270201 ミュージカル
メンフィス @ 赤坂ACTシアター 音楽: David Bryan 脚本: Joe DiPietro 演出: Ed Sylvanus Iskandar 出演: 山本耕史、 濱田めぐみ
、ジェロ、JAY’ED, 吉原光夫、原 康義、根岸季衣 (演出のエド・イスカンダル氏はニューヨークで活躍するインドネシア人。濱田めぐみさん目当てで観に来た舞台。彼女は黒人歌手役をみごとにこなしていた。山本耕史さんって、ぼくはまったく no mark だった。力を抜いたノリは、なかなかのものだ。1950年代の人種差別社会をこうして突き放して振り返ることのできる米国は、さすがといえば さすが。左の客がチケットをひらひらさせるので注意したら、すぐ直った。)
270331
Bela Bartok: A kékszakállú herceg vára (青ひげ公の城 Bluebeard's Castle) @ 東劇 指揮: Valery Gergiev 演出: Mariusz Trelinski 出演: Nadja Michael, Mikhail Petrenko
(ハンガリー語公演。ダークなオペラ、この闇は安部公房作品の漆黒だ。ミハエルさんのセンシュアルな美しさが闇を貫く光だ。一瞬、後ろ向きで全裸になるシーンあり。バルトークならではの警報のような旋律が残響となって残る。)
270331
Pyotr Tchaikovsky: Iolanta (イオランタ) @ 東劇 指揮: Valery Gergiev 演出: Mariusz Trelinski 出演: Anna Netrebko, Piotr Beczala, Aleksei Markov, Ilya Bannik, Elchin Azizov
(聞き取りやすいロシア語が際立つ流麗なオペラ。ネトレプコさんとベチャワさんの声の美質をあらためて感じた。ネトレプコさんの入魂と、映画出身のトレリンスキさんの映像演出で、盲目のイオランタが光を視る瞬間の歓喜をともに分かち合えた。マルコフさんのエネルギッシュなバリトン。)
270312
Jacques Offenbach: Les Contes d'Hoffmann (ホフマン物語) @ 東劇 指揮: Yves Abel 演出: Bartlett Sher 出演: Vittorio Grigolo, Hibla Gerzmava, Thomas Hampson
(変化に富んだ、演出し甲斐のあるオペラ。ホフマンが恋した3人の女性キャラを1人の歌手が歌い分け演じ分ける演出もあるそうで、今回のMET公演も当初はその予定だったが、事情があったらしく3人の歌手がそれぞれ歌う安全策だった。とはいえ大いに楽しめた。4人の悪役を演じる Thomas Hampson の存在も良し。)
270208
Annie (アニー) @ TOHOシネマズ西新井 音楽: Charles Strouse 出演: Jamie Foxx, Quvenzhane Wallis, Cameron Diaz, Rose Byrne, David Zayas, Bobby Cannavale
(うちの彼女と観映。最後のシーンで嗚咽した。スピーディな展開。キャメロン・ディアスさんが、かなり壊れた中年女役で登場していてビックリ。彼女がよくもこの役を受けたものだ。 上映中に右隣りに入ってきた4人家族が記録的にうるさかったが、うちの彼女が嫌がるので「注意!」できなかった。愛用の耳栓がなかったら死んでたな。)
270129
Gioachino Rossini: Il Barbiere di Siviglia (セヴィリャの理髪師) @ 東劇 指揮: Michele Mariotti 演出: Bartlett Sher 出演:Isabel Leonard, Lawrence Brownlee, Christopher Maltman, Maurizio Muraro
(Rosina役のイザベル・レナードさんが美しく、またみごとなメゾソプラノ。Almaviva伯爵役のブラウンリーさんは、黒人であることのハンディをよくぞ乗り越えたものだ。前近代の欧州の伯爵を黒人が演じるのは、最後まで視覚的に違和感があったが、それを通してしまうのがいかにもニューヨークの歌劇場らしい。作品は、第1幕は間延びしているが、第2幕は息もつかせぬ面白さ。)
読 書:
<図書館から借りて読了>
270510
政治の起源[下] 人類以前からフランス革命まで (講談社、平成25年刊) Francis Fukuyama 著、会田弘継 訳
(英国という国家が、ナンバーワン貴族たる国王が裁判権を行使することによって始まったという指摘は、英国を舞台にした演劇を見る上でも興味深い。売官や免税特権がいかに国家機構をむしばむか。国王と領主らの闘争が政治過程の重要な要素であること。ハンガリーがかつて大国であったことも驚いた。世界史と哲学史を包括した名著。)
270413
政治の起源[上] 人類以前からフランス革命まで (講談社、平成25年刊) Francis Fukuyama 著、会田弘継 訳
(原題 The Origins of Political Order
. 中国、インド、中東、西欧の社会構造の変革とその背景にあるロジックが語られ、じつに刺激的。この光で日本史も論じてもらえないか。親族集団による家産制支配をいかに克服して部族社会を脱皮するかが、国家誕生のポイントだ。)
270405
ある奴隷少女に起こった出来事 (大和書房、平成25年刊) Harriet Ann Jacobs 著、堀越ゆき 訳
(原題 Incidents in the Life of a Slave Girl
. 著者は文化10年生まれ、明治30年没。本著は、作者不明のフィクションと考えられて120年間も忘れ去られていたが、昭和62年に歴史学者が本著に注目して細かな裏付けを取った結果、事実に忠実な自伝であることが証明され、今や広範な読者を得るに至っている。日本でももっと注目されてよい著作だ。「奴隷である」ということが、いかに深い悲劇であるかが分る。)
270326
都市の誕生 古代から現代までの世界の都市文化を読む (河出書房新社、平成25年刊) P.D. Smith 著、中島由華 訳
(原題 City: A Guidebook for the Urban Age
. 短いコラムの集約スタイル、読みやすい。失われた文明への哀惜をひしひしと感じる。人口が急増する中、人類は都市化によってのみ生き残れる。都市を、発見多き豊かな空間に育てていかねば。|ロンドンの地質は地下140mまで分厚い粘土層なので地下鉄を通しやすかった。テムズ川の下に1843年にトンネルを掘り抜けた。円明園の破壊・略奪は、英軍捕虜殺害への報復だったという。)
270305
「Gゼロ」後の世界 主導国なき時代の勝者はだれか (日本経済新聞出版社、平成24年刊) Ian Bremmer 著、北沢 格 (いたる)
訳 (原題 Every Nation For Itself
. リーダーがいる世界は鬱陶しかったが、いなくなってみると不便なものだ。この本は「元気な中国、存在感のない日本」が前提になっており、今後急速に古びそうだ。)
270512
Slaves Waiting for Sale: Abolitionist Art and the American Slave Trade (The University of Chicago Press 平成23年刊) Maurie D. McInnis 著
(残されたアート作品を散りばめながら論じた歴史。画像も多いので読みやすい本だ。)
270508
Les Aventures d'Alice au pays des merveilles (Lirabelle 平成26年刊) Sebastian G. Orsini 絵
(アコーディオン式の切絵本。切った輪郭が焦げているので、おそらくレーザー光線で焼き切っているのだろう。)
270508
La Belle et la Be^te (minedition 平成26年刊) Gabriel Pacheco 絵、Jeanne-Marie Leprince de Beaumont 原作、Julie Duteil 再話
(『美女と野獣』。繊細な画風のパチェコ氏はメキシコ生まれで、メキシコ国立藝術学院付属演劇学校卒。)
270508
La bruja y el espantapajaros (Fondo de cultura economica 平成23年刊) Gabriel Pacheco 絵
(『魔女と案山子』。本文は無く、絵のみの絵本。)
270504
The Melancholy Death of Oyster Boy & Other Stories (Rob Weisbach Books/William Morrow & Company, Inc. 平成9年刊) Tim Burton 著
(詩画集。こんな素敵な本があるって、英語っていいね。)
270424
バーナード・リーチ日本絵日記 (講談社学術文庫、平成14年刊) Bernard Leach 著、柳宗悦訳、水尾比呂志 補訳
(原著は昭和35年刊A Potter in Japan, 1952~1954. 何とリーチ氏は旅をしつつ英文日記を謄写版で刷って郵便発信していた由。ブロガーの走りである。)
270415
QUITONASTO FORM CHANMAIR MAO TUNGEST (Archive of Modern Conflict、平成25年刊) Cristina de Middel 企画
(奇怪な表題は Quotations From Chairman Mao Tsetung のアナグラム。毛語録英語版を削ぎ落としつつ、写真を足して1,715部限定の写真集に仕上げた。)
270220
New York Drawings (Faber and Faber 平成24年刊) Adrian Tomine 著
(日系4世の米人。The New Yorker 誌の表紙絵を描いているメジャーなアーティストなのに、Wiki は日本語版記述なし。アドリアン・トミネの日本への紹介役を買って出たくなった。)
270220
Shortcomings (Drawn and Quarterly, Publisher/Montreal 平成19年刊) Adrian Tomine 著
(生活感に満ちたコミックストリップ。近藤聡乃さんのタッチを連想。)
270130
The Meaning of Art Penguin Books 原著 昭和6年刊、ペーパーバック版 昭和24年刊) Herbert Read 著
(アートを英語でも語れるようになりたいなぁと思っていたところだった。BBC放送の週刊文藝誌The Listener連載を纏めた本なので、読みやすい。)
270130/0215
What Is Called Thinking? (Harper Colophon Books 昭和43年刊) Martin Heidegger 著、J.Glenn Gray 訳
(語学本を書く過程で「思考とは何か」という問いに直面していたところ、この講演録に出会った。原著 Was Heisst Denken? は昭和29年刊。)
260917
Elisabeth Das Musical (Hitsquad Records 平成24年)
(初演25周年記念版。平成24年9月5日 Raimund Theater 公演から。)
260917
Broadway in a Box: the Essential Broadway Musical Collection (Sony Music Entertainment 平成24年)
(歴史的名盤25枚をLPレコードのミニチュア版仕立てにして解説小冊子つきでボックス売り。これで1万7千円なら安い。25作は、Annie; Anything Goes; Cabaret; Camelot; Carousel; Chicago; A Chorus Line; Company; Fiddler on the Roof; Guys and Dolls; Gypsy; Hair; Hello, Dolly!; How to Succeed in Business Without Really Trying; Into the Woods; The King and I; Man of La Mancha; My Fair Lady; Oklahoma!; Oliver!; Show Boat; The Sound of Music; South Pacific; Sweeney Todd; West Side Story.)