令060820
幻想のフラヌール 版画家たちの夢・現・幻 Visionary Flaneurs: The Dreams, Realities, and Visions of Artists | 飯田善國の版画と≪彫刻噴水・シーソー≫
@ 町田市立国際版画美術館
令060819
赤塚友里 展 | 木版画と造形 長澤's 二人展(朝子・博昭)
@ ギャラリー檜
令060814
高橋龍太郎コレクション決定版 日本現代美術私観 ひとりの精神科医が集めた日本の戦後 A Personal View of Japanese Contemporary Art | 開発好明 Art Is Live ひとり民主主義へようこそ Yoshiaki Kaihatsu: Welcome to One-Person Democracy | MOTコレクション 竹林之七妍 特集展示・野村和弘 Eye to Eyeー見ること
@ 東京都現代美術館
令060812
大竹夏紀 展 宇宙のどこかにある山
@ Gallery b. Tokyo
令060812
鈴木律子 展
@ アートスペース羅針盤
令060812
サイドコア展 コンクリート・プラネット Side Core: Concrete Planet | Kenny at On Sundays
@ ワタリウム美術館|Museum Shop On Sundays LightSeed Gallery
令060812
ヤノベケンジ:太郎と猫と太陽と
@ 岡本太郎記念館
令060812
アックス夏祭り 私の好きな名画たち
@ ビリケンギャラリー
令060806
Nam Euihyeon 展 The Garden(油画とブロンズ彫塑)
@ Gallery b. Tokyo
令060716
吉田克朗展 ものに、風景に、世界に触れる Yoshida Katsuro: Touching Things, Landscapes, and the World | MOMASコレクション シュルレアリスム宣言100周年(出店久夫のインスタレーションほか)
@ 埼玉県立近代美術館
令060713
内藤瑤子展 ザ・ビーチ・リヴァイアサン The Beach Leviathan
@ Gallery Face to Face
令060713
烏丸 京 展(カラーメゾチントの街景)
@ Oギャラリー UP・S
令060713
Mumon Art Project(石居麻耶、石野平四郎、井上裕起、加藤美紀、島﨑良平、藤田朋一、吉田涼香)
@ Gallery Mumon
令060712
ヱリス×太田絵理 二人展「無名女優」
@ Gallery Hana Shimokitazawa
令060710
矢尾伸哉 Eden-Garden 動物たちの庭園のフィールドワークあるいは生-アーカイヴに難破する技法 | 榊原澄人 個展 Iizuna Anachronicle ~杜の時間~
@ art space kimura ASK?
令060710
TRIO パリ・東京・大阪モダンアート・コレクション Trio: Modern Art Collections from Paris, Tokyo and Osaka | MOMATコレクション(20 Photographs by Eugene Atget | プレイバック「日米抽象美術展」| ジェルメーヌ・リシエ≪蟻≫ 海外作品篇)
@ 東京国立近代美術館
令060604
MET Live|Giacomo Puccini: "La Rondine"
@ 東劇
令060531
藝大21 創造の杜2024 「作曲家ペーテル・エトヴェシュ」 Péter Eötvös | Sirens' Song for orchestra (2020) | Speaking Drums - four poems for percussion solo and orchestra (2012/2013) | Focus - concerto for saxophone and orchestra (2021) | The Gliding of the Eagle in the Skies for orchestra (2011, rev. 2012/2016)
@ 東京藝術大学奏楽堂(大学構内)
令060515
富士フイルムグループ創立90周年記念コレクション展 フジフイルム・フォトコレクションⅡ 世界の20世紀写真「人を撮る」 Exhibition to Commemorate 90 Years of Fujifilm Group FUJIFILM PHOTO COLLECTION II Capturing the Human Experience: World Photography in the 20th Century
@ フジフイルム スクエア
令060515
Michael Kenna: 50 Years & Japan
@ Gallery Art Unlimited
令060503
大岩オスカール展 乱流時代の油ダコ Oscar Oiwa Exhibition: Oil Octopus in the era of turbulent currents
@ 渋谷ヒカリエ8階 8/Court + 8/Cube 1~3、4階 ヒカリエデッキ
(ヒカリエの建物壁面へのライブペインティングあり。ぼくが4階に行ったときペインティングはもう終わっていたが、サングラス姿の作家がおられた)
令060502
Ho Tzu Nyen: A for Agent ホー・ツーニェン:エージェントのA | 翻訳できないわたしの言葉 Where My Words Belong | サエボーグ: I Was Made For Loving You/津田道子: Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる | MOTコレクション 歩く、赴く、移動する 1923→2020 Eye to Eye―見ること
@ 東京都現代美術館
令060501
Makoto Honda Solo Exhibition 緑の狸 Green Raccoon Dog | Hiro Sugiyama: "Sculpture"
@ Lurf Museum
令060501
マイケル・ケンナ写真展 JAPAN / A Love Story 100 Photographs by Michael Kenna
@ 代官山ヒルサイドフォーラム
令060501
青山 夢 Yume Aoyama 見えない怪獣 Invisible Kaiju
@ Art Front Gallery
令060905
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? Does the Future Sleep Here? 国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ Revisiting the museum's response to contemporary art after 65 years (美術出版社、令和6年刊)
(2024年3月12日~5月12日、国立西洋美術館での特別展図録。1983年生まれのユアサエボシさんの所論がめちゃ面白い。架空の1924年生まれユアサヱボシは福沢一郎のもとで学び山下菊二と付き合いがあり猪熊弦一郎が力づけたという設定で、なるほど納得の作風解剖だ。|私塾兼アートコレクティヴのパープルームを運営する梅津庸一さんの溶解したパウル・クレーみたいなのもいいし、戦後にバリに沈潜するペインターFを措定してみせた小沢剛さんもイカす。|現代アート側の作家に大竹伸朗さんとかもってこなかったのは、大竹さん級のひとだとクッちゃうからだろうけど、そのいっぽう現代アート側の作家たちに「いいんだけど小粒」感もあり。)
令060904
村上隆のスーパーフラット・コレクション (カイカイキキ、平成28年刊)
(2016年1月30日~4月3日、横浜美術館の特別展の図録。巻末の豪タスマニア州 Mona オーナー David Walsh さんとの村上隆対談や、ご自身のコレクションのめり込みの経緯、魯山人の胡散臭さゆえの凄さについてなど、おもしろい。)
令060818
勘違いが人を動かす 教養としての行動経済学入門 (ダイヤモンド社、令和5年刊) Eva van den Brock・Tim den Heijer 著、児島 修 訳
(読みやすく、包括的。高校生のための心理学入門として絶妙。恩返しならぬ「恩送り」というすばらしい言葉を知った。自己紹介の目的が、お互いの共通点を見つけて連携しやすくするためというのも発見。ぼくはこれまで、とかく自分のユニークなところ、特異性を見せつけるのが自己紹介だと思っていた。|人はいつもと違う行動をするのが面倒。脳はじつはフル活用されているので、さらなる努力を避けようとするのが脳の戦略。意思決定の95%は自動的。人は選択肢を示されるのを好むが、選択するのは好きでない。人はいったん所有したものに高い価値を見出す。後悔を過度に大きく見積もる。|長い休暇の最後にイヤな雑用はしない。休暇の記憶じたいが台無しになる。|目標は具体的に想像するほど達成しやすくなる。カネや時間がないとき、人は近視眼的な反応をしてしまう。)
令060810
海の鎖 (国書刊行会、令和3年刊) Gardner R. Dozois et al. 著、伊藤典夫 編訳
(圧巻の Chains of the Sea は、ふつうのヒトとエイリアンのほかに、ヒトが感知できない妖精諸族(トミーだけは意思疎通できる)、そして主体的存在として地球の真の政府を構成する AI がちぐはぐに動き、ヒトはあっさり滅びる。1973年作だが、AI の肌感覚は的確。|Another Little Boy は面白半分の2044年にヒロシマに再度原爆を落とす、コンプラぶち切れのストーリー。|After King Kong Fell は、映画という虚構と、そこから飛び出す「リアルなキングコング」というメタ虚構、そしてそれを孫に語る今日のリアル――という三重構造がすごい。|The Last Jerry Fagin Show は、地球来訪前に地球のジョークを吸収しつくし最強のコメディアンになっちゃった、いわば ChatGPT 化したエイリアン。1980年作だ。)
令060725
気持ちが伝わる! ドイツ語リアルフレーズ BOOK (研究社、平成24年刊) 滝田佳奈子 著
(久々のドイツ語の学び。良書だが、キーセンテンスのカタナカ発音表示がアクセントを無視し、メインとなるダイアローグの文字が辞書なみに小さいのも惜しまれる。)
令060721
The Power of Language How the Codes We Use to Think, Speak, and Live Transform Our Minds (Dutton, New York 2023) Viorica Marian 著
(multilingualism が脳の無意識に与えてくれるプラスの効果をしきりに語ってくれる。それは creativity であり openness to experience である。dementia や cognitive decline も遅らせる。|移民の子供たちの教育で、子供たちの母語をないがしろにして不十分な教育を行った場合の社会的なツケ。一文惜しみの……だ。|bilingual だと多言語の干渉を inhibit することを脳がわきまえているので、さらなる言語を習いやすくなる。|数詞が短い言語の使い手は暗算が速い、らしい。だから(そうは書いてないが)漢字圏の生徒は優秀?|neurograins という microchips を脳内各所に移植する構想があるよし。|子供を育てるときに親が使う言語は、親が richest linguistic input (= larger vocabulary and better grammar) を子に与えられる言語であるべし。)
令060613
さいはての中国 (小学館新書、平成30年刊) 安田峰俊 著
(著者の見識と行動力と不屈の精神に打たれる。20世紀の中国について張戎 著Mao: The Unknown Storyを読めば足りるがごとく、21世紀の中国の本質を知るには安田峰俊さんの中国シリーズの肌感覚を体感すれば足りる。|習近平がターゲットの人格を破壊し過剰摘発をやらかすのは、文革の殺伐で培われた人格ゆえならんと。近平はインテリや穏健派から嫌われても、地方農民や都市部の貧困層から支持がある。それにしても河北省「雄安新区」の狂態には驚愕した;今後、北京から強制移住させられる市民が悲惨だ。内蒙古・オルドス市は、山手線の内側総面積に相当する鬼城がある。カナダ・トロント在住の ALPHA Education 創立者 Joseph Wong(王裕佳)の善辣さも強烈。歴史の事実に誠実に向き合うことなく無邪気な正義感に突き動かされて Iris Chang(張純如)の The Rape of Naking を仕掛け、カナダの教育界・マスコミに絶大な影響力。中共も笑いがとまるまい。)
令060610
Franny and Zooey (Little, Brown and Company, New York 1961) J. D. Salinger 著
(The New Yorker 誌掲載作。ひと癖ふた癖どころではない Frances Glass と Zachary Martin Glass のそれぞれの数時間をズームアップする。佛教への肯定感を帯びたキリスト教談義が織り交ぜられ、Jesus の祈りにはまった Franny がじつは Jesus の寺院での暴発や Jesus の人間至上の世界観 (人間は当然に鳥よりもすぐれる云々)
に反発した過去があるのもおもしろい。You're beginning to give off a little stink of piousness などと突っ込みに終始するかに見える Zooey だが最後に、Seymour がだいじにするよう言っていた the Fat Lady について "There isn't anyone out there who isn't Seymour's Fat Lady." と言い "That Fat Lady really is Christ Himself." と付言するとき、軽やかなカタルシスがおとずれる。|Jesus のことは Jesus のありのままを見るべきで、St. Francis of Assisi など別人の人生まで Jesus に読み込むなという Salinger の啓発は絶妙。When you don't see Jesus for exactly what he was, you miss the whole point of the Jesus Prayer. 解脱論を展開した箇所もある。the only thing that counts in the religious life is detachment. Desirelessness. Cessation from all hankerings.|Seymour 自死のホテルの部屋に残された3行詩: The little girl on the plane / Who turned her doll's head around / To look at me. |一茶の句という O snail / Climb Mount Fuji, / But slowly, slowly! は「かたつむり そろそろ登れ 富士の山」)
令060609
ゆく川の流れは、動的平衡 (朝日新聞出版、令和4年刊) 福岡伸一 著
(最初のうち『動的平衡』三部作に比べ格段に短い各篇がときにもの足りなくも感じられたが、それ以上にさらに多くを学んだ。おすすめの "Infinite Powers" もさっそく注文した。|かつてのスプーン曲げのスプーンは多分ガリウム。融点29度。|ロックフェラー大の恩師の扉文字「発見の障害になるのは無知ではなく既知である」|日本遺伝学会が「優性」「劣性」の訳語を「顕性」「潜性」に改めた。≪高校以上の教科書には術語の原語を併記するよう提案したい≫|≪遺伝子が運びきれない知恵を運ぶもの、それが文化だ≫|ヒトの子供時代は長い。≪なかなか成熟しないかわりに、遊びの中で学び、試し、気づく。これが脳を鍛え、知恵を育むことにつながった。こうしてヒトはヒトになった≫|≪表現者あるいは科学者がまず自戒せねばならぬことは、why 疑問に安易に答える誘惑に対して禁欲すること。そして解像度の高い言葉で丹念に小さな how 疑問を解く行為に徹すること。なぜなら、いちいちの how に答えないことには、決して why に到達することはできないからである≫|石炭紀以降の植物が化石燃料にならなかったのは、菌類が活躍しだして植物を糖やアミノ酸に変えて環境の循環に戻しはじめたため。)
令060606
英語の読み方 (中公新書、令和3年刊) 北村一真 著
(この著者は何かといえば「構文」の話に持ってきたがる。わたしは「語彙」志向だ。I read the entire vacation away. とか drink the night away を称して「専門用語で time away 構文などと呼ばれる」とあるのを読むと、こいつバカではないかと思う。read away, drink away という句動詞だろうが! perverse(ness) を「天邪鬼」と訳してスマシ顔をしているのも安易の極み。perverse の本義をまずは英英の語釈で示すべし。「天邪鬼」はコミカルで愛すべきものというニュアンスがあり、perverse の一側面に過ぎない。Otto Jespersen が The essence of language is human activity と書くときの language がなぜ不可算なのか、というあたりを解き明かすのが英語の本質に触れることにつながるのだが、この著者は冠詞への関心も薄い。本質的に英文和訳屋だから、和訳から捨象される英語の本質を見ていないのである。)
令060517
The Happiest Man on Earth: The Beautiful Life of an Auschwitz Survivor (Pan Macmillan Australia 2020) Eddie Jaku 著
(1920年 ライプツィヒに生まれた Abraham Salomon Jakubowicz の凄絶な一代記。図らずも happiness から最も遠い路を文字通り心身傷だらけで歩んだ Jaku を支えた、稀有なできごとと人のつながり。Hitler をあえて hate せぬが決して forgive しない Jaku にとって、しあわせであることこそが最大の revenge だ。)
令060428
Nine Stories (Little, Brown and Company, New York 1991 - copyright renewed) J. D. Salinger 著
(1948~1953年に The New Yorker 誌と Harper's Manazine に掲載の短篇9篇。いちように初めのうちは何がおもしろいのかさっぱりわからない文の流れで、これがもと光文社勤務の友人のすすめがなければ早々に読み進めるのを断念していたろう。読みやすいのは、在米日系 Yoshoto 夫妻との不思議な数ヶ月 De Daumier-Smith's Blue Period. そして圧巻は、サリンジャーの分身かと思われる10歳の天才少年 Theodore McArdle が Bob Nicholson 相手に輪廻転生を論じる佳篇 Teddy だ。その Teddy が引用してみせる俳句が2篇あり "Nothing in the voice of the cicada intimates how soon it will die," 蟬鳴くやいのちのゆくえ知らせざる;"Along this road goes no one, this autumn eve," この径を行くひとなくて秋の宵。以上2句は拙訳。)