☆マルガリータ
「マルガリータ」のエピソードについて
マルガリータといえばテキーラのトップのオーダーカクテルです。
ジンでたとえるなら、マティーニと同じ座にあるといえるでしょう。
ここに面白い記事がありましたので、そのまま、掲載させていただきます。
かなり古い新聞のスクラップなのだそうですが・・・。
*マルガリータ カクテルの創作者記事*
今回使う資料に挟んでいた新聞のスクラップが出てきました。
小さな死亡記事で、もう年月で灼けている古い記事です。以下はその記事です。
『カルロス・エレラ氏。カクテル・マルガリータの考案者。
家族が明らかにしたところによると・・・
老衰のため、米カルフォルニア州サンディエゴの病院で死去。90歳。メキシコ市生まれ。バーテンダー。
ティワナでバーを経営していた1940年代、
「テキーラしか体質に合わないが、ストレートでは飲めない」
ショーガールのために、レモンジュースとコアントローで割った「マルガリータ」を考案。
世界的に愛飲されるカクテルのひとつになった。』
日本人でどれだけの人がマルガリータを知っているのかどうかわからないのに、
日本の新聞の死亡欄で紹介されることが不思議でしょうがないのです。
とにかくマルガリータを創作した人、ということです。
ただ、マルガリータの作者説というのは、後でも紹介しますが、
一番知られている、
かの 『ハンティング中に流れ弾に当たって死んだ婚約者への思い。』
という
ロマンチックなストーリーがありますが、それ以外にもいくつか読んだことがあります。
でも、記事中の創作が、1940年作というのは
“なき恋人へ”のエピソードよりも大分以前の作品であるという計算になりますよね。
確か一番広まっているストーリーは1960年からあとのエピソードのはずですから・・・。
出てきたスクラップは一般新聞記事として発表されたのだから、
ひょっとして本説かもしれないと思えたので、キープしていたのです。
メキシコで“マルガリータ”という名の女性がかなりいるらしいので、
カクテル名としてつけるバーテンダーが多くいても当然のようですよ。
このマルガリータですが、エピソードの云々でなく、このカクテル自体の誕生と脚光を浴び、スタンダードで息づく点に注目したいと思います。
*オリジナルカクテルの着目点*
現在でもさまざまなカクテルコンクールが行われていますが、
確かに現在では昔と違って、種類も豊富になりましたし、扱いやすいお酒が、多くなってきたのは周知のとおりです。
が、しかし、今日さまざまなカクテルが考案されているにもかかわらず、
以前からのスタンダードに肩を並べるぐらいのカクテルが創られていないのはどういうことか?という点です。
確かに、『コンクールに優勝しました。』・・・素晴らしいことだと思います。
デコレーションや、アイデア豊富なカクテル、発想がユニークなものも確かにたくさんあります。
ですが、現在のカクテルコンクールで、出品された作品が定着していないのはなぜでしょうか?
そこに注目しながら、このマルガリータの誕生についてのエピソードを記したいと思います。
このカクテルは、グラスのふちに塩でリムド(スノースタイル)してあります。
なぜだかわかりますか?
ただカクテルレシピを知って、上手に塩をグラスにつけるだけでなく、まずはこの点に注目しましょう。
諸外国で飲まれているテキーラのスタンダードな飲み方を、ご存知の方は多いとは思います。
ライム(レモン)をかじりながら、手で塩をとって、なめながら、テキーラを口に放り込みます。
このテキーラを女性が同じように飲んだときのことを考えてみてください。
確かに上品とはいえないのみ方ですが、現在の日本のようにおしぼりを出すのが当たり前でない環境でしたら、
男性も一歩引いてしますのではないか?という点です。
まして、いちいちお絞りで手を拭うのもめんどくさいし・・・。
この点に対しての配慮がマルガリータというカクテルの誕生のひとつの原点なのです。
手で塩やライム(レモン)を扱わずに、飲んでいただける、お客様に対しての気遣いや思いやりが息づいたカクテルなのです。
結局は、現在のカクテルコンクールは”作者の思い入れ”ばかりであって、作者のマスターベーションでしかないと思うのです。
(すみません酷評で・・・)
亡くなった恋人との話やコンテストの入選がヒットの原因だけではありません。
“作者自身の理想”でだけなく、意識を“飲む側へのサービス精神”に向けた表現が、
新しい味を創り出したというところを知って頂きたいと思います。
バーテンダーの皆さん、こんな思いやりを持って、サービスをしていますか?
一杯に命を注いで創りあげていますか?
レシピをちょっと知っているからとか、薀蓄を知っているかだけでなく、物を創りあげる原点がここにあると思うのです。
私は、そこが本当の意味でのプロの仕事だと考えています。
マルガリータというのは、スペイン語の女性名。英語のマーガレットにあたる。
(エピソード.1)
1949年ロサンゼルスのレストラン“テール・オ・コック”のバーテンダー
“ジャン・ジュレッサ”氏によって創られ、
その年の全米カクテルコンテストで入選したというもの。
マルガリータは若きジュレッサ氏の初恋の人の名前で、1926年、
2人はネバダ州バージニア・シティーに狩猟に出かけた。
その時、ミス・マルガリータは流れ弾があたり、ジュレッサ氏に抱かれながら永遠の眠りについた。
後年、忘れ得ぬ恋人の名を自ら作り出した会心のカクテルとし、コンテストに応募した。
(エピソード.2)
1936年、ホテル“ガルシ・クレスポ”のマネージャー“ダニエル・ネグレテ”がガールフレンドのために作ったというもの。
彼女はどんなドリンクにも塩と一緒に飲むのが好きだったが、
自分の指を塩の盛った皿に突っ込むのはチョットばかり抵抗があった。
そこで、ネグレテ氏は、グラスに塩をまぶしたカクテルを考えた。
ガールフレンドの名前は、もちろん「マルガリータ」だった。
このカクテルはテキーラのトラディショナルな飲み方、メキシカン・イッチ(MEXICAN ITCH)と深い関係がある。
この飲み方は、手の甲に塩を付け、それを舌でなめ、テキーラにライムを絞り込み、ぐいっとあおるもの。
(This Cocktail has a lot of kick in it.)
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