本を読めば『道は開ける』

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宇宙論 「宇宙96%の謎」


もうあの暑い夏は去ってしまったのだろうか。
それも少し残念。
チューブの「シーズンインザサン」を歌っておくべきだった。

ストップ・ザ・シーズン イン ザ サン 夏よ逃げないくれ
もう少し このままで いたいのさ ♪

だが私の夏休みの頃は、思いっきり暑く外出する気さえなく宇宙論やひも理論や、そんな本ばっかり読んでいてその影響がいまでも続いている。

というわけで、この日記も「ひもだ」、「宇宙だ」と、まだまだどんどんとマニアックな方向に、突き進んでいきそうな気配である…。

さて表題の「宇宙96%の謎」なのだが、何が謎かというと宇宙に占めるであろうと思われる質量の96%が正体不明なのだそうだ。

『宇宙96%の謎』(実業之日本社、佐藤勝彦著)によると

理論的に予測されるこの宇宙の質量の中で、

天体など、観測される物質の総量は4%

しかなく、残りの96%は目に見えない物質であるとのこと。
しかも残り96%のうち

暗黒物質(ブラックホールなど詳細は不明) 26%

であり、残り70%は正体不明(暗黒エネルギー)

だということである。

ようは96%はよくわかっていないということだ。

この本の著者は、宇宙初期に宇宙は急激に膨張(指数関数的膨張)をしたというインフレーション理論を唱えた著名な物理学者。
(インフレーションはアラン・グースが命名)

宇宙論というのは言ってしまえば、重力場の方程式(アインシュタイン方程式)を、えいやっと解くことで宇宙がどうなっているかを調べる学問である。

よく知られるように、重力場の方程式とハッブルによる観測結果から宇宙が膨張していることがわかった。

そして観測結果から宇宙の密度が(だいたい)わかったのだが、
夜空に輝く天体をいくら足し合わせても、規定の質量にまったく足りずブラックホール、ニュートリノ、エトセトラといくら足しても規定の量に達しません、ということである。

不思議ですねえ。この宇宙にはどんな見えない物質が存在しているのでしょうか?

さて、さて、実は現在観測された結果で非常に驚くことがわかりつつある。

それは、現在宇宙は加速膨張しているらしい

ということだ。

宇宙はゆるやかに膨張していると思われたのが、どんどん勢いを増して膨張しているらしい。これは宇宙初期のインフレーション以来の加速膨張が始まっているかもしれないのだ。

そして、その加速膨張を起こしている正体が真空のエネルギーというもので、ひょっとしたら暗黒エネルギーの正体かもしれないと考えられている。

ただ、ビックバンの初期のインフレーションの頃に大暴れして一息ついていた宇宙がまた、うなりを上げて暴れようとしているのかもしれない。

その結果どうなるのか、全くわからない。

一般相対論の考え方から、宇宙の膨張と言った時には、星々の距離が離れていくのではなく時空そのものが引き延ばされていくと考える。

次回には、現在考えられる宇宙の誕生のシナリオについて書いてみたい。

「相対性理論」の世界へようこそ ブラックホールからタイムマシンまで ( 著者: 佐藤勝彦 | 出...


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