思っている日向が仕掛けるいろいろな手段を
梶間がいちいち気づくのがなんというか踊らされてるよね~って感じでおかしい。

殺したい人間と殺されたい人間。普通なら何の問題もなさそうだけど
そこに優佳が入ってくることでややこしいことに・・・。

それにしても、前作でも思ったけど優佳切れすぎじゃありませんか??
あまりの切れっぷりに前作同様犯人側(今回は被害者側か)に同情しちゃいました。

ネタばれなので反転 します)


日向なのか梶間なのかはたまた二人なのかは明かされていません。
でも、対決の時間と、小峰が救急車を要請した時間を考えると
望み通り日向が殺されたと考えるのが普通かな~
梶間を殺してしまったら正当防衛を主張しようと言っていたし。
それならすぐに警察呼びそうな気がする。
朝まで死体が発見されなかったんだとすると日向が殺され
梶間がそれを外部からの犯行に偽装しようとしたんだろうと思います。
(あっ、相討ちという可能性は残ってますね。)
他の方の感想をあさっていると同じ考えの方がいらっしゃったので
ちょっとホッとしました。



それにしても、この作品の中にはいろいろ癖のある人物が登場しますが
園田よりも比呂美よりも梶間の母がどうも好きになれない。
夫が忙しいという寂しさから夫の親友に隙をみせたことがこの悲劇の
もともとの発端だからということをもありますが
梶間には「自分から誘った」と言い、「日向を恨むな」と言いながら
なら何故そのことを墓まで持っていかないのかと思う。
しかも、ホントは限りなく事故に近い出来事だと思うのに、

まあ、ここは実際見ていないからそう思うのも仕方ないかもですが・・・。
自分の息子の心に大きな穴をあけるようなことをわざわざ言うなんて。。。
それまでは梶間は日向のことを恩人としか思っていなかったのに。

ともあれ、石持さんの作品はやっぱりおもしろいな~と感じた次第。





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最終更新日  2011/05/30 02:56:16 PM
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