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船に乗ろうと思う人の動機はそれぞれですが、中には映画の影響を受ける人も多いです。一番多いのが、【白い嵐】です。私も見たことがありますが、船に乗っているものだけではなく、教育や子供の育て方などについて考えさせられます。この映画は実際にあったことを映画としているので、現実の難しさをよくあらわしています。船に興味がある人も無い人も是非一度見てみてはいかがでしょう?
2006.09.24
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船で水を補給するときは陸上からホースで船に積み込むのだが、 水も有料の水と無料の水がある。水の取り方は大きく分けて3つ。 1、市から買う。 2、業者から買う。 3、工場などから無料でもらう。 買う場合は大抵問題ないのですが、無料の場合は問題有です 工場の水は工業用水を使っている場合が多いので、 当然水の質は悪い。船は水質の検査が義務化されているので 水道の水を業者に分析してもらうと、結果は基準外。内容をよく読んでみると、 大腸菌濃度通常の五倍。不純物の混入あり、土臭がする。 恐ろしい…今までこんなの飲んでたのか。人間って結構丈夫だなぁ。 しかしこのままでは危険なのでなんとか基準をクリアさせる必要がある。 さて何をするかというと、漂白剤を入れるのだ! 入れる量は清水タンクに1.5L。 確かに大腸菌いなくなりそうだが、そのうち人間もいなくなりそうだ。 こんなことをしているのはうちの会社だけかと思って聞いてみると、 他の会社も結構やっているのだ。因みに某フェリー会社もやっているらしい。 みなさん油断しないように。 タダだと思ってガバガバ飲んでると後でひどい目に遭うかも? タダより高いものはないのです。
2006.09.01
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さて、以前の日記の続きだが、 見事試験に合格し、免状を取得すると、その免状には 注意書きのようなものが書いてあり、その中には、 船長をしてはならない。という文面があります。 せっかく頑張ったのに これは嫌がらせではなく、経験の無い頭でっかちさんが 事故を起こさないための予防策なのだ。 免状を取得し、経験を積むことで船長への道が開けるのだ。 船は何億もする会社の財産だし、 何十人もの人命を預かっているのだから当然だろう。 免状についてだが、大型船用と小型専用は全くの別物である。 口述試験があるのは大型船用だけである。 小型専用は口述試験が無いので、法規などを理解していない漁船やレジャーボート等の事故が後を絶たない。 大きさは違えど同じ船どうし、互いにルールを守って安全に航海したいものだ。
2006.08.30
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船長になるためには国家試験を受け、 海技免状というものを取っていなければなりません。 この試験は受ける前に指定病院で健康診断を受けなければなりません。 ここでの検査項目は通常の身体測定と同じで、 身長、体重、握力、視力、聴力、胸部レントゲン、肺活量、等です。 因みに船員には一年に一度健康診断を受けなければならないという法律があります。 とにかくまずは健康診断をクリアしないと試験すら受けられないのです。 ピーターパンに出てくるフック船長は現代に生まれずに幸運でした。 必死に勉強をし、自信がついたので試験を受けようと思えば、 健康診断で落とされる。そりゃぁグレて海賊にもなります。 さて話を本題に戻すと、健康診断をクリアすればやっと試験です。 科目は、航海、運用、法規、海事英語です。 一科目90分で2日間行われます。 もし、落ちても科目合格という制度があるので 次に受けるときは落ちた科目だけを受ければ良いのです。 さて無事試験に受かれば免状取得…というわけには行きません。 筆記試験がおわると、口述試験があります。 これは試験官の質問に口頭で答える試験です。 丸暗記しかしてないと、細かいところを突っ込まれて落とされます。 しかもこの試験には受験資格が必要で、 船に何年以上乗っていないとならないという決まりがあります。 そして口述試験をクリアすれば晴れて免状取得です。 これで明日から船長だ!というわけには行きません。 …携帯の押し過ぎで指が釣りそうなのでまた次回。
2006.08.27
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陸上から孤立している船で大事なのはやはり水と食料だ。 今回は食料について。 食料は船食といい、船と契約している業者にファックスを送ると 持ってきてくれるし、沖売りという小型船で直接売りにくる場合もある。 私物などは陸上荷役中に買いに行くのが普通である。 なぜかというと沖売りが高いからである。 値段が尋常ではない。ドンベエやUFOは250円、ミネラルウォーターは300円。 値段が狂ってる。陸上の個人商店ならばとっくに赤字で潰れているだろう。 私も沖売りで買い物をしたことがあるが 船の大きさは15m程で物が置いてあるスペースは四畳半程だった。 その狭いスペースに食料、雑誌、日用雑貨、ビデオ・DVD(違法コピー品)等が 置いてある。当然種類は多いが物の数は少ない。まさに潰れそうな店の見本のような店である。 店主に何か買っていけと言われたが辺りを見渡しても たいして欲しい物も無かったが仕方なくカップラーメンを買った。 後でよく見てみると賞味期限が切れていた。 しかも気付いたの食った後だ。 あまりに腹が立ったので次の時に文句を言いに行くと、 「兄ちゃん買うときはちゃんと確認せんといかんばい」と言われた。 教訓「妖しい店では買い物をしない様にしましょう」
2006.08.20
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今度の台風は九州に向かいそうですねー。 海上はまた大荒れになりそうです。 以前の日記で危ないときは出港しませんよって 書きましたが実は絶対に出港しないとは限らないのです。 船の中での最高責任者は船長です。 普通の船長は危ないときは出港しませんが 会社としては少しでも利益を増やすために なるべく動いてほしいわけです。 当然船にはなんとかして出港できないのかと催促の電話が掛かってきます。 普通の船長は危ないときは出港しませんと会社に言いますが、 点数稼ぎに命を懸けているような船長の場合は有無も言わせず出港します。 こうなると乗っている方は悲惨です。 大荒れの海の上では船は40度以上は傾きます。 手摺りなどに捕まらなければ立っているのも困難です。 当直が終わり部屋に帰ると部屋の中は嵐でも通ったように散らかっています。 片付ける気力もないので寝ようと思っても揺れのせいで ベッドの上を体が横滑りしてとても寝れません。 たった一人ボケナスが交ざっているだけで 船の中は戦場に…
2006.08.17
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機能クレーン船による大停電がありました。ニュースなどでも大きく取り上げられ、同じ船乗りとして恥ずかしい思いです。クレーンの付いている船にも乗ったことがありますが、クレーンを上げたまま走るというのは問題外です。以前クレーン船に乗ったときは橋をくぐり終わったら、すぐに橋の写真を撮り何も壊してませんという証拠まで作っていたことがありますが、この船に乗っていたのはもはや船乗りではありません。船は図体が大きいので一度事故になると、大事故になることが多いのでその辺よく考えてほしいなぁこのごろ肩身の狭い船員より
2006.08.15
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船には司厨長という職業があります。船の乗組員全員の食事を作るのが仕事です。これがやはり人によりけりで、うまい人はすべて手作りで下手な人になるのと何でもレトルトです。船に乗っていると食費はすべて会社持ちになります。もし独身で船に乗っていると、船に乗っている間は光熱費はタダ、食費はタダ、住むところもタダです。その気になれば学校卒業してすぐの若い人でも3年~5年で1千万は貯金できます。私も実際に貯めた人を見たことがあります。私の場合はすぐに誘惑に負けてしまいますので全然貯まりませんが…
2006.08.14
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乗船中につき携帯からの更新です。やっぱりキーボードじゃないとつらい・・・ では本題 フェリーの装飾灯はとても綺麗だが実は法律違反なのだ。 船は夜間でもどちらを向いているか分かるように 船の右側には緑の灯火、左側には赤い灯火、 そしてマスト灯と船尾灯を付けなければならないと決まっているのである。 ではなぜフェリーはゴテゴテと灯りを付けているのかと言うと、 一つは綺麗で見栄えが良いから。 そしてもう一つは他の船に衝突しないためである。 船は一番前と、一番後ろに灯りを付けなければならないと決まっているが、 大型船の少なかった時代にはフェリーの灯りを 一つ一つが別の船だと勘違いしてその間を横切ろうとして、 衝突するという事故が起きることがあったのだ。 それを防止するために船全体に灯りを付けているのである。
2006.08.12
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公道を走るのに道路交通法があるように 船が海を航海するのにも法律がある。 しかしこの法律作った人のやる気がなかったのか、 かなり曖昧でいい加減なところが多い。 その一つが飲酒運転である。 酒を飲んだ状態で操船しては駄目だとはどこにも書いてないのだ。(良いとも書いてないけど) では飲酒状態で当直に立つことがあるのかと言うと、 ほとんど無い。船を操船しているものは、乗組員の命を預かっているのだから当然である。 しかし、実際酒臭い状態で当直に上がってきた人間も入る。 そういう人には一度警告をし、次にやったときには 即刻下船してもらう。早い話クビである。 やはり仕事中に酒を飲むのは海陸を問わず問題外ですな。
2006.08.12
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以前書いた日記でも触れたことですが、 船は急には止まれません。ではできるだけ早く止まりたいときは どうするのかと言うと、プロペラを逆回転させて止まります。 特に難しいことではなさそうですが、 これが大問題なのです。 船のプロペラは1分間に120回転以上の速さで回っています。 これを急に逆回転させると間違いなくプロペラの軸はへし折れます。 わかりやすく例えれば、 片手に5キロの鉄アレイを持って力一杯ねじって、 それを急に逆にねじって、みればわかると思います。おそらく脱臼&骨折で悲惨な目に合うはずです。 急停止とはこれほど危険なものです。
2006.08.11
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今回の台風は予測の付かない進路を通りました。 よく聞かれる質問なのですが、台風のときは恐くないの?ということ。 結論から言うと恐いです。が、映画等のように、 台風の中を無理して航海するようなことはまずありえません。 なぜならあまり揺れが大きいと運んでいる荷物が 損傷したり、船自体も波によって壊れる危険があります。 波の力は想像以上に大きいのです。2センチぐらいの鉄板ならば 簡単に曲げられてしまいます。 そして台風などの時化(しけ)の時に航海しない一番の理由ですが、 それは自分の身が危ないからです。 だれでも死にたくないのです。
2006.08.10
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よく映画などでは、船長が直接舵を取っています。(ハンドルのようなものを握って操船)しかし実際そんなことはないのです。船は階級社会です。航海士(免許を持った職員)と甲板手(免許を持たない又は経験の足りない部員)に別れています。航海士は海図と周りの状況を見てどういう風に船をよけるのが一番効率がいいかを判断し、そして甲板手に操舵号令を出します。なので、一緒に船橋にいるときであれば航海士や、船長が直接舵を握るようなことはまずありません。自分で直接やれば早いのですが、その仕事をする人がいるのに勝手にやるというのはやはり失礼です。結構面倒くさく、変わったことをしていますね。男たちの大和ついに出ました。
2006.08.07
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船の中では娯楽が限られていて、このごろの流行はDVDです。ビデオよりもかさばらないし映像はきれいだし。甲板長が(54歳)「今はみんなDVDもってるんだな。俺も見る機械が買いたいから教えてくれ」と行ったので若い船員が「PS2が小さくていいですよ。」とすすめた。それを聞いた甲板長はすぐさま買いに行き、出港ギリギリで帰ってきた。手にはビッグカメラの買い物袋。そして自慢げにこう行った。「これだろPS2って」よく見るとPSPと書いてある・・・まぁ確かに箱はそっちのほうが小さいしね。
2006.08.06
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グリーンフラッシュという現象をご存知だろうか?太陽が沈む瞬間に緑色に強く光る現象である。船の生活は4時間働き8時間休みということは日記にも書きましたが、16時から20時の当直に入るとちょうど日没時刻に当たるのでこの現象が見れるのです。グリーンフラッシュを見るにはいくつか条件があります。太陽が染む瞬間、出てくる瞬間。空気の透明度が高い。太陽の沈む速度が速い。(角度がきついとき)これらの条件が多くそろっているほどグリーンフラッシュは見えやすくなります。ちなみに水平線、または地平線以外では見れる確率が全然違ってきます。グリーンフラッシュが見れると幸せになれるという話を聞いたことがあり、学生時代は一度は見てみたいと思っていたが実際見ても幸せにはなってません。回数が足りないのだろうか?と思う今日この頃。実は今は東京に停泊中なのですが、そろそろ故障も直りますので更新の間隔が長くなりそうです。もし読んでいる方がいればよろしくお願いします。探してみると結構グリーンフラッシュの写真を掲載したページもあるようです。時間に余裕のある人は見てみてはいかがでしょうか。
2006.08.06
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船に乗るには船員手帳という手帳さえあればOKです。後は未経験でも雇ってくれる会社があればすぐにでも乗れます。しかし、それでは船長になるのは無理です。船は階級社会です。下から、甲板員、甲板手、甲板長、3等航海士、2等航海士、1等航海士、船長という順番になっています。船員手帳は誰でもすぐに発行してもらえますがそれしか持っていないと甲板長で止まってしまいます。それ以上上に行くには海技免状という物が必要になります。年に4回国家試験があるのでそれに合格しなければなりません。これを合格して船に乗り経験をつめば船長への道が開けます。30歳から船に乗ったという人を聞いたことがありますが、今は船長見習いだそうです。やはり一番必要なのはやる気のようです。
2006.08.05
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たまに船の衝突事故をニュースで報道することがありますがその時によく聞かれるのが、何であんなに広いところでぶつかるの?ってことです。船は車のように車線が見えるわけではありませんが実はあるんです。もちろん東京湾や大阪湾などの狭いところだけですが、狭い場所では浅いところが多いので、ここを通りなさいと決められています。狭い場所で対向車線の車が車が居眠りをしているとぶつかりますよね?それと同じことが船でも起こります。では広い所でぶつかるのは何でかというと、いくら広いところでも通っているところはみんな同じだからです。例えば東京から大阪まで陸上で行くと考えます。行き方はいくらでもありますが最短ルートはひとつですね?やはりみんな最短ルートを通りたいので結果的に船が密集するところがでてきます。そして船は車と違い急に止まったり曲がったりすることができません。船が全速で走っていて止まるまでには早くても2km程はかかります。船の速度は小さい船で時速25km、大きく早い船でも時速40kmほどです。向かい合った形で1km以内に船がいたらアウトです。大型船同士だと45秒で衝突する計算になります。船は舵をきって曲がるまでには時間を要するので前の部分がぶつからなくても後ろがぶつかってしまいます。なので船では6km~10kmぐらいの距離から相手の船にぶつからないように船の進路を変更するのが安全なのです。
2006.08.04
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船の労働時間は特殊な時間割になっています。1日に8時間労働が基本で、4時間働いて8時間休み。これを繰り返していきます。ちなみにその4時間の分類は0時から4時までの4時間組、4時から8時までの組、8時から12時までの組の3組で1日が回っています。船には大きく分けて2種類あります。国内を専門に航海する内航船、国外を専門とする外航船です。私が乗っているのは内航船です。船は荷物を運ぶことにより利益を得ているので、大体の船は入港、荷物を陸上に荷役、陸上の荷物を船に積み込む、出港という流れを延々繰り返し増す。しかしこのサイクルを延々繰り返れたのでは家に帰れません。そこで多くの船は3ヶ月働いて1ヶ月休むという変則的な休みの取り方をします。この1ヶ月間は平日旅行や家でゴロゴロして過ごします。
2006.08.03
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