本を読めば『道は開ける』

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8.πについて


10月5日の讀賣新聞朝刊に、前々回話題にした円周率暗唱の
世界新記録を樹立した方の記事が詳しく掲載されていた。

原口證(あきら)さん、58歳。記録5万4000桁(8時間40分)。

これははっきりいって凄い記録である。
友寄さんが4万桁暗唱を達成した時が54歳。かかった時間が17時間21分。

そして友寄さんの記録を破った慶応義塾大学生、後藤祐之さんは21歳で、4万2195桁を9時間21分。
(ちなみに後藤さんは、慶応日吉高で講演された友寄さんの話を
聞いて「やってみよう!」と思ったそうである)

年齢で友寄さんを上回り、時間で後藤さんを凌駕しているという凄い記録がでたものである。

しかし日本人は円周率が好きなのであろうか。このような話題が新聞の紙面をかざるなんて。

円周率、つまりπというのは、何か神秘的な感じを与えるというのは実感できる。

オイラーの公式というものがある。この公式は初めてみたとき不思議な感じがしたものだ。

ix
e = cos X + i ・sin X
(この式は「eのix乗=」という意味です)

i は虚数単位というもので 二乗すると -1になる想像上の数である。

普通の数(実数)は、プラス×プラス 、マイナス×マイナス ともに正の数になるので二乗してマイナスになることはない。

実在しないんだからわざわざ作る必要などないと思うかもしれないが虚数がないと簡単な2次方程式でも解がないものがでてきてしまう。

また、3次方程式になると解の公式そのものが虚数なしでは作れなくなってしまうのだ。

虚数と実数を組み合わせたものを複素数というが、一般の複素数を係数にもつn次の代数方程式はn個の複素数解をもつことがわかっている。(代数学の基本定理)

複素数の世界は架空の世界ではなく量子力学では、必然的に登場する。(これは後日書きたい)

eは自然対数という数でここでは単なる2.71・・・という定数と考えてよい。
(この数も重要な数ですね。機会があれば詳しくのべましょう)

オイラーの公式は、「虚数乗」というわけのわからないものが
三角関数の和として表現できることを表している。

さてオイラーの公式の X にπを代入してみましょう。


e = cos π + i sin π = ( - 1) +i・0 = -1

つまりですね、eという定数に 虚数 i×円周率 π乗という意味がよくわからないことをしたら - 1 という数になってしまったとさ。

不思議ですね。

『量子宇宙への3つの道』という本を図書館で借りた。著者はリー・スモーリンといって量子ループ量子重力理論の提唱者の一人。

表題の3つの道とは、「超ひも理論」、「ループ量子重力」、
「その他の理論」。

ループ量子重力に俄然興味が湧いてきた。


2004年10月06日 23時23分15秒


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