
イスラム世界では、酒はご法度と決まっている。
が、4行詩『ルバイヤート』で有名なペルシアのハイヤームは大変な酒好きであった。
彼は
『一壷の酒があれば、心は王侯の栄華に勝る』
といい。
『恋するものや酒飲みが地獄に落ちたら、天国は人影もなくさびれよう』、
『塵をなげうって、酒を求め、常に美しき女を求めよ』
と歌っているほどだ。
彼の本業は数学・天文学で、詩は誰に見せるつもりでなく書いたものだから、そのまま本音と見ていい。
厳格なイスラム教徒は
『これは字義道りの酒でなく、神に近づく手段である』
と神秘主義的な解釈もするが、
『コーラン』には
「酒は止めたほうがいい」とあるだけ。
むしろ、天国に行くものは
『美酒の流れる川』を見るだろう。
とあるらしいので、絶対的な禁制というわけでもないようだ。
実際、今でも表向きの禁酒とは別に、
ウォッカに果汁をたらした自家製の酒を密かに楽しむ人が多い、
らしい・・・。
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