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September 5, 2026
40年前の中国シルクロード――天ハ蒼蒼、地ハ茫茫 22ここからが西域
テーマ:
中国旅行記(210)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
第22回は敦煌つづき、1986年8月2日(土)です。記述や画像は当時の私たちの記憶であり、何かの正確な記録や証拠ではありません。
ホテルへ戻って昼食を食べ、午後からは、“西の果て”
陽関
*
へと出かけた(もう一つのロマンの地、
玉門関
跡には行けなかった)。80キロも彼方、一筋の道路をひたすらぶっとばしてゆくと、冴えわたる地平線(右下写真)に、ときに陽炎がゆらめき蜃気楼はおどる。
*陽関
北の玉門関と並んで南の関所、河西回廊防衛のため漢の武帝が建設。
王維
の「送元二使安西」には、「勧君更尽一杯酒/西出陽関無故人」~「友よ別れを前にして/さあもう一杯飲むがよい/夕陽の沈む西の果て/陽関過ぎればただひとり/酒くみかわす友もなく/君は行かねばならぬから」(一部をHannaの勝手訳)
いにしえの路
(みち) 陽関への道中で
沙漠をすぎ オアシスをすぎ
ふたたび 沙漠をすぎる
年月が砂嵐のように すぎてゆく気配がする
つらなる灼熱の山のすそに 幻の湖がかがやき
かわいた大地に 夢たちのぼる
いにしえの旅の路(みち)
山脈は消え 涸れ川も消え
ちいさならくだ草も消えた
地平が宇宙のように 続いてゆく 沙漠の路よ
たつまきに 神々は天から降りて 幻のオアシスにあそび
地平から地平へと雲をうかべる
果てしなき 砂の大地
やがてやって来たのは赤い砂丘の連なりだった。朝見た
鳴沙山
の白黒の世界と比べると、何という違いだろう。赤茶色の壮絶な砂丘は日焼けしたかのよう。砂はザラザラと粗く、固い石も混じり、所々黒い岩の破片が集まっているところもある。
陽関といっても関所自体は残っておらず、北側の
墩墩(トントン)山
に残る烽火台が現存するすべてだそう。写真は「墩墩山烽燧」の石碑(右上)とその烽火台跡(右)。右端にツアーメンバーが写っている。柵で囲んであって登れなかったが、周囲に広がる荒漠たる赤い土地に感動した。左写真は、陽関からさらに西、「西域」の景色。「ここからはもう西域」などとつぶやきつつ、粗い砂の国を散々撮影したり歩き回ったりした後、休憩所でまたまたスイカを食べた。実においしい、体にしみこむようだ。
休憩所にはおじさんが一人居て、バッジや何かを売っている。売るといっても木机の上に紙箱、そこにバッジを数種類並べているだけなのだが、中でもラクダのと天馬のとが、きれいな緑色なので買う(右画像。裏には「敦煌県博物館」の刻印があるので、本来博物館のお土産だろう)。
左写真は、壁にあった伝説の
天馬
の絵。漢の
武帝
が西域に求めた”天(あま)翔る馬”のことだが、説明書きには、
「天馬は、我が国の古代には神馬とも呼ばれていた。資料の記載によると、この馬は“蹋(=踏)石汗血”であり、汗は前脚の肩から流れ出て、太陽の下ではきらきらと輝く血の球のようになる。実際には、この馬は西域に産する各種の良馬を指す。上図の天馬磚(セン=れんが状のもの)は、敦煌三危山の唐代建築の遺跡から出土したもので、唐代の人が天馬の伝説をもとに制作した“天馬空を行く”の磚である。この馬は首を上げていななき、首の飾り布はひるがえり、長い尾を高く上げ、ひづめは空を駆け登る。まさに“一日千里(を行く)”の形状である」。
ところで、記憶があやふやだが、たぶんこの付近でイタリア人の観光グループに出会った。粗い砂地の熱い太陽の下で、彼らは陽気に笑いさざめいて歌ったりしていたので、気がつくと私たち三人はその中に混ざっていた。
その時、思い出した。私たちが通った中学で「帰れソレントへ」(ナポリ民謡)を原語で歌うという定期試験があり、カタカナの歌詞を覚えたということを。
そこで唐突に、私たちは歌った、♪ヴィーデオマル、コンテベッロ! スピラタントゥ、センティメント~……。イタリアの人たちは、喜んですぐさま唱和した。砂漠のまん中でカンツォーネ…何だかハチャメチャな気分で、熱唱。これぞ国際交流というものか。
陽関からの帰り、さらに一、二か所に寄った。右写真は忽然と現れた川。
党河
と思われる。
左写真(2枚をつないである)は「
巴彦布喇墩
」とかいう狼煙台の跡だ。ガイドブックには載っていない。今になってAIに訊いてみると、墩は塚という意味、巴彦布喇はモンゴル語で「豊かな泉」という意味で、ここは(党河が近いので?)水場のある狼煙台だったのだろうか。
他にも崩れかけた烽火台のような物が1カ所あった。
とにもかくにも砂漠、砂漠。道のわだちは我々のバスのもののみ、人工物は電柱のみ、という景色が続く。真っ平らな地平線も撮っておく(右写真)。夕方早めにホテルに帰り着き、休んだ。
つづく、次回Hanna、ダウンする!
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Last updated September 5, 2026 10:58:34 PM
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