『詳説・コルンについて』
皆さんにとっては、あまりなじみのない酒ですが・・・。
ヨーロッパではポピュラーなお酒なので、
飲む機会があったらチャレンジしてくださいね。
不純物が少なく二日酔いもしにくいし、日本人でもなじみやすいお酒です。
もっと有名になってもいいお酒だと個人的には思うのですが・・・。
■Korn(独)コルン
■ドイツ特産の蒸留酒で、無色透明、癖のない味わいが特徴で、麦類などの穀物などが原料である。
ドイツ語では、穀物のことをコルン(Korn)と呼ぶが、
そのコルンを蒸留するところから、
主にコルンブラントヴァイン(Kornbranntwein:穀物で作ったブランデー)という名がつき、
略してコルンと呼ばれるようになった。
ECの規制によれば、
コルンとは
「小麦、大麦、オーツ麦、ライ麦、蕎麦だけを発酵、蒸留した酒、
あるいは小麦、大麦、オーツ麦、ライ麦、蕎麦を原料としたグレーンスピリッツから造られる酒であり、
一切香味づけしないもの」となっている。
ドイツはEC加盟国であるから、このEC規制にしたがって作られている。
さらに、ドイツ国内法では、アルコール度数を規制し、
通常のコルンは32度以上、
ドッペルコルン(Doppelkornまたは、コルンブラント Korn-Brannt)は38度以上と定めている。
ドッペルとは、英語のダブルにあたる言葉だが、
この場合「通常のものよりアルコール度数が高い」という意味である。
コルンのラベルには
Roggen(ロッゲン:ライ麦)、
Weizen(ヴァイツェン:小麦)、
Getreide(ゲトライデ:混合した穀物)
などと、主原料を表記したものが多い。
オールドを意味するAlter(アルター)は蒸留後6ヶ月以上、
Urkorn(ウルコルン)は1年以上それぞれ樽熟成させたもの。
現在コルンに関するECの規定には"一切香り付けしてないもの"とある。
従って、シュタインへーガーやキュンメルとは別のタイプの酒ということになるが、
ドイツではこのコルンのような蒸溜酒を、
シュナップス(Schnapps)と呼び、
ジンの項目で述べたシュタインへーガーも、シュナップスに含まれる。
つまり、無色透明で、アルコール度数の高い蒸留酒をシュナップスという語で総称しているわけである。
これは隣国オランダでも同様である。
また北欧のスカンジナビア諸国では、こうした酒以外にアクアビットもシュナップスと呼ぶ。
この場合には着色したアクアビットも含まれるので、必ずしも無色の蒸留酒ばかりとは限らない。
ハンガリーなどの東欧諸国でもシュナップスという語は、蒸留酒を指す言葉として使われる。