2012年06月18日
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Optical-dispersion (1)
​(画像参照:Wikimedia)​
日本生まれの音楽ジャンル
Progressive Rock
プログレッシブ・ロック
を聴いてみましょう!

第3回 『代表曲のプログレ』


『プログレッシブ・ロック』

今回はその3回目

これまでは比較的聴きやすい曲を紹介して来ましたので
何がどう他の音楽と区別されるのか分かりにくい所があったと思います

本来のプログレの醍醐味を体感するにはやはり代表曲を聴くのが一番でしょう

という訳で今回は
代表的なプログレッシブ・ロック・バンドの代表的な曲を紹介いたします


フォーク、クラシック、ジャズなどをロックと融合した音楽と説明しましたが、
それだけならいわゆる『クロス・オーバー・ミュージック』 と
何ら変わる所がありません

プログレとクロス・オーバーとの大きな違いがあるとしたら
それは音楽的な形式にあるのではなく

鑑賞した時のある種の感覚的体験の違いにあると思います

『登山』 の醍醐味を問われた時の
ロッククライミングと山登りの違いを語るのでは無く
『達成感』 の話をしているのだという事に似ています


音楽を 『個々の楽器で奏でられた分離可能な音の集合』
の様に感じられている方にとっては

音楽はあくまで日々のBGM、カラオケで発散するイベントなどの
暮らしの中の一アイテムの存在に過ぎないのかもしれません

その様に思われる音楽の中にも、ある種の楽器をある種の卓越した人物が奏でた
音楽という言葉だけでは表現できない

『音空間』 の存在を感じる時があります

その様な音空間に触れた時、
奏でられた音楽よりも 奏でている人物の世界観に触れた様な
印象を受けるかもしれません

その 此処ではない何処か他の空間に連れて行かれる様な
又はその空間を表現したような厳粛な気持ちにされる感覚が

プログレッシブ・ロックと呼ばれる音楽の重要な要素だと言えます


サイケデリック・ミュージックから派生した音楽でもあるので、
トリップ感と混合されがちですが

ここでは音楽の持つ表現力の多様性が、様々な形で達成された姿として
珠玉の演奏の数々を聴くことが出来るカテゴリーと捉えて頂ければ

良いでしょう


それでは、順番に聴いて行きましょう♪



△▼ △▼ △▼
King Crimson - 21st Century Schizoid man
(1969)​
キング・クリムゾン - 21世紀の精神異常者

収録アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』
Robert Fripp 2 B w
Robert Fripp​
(画像参照:Wikimedia)

リーダーである、ギタリストのロバート・フィリップが
度重なるメンバー・チェンジを続けサウンドを変化させ
音楽を進化させて行った、ロック界を代表する金字塔的バンド

激しくスウィングしたジャズのインタープレイをロックに導入し

『戦争』『偏見』『人種差別』『貧富』など、
当時の暗躍に満ちた世相を象徴する様な

フリージャズに近いアプローチで騒乱と
狂気に満ちた衝撃的なサウンドで占められ

その後、突然訪れる静寂に安堵する様な
癒しのバラード『風に語りて』が続き

3曲目には 浮遊感と幻想美溢れるドラマチックな曲『エピタフ』が続く
と言った様に

本曲は独立した曲と言うよりは 静と動で構成された連作の一部として
収録されたものと捉える事が出来

唯一無二のサウンドを持つ コンセプト・アルバムとして
現在でも高い評価を得ております



△▼ △▼ △▼
Pink Floyd - Money (1973)​
ピンク・フロイド - マネー

収録アルバム『狂気』
DarkSideOfTheMoon1973
Pink Floyd​
(画像参照:Wikimedia)


プログレッシブ・ロックという言葉を生み出すサウンドを作り上げた代表格

大仕掛けが施された非常にスケールの大きいライブ・ステージを展開する
ロック・ミュージックにおいて当初から総合芸術を目指していた
数少ないグループです

タイトル通りお金をテーマにした曲で、冒頭で聞かれる効果音は
エンジニアのアラン・パーソンズが まだサンプリング技術が無かった時代に
テープを繋ぎあわせてレジスタの音を一ヶ月かけて編集したもので

効果音の他に聞こえる人の声は 関係者達にモチーフを与えて
自由に発言させたものを録音し
曲の内容にリンクする様に パーソンズが巧みに繋げて再構成したとの事です


この様に音楽に効果音を入れてストーリー性を際立たせて
個々の曲に連続性を持たせたアイディアは フロイドの代名詞となり

各界に多大な影響を与えました

パーソンズは後に、フロイドでの経験を生かしたバンド
アラン・パーソンズ・プロジェクトを立ち上げ成功させます



△▼ △▼ △▼
Genesis - Watcher of the Skies (1970)​
ジェネシス - ワッチャー・オブ・ザ・スカイ

収録アルバム『フォックストロット』
GENESIS (Peter Gabriel)
Peter Gabriel​
(画像参照:Wikimedia)


ポップ・スターのイメージのあるジェネシスが5人編成で
中心人物であったボーカルのピータ・ガブリエルと
ギターのスティーブ・ハケット在籍時に
当時全英チャート12位まで上がったアルバムの代表曲


当時ピーターの演劇的パフォーマンスと寓話的ビジュアルを持つステージが
欧州で評判となり ライブ・バンドとしての高い評価を得ます

クラシカルなアプローチの独特な幻想的サウンドが特徴で
サンプリング楽器の元祖である『メロトロン』を多用した
オーケストラ的アレンジはシンフォニック・ロックの代名詞となりました


ちなみにメロトロンとは単音で演奏したオーケストラの楽器音を
鍵盤の音程分録音したテープが仕込まれた特殊な鍵盤楽器で

鍵盤を押さえるタイミングで対応するテープが回り音声が流れるという
単純な仕掛け出来ていましたが

その使用によって 仕事が取って代わられると危惧した
オーケストラ協会と揉めた事で
連続10秒以上の再生が出来ない仕様に変更された程

この楽器の登場に 当時の演奏家は過敏な反応を取ったと言います

Mellotron
Mellotron (画像参照: wikimedia)

△▼ △▼ △▼
Emerson Lake & Palmer - Knife Edge (1971)​

エマーソン・レイク&パーマー - ナイフ・エッジ

収録アルバム『エマーソン、レイク&パーマー』
Emerson Lake and Palmer band photo
EL&P​
(画像参照:Wikimedia)


「キング・クリムゾン」 のボーカル ベースの グレッグ・レイク
「ナイス」 のキーボディストの キース・エマーソン と組んで
「アトミック・ルースター」のドラマー カール・パーマー を加えて結成した
伝説的ロックトリオ

本曲は エマーソンのヘビーなオルガンサウンドと
カデミックなクラシカル・アレンジが融合した
衝撃的なロックナンバーで

パーカッション的なジャズ・テイストの攻撃的なドラムサウンドと
リリカルで深みのあるボーカルの 相反する要素がマッチし
当時活躍するどのバンドにも聴かれない 唯一無二のサウンドが話題となりました


オルガンを激しく揺らし、鍵盤にナイフを立て、音を極端に歪ませる という
エマーソンのステージ・パフォーマンスは
ステージ上を動け無い キーボーディストの制約を打ち破ったものとして

ロック界に多大な影響を与えました



△▼ △▼ △▼
Yes - Roundabout (1972)​
イエス - ラウンドアバウト

収録アルバム『こわれもの』
Yes concert
Yes​
(画像参照:Wikimedia)


ロック界の鳩の異名を持つボーカルの ジョン・アンダーソン 率いる
卓越した音楽集団

本アルバムは
既にスターだったキーボーディストの リック・ウェイクマン を招いて製作された
ロックの歴史的名作でもあります

これまでは『クロスビー・スティルス&ナッシュ』的だったコーラスも
本作で独自のサウンドとして確立し
高度なアレンジの中に取り込まれた 有機的で重要な要素として
イエス・サウンドの代名詞となりました


又、鬼のような練習とリハーサルをするバンドとしても有名で

次作の『危機』レコーディング時にドラムの ビル・ブラッフォード
リハに次ぐリハでのバンド内に張り詰めた緊張感に耐え切れず
ドラムセットを抱えて逃げ出したという
真意の定かでは無いエピソードが残っている程の壮絶を極めた様です


因みに脱退したブラッフォードは その後キング・クリムゾンに加入し

ブラッフォードの後任として プラスティック・オノ・バンドや
トロントでのジョン・レノンのライブ「イマジン」などでドラムを叩いていた
アラン・ホワイト が加入し イエスのドラマーとして定着します



△▼ △▼ △▼

というわけで、いかがでしたでしょうか。

ロックと片付けるには、フォーク、ジャズ、クラシック寄りのこのジャンルに
少しでも触れる事が出来たのではと思います。


さて 次回は一体 何が 更新されるでしょうか ごきげんよう。






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最終更新日  2023年02月23日 20時32分13秒
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