百花繚乱

百花繚乱

(詩) ノート




みんなが持っている

何もない真っ白なノートに

人々は

たくさんのことを書き込んでいく。


僕が書いたのは

僕と君とのたくさんの思い出。

君と出会った瞬間から書き込まれていったノートには

君と初めて手をつないだこと

君と初めてデートしたこと

君と初めてキスしたこと

そんなことが書かれている。


そしてノートはいつか

僕と君の思い出で真っ黒になって

何も書けなくなる。


やがて君がいなくなって

僕は書けなくなったそのノートを

涙を飲みながら、燃やすんだ。

また新しいノートに

また新しいことを

書き込むために。


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